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七星降霊学園のアクマ 05 ゲーマーズ購入特典ブロマイド

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七星降霊学園のアクマ 05エンヴィー・ブレイド のゲーマーズ特典ブロマイド あと2巻で終わるんでしょうか? イラストは夕仁氏 七星降霊学園のアクマ    05 エンヴィー・ブレイド (角川スニーカー文庫)

第十章 番外編  ~ そのいち ~

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「じゃあ今井、しばらく頼むな。」 「今井さん、会社が忙しい所、すみません。」 同い年のうちの社長と、その奥さん。 これから新婚旅行に行く。 「初めての長期休暇じゃないか?ゆっくりしておいで。」  僕は笑顔で見送った。 結婚式を挙げてから、数ヶ月は経っていた。 仕事の少ない時期を待っての新婚旅行だった。 僕はこの二人が大好きだ。 最初、彼女がバイトで入ってきた時から、近藤の様子が、今までの知っている近藤とは、何かが違った。 僕は、確信的な予感を懐きながら、そっと二人を見守っていた。 羨ましい位、二人の関係が仲睦まじいので、快く見送る。 本当に良かった。 自分の事の様に嬉しい。 一人でしばらく会社を任されることになった。 と、いってもあいつの仕事は済んでいるし、あとはいつものことだ。 「あのー、今井さんって、あの有名な今井建設の息子さんなんですか?」 あるバイトの女子職員に聞かれた。 有名? 「そうだけど…。」 「スゴイー!」 目が輝いてる。 「凄くないよ。」 とにっこり笑って、僕は返した。  …僕で凄いなら… と、近藤の姿が頭をよぎった。 近藤に初めて出会ったのは、高校の入学式だった。 自分は、一般的な家庭で育った。 貧しい時期もあったが、景気がよくなり、生活が一気に豊かになった。 父は、建設業を営んでいたのだが、かなり大手の会社である、近藤グループの傘下に入ったのだ。 父は仕切りに、僕と同じ年の近藤グループの息子の話題を出していた。 高校は、近藤グループの子供たちが通う私立学校を選ばされた。 入学式の直前まで、父から、跡取り息子の彼に取り入るようにと、教えられていた。 内心、面白くないのと、野心が芽生えていた。 どんなやつだと探そうと思ったが、それは無駄な事だった。 すぐわかった。 彼の周囲には人が絶えず集まっていて、彼は常にその中心にいた。 彼が、そうだ。 人当たりがよく、爽やかなルックスと会話、制服の綺麗な着こなし、身のこなし。 僕が思い描いていた、お金持ちの息子とは全く違った。 僕の隣で女子が騒いでいた。 「きゃー!あれが近藤くん!?格好いい!」 はっとして、自分のクラスの中に入る。 振り返ると、うちの教室の入り口には、他のクラスの女子が集まっていた。 女子と一緒に近藤に見とれていた。 最初から僕の野心は、二の次になってしまっていた。 誰もが彼に興味を抱いていた。 教室には、近藤グループの傘下に入っている息子たちが、先輩たちも含め挨拶にやって来ていた。 彼は、元々面識があるのか、臆する事もなく、「お久しぶりです。宜しくお願いします、先輩。」など、一人一人丁寧に挨拶していた。 僕らは、同じクラスだった。 仲良くなる…というほどでもなく、僕は距離を取っていた。 ただのクラスメイトとして、僕達は顔見知りとなった。 彼は、非の打ち所がないかのように、全てが完璧だった。 昔からの友人たちも多く、華やかな人物たちが彼を当たり前の様に取り囲んでいた。 だけど、表にたつのが得意、と言うよりは、たたされてしまうのだろう。 彼自信は控えめで、後ろから周りの様子をよく見ているような、そんな人物に見えた。 そんな穏やかな性格も、彼の良さを一段と引き立たせ、彼の取り巻き以外の、女子のみならず、男子にも人気があった。 一学期が終わる頃だった。 最初の進路相談があった。 希望を用紙に記入する。 僕は勿論、建築家。親父の後を継ぐ。 その為に建築を学べる大学へ進学する希望を書いていた。 前の席は近藤だった。 後ろから希望用紙を回した時に、近藤がそれをじっと見ていた。 「…何?」 と聞くと、こっちをじっと見て、 「…夏休みに、イサムノグチの展示会あるけど…行く?」 と、言った。 「行く。」 と、僕は即答した。 近藤は、にやっと笑って、希望用紙を前に廻した。 それから、近藤と僕は、長い付き合いになる。

第十章 番外編  ~ そのに ~

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「今井は、建築家になるのが夢?」 展示会を見終わった後だった。 少し、遠くの町まで来ていた。 電車の本数が少ない。誰もいないホームの椅子に座って話していた。 「一応ね。親父が建設業だし。」  そう言えば、言って無かった…。 「…実は、うちも近藤グループの傘下なんだ。」 この時初めて、打ち明けた。 「そんなこと言われても、近藤は困るだけだろうけど…。」 だけど、彼に黙っている自分が何だか気持ち悪かった。 彼がどう思うのか、気になった。 「そっかぁ…偉いな、継ぐのか…。」 「一応ね…。近藤は?継ぐんだろ?」  少し遠慮して聞いた。 「俺は…。」 「?」 「俺は、インテリアデザインをしたい。」  それは、少し想像と違う答えだった。 「建築家とインテリアデザインって、何か似ているかな?と、思って…。俺も初めて打ち明けてみた。」 と、近藤は、恥ずかしそうに、それでも清々しく言った。 「…に、似ているな!」 と、自分も恥ずかしさをこらえて、答えた。 嬉しかった。 そして、僕達は同じ方向の夢を追える仲間になった。 電車を降りて改札口を出るとき、 「将希君、お帰りなさい。」 と、駅員さんに声を掛けられ、彼もそれに「ただいま」 と自然に答えた。 その様子を黙って見ていたが、彼の方から、 「監視されているみたいだろ?」 と、その状況を皮肉って、優しく笑った。 彼は、本来の自分の姿とは違う、自分の立場というものを既に受け入れていた。 近藤がインテリアデザイナーになるのは、難しい事なのでは…?と、感じた。 彼は、いずれグループを背負ってたつ人間なのだ。 彼の難しい家の事情や、彼自身の問題も、そばにいて色々見てきた。 二人で色々話をするようになって、僕自身も女子に話しかけられる事が増えた。 「今井君、近藤君と仲良いよね。」 「近藤君ってどんな人?」  僕には無い経験だったので、嬉しかった。 クラス一番の可愛い子が言っていた時には、「誰々が、近藤君素敵って言ってたよ。」など、下世話な話を持ちかけた。 が、その事を近藤に告げても、近藤は特定の女子に興味を抱くことは無かった。 どの人も公平に扱うよう心掛けているようにも見えた。 後で知ったが、自分の後を継ぐ人はいないとの事。 自分はそんな心配をした事が無かったから、彼の深い考えに、自分の軽率さを恥じた。 高校を卒業する頃には、近藤は海外留学を決める事が出来て、自分も無事に大学進学できた。 「二人で会社を起こそう。その為に、沢山勉強してくる。」 と、お互いの目標に向かって進んだ。 数年後、二十代半ばだったが、お互いの実家の支援を元に、会社を設立した。 主な支援は勿論近藤家、という事で、近藤が代表となった。 いつまで一緒に出来るか分からないが、お互いの夢が叶ったことに喜び、ひたすら勤勉に働いた。 彼の背景が、仕事の色々な場面に影響する事が多く…(多くは優遇されるのだが)、面倒な付き合いが増え、思った仕事が出来ないという事で、彼は、自分の立場を隠すようになった。 彼の「立場を隠したい」「やりたいことがある」という事情も、理解しているつもりだ。 僕は、彼が思った通りにできるよう、環境整備に協力した。 いろんな人の協力が沢山あり、現在、やっと、会社としてなんとか成り立ちつつあった。 そして、近藤は、愛する奥様みつけ、新婚旅行に旅立っている。 という訳だ。 申し訳ないが、先に自分は、結婚もして子供もいる。 近藤が幸せになる事は、誰よりも、いや誰もが望んでいた事である。 あいつは、何処までも周りを優先にする男だなぁ…。と思った。  近藤が休暇を取って五日目くらいだった。 「今井さん、社長のお姉さんから伝言ありました。」 彼の秘書の清水さん。 「はい。何て?」 「五日後の社長の出勤日に、会社でお祝いしてあげて欲しいとの事でした。好きなケータリングを頼んで頂けるそうなので、考えておいて欲しいと…。」  彼のお姉さんからは、よく連絡が来る。この人の監視からは逃れられない。 「…お姉さんのケータリングねぇ…あいつが、そんな派手な感じの…好きかな…?」  僕は想像して笑った。 仲間内で、社内で簡単なお祝いをするか、行きつけの店に行くかだな…。 「…そうですね。」  清水さんも、そう思ったに違いない。 ふと、清水さんを見る。 この、状況に… 「大丈夫?」 「…大丈夫です。」 と彼女も察して、気丈に答えた。 「君も休めばよかったのに。」 「私はそういう訳には行かないので…でもいつもよりは、楽させてもらっています。」  この子も、気苦労が多い。 「近藤に付いて何年経つ?」 「6年…7年目になるでしょうか…。」 「結構長いね…。」 「近くで、色々見てきましたが…社長は、今が一番幸せそうです。」 俺も、そう思う。 「…早くいい人見つけるんだよ。」 と彼女の肩を手でぽんぽんと、軽く叩いた。 「はい、そうします。」 彼女は、哀しそうに、でも理解している。 笑顔を作った。 「ケータリングの件は俺から断っておくよ。今度買い出しに行こう。」 「はい。」  このことは、彼には黙っておこう。  きっと、気にするから。

2013年後半の5★和書(その4)

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野蛮な読書
野蛮な読書

野蛮な読書

  • 作者: 平松 洋子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/10/05
  • メディア: 単行本
エクソフォニー
エクソフォニー――母語の外へ出る旅 (岩波現代文庫)

エクソフォニー――母語の外へ出る旅 (岩波現代文庫)

  • 作者: 多和田 葉子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2012/10/17
  • メディア: 文庫
ダダ漏れ民主主義
ダダ漏れ民主主義 メディア強者になる!

ダダ漏れ民主主義 メディア強者になる!

  • 作者: 日垣 隆
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/05/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
はいと言わない大阪人
「はい」と言わない大阪人

「はい」と言わない大阪人

  • 作者: わかぎゑふ
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2011/08/20
  • メディア: 単行本
僕がいま死について思うこと
ぼくがいま、死について思うこと

ぼくがいま、死について思うこと

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/04/26
  • メディア: 単行本

第十章 番外編  ~ そのさん ~

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二人は、以前にも増して、仲良く帰ってきた。 そういう雰囲気だ。 本当に幸せそう。 今が、一番いい時期だ。 旅行中、ケンカとかしないのかなぁ。など、余計な想像をした。 「はい、今井さん、お土産です。忙しいのに一人にしてごめんなさい!」 彼の奥さんからだ。 年齢は僕たちの3,4歳下になるが、この年齢の割には可愛らしい人だ。 僕たちのやりとりは、友人の奥さんというより、バイト時代の感覚がまだ抜けていない。 「ありがとう!」 受け取ったのは、本、だった。 イサムノグチの洋書…。 「懐かしくない?」 近藤がそれを見て寄ってきた。 「懐かしいな…。」 選んだのは近藤だな…。 二人で、その本をめくった。 奥さんは、方々にお菓子を配っている。 僕たちは、二人で懐かしく、「これ、あの時見た」「この時お前が…」と言い合っていた。 … その様子を紗己子は遠くから見ていた。 あの二人、仲良しだなぁ…。 バイトの女の子が、 「今井さんって、今井建設の息子さんなんですって!近藤さんとは、どういう関係なんですか?」 と、聞いてきた。 その事実を初めて知って、 「そうなの!?」 と、驚いた。 それがどういう事なのか、いまいちピンと来てないが、今井さんの実家もお金持ちなんだと思った。 そして、 「二人は高校からの友達なんだって。」 と、微笑ましく教えてあげたのであった。 番外編おわり 2014.1 みなさまにとって、良い一年となりますように。

『擬態の失踪 模倣の消失 1』01/05/2013/04244

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19:59:40 barrel-house 12/18/2013





   擬態の失踪 模倣の消失 1




ことあるごとことわりの満願電池成就。まず出会いはと云わば大蛇(おおへび)の使い、頭(かしら)、首領の指、親指求められ、かれはあたしは一歩進み出てあばたは立っていたり至極ひょろ長くすこし青ざめていたりしてすこしはにかんでいた。東海の水は冷たいけれど高田馬場はもう干潟化していて列列列と云う混雑はない様子でとっちめられたことのある顔立ちを条件としていたからなのだった。ああきみがNJ君の湯がいていた人か、スプーンかフォークかああよろしくとキュビズムな顔立ちのOMはなだらかな大学から下りて来る口調のことを思い出す。その時私は(あたしは)雑司ヶ谷墓地のことでなく鬼子母神境内でのもしくは大鳥神社境内での「お代は視てからの」小屋を思い出していてかれと会っていたのかも知れなかった。かれが何を感じていたのかはむろん分からないそして知らない。その早朝の夢が伊勢湾台風の水かさと泥の色だったかどうかも分からないが確実にかれは冷たい唇を薄く佇んでいた野田と云う確信を持つ。机があり部屋の隅々が三種類の直角を慰めているノブのついたドアーをあたしたちは(いいえかれらは)開けたのかも知れないのだった、それが夢と云う並外れた事業計画の事実を語らねばならなかった。







気晴らし読書『地球移動作戦』

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地球移動作戦『地球移動作戦』(上)(下)
著  者:山本弘
発  行:早川書房
発行日:2011/5/15
文  庫:(上)321頁・(下)317頁

※左の表紙は単行本のもの


 


 

 

年明け最初の投稿なので、読んで明るい気持ちになる本を紹介したいと思います。
いちおう「気晴らし読書」という触れ込みですし…
ちなみに、この作品も同居人のばたおさんに貸してもらったもの

「BOOK」データベースの紹介では
「西暦2083年、超光速粒子推進を実用化したピアノ・ドライブの普及により、人類は太陽系内のすべての惑星に到達していた。観測プロジェクト“クリーンアップ計画”により発見された謎の新天体2075Aの調査のため、深宇宙探査船DSS‐01“ファルケ”が派遣される。船長のブレイドをはじめとする搭乗員たちによる観測によって、この星は24年後に地球に迫り壊滅的な被害をもたらすことがわかった。迫る厄災の報を受けた地球では、様々な対策案が提唱される。ブレイドの姪である12歳の天才少女・風祭魅波はACOM(人工意識コンパニオン)のマイカとともに、天体物理学者である父・良輔が発案・提唱した驚くべき計画の実現を決意するのだった…。著者入魂の本格長篇宇宙SF。」
とあるように、
SF小説なので、科学的な設定がいくつか有り、例えば「ミラーマター」(鏡像物質)や「ピアノ・ドライブ」(未来の画期的推進システム)といった」ものが登場します。

高校の頃、物理で0点近くをさまよった私としては、!?なのだが、それはフィクションだし、深入りを避けて読み進めることに。

なぜなら、そうしないと、せっかくの人間とACOMが織り成すドラマを味わうことなく、本書を投げ出してしまいそうだったので…

設定自体は非常に緻密で、科学に造詣が深い又は関心が強い方なら、どんどん深入りしてよりリアリティを感じることでしょう。

しかし、ラインもスマホもボカロも言葉でしか知らない私でも、今日の日本のIT状況を踏まえた設定なので、「あるある」の連続で、西暦2083年は、本当にこんな世界・日本になっているのでは、と思うほど。

また、挿入されている個々のエピソードそれ自体が、一つの作品を構成可能なほどのクオリティ
これだけのものを僅かなページ数で平気で終わらせてしまう、なんと贅沢なと思ってしまう場面に幾度となく遭遇しました。

例えば、「科学」に関する話題以外でも、「良心的無神論運動(CAM)」などは出色の出来栄えで、著者の宗教への深い理解を感じさせます。
作中のイスラム教徒のふとしたつぶやきもまた然りで、読み飛ばすことはできませんでした。
CAMに触れているのはわずか一頁未満ですが、現実の社会運動として登場して欲しいと思うほど。

文庫上下巻で合計600頁超の長編をつらぬくのは、「大きな力と正しい意思がひとつになって、世界は初めて変わる」(著者あとがき)という信念

軽い気持ちで、気晴らしに読み始め、本当に気が晴れる作品でした( ゚ー゚)♪

※本書は東日本大震災以前に出た本の文庫化なのですが、震災を思わせる描写があり、震災に便乗したという誤解を避けるために、印税を義援金として全額寄付するとのこと。
『地球移動作戦』文庫版印税を全額寄付します 

※著者は、こういう学習会のゲストもされているようです。どんな発言をされたんでしょうか。「ネット右翼」と真逆の立場の私としては興味津々
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関節運動等の呼称について 2

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 肩は腕を前に挙げるような動きが「屈曲」、後ろに挙げるのが「伸展」、外横側に挙げるのが「外転」、内側に動かすのが「内転」であります。上腕を体側につけて肘を曲げて前腕を外側に動かす動き、丁度横にいる相手に裏拳で当身を入れるような動きで肩は「外旋」に動き、上腕を体側につけて肘を曲げて前腕を内側に動かす動き、前にいる人の額を肘を曲げた状態で掌で引っ叩くように動かせば、「内旋」の動きをすると云う事であります。  肘を曲げるのは「屈曲」と云う動きで、肘を伸ばすのは「伸展」と云う動きであります。腕を水平に上げて行うと「屈曲」が「水平内転」、「伸展」が「水平外転」であります。ここでは「屈曲」と「伸展」のみ使えば煩わしくないでありましょう。肘の運動はこの二方向のみでありますが、多少「外転」「内転」方向に遊びがあります。  前腕の動きは、上腕を脇につけて肩の動きを固定した上で、掌を上に向けるような動きが「回外」、手の甲を上に向けるような動きが「回内」であります。「回内」運動の時には橈骨と尺骨は交差します。合気道で四ヶ条を締める時に用いる前腕の螺旋運動であります。  手首は掌側に曲げれば「掌屈」或いは「屈曲」、甲側に曲げれば「背屈」或いは「伸展」となります。また親指側に横方向に曲げれば「橈屈」、小指側に曲げれば「尺屈」です。「橈屈」とは橈骨側に動かすから、「尺屈」は尺骨側に動かすからそう云われるわけであります。「橈屈」「尺屈」は「屈曲」「背屈」程の可動域の大きさはありません。  股関節は脚を前に上げれば「屈曲」、後ろに上げれば「伸展」と云う運動が起こり、外横に開けば「外転」内横に動かせば「内転」、内股にするように捻れば「内旋」、外股ならば「外旋」と云う運動が起こります。股関節は身体運動を支える土台の強さに関わる関節であります。依って柔らかで可動域を広く取れるようにしておく事が重要でありましょう。  膝は折り曲げるのが「屈曲」、伸ばすのが「伸展」であります。この二方向だけでありますが、多少「外転」「内転」「外旋」「内旋」の遊びがあります。上肢の肘と違って、膝は半月板があったり膝蓋骨があったり、関節内に前十字靭帯や後十字靭帯があったりと複雑な構造を持っています。これは股関節と連動しながら、重量と身体運動を支えるために、膝が如何に重要で微妙な役割を担っているかを左証するものでありましょう。  足部は、空手の後ろ蹴りをする時のように、踵を突き出すような動きが「背屈」で、上足底或いは爪先に依る前蹴りのように足先を伸ばすのが「底屈」であります。また足刀蹴りのように小指側エッジを突き出すのが「内返し」或いは「内反」、その逆で小指側エッジを持ち上げるのが「外返し」或いは「外反」であります。  他にも多々ありますが、後に書くであろう稿のためにこの程度補述しておきます。 (了)

世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方

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ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方

ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方

  • 作者: 福原 正大
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2013/10/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 年末に読んだ「思考をやわらかくする~」よりこちらの方がよっぽど思考がやわらかくなりそうでした。内容としては、海外の大学の 入試や就職試験で出てきた答えがない設問(例えば「自由は平等によって脅かされるか?」とか)を、哲学者や芸術家などの言葉を借りて一緒に考えてみようって感じです。  まぁ、類書はあるって言えばゴロゴロし、別段目新しい内容なわけでもないけど面白かったです。やっぱり一緒になって考えながら読む本が好きなのかな。

『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣2』

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『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣2』 美月あきこ 2013/06 ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣2 3%の成功者が実践する「聞き方」「伝え方」  著者はキャビンアテンダント(CA)から独立し人材教育業。 成功する人の共通点を解説する本。  ファーストクラスに乗る人は周囲を自分のファンにする。著者が起業できたのは、ファーストクラスに乗る人の習慣を素直に真似したからだという。  正規の航空運賃だと、ファースト:ビジネス:エコニミーは4:2:1、割引だと20:5:1だ。  「彼ら」はどんな業界、時代であっても通用する社会的スキルを身につけている。創業社長は相手の「切実な願望」を満たすのが上手。  「彼ら」はすぐれたコミュニケーション能力をもっていて、その能力で「切実な願望」を叶える。  人間の欲する3つの欲求は「自己好感」「自己有能感」「自己重要感」。  「彼ら」は「教えて欲しい」と自分から切り出すことで相手の自己有能感が満たされるのを知っている。  「彼ら」はCAを名前で呼ぶ。親しくなりたい相手を名前で呼ぶのは黄金ルール。「自己重要感」を満たす最初の一歩。  「彼ら」は、一度でも会った相手をエピソードとして記憶する。そしてそのことを相手にきちんと伝える。「彼ら」は、会話しながらメモをどんどんとる。メモとペンをスッとスムーズに取り出すのも特徴。  「彼ら」は命令口調ではなく、依頼口調で話しかけ、相手に「自分で決めた」と感じさせる。感謝の言葉を忘れない。

その鏡は嘘をつく

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その鏡は嘘をつく

その鏡は嘘をつく

  • 作者: 薬丸 岳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/12/11
  • メディア: 単行本
<内容> 医学部受験を控えた浪人生の浅川幹夫が失踪した。東池袋署の夏目は浅川の従妹:水森沙紀から、浅川を探して欲しいとお願いされる。時同じくして、エリート医師の須賀邦治が痴漢事件の後、鏡張りの部屋で自殺した。検事の志藤清正は、現場の不自然な状況から他殺の可能性を見破り、独自に捜査を開始する。  「刑事のまなざし」の第2弾目です。正直、前巻を読んでからだいぶたっているしドラマも見ていなかったから、細かい内容を忘れちゃったよ(:_;)とはいえ今巻では、夏目の事件は全然関係してこないので未読でも大丈夫といえば大丈夫かな。  さて、今回は夏目・志藤・浅川の3人の視点+αで物語が進行していきます。志藤がね…。悪い奴ってわけではないけど、なんか鼻持ちならないというかなんというかであまり好きになれませんでした。で、逆に夏目は影が薄かった…。  <ちょいとここからはネタバレです>  須賀のやったこと(自分のペットの腹を開いて、麻酔が切れる前に縫合できればテスト合格として裏口入学の便宜を図る)は許せないけど、実際にできる子がいたとしたら本当に便宜を図っていたのかな?それとも、金をむしるだけむしって捨てた?それ以上に、医師免許どころか医大(畜産大でも可)にも入っていない子がこのテストに合格したらそれはそれでドン引きするような気が…。  個人的には、薬丸さんの作品は「友罪」のような息もするのも苦しくなるような作品の方が好きなので、あまり夢中で一気読みしましたって感じにはならなかったかな。 

ちょっと古いけど

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 みうらじゅん『青春ノイローゼ』読了。
青春ノイローゼ.jpg
 マイブームのみうらじゅん、見仏記のみうらじゅんの原点がわかるエッセイ。なかなかに生臭くておもしろかった。

第七十五話_short  ストレス性

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  恥ずかしい話だが、最近オネショをするようになった。そう、あの子供がする夜尿症というやつだ。いい大人なのに困ったことだけど、医者に言わせるとストレスによるものだという。

 布団の中で眠っていて尿意を催す。

 トイレに行かなきゃと、慌ててトイレに行って用をたすのだが、それが夢なのだ。気がつけば敷布団がビショビショに濡れている。こんなのありか。

 昼間、デスクワークをしていて尿意を催す。気分転換も兼ねてトイレに行って小用ををたす。ああスッキリ気持ちがいいと思った途端、しまったと思う。これは夢だ。また布団の中でやってしまった。

 だが気がつくと布団の中ではなく、まだデスクワークの途中だった。椅子から小便が垂れ落ちている。

 これも夢なのか? それとも......。


                                       了

黒田官兵衛についての新書4冊を比較

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NHKの大河ドラマ『軍師官兵衛』が新年の1月5日から始まりますね。 戦国時代物と言えばファンも多いし、自分なりに調べている人も多いかと思いますが、黒田官兵衛というどちらかというと脇役にスポットを当てると、また歴史の流れの見え方が違うと思うので、そういう意味で、単純に信長・秀吉・家康の政治劇ストーリーとしない、ひと味違う大河ドラマを期待したいものです。 さて、この大河ドラマを当て込んだ企画だとは思いますが、黒田官兵衛を扱った本がいくつか出版されました。いずれも新書なので入手しやすいと思いますが、本稿ではそのうち入手しやすい4種について、比較書評をしてみます。 本稿で取り上げるのは、以下の4つです。 ちなみに、小和田本の小和田哲男氏は大河ドラマ『軍師官兵衛』の歴史監修の人です。では、この本が一番お勧めかというと、実はそうでもないんです。私の独断と偏見によるお勧めは、本稿の一番下に書きました。 【小和田本】小和田哲男著「黒田官兵衛」平凡社新書 【渡邊本】渡邊大門著「黒田官兵衛」講談社現代新書 【諏訪本】諏訪勝則著「黒田官兵衛」中公新書 【安藤本】安藤慶一郎著「不屈の人黒田官兵衛」メディアファクトリー新書 以下、【…】で書いた書き方でこの4つを区別していきます。 いずれの本も黒田家の発祥から始まって、黒田官兵衛の生涯を描いていますが、実は書き方にかなり違いがあります。全部について違いを並べていくと、それだけで1冊の新書本になっちゃいそうですから、ここではいくつかに絞って違いを紹介してみます。 ・黒田家の起源について 黒田官兵衛は、その前半の生涯は小寺官兵衛ですが、小寺というのは姫路の小領主時代に使えていた小寺家の名跡で、秀吉によって播州が制圧されて領地をもらった時、小寺家に代わって播磨西部を治めることになったので、その時点で小寺の名跡を捨て、もとの黒田家に戻ってます。なので、起源を調べるべきは黒田家、ということになります。  黒田家の起源は、実はいくつか説があります。近江起源説・備前福岡起源説・姫路近辺起源説。どれが正しいかはさておき、ここの扱いがこの4つの本で全然違います。    まず、安藤本は福岡藩黒田家がまとめた「黒田家譜」の記述をそのまま採用し、あっさりと近江起源説を事実として紹介し、そのまま先に進んでます。小和田本はさすがに異説として「播磨鑑」による播磨国多可郡黒田庄という説を紹介しているものの、特に議論無く黒田家譜どおりの近江起源説としています。  一方、渡邊本と諏訪本はここで多くのページを費やして多くの資料を駆使し、各起源説を比較しています。近江の佐々木源氏を起源とし、黒田家譜にある、室町十代将軍足利義植の怒りに触れて佐々木源氏黒田氏の高政が備前に移ってきたという”公式見解”は両者とも否定している。つまり、この点でまず安藤本・小和田本と違ってるわけである。黒田家譜は福岡藩が公式にまとめて江戸幕府に提出した資料ではあるけれど、戦国大名のほとんどは出自が怪しいわけで、しかしそのままでは朝廷の官位などはもらえないため、なるべく名家と繋がっているという系譜を偽造していた。なので、この例に漏れず、黒田家譜も信用出来ない、という立場です。この点、小和田本がここで留まっているのは、非常に不満です。  さらに、渡邊本、諏訪本共に、備前福岡起源説も根拠が弱いとしている。諏訪本は追究がここで止まっていて、福岡藩黒田氏の起源はわからない とし、資料的にはっきりしている官兵衛の祖父黒田重隆の話に移っている。渡邊本はさらに播磨国黒田庄を起源する根拠として「荘厳寺本黒田家略系図」を詳細に紹介し、しかし、各代の人名に1次資料による裏付けが無いとして原則的には退けている。(諏訪本もこの資料には言及しており、やはり1次資料との対応が無いと批判している)これによって、播磨の赤松氏の流れを汲むという説も否定している。  渡邊本では、さらに他の3つの本にない、黒田家重臣(黒田八虎・二十四騎)の起源を分析していて、そのほとんどが姫路を中心とした土豪であることから、黒田家自体も姫路を中心とする土豪だったのではないかと結論している。この点で渡邊本は非常に納得できる説明になっていると言える。 ・中国大返し  天正十年6月2日早朝、織田信長が本能寺で明智光秀の軍勢に襲われ、非業の死を遂げます。本能寺の変です。この直後、備中高松で毛利勢と対戦していた秀吉の軍は急遽毛利と講和を結び、短時間で中国路を東へとって返し、摂津から山崎へと軍を進めて明智光秀の軍勢を破ります。この時の、短時間で備中高松(岡山市のやや北西)から姫路に辿り着くのを中国大返しと呼び、秀吉の伝記である太閤記では一番の見せ場と言える有名な故事です。    この中国大返し、基本的な資料は秀吉の右筆である大村由己が書いた天正記の中の一巻「惟任退治記」に依拠する。「惟任退治記」は光秀を破った秀吉がその直後に書かせたもので、いわば政府の公式発表のようなもの。今で言えば東日本大震災直後の福島原発の問題で政府発表や東電発表の公式資料をあまり信用しないのと同じで、この「惟任退治記」をそおまま信用するわけにはいかない。しかし、その後の小瀬甫庵「太閤記」や黒田家譜もこれに依拠しているわけなので、今も通説としてはこの「惟任退治記」での中国大返しがそのまま信じられている。    安藤本、小和田本、諏訪本もこの「惟任退治記」の記述をそのまま書いており、それによる中国大返しのスケジュールは以下のようになる。    6月2日 本能寺の変  6月6日午後 備中高松発  6月7日朝 備前沼城発  6月7日夜 姫路着   この行程だと6月7日の半日で沼城から姫路まで直線で55km、道のりで約70kmを徒歩で移動したことになり、その前の高松→沼城の22kmを前日歩いていることから考えるとかなり無理な行軍である。小和田本は地図でこの移動を示しているにもかかわらず、この行軍が無理かどうかの吟味はしていない。  それに対し、渡邊本は「惟任退治記」以前の1次資料から、次のように中国大返しの行程を記している。    6月2日 本能寺の変  6月4日 高松→野殿(岡山市)  6月5日 野殿→沼城→  6月6日 →姫路   こちらでも強行軍だが、「惟任退治記」よりは無理ない。この中国大返し自体に吟味の必要があると指摘しているだけ、渡邊本が評価できる。 ・関ヶ原戦後処理  天下分け目の関ヶ原が行われていた時、長男の長政は関ヶ原の戦場にいたが、官兵衛自身は九州の領地で留守をしていた。そこで挙兵して、西軍に属する大名の領地を次々に占領していった官兵衛が、戦後処理が終わって帰って来た長政と会話した話が有名である。  よく言われるのが常山紀談にある会話で、家康に手を取られて感謝されたと語る長政に対し、家康公が手に取った手は右か左かと問う官兵衛。長政が右手ですと言うと、その時お前の左手は何をしていた、と鋭く言う官兵衛。安藤本、大和田本、諏訪本では事実とはしないものの、この話には触れているが、渡邊本はまったく触れていない。  逆に、関ヶ原戦後処理で、黒田家自身が福岡に52万石を拝領したことの他、渡邊本のみが官兵衛・長政が毛利家の関ヶ原戦後処理に関与したことを記述している。    以上のように、それぞれの本ごとにいろいろと書く内容が違う。  私の独断と偏見で評価すると、以下のようになります。    まず、あまり歴史の知識が無い人が、ひととおり黒田官兵衛とその周辺を知るには、安藤本がいいと思います。余計に詳しくなく、いわゆる世に知れ渡ってる通説に沿った解説なので、まずは読んでおいた方がいいかも。大河ドラマもこの本にあるような通説どおりの歴史を踏まえた上で、独自の脚色や部分的に最近の歴史学の進歩を取り入れた、という形になっていると思います。    歴史、特に戦国時代に詳しくて、いろんな説を比較吟味して自分なりに考えたい人には、お勧めは渡邊本です。もう1冊読むなら、次は諏訪本でしょうね。いずれも1次資料から通説を批判し、おそらく実際はこうだろうという説明を納得がいくようにしてくれてます。    小和田本はねぇ・・・・、実は一番オススメではないです。これがあの大河ドラマの時代考証担当の人の著作かというくらい、ひどいです。ひどいというのは内容が違うとか、読んでいて面白くないという意味では無く、黒田官兵衛の本のはずなのに、他の3冊に比べ、黒田官兵衛の記述が非常に少ないんです。単なる信長、秀吉、家康の、よくある戦国時代の解説になっちゃってる。また、関ヶ原に呼応して九州で挙兵した官兵衛の動きを渡邊本、諏訪本は家康と事前に打ち合わせて出兵の許可を取っていると書いているのに対し、小和田本ではこの重要な部分を割愛して、単に官兵衛が天下を狙う野心で挙兵したように書いてある。これは人口に膾炙している通説では面白くそう書かれてますが、事実ではない。このあたりの書き方も、ちょっと小和田先生、大丈夫かなぁという感じです。全体としてツメが甘く、オススメできないです。 他にも、黒田官兵衛に関する本はいろいろと出始めていて、私もまだ全部は読んでませんが、もし大河ドラマを視てもっと調べたくなったら、上記に私が挙げた点なども踏まえつつ、たくさん読まれてみてはいかがでしょう。  
黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)

黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)

  • 作者: 渡邊 大門
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/09/18
  • メディア: 新書
黒田官兵衛 - 「天下を狙った軍師」の実像 (中公新書)

黒田官兵衛 - 「天下を狙った軍師」の実像 (中公新書)

  • 作者: 諏訪 勝則
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/11/22
  • メディア: 新書
黒田官兵衛: 智謀の戦国軍師 (平凡社新書)

黒田官兵衛: 智謀の戦国軍師 (平凡社新書)

  • 作者: 小和田 哲男
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2013/11/19
  • メディア: 新書
不屈の人 黒田官兵衛 (メディアファクトリー新書)

不屈の人 黒田官兵衛 (メディアファクトリー新書)

  • 作者: 安藤優一郎
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2013/06/28
  • メディア: 新書

「死刑囚の最期 -生への執着編- 第一章 『死にたくない』 死刑囚 勝田清孝」

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お断り

まず初めに少しだけ書かせてください



私は 「死刑」 という刑罰に対して肯定派です


たとえどんな理由があろうとも 『正当防衛』 以外で人を殺めた場合

極刑以外での罪の償いはできないと考えています


それは殺めた人の数に限らず  また犯人の年齢に関わらず極刑にされるべきだとも考えています



ときどき 人を殺めた被告人に対して 『精神鑑定』 といったものをとり

犯行当時に責任能力があったか否かを調べる措置をとりますが

私はこういった措置をとること自体が間違っているのではないかと思っています



犯行当時 どんな状態だったにしろ人を殺めた事実に変わりはなく

殺めた理由についても 大概が身勝手なものばかりだからです



以前にも 「死刑」 という刑罰について私の意見を書かせていただいたことがあります


「死刑廃止運動」 をされている方々に対しての意見も書かせていただきました


気になる方・または私の意見を読んでみたいと思われた方は

「死刑」 という刑罰へのチナリの意見

をクリックして読んでみてください





最後にもう少しだけ書かせてください



私は 「死刑」 という刑罰に対しては肯定派ですが

実際に死刑囚への刑が執行されたというニュースが報じられたとき

その死刑囚がどんなに凶悪な事件を犯していたとしても

何かとても虚しい気持ちになり ずっとその犯人のことを考えてしまいます



それは死刑囚とはいえ ”尊い命” がこの世から消えてしまったという事実を突きつけられたからという思いと

それに加えて

「ほんの数時間前までは まだ生きていたんだよな」

という思いが湧き上がってくるためだと思います


例え どんな人間であれ 人が亡くなってしまうということは とても悲しいことです


それでも私は 「死刑」 という刑罰はなくしてはいけないものだと考えています



チナリより <(_ _)>

『凶悪事件』 の記事に関しまして

私は記事としてお書きする以上

”責任” を持って書かせていただいております


記事を読んでくださる方の中には

”死刑廃止派” の方もいらっしゃることと思います


もし そういった方から記事への批判コメントが書かれたとしても

私はすべてを承認させていただいたうえで

私自身のコメントとともに返させていただきます



ただ 自分の感情が入ってしまったからなのかどうかは知りませんが

初コメントに対して

私のことを ”お前” 呼ばわりされる方がおられます


ネット上における匿名性を利用しているので

そのような強気発言ができるのだとは思っていますが

初コメントをお書きになられる場合は

例え批判コメント・反対意見のコメントだとしても

できるだけ失礼に当たらないようコメントをされるのが筋だと思います


私は批判意見をお持ちになられる方がおられることをわかってお書きしています


もし 批判コメントや反対意見などをお書きになられる方がいらっしゃいましたら

せめてそのくらいのマナーを守ってお書きください

以前にも 『死刑囚の最期』 という記事を書かせていただいたことがあります そのときですが ひとつの記事に一気に三人の死刑囚のことをお書きしました 今回はさすがに一気にお書きできるような力がありませんので 申し訳ありませんが一人ずつにわけて書かせてください それとですが 今回の本ではほとんどの事件がかなり前の事件になっており 『生への執着編』 とのサブタイトルが付けられています 殺人という非人道行為を犯しておきながらも 何とか死刑を回避しようとする死刑囚の姿を少しでもお伝えできればと思っています 前置きが長くなってしまいましたが お読みになられてみてください
人間らしい最期

<写経、点訳、著書の印税寄付・・・ 無慈悲 (むじひ) な連続殺人鬼は最期まで命を乞うた (こうた)>

勝田清孝

─ 事件概要 ─

1948年生まれ


23歳のときに前科を偽って (いつわって) 消防署員に合格


真面目な仕事ぶりに評価は高かったものの 私生活では車に女と金遣いが荒く

その工面のために空き巣や強盗殺人を繰り返した

元消防士連続殺人事件 勝田清孝

1977年8月20日

当時 関西で放送されていた人気の素人出演番組 『夫婦でドンピシャ!』 にて


番組の司会者 「夫婦でドンピシャ!

この番組は4組のご夫婦が出場いたしまして問題は5つ!


こちらの勝田さんは消防士さんでいらっしゃいます」



勝田 「どうも・・・」


この日の放送で妻とともに笑顔で出演していた男 勝田清孝 (当時28歳)


司会者 「消防士ちゅうたらあれですな

いざ出動ちゅうことになりましたら そらもう大変でしょうな」



勝田 「そうですね・・・

でもいつもそのために待機しておりますので・・・」



司会者 「ほんまに立派なお仕事でございます

では問題にまいりましょう!」




勝田はこの5年後

拳銃強盗殺人事件を起こして逮捕される


だが・・・ それだけでは終わらなかった



1983年1月 名古屋市千種警察署 取調室にて


警察 A 「そ・・・それじゃあお前はあのテレビの出演の直後にも人を殺していたのか!?」


勝田 「まあ そうですわ

番組の録画撮りは6月やったんやけど・・・ 殺したんはその半月後くらいやったかな・・・

あと・・・8月に入ってからも1人殺してますわ」



警察 A 「わずか2ヶ月の間に2人も・・・」


勝田 「まぁ そうなりますけど・・・・・・

人を殺したんはそん時が初めてやないですから

自信っていうんですかね

自分は絶対に捕まらんと思うてましたから」




この時 勝田は取り調べの最中に逮捕容疑とは別の過去に犯したいくつもの殺人を自供し始めたのだ───

勝田清孝の凶行 1

1972年9月 京都市にて

クラブホステスHさんのマンションに侵入


見つかって騒がれたため 強姦しストッキングで絞殺


現金千円を奪う



勝田清孝の凶行 2

1975年7月 大阪吹田市にて

クラブ経営者の女性Yさん (当時35歳) を絞殺


遺体はYさんの車を使い 市内の溜池 (ためいけ) へ運び遺棄


現金10万円を奪う



勝田清孝の凶行 3

1976年3月 名古屋市中区にて

路上でクラブママのIさん (当時32歳) のバッグを奪おうとして 騒がれたため絞殺


遺体はIさんの車で郊外の休耕田 (きゅうこうでん) に運び遺棄


現金12万円を奪う



勝田清孝の凶行 4

1977年6月 名古屋市南区にて

麻雀荘女性店員のMさん (当時28歳) のマンションに侵入


犬の散歩から帰宅したMさんを絞殺


現金4万円を奪う



勝田清孝の凶行 5

1977年8月 名古屋市昭和区にて

空き巣に入ろうと物色していたところを美容指導員の女性Sさん (当時33歳) に見咎められ (みとがめられ) 絞殺


50万円相当のダイヤの指輪を奪う



これ以降 勝田の犯行は銃を使ったより大胆で凶悪なものへと変化していく───

勝田清孝の凶行 6

1977年12月 神戸市中央区にて

集金帰りの労金職員の男性Yさん (当時25歳) を盗んだ猟銃で射殺


現金410万円を強奪



勝田清孝の凶行 7

1980年7月 名古屋市名東区にて

閉店後のスーパーに押し入り 店長の男性Hさん (当時35歳) を猟銃で射殺


金庫から現金570万円を盗む



勝田清孝の凶行 8

1982年10月 滋賀県草津市にて

強盗行脚 (あんぎゃ) をするためにヒッチハイクをしようと呼びとめた溶接工の男性Kさん (当時34歳) に

隠し持っていた拳銃を見られたため射殺


現金4万円を奪う



勝田はこの8件の殺人以外にも3百件以上の強盗や住居侵入などの犯行を自供


33の罪で起訴された



警察署にて


警察 B 「それにしても勝田のヤツ

疑いもかけられていなかった殺人まで何で自白したんだ・・・・・・?」


警察 C 「それが・・・逮捕されてからずっと便秘で一週間ほとんど眠れなかったからだそうです」


警察 D 「便秘だァ・・・・・・!?」


警察 C 「それで自供したらスッキリすると思ったと言うんです」


警察 D 「ふざけてんのか あいつはッ!!


警察 C 「まあ本人はそう言うてましたがね・・・

刑務官はあの男が毎晩寝床でうなされているのを目撃してるんです

本当はあいつに殺されたホトケさんたちが夢枕 (ゆめまくら) で自白を迫ったんじゃないですかね」


警察 D 「ああ・・・そっちの方がよっぽど信憑性 (しんぴょうせい) があるよ

それであの男は今はどうしてるんだ・・・・・・?」


警察 E 「写経に熱中してますよ

刑事部長が差し入れた般若心経 (はんにゃしんぎょう) が気に入ったらしくて・・・」


警察 D 「それで少しでも人間らしい心が戻るといいな・・・」


警察 E 「はい・・・・・・」




名古屋拘置所にて


勝田 「ああ・・・アカン

罪を軽くしてもらおう思うて ついしゃべりすぎてしもうた・・・

すぐ調子に乗るのがオレの悪いクセや

このままじゃ死刑やで・・・ どないしよ・・・」



その時 看守の足音が聞こえてきたので 勝田は慌てて写経をしているフリをした


看守 A 「精が出るな

だけどあまり根をつめると体がまいっちまうぞ」



勝田 「はい・・・でも・・・

今の私にできることはこれしかありませんから・・・」



とにかく今は反省の態度をアピールすることや

そのうち きっと方法は見つかる!!


フフフ・・・ そうや 今までだってヤバイ時は何度もあったんや・・・

けど いつだって何とかなってきたやないか!




1986年3月

名古屋地裁は勝田に死刑判決を下し 弁護団はただちに控訴した



その翌年 勝田は自らの過去と犯罪について語った手記 『冥界に潜みし日々』 を出版



再び 名古屋拘置所にて

看守 B 「ほう ついに本になったのか おめでとう」


勝田 「ありがとうございます

文章なんてまともに書いたことがなかったんで えらい苦労しましたが ようやく・・・」



看守 B 「売れるといいな・・・」


勝田 「はい

この本の印税で被害者や遺族の皆さんに少しでも罪滅ぼしができればと思っておりますから・・・」



看守 B 「いい心がけだ

裁判官にもその気持ちはきっと伝わるよ」



勝田 「はい・・・・・・」


そう話すと看守 Bは行ってしまった



成功や・・・・・・!!

この本が話題になって世間の同情が集まれば簡単に死刑にはできんはずや!!




だが 巷 (ちまた) での本の評判は散々なものだった


本を読んだ男性 A 「なんだこの本は・・・・・・!?」


本を読んだ男性 B 「言い訳ばかりじゃないか」


本を読んだ男性 C 「この話をまともに信じたら

こいつがやった殺人は全部 ”弾み” や ”偶然” だったってことになるよ」




弁護士との接見にて


勝田 「何で本が売れないんや!!

先生! 出版社にもっとじゃんじゃん売るよう発破 (はっぱ) をかけてくれんか!?



担当弁護士 「私からはそういうことは・・・」


勝田 「あんたはオレの担当弁護士やろ!!

みんながあの本を読めば判決も覆る (くつがえる) 可能性があるんや!!

あんたの手柄になるんやで!!



担当弁護士 「・・・・・・」



1988年2月

名古屋高裁において控訴棄却 (ききゃく)


1994年1月

最高裁が上告を棄却し 勝田の死刑が確定した



名古屋拘置所にて


名古屋拘置所 所長 「点訳のボランティアをやりたい?」


勝田 「はい!

いつも接見に来てくれるキリスト教の人が教えてくれるって言わはるんです

やらしてもらえませんか!? ぜひ!!」



所長 「それは良い心がけですね」


勝田 「人の道に外れたことしたのに三度のご飯を食べさしてもろうてるんです!

少しでも人様のお役に立つ仕事ができれば!!」



こんなところで死んでたまるかい!!

こうなったらできることは何でもやったる!!




この頃 勝田は支援者のクリスチャンの女性Kさんの実母と養子縁組をしている


これによってKさんとは義理の姉弟として接見を続けた



Kさんとの接見にて


Kさん 「ずいぶん疲れてるみたい・・・

体調はどうですか?」



勝田 「それが義姉さん (ねえさん) 腰を痛めましてね・・・

長く座っていると辛いんですよ・・・」



Kさん 「点訳・・・ 毎日やってらっしゃるんでしょう?

たまには休まないと・・・・・・」



勝田 「ええ・・・ でも僕には時間がありませんから

お呼びがかかるまでに百八冊以上点訳したいと思うてるんです・・・」



Kさん 「百八冊・・・・・・?」


勝田 「はい 煩悩 (ぼんのう) の数ですわ」



しかし 勝田がキリスト教の洗礼を受けることはついぞなかった



そして 2000年─────

新しい世紀が幕を開けた



2000年11月 名古屋拘置所にて


勝田 「あ・・・痛・・・腰が・・・」


看守 C 「◯◯番 あんまりムリをするな」


勝田 「とんでもない 私には休む資格なんてありませんから・・・

あぐっ!! ううぅ───!!」



看守 C 「・・・・・・ 痛々しくてこっちが見てられんよ」



判決から間もなく7年や・・・

世の中じゃオレのことなんかもうほとんど忘れられてる・・・

そんなオレを今さら死刑にしたところで社会的には何の意味もあらへん・・・・・・


いや・・・


むしろ批判の方が強いはずや!!

オレがこうして腰を痛めるほど点訳に打ち込んでいるのはマスコミも大きく報じたからな・・・

法務大臣かて そんなオレを死刑にできんはず・・・


もしかしたら最初から刑を執行するつもりなんかなかったのかも・・・


そうや! 死刑はないんや!!


何やアホらしい

オレは今までずっとありもせん刑罰に怯えてたんか・・・


とんだ取り越し苦労や




その時 房の扉が開かれた


勝田 「区長はん・・・・・・ どうしはったんです・・・?

こんな朝っぱらから・・・」



区長 「お別れだ 支度をしなさい」


勝田はショックを隠せなかった


勝田 「で・・・でも 私は腰が・・・・・・」


区長 「心配いらないよ 刑務官に任せれば大丈夫だから・・・」


そして 勝田の両脇に刑務官が立ち 勝田の腕を取った


勝田 「痛ッ 腰が痛いんですよう・・・・・・!!

点訳のことは法務大臣には伝わってますか!?

本の印税も遺族に寄付したし 反省文も書いたんですよ」




刑務官に両脇から抱えられ 執行場に連れて行かれる時 勝田は思い出したかのように言った


勝田 「そ・・・そうや・・・義姉さんに別れの言葉を言わんと・・・」


区長 「遺書を書く時間はあるから・・・」


勝田 「僕が死んだら義姉さんはきっとショックで自殺してしまいますよっ!!

それでも僕を死刑にするんですか!?


区長さん・・・ねぇ・・・区長さん!!




2000年11月30日

名古屋拘置所において勝田清孝の死刑が執行された───

享年52歳



死刑に立ち会った僧侶は その時の勝田の様子をKさんに次のような言葉で伝えた


「人間らしい最期でした

人間というものを感じさせてくれました」




一度 記事の用意を始めますと区切りといいますか・・・終わりが見えなくなりますので 結局 最後まで一気に活字にしてしまいました やはりマンガを活字にすることの難しさを痛感します 今回は ”勝田清孝死刑囚” について書かせていただきましたが 私はこの事件のことをまったく知りませんでした・・・というよりもですが 今回の本に書かれてあります事件はひとつの事件を除きまして ほとんどが私が生まれる以前か私が小さい頃の事件ですので 私はひとつの事件しか知りませんでした 今回の勝田清孝という死刑囚ですが どこまでを信じて良いのかはわかりませんが裏表の激しい男です 銃を手に入れてからは男性も襲うようになってしまったようですが 銃がないと力の弱い女性しか狙っていないようです 卑劣・卑怯・自己中という言葉がピッタリと当てはまる男だと思います しかし ”強盗行脚” って・・・ どこまでクズな考えしか持ち合わせていない男なのでしょうか・・・ このような考えの人間が増えないことを強く望みます 今回の記事に関しましてですが 久しぶりに長文をお書きしましたら少し疲れてしまいました 今度は自分自身で体調を見合わせながら 次の事件の記事の用意に入りたいと思います 最後まで読んでくださった方は読みにくい箇所が多々あったかと思いますが 最後まで読んでくださって本当にどうもありがとうございました

妖怪アパートの幽雅な日常⑨

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昨日読み終わるかと思ったけど、やはり無理だった・・・。 ということで今朝、ごろごろとベッドの中でぬくぬくしながら読了。

久しぶりだねー。実は残すところこの本を含め、シリーズあと2冊。いよいよラストスパートというところでしょうか。 夕士の高校生活も終わりに近づいている。 今回は文化祭のエピソード。

途中から、もはや夕士の話ではなくなっているとワタシは思う。 絶対に千晶の話だよね~。(笑) 白ランにはわろた。 作者の思い入れがありありとわかる。 読メのコメントでもあったけど、もはや「BL・スラッシュ」とか隠しもせずに書いちゃってるし、そういうことにはしゃぐ女子高生を書いたりしちゃっているわけだから、だんだん栗本薫の世界に行くのかしら・・・なーんて思ってみたりして(笑)。

ま、それなりにいい部分もあったしね。 千晶の語る友人の話は泣けた。病を持つ友人の生きたいと思う気持ちと死にたいと思う気持ち。 どちらも真実であり、どちらも正直な気持ちであったろう。 もしかすると母もそんな気持だったのかなぁ・・・といろいろ考えると泣けてしまったのである。 ワタシは五体満足に生きていられ、生きたくても生きられなかった人たちのことを知っている。 だから、簡単に自ら命を絶てないんだよね。 ま、そんなことを思い出させた話でありました。

最後の最後で、ラストの話への伏線が・・・。 楽しみだねぇ。 続きは来春らしい。 ということはもうそろそろか!? これは最後まで読み切りたいと思う。

おススメ度: ☆☆☆☆ 千晶の白ランにおまけ一個。(笑)

妖怪アパートの幽雅な日常9 (講談社文庫)

妖怪アパートの幽雅な日常9 (講談社文庫)

  • 作者: 香月 日輪
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/11/15
  • メディア: 文庫

376 三毛猫ホームズの大改装 (リニューアル)

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三毛猫ホームズシリーズ 第34弾
1998年12月 カッパノベルス 三毛猫ホームズの大改装(リニューアル) (カッパ・ノベルス)
2001年12月 光文社文庫 三毛猫ホームズの大改装(リニユーアル) (光文社文庫)
2011年05月 角川文庫 三毛猫ホームズの大改装 (角川文庫)

377 試写室25時

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1998年12月 集英社 試写室25時
2002年04月 集英社文庫 試写室25時 (集英社文庫)

378 「縁切り荘」の花嫁

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花嫁シリーズ 第12弾
1998年12月 ジョイ・ノベルス「縁切り荘」の花嫁 (ジョイ・ノベルス)
2002年03月 角川文庫「縁切り荘」の花嫁 (角川文庫)

379 ひとり夢見る

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1998年12月 徳間書店 ひとり夢見る (トクマ・ノベルズ)
2000年11月 徳間文庫 ひとり夢見る (徳間文庫)
2007年06月 光文社文庫 ひとり夢見る (光文社文庫)
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