日本ではあまり知られていませんが、ジャック・リッチーは一昔前の短編ミステリーの名手です。 一昔前のミステリーの短編小説というと、ロアルド・ダールが有名ですが、ダールはちょっぴりおどろおどろしい話が多いですよね。 一方、リッチーはすべてユーモアが効いていてどんでん返しもあり、だいたいが殺人とは言え最後まで楽しく読めます。 タイトルになった話は、従業員が3人の小さな銀行が舞台です。 会計士が金庫の中をチェックしたところ、計算より10ドル多い。 たとえ10ドルでも計算が合わないと大問題です。 すると、ふたりの部下が別々に上司に心当たりを打ち明けるのですが……。 短編集なので、話の内容は身近なものが多いです。 特に妻を殺す話のなんと多いこと 妻にいなくなってほしいと思っている世の男性が多いと言うことでしょうかねぇ。 短編集となるとおもしろくない話がいくつかあるものですが、みんなおもしろかったです。
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