今回は 『発禁アダルトビデオ史』 について書かせていただきます かなりアブないワードで私のブログに遊びに来てくださる方がいらっしゃるみたいですので 今回の内容はそういった方には興味が惹かれる内容ではないかと思います 本を読んでみましたが かなりひどい内容ですので 興味のない方はお読みになられないことをオススメいたします カテゴリーを ”エッチ系 ネタ” にしようか・・・ ”発禁・封印・放送中止” にしようか・・・と悩みましたが タイトル通りの 『発禁アダルトビデオ史』 ですので ”発禁・封印・放送中止” にわけさせてください それではお書きいたします
境界線はどこにあるのか・・・!?
ニッチなニーズ (潜在需要) を見つけて商品を開発するのは ビジネスの世界では常識───
だが あまりにも ”やりすぎ” のものはいささか抵抗を感じてしまう・・・
『猟奇AV』
『盗撮AV』
『カニバリズムAV』
『児童ポルノAV』
などの映像作品を世に出し続けているAV業界の黒歴史を振り返ってみると・・・?
発禁アダルトビデオ史
決して世の中には流通しない・・・
流通させることができない映像の最たる (さいたる) ものが 『スナッフフィルム』 だ
フェイクや事故ではない 娯楽としての殺人映像───
2008年末にはウクライナの若者が快楽殺人を行う動画が流出したが
これは ”娯楽映像” として流出したわけではないので
厳密にはスナッフフィルムとは言えない
本物のスナッフフィルムは存在しない・・・
それが一般的な認識なのだが───
1999年に
「ついに本物が!」
と騒動になった映像作品が日本から生まれている・・・
それが 『猟奇エロチカ 肉だるま』 だ
猟奇エロチカ 肉だるま
暴行によって意識を失った女性を犯し 生きたまま手足を切断・・・
切り開かれた腹部からは内臓が引き出されるというあまりにもショッキングな映像に
海外では ”本物” として疑わない者も多かったようだ
しかしその正体はAVメーカーのアロマ企画が製作した猟奇系アダルトビデオ
グロテスク極まりない内容は見るに耐えず
殺される女性を演じた女優が発売直前に飛び込み自殺を果たしたという ”いわくつき” の作品でもある
この作品の監督・穴留玉狂も惨殺シーンの撮影が特殊メイクなどによるものであることを明かしている
ところが正真正銘の人肉を切り刻み
あろうことか食してしまったAV作品があるのだ
AV界の鬼才バクシーシ山下が監督した 『全裸のランチ』 だ
全裸のランチ
『全裸のランチ』 に収められた焼き肉パーティー
このパーティーで焼かれたのは
なんと男優の男性器の先から切除したばかりの皮!
焼きあがった男性器の皮はAV女優の鈴木清良が本当に食べたのだが・・・
社会通念上タブーとされる 『カニバリズム (人肉嗜食)』 に当たると見られ
アダルトビデオの審査組織であるビデ倫 (日本ビデオ倫理協会) からNG通達を受け
真っ暗で音もない映像で・・・消されてしまった
また同作ではポッチャリ女優に脂肪吸引手術を施し (ほどこし)
取り出した脂でラーメンを作るというチャレンジクッキングも行っている
男性器の皮は噛み切れない牛ホルモンのようだったが
吸引した脂肪は臭くて食べられたものではなかったらしい・・・
人類最大のタブーに触れつつも
一部の場面を暗転処理しただけで済んだ 『全裸のランチ』
一方 社会的な問題に切り込んだ力作ながら
発売すらかなわなかった作品もある
アイエナジーからリリース予定だった 『北陸少女監禁事件』 だ
北陸少女監禁事件
タイトルからもわかる通りモチーフとなっているのは
2000年に発覚した 『新潟少女監禁事件』 だ
1990年に行方不明となった10歳の少女が9年後に19歳で発見・保護された事件は
当時日本中に大きな衝撃を与えた
メガホンをとったのは横浜の中華街で露出AVを撮影し逮捕されたこともある井上慎介監督
重大事件を扱った実録モノということで井上監督は事件資料を読み込み構想にも力を入れた
井上監督 「これはおかしい・・・
報道されていない真実があるはずだ」
主役にはキチンと演技ができる女優を選んだ
リアリティーを出すために殴る音ひとつひとつにもこだわった
井上監督 「悲鳴はもっとリアルに!」
『新潟少女監禁事件』 の概要 (がいよう) が明らかになった際 多くの者が
「母親は本当に少女の存在を知らなかったのか?」
という疑問を抱いたはずだ
井上監督は 『北陸少女監禁事件』 を通してそれらの不可解に切り込んだのだ
井上監督 「ここは母親も暴行に加わって!」
しかし・・・お蔵入りに・・・
明らかに実際の事件を題材にしており
事件では被害者と主張している母親を共犯者に仕立てたのだから・・・
事件関係者からのクレームは必至 (ひっし)
下手をすると名誉毀損で告訴される可能性もある
この事件では警察当局の不祥事や不手際が批判を集めていた
そのこともナーバスにならざるを得ない理由のひとつだったのかもしれない・・・
エログロ何でもあり 怖いものなしのようにも思えるAV業界だが
『北陸少女監禁事件』 でもわかるように
当局からの圧力や企業・団体からの抗議には強気ではいられないのだ
抗議一発でお蔵入りというケースも珍しくはなく
テレビや映画と比べて製作費が少ないということもあり
告訴されて裁判費用がかかるよりは
さっさと ”なかったこと (発売中止)” にしてしまった方が損害を大きくせずに済むというわけだ
ナンパAVではあとで警察に駆け込まれてゴタゴタしないよう
出演承諾書へのサインと免許証などの身分証のコピーを取っておくのが鉄則なのだが・・・
とあるレズナンパ作品の撮影時も その点にはぬかりがなかった───
作品名不明のレズナンパ作品
撮影はタクシーの中で行われたのだが
撮影用に借りきったタクシーの会社からクレームが来て発売後に回収の憂き目 (うきめ) を見ている
もちろん運転手には了承を得ているし タクシー会社の社名もモザイクで消した・・・
ところが 車体の色などからバレてしまったというのだ
そして運転手はクビに・・・
企画系AVでは定番のパロディーAVや激似AVも
クレームへの防御策としてさまざまな工夫が施されている (ほどこされている)
企画系AVの場合
常套手段 (じょうとうしゅだん) のひとつが固有名詞の一部を ”◯” で伏せる・・・
または 『激似』 『そっくり』 と目立つように銘打つ (めいうつ) 方法だ
芸能事務所が訴えてくる争点は 『本人との錯誤 (さくご)』
名前を伏せ字にしてあっても
それを見た消費者が本人と勘違いをして購入する可能性があれば訴える理由になる
そこでデカデカと 『激似』 と謳う (うたう) わけだ
ヒットドラマはもちろん アニメやゲームのパロディーAVも人気だ
上記のような理由でほとんど野放し状態だが ときにはリリースが取り止めになることも・・・
アダルトマスター
パロディーAVを得意とするTMAから2009年1月に発売予定だった 『アダルトマスター』 が
直前になって急遽 (きゅうきょ) 発売中止
メーカー側は
「諸般 (しょはん) の事情により」
と詳細な理由を明らかにしていないが
この作品の元ネタとなったアイドル育成ゲーム 『アイドルマスター』 のファンによる反発が原因と言われている
おそらく一部のファンは直接AVメーカーにではなく
ゲームの発売元・ナムコにクレームを入れたのだろう
通常なら黙認 (もくにん) するナムコ側も矛先 (ほこさき) を向けられて抗議をせざるを得なくなったのかもしれない
その反面 元ネタのパロディーAVを楽しみにしていた者も多く ネットでは
「予約していたのに」
「抗議した奴 出てこいよ」
などの声も多かった・・・
世界に比類なきAV大国・日本・・・がしかし
最近はネット上の無料動画に押され厳しい状況にあるようだ
AVメーカーは独自性を打ち出すために四苦八苦しており
凝った企画や過激さを売りにする作品が多く誕生している
そもそもSEX映像自体が社会通念から外れているのに
さらに道を踏み外した発禁AVは今後も生まれ続けることだろう・・・
そして その中でも抜きん出るためにはさらなる ”タブー” へと踏み込んでいかなければならないのかも・・・
闇に葬り去られたAV作品
児童ポルノ法違反、公然わいせつ、企業からの猛抗議など・・・
女優が18歳以下だった
有名ファーストフード店で撮影してクレームが来た・・・など 様々な理由で世に出なかったAV作品たち
そんな 『封印AV』 はどのように製作されたのか?
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<姉の免許証で年齢詐称してAVに出演する少女たち>
今や 小学生が人気アイドルグループに所属し 肌を多く露出する衣装を着て
脂ぎった男性ファンから視姦 (しかん) されまくる時代
アダルトビデオも ロリコン系の作品は大人気のようだ
しかし アイドルグループのように小学生を起用するわけにはいかない
一般芸能界に年齢制限などはないが
アダルト業界では ”18歳以上” という厳然 (げんぜん) とした下限が決められている
当然これは 児童を守ることが第一義であるが 中には児童本人が出演を望む場合もある
ときには 親が了承するケースもあるというのだから まったく恐ろしい時代だ
もちろん 本人や親が出演を希望しても 製作者側は絶対に受けいれてはならない
児童福祉法や児童買春・ポルノ禁止法を破り 18歳未満の者を出演させれば 起用した者が逮捕されるのだ
言わば メーカーや芸能プロ 監督らにとって年齢制限の遵守 (じゅんしゅ) は
児童以上に 自分自身を守るためなのだ
ブルセラや援助交際が低年齢化の一途をたどる中では 年齢確認には細心の注意を払う必要がある
小遣い稼ぎ感覚で あるいは芸能界デビューのステップとして (それ自体が勘違いだが)
AV出演を望む少女があとを絶たないのだ
身分証の提示は必要不可欠だが
中には自分とそっくりな姉の免許証やパスポートを持ってきて チェックの網をかいくぐろうとする者もいる
実際 1988年には村西とおる監督が
2005年にも菅野賢司監督がこの手法に騙され ともに16歳の少女を起用
理不尽にも逮捕に至っている
詐欺被害を受けた側が逮捕されてしまうのだから AV関係者が年齢確認に気を遣うのも当然だ
身分証を提示させる前に家族構成 (姉の存在) や干支 (えと) などをさりげなく訊いておくのも
詐称を予防するためのひとつの手だ
関係者にとって 実は逮捕以上に痛いのが 作品のお蔵入りや回収だ
ビジネスである以上 多額の製作費が水泡 (すいほう) になるのだけはどうしても避けたい
だからこそ 二重三重の年齢チェックを行うが それでも騙される
2010年10月 16歳の少女をAVに出演させたため
児童福祉法ならびに児童ポルノ法違反で芸能プロ社長ら2人が逮捕された
やはり 姉の免許証を使って年齢を偽った (いつわった) 少女の名は 『華希れん (芸名)』
全身日焼けした黒ギャルだった
パイパンであるのも武器になると考え プロダクションやメーカーは ”売れる” と踏んだのだろう
彼女の作品を一気に19本も製作
一部はすでに流通にも乗っていたので プリント代なども含めてかかった費用は相当のものだったはず
しかし 16歳であることが判明し すべての作品は販売禁止に
出荷済みだったものもすべて回収された
年齢の確認が不十分だったと言われればそれまでだが
顔写真付きの免許証やパスポートを見せられて それ以上のチェックなどをどのように行えばいいのか
被害を被った関係者にしてみれば
「百歩譲って逮捕はいいが かかった金をすべて返してくれ!」
と言いたいところだろう
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<阪神タイガースから猛抗議でお蔵入りになった作品>
出演者の年齢同様 AV関係者を悩ませるのが 各方面からのクレームだ
特に厄介 (やっかい) なのが露出モノ
ハウススタジオなどで撮られた作品ならば カメラに映り込むものをコントロールできる
しかし 露出モノは街行く人や看板 建物 車など ありとあらゆるものが映り込んでくる
また そうしたものが映り込まなければ 露出モノとして臨場感の欠ける作品になってしまう
通行人の顔にモザイクを入れるのは当然として
企業からのクレームを裂けるため 社名や商品名が書かれた看板にもモザイク処理が必要だ
そもそも 街中でAVを撮る行為自体 公然わいせつ罪に当たるのだから
撮影場所を特定する要素はできる限り排除しなければならない
街中である臨場感を失わず 場所を特定させない
このサジ加減が難しい
一時は流行ったが ファーストフード店内での撮影も危険だ
大手チェーンは テーブル イス 壁などが統一されている
ちょっとでも映り込めば 関係者はどこであるのか判断可能
それどころか 店内放送や呼び出しの音声からもチェーンを特定することはできる
ファミリー層が利用するファーストフード企業にしてみれば
「店内でいかがわしいことが行われていても放置している」
というイメージがついては たまったものじゃない
撮影の事実をつかめば 即クレームを入れてくるだろう
撮影場所や映り込んだ人たちから歓迎されたのにもかかわらず 回収処理を余儀なくされたのが
2004年1月に発売された 『阪神露出』
前年の秋 阪神タイガースとダイエーホークスの日本シリーズに沸く大阪の某繁華街
阪神ファンが集い テレビ中継を見ながら盛り上がる居酒屋にやって来たのは
阪神のユニフォーム柄のボディペイントを施した (ほどこした) 巨乳女性
店も客も ”仕込み” の可能性はあるが とにかく半裸女性の闖入 (ちんにゅう) は
苦情どころか 盛り上げにひと役買った
かくして何の問題もなく 『阪神露出』 はリリースに至ったのだが
モチーフとした阪神タイガースから猛抗議
裁判沙汰になれば勝ち目がないと悟ったメーカーは 泣く泣く作品を回収した
阪神の対応からもわかるように イメージを大切にするスポーツ競技も取り扱いに注意が必要
ただ スポーツ自体には何の権利も発生しない
どう扱おうが問題はないはず
1999年に製作された 『全裸フィギュアスケート』 に横槍 (よこやり) を入れてきたのは
日本スケート連盟だ
抗議内容には
「演技に躍動感や美しさが見られない」
との指摘も
では
「躍動感や美しさがあれば良かったのか?」
という話だが 結局 連盟からのクレームがキッカケで当局が動き
屋外リンクを使用していたことを理由にメーカー社長の高橋がなり (当時) と女優らを書類送検
作品もお蔵入りとなった