内容紹介実業団駅伝、箱根駅伝と、正月休みはテレビで駅伝観戦するのが僕の楽しみとなる。テレビ中継されるような大会で走っているようなランナーの足元にも及ばないけれど、僕ら市民ランナーの代表として走ってくれているような感覚があって、他人事とも思えないのだ。そして、箱根の復路が終わると、正月休みももう終わりだなという寂しさにかられる。「サザエさんシンドローム」の正月休みバージョンだな。 今年は正月三が日の後に土日がくっついたが、この2日間は年明けからの仕事の準備に充てたので、結局箱根復路を終わって感じた寂しさを引きずりながら過ごしたのは一緒だ。でも、この仕事の準備を近所のコミセン図書室でやっていたことで、本書に出会えた。中学駅伝のお話、しかも、全国大会のような雲の上の話ではなく、県大会出場権をかけた予選会に臨むある中学の代表チームのお話だ。 1区間3km強、6区間で争われる予選会。主人公は各区間を走る選手たちで、タスキが渡るごとに一人称の主人公も替わっていく。6人のメンバーのうち、元々が陸上部で長距離の選手だったのはキャプテン桝井クンを含めて3人。これに助っ人3人を加わって、夏休み頃から練習を重ね、11月の大会に備える。 桝井クンの悩みは、十数年連続で県大会出場を果たしてきた駅伝チームの記録が、自分の代で途切れてしまうこと。しかも、自分たちを厳しく指導してきた先生が人事異動で他校に転出してしまい、代わって陸上部と駅伝チームの顧問を務めるのは、美術が専門の若い女性教師。頼りない先生に代わって、陸上部以外から3人の駅伝メンバーを確保するための人探しもしなければならない。 だから各メンバーが主人公となるストーリーの中には、駅伝チームの練習に参加するようになった経緯やら、メンバー間の葛藤やら、練習の苦しさやら、他のメンバーに対する思いやら、多くのことが含まれる。実際に長距離を走っておられる市民ランナーの方ならおわかりかと思うが、走っている間はいろいろなことを考える。自分のここまでの歩みを振り返ってみたり、周囲を一緒に走っている他のランナーの様子をうかがってみたり、自分の調子を自分自身に問いかけてみたり。いろいろなことを考える。だから、本書の構成は、実際の駅伝競走の展開ととてもよく合っている。読者の共感を得やすいストーリーだと思う。中高生に読んでほしい小説だ。 練習をサポートしていた生徒や、顧問の先生など、周囲の人々のストーリーも絡めて多面的に描かれるともっと面白かった気もするが、それでも十分楽しめる作品だと思う。 僕も中3の時、郡の中学校対抗駅伝大会の中学代表メンバーに選ばれ、11月に走ったことがある。準備期間は2ヵ月弱だったので、大した練習はしていなかったが、剣道の方は夏の中体連大会で卒業してしまい、生徒会で秋の運動会の企画と運営が10月に終わると、次の目標として駅伝の練習に打ち込んだ。お蔭で肝心の学業の成績の方は下落傾向に歯止めがかからず、祖母から「そんなことばっかりやっとるからあかんのや」と苦言を呈されてしまったが、駅伝が終わったら勉強に専念するからということにして、取りあえず練習は続けさせてもらった。(そこからがむしゃらに勉強して、なんとかすべり込みで第一志望校に合格できるところまで立て直せた。)35年経った今も走っている自分のことを考えると、中3で走った駅伝の練習は、僕の原点の1つだといえるだろう。 駅伝やリレーマラソンは思いを次の走者につなげるという面白さがある。1人で走るよりも、チームで走るのは楽しい。そんなリレーマラソンの今年初戦は、来週土曜日の予定である。
中学校最後の駅伝だから、絶対に負けられない。襷を繋いで、ゴールまであと少し!走るのは好きか? そう聞かれたら答えはノーだ。でも、駅伝は好きか?そう聞かれると、答えはイエスになる──。応援の声に背中を押され、力を振りしぼった。あと少し、もう少しみんなと走りたいから。寄せ集めのメンバーと頼りない先生のもとで、駅伝にのぞむ中学生たちの最後の熱い夏を描く、心洗われる清々しい青春小説。
『あと少し、もう少し』
「豪快! 両国夢想」第6話「神なるもの」その37
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『アジア人との正しい付き合い方』
『アジア人との正しい付き合い方』 小竹裕一 2008/12 著者はシンガポールで20年暮らした後立命館アジア太平洋大学准教授。 異文化交流についての本。 60年後にはイギリスの人口が日本を上回る。英国は移民を受け入れ人口増加が続いているが、日本は減少するためだ。 日本人の国際結婚について、85年から5,6年の間に「夫・日本人」の国際結婚が3倍になった。バブルと円高で海外から多数の若い女性が接客業で来日したことが背景にある。夫・日本人の場合、妻は中国人、フィリピン人、韓国・朝鮮人の順で多い。この3つで83%。妻・日本人の場合、夫は韓国・朝鮮人、アメリカ人、中国人の順で多い。 著者はシンガポールでマレー人と結婚しイスラーム教徒になった。マレー人は家族の食事時間がてんでバラバラである。家族の一人ひとりへの”しめつけ”がゆるいのだという。 欧米人は夫婦喧嘩をすると、「問題解決のためにもっと話そう」となる。日本人は頭を冷やすために一人になりたがる。 欧米では生まれたばかりの子供でも、どんなに泣き叫んでも一人で自分の部屋で寝かせる。部屋がなければ風呂場に置いてもいいという。 日本人の食事スピードはシンガポールの2倍は速い。 中国人のタクシー運転手いわく、「話す声の大きいのが韓国人、小さいのが日本人」。 フランスや中国でトイレを作る文化がなかったのは、水が不足していたから。 日本の友達と韓国のチング(友達)とは、距離感が違う。「チングのものは自分のもの、自分のものはチングのもの」と考える。 韓国、中国など儒教社会では見知らぬ人に(店員が客に対しても)不必要にニコニコしない。これは『論語』の「巧言令色少なし仁」によるという。 ノンバーバル(ジェスチャーなど)で世界共通なのは「人差し指をタテに唇にあてる」=「静かに」のサインのみ。
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第八十二話_short 大事な役割
山田さんは毎朝八時半にきっちり出社してきて、五時になったらすっと退社する。
「死刑囚の最期 -生への執着編- 第一章 『死にたくない』 死刑囚 朝倉幸治郎」
まず初めに少しだけ書かせてください
私は 「死刑」 という刑罰に対して肯定派です
たとえどんな理由があろうとも 『正当防衛』 以外で人を殺めた場合
極刑以外での罪の償いはできないと考えています
それは殺めた人の数に限らず また犯人の年齢に関わらず極刑にされるべきだとも考えています
ときどき 人を殺めた被告人に対して 『精神鑑定』 といったものをとり
犯行当時に責任能力があったか否かを調べる措置をとりますが
私はこういった措置をとること自体が間違っているのではないかと思っています
犯行当時 どんな状態だったにしろ人を殺めた事実に変わりはなく
殺めた理由についても 大概が身勝手なものばかりだからです
以前にも 「死刑」 という刑罰について私の意見を書かせていただいたことがあります
「死刑廃止運動」 をされている方々に対しての意見も書かせていただきました
気になる方・または私の意見を読んでみたいと思われた方は
「死刑」 という刑罰へのチナリの意見
をクリックして読んでみてください
最後にもう少しだけ書かせてください
私は 「死刑」 という刑罰に対しては肯定派ですが
実際に死刑囚への刑が執行されたというニュースが報じられたとき
その死刑囚がどんなに凶悪な事件を犯していたとしても
何かとても虚しい気持ちになり ずっとその犯人のことを考えてしまいます
それは死刑囚とはいえ ”尊い命” がこの世から消えてしまったという事実を突きつけられたからという思いと
それに加えて
「ほんの数時間前までは まだ生きていたんだよな」
という思いが湧き上がってくるためだと思います
例え どんな人間であれ 人が亡くなってしまうということは とても悲しいことです
それでも私は 「死刑」 という刑罰はなくしてはいけないものだと考えています
チナリより <(_ _)>
私は記事としてお書きする以上
”責任” を持って書かせていただいております
記事を読んでくださる方の中には
”死刑廃止派” の方もいらっしゃることと思います
もし そういった方から記事への批判コメントが書かれたとしても
私はすべてを承認させていただいたうえで
私自身のコメントとともに返させていただきます
ただ 自分の感情が入ってしまったからなのかどうかは知りませんが
初コメントに対して
私のことを ”お前” 呼ばわりされる方がおられます
ネット上における匿名性を利用しているので
そのような強気発言ができるのだとは思っていますが
初コメントをお書きになられる場合は
例え批判コメント・反対意見のコメントだとしても
できるだけ失礼に当たらないようコメントをされるのが筋だと思います
私は批判意見をお持ちになられる方がおられることをわかってお書きしています
もし 批判コメントや反対意見などをお書きになられる方がいらっしゃいましたら
せめてそのくらいのマナーを守ってお書きください
<一家を皆殺しにした上、ミンチにした男は最期まで卑屈 (ひくつ) なまでに従順 (じゅうじゅん) な姿を貫いた>
朝倉幸治郎
─ 事件概要 ─
1983年6月27日
東京都練馬区大泉学園で 一家5人が惨殺され バラバラに解体されるというショッキングな事件が発生し
東京都杉並区に住む不動産鑑定士・朝倉幸治郎が現行犯逮捕された
朝倉は競売にかけられた被害者の自宅を購入しており
明け渡しに応じない被害者とのトラブルの末の犯行だった
東京都葛飾区 東京拘置所にて
朝倉 「はじめまして 朝倉幸治郎です!!
いえ ××番です
お世話になります!!」
朝倉はそう言うとお辞儀 (おじぎ) をした
看守 「あ・・・いや・・・
今日からこの房を担当することになったのでよろしく頼むよ」
朝倉 「先生!
いろいろご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが
どうかひとつ面倒みてやってくださいまし!!」
朝倉はお辞儀の体勢のままそう言った
看守 「あ・・・ああ・・・」
朝倉の房を出た看守は区長と歩きながら話をした
看守 「××番はずいぶん腰が低いですねえ」
区長 「まあな・・・」
看守 「歳が半分以下のボクに対してもあんなに丁寧 (ていねい) に頭を下げて」
区長 「ま・・・ 手間はかからんから楽ではあるよ」
看守 「あんな温厚な人が5人も人を殺したなんて・・・
罪を悔いる (くいる) と人って変わるものなんですかね・・・」
区長 「お前も犯罪者は何人も見てきているんだろ
変に情を移すんじゃないぞ!」
看守 「はい・・・ わかってますよ・・・」
そう言うと 区長は看守を置いて歩いて行った
1983年 春
朝倉幸治郎は不動産鑑定士として忙しく働いていた
朝倉 「社長! いらっしゃいませ! どうぞお入りください!
こりゃあ かないませんなァ・・・
しかしまぁ 他ならぬ社長のことだ・・・
今回は勉強させていただきますよ! ハハハハ!!」
愛想 (あいそ) がよく 仕事も丁寧と評判で商売は順調だった
朝倉 「ありがとうございましたァ!!」
だが・・・実はこのとき 朝倉は大きな悩みを抱えていたのだった・・・
1983年2月
朝倉は東京都練馬区のある競売物件を1億280万円で落札していた
624平方メートルの敷地 (しきち) に建つ木造二階建ての家
そこには平井明夫さん (仮名) とその家族6人が暮らしていたが・・・
彼らに立ち退き料を支払っても利益は十分に出るはずだった・・・
ところが平井さんは あれこれと理由をつけてはのらりくらり立ち退きを引き伸ばし続けていた
物件の代金は全部銀行から借りたもので
その利子は毎月百万円近くにのぼった
転売先もすでに決まっていた
このままでは利子が膨らむだけでなく
転売先からは莫大な違約金を請求されることになる
朝倉は追い詰められていた
1983年6月27日 午後2時45分頃
朝倉は大きなバッグを片手に平井さんの家にやって来た
平井さんの妻 「はい・・・」
朝倉 「立ち退きの件で話しに来ました」
平井さんの妻 「主人が出かけておりますので・・・
またあらためて・・・」
朝倉 「じゃあ中で待たせてもらうよ」
そう言うと朝倉は勝手に家の中に入っていった
平井さんの妻 「困ります! 帰ってください!!
警察を呼びますよ!!」
そのとき 朝倉はバッグに隠し持っていた金づちで平井さんの妻の頭を何度も殴打した
平井さんの妻 「ぎゃああ!!痛いっ 痛い!!」
平井さんの妻を撲殺したとき
まだ赤ちゃんだった平井さんの次男が泣きながら母親のもとに近寄っていった
朝倉は赤ちゃんの背後から金づちを振り下ろした
さらに家にいた平井さんの三女の首を絞めて殺害
その後 朝倉は帰宅した平井さんの次女と平井さんも相次いで殺害
5人の遺体を風呂場へと運び解体を始める
あらかじめ用意しておいた道具は
電動切断機 包丁 ノコギリ 医療用手袋 ビニール袋
車も遺体運搬のために新たに購入したもので
ペーパードライバーの朝倉は事前に自動車教習所で運転の練習までしていた
このとき 平井さんの長女は林間学校で留守だったため 難を逃れている
『Wikipedia』 より
翌朝 隣家 (りんか) の主婦が急に連絡がつかなくなったという平井家の親族からの頼みで
家の様子を見にやって来た
すると 家の中から出てきたのは朝倉だった
朝倉 「この家の人はゆうべ引っ越しましたよ」
隣家の主婦 「ええっ そんな・・・」
主婦は朝倉の態度に不信感を抱き 警察へ通報
朝倉の犯行が発覚した
平井さんの家に駆けつけた警察官は 風呂場のその凄惨な現場には思わず絶句 (ぜっく) したという
再び 拘置所にて
朝倉 「こんにちは!!」
看守 「面会だ
いつもの市民団体の人たちだよ」
朝倉 「ありがとうございます!!」
ここでも朝倉は看守へのお辞儀を忘れなかった
市民団体との面会にて
市民団体の人 「私たちは死刑には絶対反対の立場ですから
一緒に戦って無罪を勝ち取りましょう!!」
面会後 房へと戻るとき 朝倉に区長が話しかけた
区長 「ああいう市民団体の人たちね・・・」
朝倉 「はい?」
区長 「あんまり会わない方がいいよ
ああいう連中と会ってると裁判の結果にも影響してくるから・・・」
朝倉 「!!
ほ・・・本当ですか!?」
区長 「ああ・・・ 本当さ
それに彼らは君を支援しようとしてるわけじゃない
自分たちの活動に利用してるだけなんだ」
朝倉 「・・・・・・」
その後 再び市民団体の人たちが面会に訪れたのだが・・・
市民団体の人 「会わないってどういうことです!!」
区長 「だから朝倉さんはあなた方とは面会したくないと・・・」
市民団体の人 「そんなはずはありません
先週も会ったんですから!」
区長 「とにかくそういうことですから・・・ お帰りください」
市民団体の人 「待ってくださいよ!」
市民団体の人 「こいつは権力の横暴 (おうぼう) だッ!!」
市民団体の人 「そうだ!! そうだ!!」
朝倉の房内にて
看守 「××番・・・ 俺がこんなことを言うのもなんなんだが・・・
遠慮なく面会していいんだぞ
これはお前の権利なんだから」
朝倉 「いえ いいんです もう会いません」
看守 「・・・・・・」
朝倉 「別に区長に言われたからじゃないんです
私自身が決めたことなんです」
看守 「そうか・・・ それならいいが・・・」
拘置所内での朝倉は模範囚 (もはんしゅう) そのものだった
どんな忠告でも素直に聞き入れ 刑務官には絶対逆らわなかった
1985年12月
東京地裁において死刑判決
1990年1月
東京高裁が控訴を棄却 (ききゃく)
裁判の展開は朝倉にとって厳しいものだった
1996年12月
最高裁は上告を棄却
朝倉の死刑が確定した
朝倉は死刑囚房へと移された
看守 「今日からここが××番の部屋だ」
朝倉 「ああ・・・ 前より広い部屋ですね
ありがとうございます!!」
朝倉は何度もお辞儀を繰り返した
死刑確定後も朝倉の態度は変わらなかった
その後 看守は別の死刑囚と会話した
別の死刑囚 「ありゃあ芝居ですよ 芝居!
あいつはただ死刑を免れたい (まぬがれたい) だけなんだ
それで心証 (しんしょう) を良くしようとしてあんな卑屈 (ひくつ) な態度をとってるんですよ」
看守 「世の中にはね・・・
自分の犯した過ち (あやまち) に気付いて深く反省できる人間がいるんだよ
お前なんかと違ってな」
別の死刑囚 「俺は死刑囚房に十年以上もいて何人もの死刑囚を見てきました・・・
いろんな奴がいましたよ・・・
死にたくないと毎日泣き叫ぶヤツ・・・
暴れるヤツ・・・
気が触れちまったヤツもいた・・・
だけど・・・ あんなバカ丁寧な態度の死刑囚なんて1人もいませんでしたよ
先生
あの男に殺人未遂の前科があるのをご存知ですか?」
看守 「殺人未遂・・・!?」
別の死刑囚 「雑誌で読んだんですが・・・ あいつは昔 親父の遺産争いでもめて・・・
実の弟の目ン玉をくり抜いたんです・・・
それで懲役3年を食らってるんです」
看守 「し・・・知らなかった・・・そうなのか・・・」
別の死刑囚 「そんなヤツが今度は一度に5人も殺して・・・全員をミンチにしたあとで・・・
後悔したり 反省したりするんですかね?」
看守 「・・・・・・」
2001年12月27日
朝倉の部屋に区長と看守がやって来た
区長 「本日 刑が執行されることになりました
お別れです」
看守 「・・・・・・」
朝倉に最後の食事が用意された・・・が
区長 「食べなくていいのかね?」
朝倉 「・・・・・・」
区長 「じゃあそろそろ時間だ・・・」
看守 「××番 今までのお前の態度立派だったぞ
最期までその態度で・・・」
看守がそう言ってうつむいていた朝倉の顔を見てしまった
狂気に満ちたその目を・・・
そして朝倉幸治郎に刑が執行された
享年66歳───
刑の執行後 看守は区長と話をした
看守 「朝倉のあの態度・・・ やっぱり演技だったんですかね・・・
死刑を免れるための・・・」
区長 「さあな・・・
だが・・・ あれが演技だったとしたら皮肉だな」
看守 「どういうことです?」
区長 「法務大臣だって人間だ・・・
いろいろと厄介なヤツの死刑執行のハンコは押したくないってことさ」
看守 「つまり朝倉のように従順で支援団体との交流も断つような模範囚は・・・
逆に最もハンコが押しやすいと・・・?」
区長 「俺にはこれ以上何も言えんよ・・・」
<引用させていただく前の注意点です>
Wikipediaさんでは 朝倉死刑囚のことは ”鑑定士”
平井さん (仮名) のことは ”賃借人” となっています
Wikipediaさんに載っています内容をそのまま引用させていただきますので
混乱しないようにお読みください
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鑑定士は当該物件に住む賃借人一家を相手に立ち退き交渉を始めた
旧地権者は賃借人一家の妻の父親であったが
賃借人一家は彼から立退料の吊り上げを要請されていたため 当該建物の占有を続けていた
鑑定士は立ち退きを求める裁判を起こすが 賃借人の
「裁判を取り下げれば立ち退く」
との言を受けて訴訟を取り下げた
しかし この賃借人の言葉は引き伸ばし工作であり
賃借人は取り下げ後も全く立ち退く気配を見せなかった
鑑定士は 逆に賃借人の息のかかったヤクザに脅されたことから
(実際には鑑定士の神経症からくる妄想であった)
精神的に追い詰められ 賃借人の殺害を決意し 5月下旬から一家殺害の準備をすすめた
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後記
そもそも、このストーリーのネタの元になったのは、「夢で見た」から。
高級マンションで、バイトで出会ったばかりの女子三人位で、お風呂に入る。
そこに、他の同僚たちがドヤドヤ予告なしに何故か部屋に入って来る。
何故かこの家は、自分が住んでいる。
その中の一人が非常に気に障る。
気にはなっているけど、気にしないようにしているが、そこから、逃れならない感覚になる。
夢では、服が脱げてそこでばっちり見らた。
けど、自分は、恥ずかしさを無視しして、その場を後にする。
その後、彼が自分の後について来るのだが、彼を否定しようと、逃げようと思っても、その人から何故が逃れられず…。
抱き締められて、心地よいとさえ思ってしまう…。
頭の中と、心の中と、自分の何の感覚を信じて良いのか、混乱、格闘する。
逃げるべきか、留まっても良いのか?留まってはいけない…。
ストーリーは展開する。
…服が脱げる要素は、ありえなさすぎるし、周りに人が居すぎたので、最終的にはカット。
それ以外は、謎、何故、どうして…という自分の問に、
理由づけ、肉づけから、ネタを付け加えて、ストーリーが出来上がっていた。
その時に、現れていたのは、夜の大きなガラス窓が印象的な、この、マンション。
「大きな窓」「夢」から、ネットで夢判断を検索した。
大きな窓が印象に残っている夢は、あなたがパッと気持ちが晴れるようなことや、ワクワクする楽しいこと を求めていることを暗示しております。
それだけ現実が厳しく、辛い思いをしているのかもしれません。
貼り付け元
舞田ひとみ、ダンスときどき探偵
<裏表紙あらすじ> 焼け跡から金貸しの老婆の死体が発見された。体には十数ヵ所の刺し傷があり、焼け残った金庫からはお金も債務者の記録も消えていた! 事件を捜査する浜倉中央署の刑事・舞田歳三(まいだとしみ)。彼にはゲームとダンスが好きな11歳の姪・ひとみがいた。行き詰まった事件の謎を、彼女の何気ない言葉が解決へと導く。キャラクターの魅力と本格推理の醍醐味が詰まった傑作推理小説。 歌野晶午の作品なので、無条件に「買い」ということで、文庫化されたら即買ったんですが、この「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」に関しては実は、あまり気乗りしなかったんです。 というのも、タイトルやあらすじを見ていただくと、どうも探偵役が11歳の少女。で、親戚の刑事を助けて事件を解決する、というパターンに見えます。天才少女名探偵、というところでしょうか。 こういうパターンの作品、世の中にいっぱいあります。 正直、歌野晶午が書かなくてもいいのに、なんて考えたのです。こんな世間に溢れた平凡な設定の作品なんか書かずに、歌野晶午らしい捻った素敵な作品を書いてくれれば、と。 ところが第1話 「黒こげおばあさん、殺したのはだあれ?」 を読むとちょっと様子が違いました。 あらすじも、よく見返すと微妙な書き方がしてあります。 「行き詰まった事件の謎を、彼女の何気ない言葉が解決へと導く」 彼女が解決する、のではありません。彼女の言葉が解決へ導く、なのです。 つまり、舞田ひとみは事件を推理し、解決するのではなく、舞田ひとみが放つせりふに触発されて、舞田歳三が推理して解決するんです。 なので、タイトルには若干「偽りあり」と言わざるをえませんが、個人的にはかえってその方がよかった。 と同時に、これでシリーズを続けるのは大変だろうなぁ、と思いました。 というのも、事件と直接的に関係がなかったりする会話から毎回毎回ヒントを得る、というのはその結び付け方が難しいと思うからです。 ということで、俄然、このシリーズを読む興味は、事件の謎そのものもそうですが、ひとみのせりふと解決の結び付け方、になりました。双方の距離感が遠い方がおもしろい。それでいて、あまりに遠いと「いくらなんでもそれで解決にはたどり着かないだろう」と感じられて困ってしまう。この点からも、構想が難しい連作です。 幸い、続巻「舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵」 (光文社文庫)も出ており、シリーズは順調なようです。 11歳の少女を探偵にしてしまうと、さすがに子どもに推理させるのはどうか、というような内容の事件は扱うことができません。現実には子どもの目に触れさせたくないような事件が溢れていても、それに直面させるのは酷だと読者として思ってしまいますし、直面しても大人の事情を推理させるのは無理を感じてしまいます。 ところが、本書の設定だと、そういった事件でも扱うことができるようになります。 その象徴的な作品として、第4話の「いいおじさん? わるいおじさん?」があります。 これがいちばんおもしろかったです。ひとみとのやりとりから真相への跳躍ぶりも抜群でした。 軽めの作品に仕上がっていますが、さすが歌野晶午と思える充実感でした。 「舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵」 (光文社文庫)にも大きく期待します。