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化学探偵Mr.キュリー 喜多喜久

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* 化学探偵Mr.キュリー, 喜多喜久, 中央公論新社, 9784122058194 「製薬会社の現役研究員の著者が贈る、至極の化学ミステリ!」という帯紙である。なんとなく、東野圭吾とかの物理学者が探偵活動をする作品群を想像してしまったが、読んでみるとそれとはレベルが相当違った、というのが偽らざる感想。(東野も元は電機メーカ勤務でしたね。) 基本的な構成は、とある大学の庶務課(の女性新人職員)のところに持ち込まれる無理難題な謎を、かわりものの化学科准教授がばっさりと解くという短編の連作形式である。役割はいろいろ相違あるが、このあたりも東野の某シリーズと類似しているような気がする。 ま、それは置いておくとして、読んでいていろいろと引っかかる引っかかる。。。 理学部の准教授、つまり博士号をもっているであろう人物をつかまえて、ミスターなにがし、なんて失礼千万。それも学内の人間が。ありえないでしょう。 危険物取扱者の試験勉強ごときでは、ABC粉末消火器の中身がリン酸二水素アンモニウムだなんていう解像度はいらないでしょう。(甲種だといるんですかね。) 「液体クロマトグラフィー質量分析器」の機能を述べる説明的なセリフなんかがあまりに不自然かなと。せっかく設定している文系事務員に対して説明するように状況設定してあるのなら良いだろうが、そう書かれてもないし。だいたい、マスで分子量を検量できたからといって、なんの仮定もなしにどうやって構造式にたどり着けるのか。 だいたいなんでこの人たち、化学科なはずなのに、バイオ的な合成ばかりやっているのだろう。製薬化学科なんですかね。(笑) といったわけで、かなり残念でした。 化学探偵Mr.キュリー (中公文庫)


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