星降り山荘の殺人 著者:倉知淳 点数:80 本格推理小説2連発。こちらもかなり楽しめた。 前の「すべてがFになる」が、海の孤島だったのに対し、こちらは雪に閉ざされた陸の孤島。 そこで起こる連続殺人。バラバラ死体や密室のような大技は無いものの、 全員にアリバイがない中で「誰が犯人なのか」という観点で楽しめた。 そんな、ある意味普通の推理小説であるこの本最大の特徴は、なんといっても章前の注記。 「ここで探偵役が登場する」とか「伏線があるので注意」とか、推理小説にあるまじき親切さ。 が、この注記が一番のトリックというのがなんともニクい。 タイトル含め、全体がこのラストに終結するという点が、この小説の完成度の高さを表している。 森博司同様、倉知淳も、他の小説がこのレベルだと良いのだが。
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