「万葉語誌」 多田一臣編
筑摩書房 筑摩選書 2014年08月15日刊 2,000円+税
万葉集の重要語150を選び、その語義を解説するいわば読む辞典。まず最初にその後の意味を示し、続いてその語が使われた代表的な歌を例に引き、詳しい解説をしている。一語につき2段組み2~4ページ。通して読んだわけではもちろんないが、拾い読みする楽しさがある。たとえば【ひと(人)】の語釈は次のようになっている。ヒトとは、本来不完全で茫漠とした、はっきりしない存在である。「我」とヒト、「神」とヒトというように、対置されるものによって顕在化する。対置されるものにより変化することから、「第三者」、「恋の相手」、「臣下」など、多様な意味に変化する。 (図書館から借りた本)