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◆第【五】章 失恋(1)~(14)◆ with 【合唱曲】ひとつの朝

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【合唱曲】
作詞:片岡 輝  作曲:平吉毅州 
ひとつの朝
http://nicosound.anyap.info/sound/sm8664759
合唱団 京都エコー


第【五】章 失恋(1) 10/2(火)夕暮れ
with 【愛が生まれた日 by 藤谷美和子&作詞:秋元 康

第【五】章 失恋(2) 10/2(火)終止符
with 【秋止符 by アリス 

第【五】章 失恋(3) 10/2(火)夜
with 【恋人よ by 五輪真弓 

第【五】章 失恋(4) 次の朝
with 【フレンズ by レベッカ

第【五】章 失恋(5) 次の昼
with Debussy "Arabesq No1" 

第【五】章 失恋(6) 約束
with 【大都会 by クリスタルキング】  

第【五】章 失恋(7) 10月中旬
with 【誰もいない海 by トワ・エ・モア】  

第【五】章 失恋(8) 11月3日【文化祭】
with 【合唱曲十一月にふる雨 

第【五】章 失恋(9) 11月中旬
with 【合唱曲十一月にふる雨 

第【五】章 失恋(10)
卓球部と合唱部の小さな接点【1】

with 【「新・エースをねらえ」OP

第【五】章 失恋(11)
卓球部と合唱部の小さな接点【2】

with 【SOS by ABBA

第【五】章 失恋(12) 実行
with 【合唱曲十一月にふる雨 

第【五】章 失恋(13) 師走・睦月・如月・弥生
with 贈る言葉 by 海援隊

第【五】章 失恋(14) 卒業式の朝
with みずいろの雨 by 八神純子硝子の少年 by KinKiKids



今 目の前に ひとつの朝 
眩しい光の洪水に 世界が沈まないうちに 
さあ
箱舟にのって旅立とう
あのノア達のように 旅立とう

たとえば涙に別れる事
たとえば勇気と知り合う事
たとえば愛を語る事
時には孤独と向き合う事

旅立ちは 幾つもの出会い

今 目の前に ひとつの海
逆巻く怒涛の攻撃に 舟が砕けないうちに 
さあ
両腕を翼に飛び立とう 
あの鳥達のように 飛び立とう

羽ばたけ明日へ まだ見ぬ大地へ 
新しい大地へ まだ見ぬ新しい大地へ

生きる喜びを求めて 
広がる自由を求めて


1978年度
NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部
課題曲「ひとつの朝」。

光あふれる「」が
破綻」「破滅」「破壊
の象徴として歌われています。

それでも、
最後の部分では、
新しい出会い」に「希望」があるのだと
若き苦悩者を勇気づけています。

高1で合唱部に入り、この曲を知って、
重い破滅から救われる思いがしたのを憶えています。


Hirosuke

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ニーベルンゲンの指環 ワルキューレ

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The Ring of the Niblung; The Valkyrie 今年最初に読んだ本は、ニーベルンゲンの指輪の第一夜、ワルキューレでした。年末からの続きです。 題にもなっているワルキューレの一人、ブリュンヒルデの表紙絵をはじめ、挿絵には美しい女性が多く登場します。 ・第一歌 フンディングの家の中  盗賊フンディングの家に逃げてきたジークムント。ジークムントは身内から無理やりな結婚を迫られた娘を助けるため、その身内と戦っていた。その最中に武器を失い、結果その娘も殺されてしまった。逃げてきた家の主こそ、その身内の一族であった。一夜が明けたときには決闘が行われることとなった。  フンディングの妻・ジークリンデは無理やり連れ去られ恥辱の結婚生活を強いられていた。フンディングの寝酒に眠り薬を仕込んで、ジークムントに語りかける。かつての悲しい結婚式の中、ある老人が剣をとねりこの木の幹に突き立て、引き抜いたものに与えるといったことを。そしてジークムントこそがジークリンデを助ける英雄であると恋心とともに打ち明ける。  ジークムントはこれにこたえ、語り合ううちに二人は生き別れになった双子の兄妹であることがわかる。ジークムントは花嫁であり妹であるジークリンデに引き抜いた剣・ノートゥングを捧げる。  ジークムント・ジークリンデ兄妹の近親相姦があります。ジークリンデは薄幸の佳人として挿絵に描かれます。ラファエル前派のロセッティに似た雰囲気を感じました(ロセッティが活躍したのが19世紀中頃、ラッカムが挿絵を描いたのは1910年頃なのであまり関係ないか?)。ジークムントの台詞がちょっと大仰で硬いです。オペラの舞台であれば気にならないか、一度観劇してみたいです。 ・第二歌 荒涼たる岩山  ヴォータンとフリッカの夫婦喧嘩が始まる。ヴォータンとしては、自分と人間の女性の間の子である(したがって不倫相手の子である)ジークムントを勝たせようとブリュンヒルデをおもむかせるところであった。フリッカとしては、結婚の神としての立場、妻としての立場をないがしろにされたこととを責める。結局フリッカの言い分が勝ち、ヴォータンはジークムントが決闘で死ぬことを約束させられる。  フリッカが去った後、ヴォータンは娘ブリュンヒルデに語りかける。知恵の女神エルダから秘密を得る代わり、不義の子をもうけさせる。その子がブリュンヒルデであった。エルダの予言では、指環が地下の国のアルベリッヒの手に渡ってしまった場合、ワルハラは永遠に彼らニーベルング族に支配されてしまう。ヴォータンは来るべき戦いに備え、ワルキューレたちに戦士を集めさせていた。神々にもできないことができるのは、唯一、神々の助けを得ずに自由に生きてきた英雄ただ一人だけである。それがジークムントであった。だがしかし、一本の剣を与えたのはヴォータン自らであった(第一歌の「ある老人」はヴォータンの仮の姿であった)。ここにブリュンヒルデへジークムントを倒すように宣告がなされる。ブリュンヒルデはずっと愛してきたジークムントへの愛に苦悩する。  フンディングから逃れるジークムント・ジークリンデ。そこにブリュンヒルデが現れる。ジークリンデを眠らせた後、ジークムントに死とワルハラへの運命を語りかける。ジークムントは「愛のないワルハラの快楽のことなど、二度とぼくに聞かせないでくれ!」といって退ける。ジークムントにとってはジークリンデが全てであった。ブリュンヒルデはこれを聞いて運命を変える決心をする。ジークリンデ、そしてその胎の子とともに生きることを、勝利を与えると言って立ち去る。  黒い霧の中を雷鳴が轟き稲妻が裂くなか、ジークムントとフンディングの闘いが始まる。また神々の戦いも始まった。ブリュンヒルデはジークムントを盾で守り、ヴォータンはノートゥングを槍で突いた。ジークムントは躯をさらすこととなった。ブリュンヒルデはなげくジークリンデを愛馬グラーネに乗せ連れ去る。怒りを爆発させたヴォータンはフンディングを突き殺し、ブリュンヒルデを呪う。  ブリュンヒルデの心情変化がラッカムの挿絵にも現れています。  初登場は岩山でヴェルズング(ジークムントの一族)に勝利を与えよとの命に堂々とした女戦士とて勇ましく描かれています。→画像  次に夫婦喧嘩(ブリュンヒルデにとっては父親と継母)の場に現れた際には多少うつむき加減になって、しかしまだ甲冑姿のまま描かれています。→画像  ヴォータンを心配するときには冑を脱ぎ、鎧は赤いマントで覆われ戦士としての雰囲気はなくなっています。純粋に娘が父親を心配する表情になっています。→画像  ジークムントへの愛に、今度は自分自身を嘆く番にあっては、冑と槍が投げ捨てられ、鎧はマントと同じ赤色になっています。恋の悩みがその横顔を翳らせています。→画像  ジークムントへの、また自身にとっても非常な運命を告げに現れた際には再び冑と槍を身につけ、きっとした目線、峻厳な様です。→画像  フンディングは純粋な悪役として登場してはあっけなく殺されてしまいます。ヴォータンの身勝手さ(この第二歌だけでも、知恵が欲しい→エルダと不義の子を設ける、夫婦喧嘩で立つ瀬がない→ブリュンヒルデを悩ます、怒りが爆発する→フンディングを殺す)の犠牲者なのでした。ワーグナーがここまで気分屋で身勝手に作り上げた神々の王がどの様な結末を迎えるか、後半も楽しみです。  ヴォータン、フリッカの夫婦は、ゼウス、ヘラ夫婦にも通じるところがありました。結婚をつかさどる女神の夫は不義をするものであり、その相手(セメレやカリスト)が復讐を受けるものと相場がきまっているのでしょうか。 ・第三歌 ブリュンヒルデの岩  ワルキューレ。ワルハラを守る戦士にするべく、戦場で勇敢な戦士の屍体を集める8人の乙女たち。そこへブリュンヒルトがジークリンデを運んで大急ぎでやってくる。ブリュンヒルデはヴォータンの命に叛いてジークムントを助けようとしたこと、その花嫁で妹であるジークリンデを助けてここまで逃げてきたことを話す。ワルキューレたちが戸惑う中、ジークリンデは目を覚まし、いっそジークムントとともに殺してくれというが、胎にその英雄の子が宿っていると聞いて、どうしても助けて欲しいと懇願する。ブリュンヒルデは砕けたノートゥングをジークリンデに預け、その子を「ジークフリート」勝利と自由の人と名づけるように言って逃がす。ジークリンデは東の方、巨人のファーフナーが竜に姿を変えて指環の番をしているところに逃げた。そこであればヴォータンも近寄ってこないのであった。  ヴォータンが現れる。8人のワルキューレはどうにか姉のブリュンヒルデをかくまおうとするが、ヴォータンの怒りはおさまらない。ブリュンヒルデが歩み出し、罰が宣告される。それは岩の上に守るものもなく眠り、通りすがりの男のものになるというものであった。あまりにも酷いと8人のワルキューレは訴えるが、ヴォータンの意志は固かった。  父と娘が理解しあうことはなかった。父ヴォータンは世界を救うために愛を諦め、娘ブリュンヒルデは愛のために父の命令こそ裏切ったが、父そのものを裏切ったのではなかった。ブリュンヒルデはついに岩の上に眠ることになる。ヴェルズングの一族(ジークムントの一族)が、神々の王ヴォータンの槍を恐れぬ英雄のみがブリュンヒルデをものにできるよう、ローゲの炎がその岩を囲んだ。  少しだけヴォータンの苦悩が語られます。ブリュンヒルデの訴えが感動的な部分で、ぜひ原典との対比をしてみたいです。  物語がずいぶん進んできました。ここで折り返しです。後の2夜の続きも楽しみです。   ワルキューレ―ニーベルンゲンの指環2 (ニーベルンゲンの指環 2)

竜殺しの過ごす日々 購入特典イラストシート

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昨日のFXはまだ更に下がるとは読めずショートを損きり でも結局昨日は104.10までaskは下がったので昨年のショートポジは一昨日も昨日も 損切りなんてする必要はなかった・・・ 指しておいて果報は寝て待つべきだったわけだ。 しかも104.60に抵抗があると記事があったんで指し値はその辺りで寝てたら104.80まであがってるやんけ それでも1/4はなんとか¥13070確保
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竜殺しの過ごす日々10巻の特典 Web発表分移行の展開に入って既に3巻目? 竜殺しの過ごす日々 10 (ヒーロー文庫)

2013年後半の5★和書(その3)

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小笠原先生一人で家で死ねますか
上野千鶴子が聞く  小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?

上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?

  • 作者: 上野千鶴子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/02/20
  • メディア: 単行本
わが盲想
わが盲想 (一般書)

わが盲想 (一般書)

  • 作者: モハメド・オマル・アブディン
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2013/05/16
  • メディア: 単行本
未来国家ブータン
未来国家ブータン

未来国家ブータン

  • 作者: 高野 秀行
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/03/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
マツ☆キヨ
マツ☆キヨ

マツ☆キヨ

  • 作者: マツコ・デラックス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/08
  • メディア: 単行本
建築家安藤忠雄
建築家 安藤忠雄

建築家 安藤忠雄

  • 作者: 安藤 忠雄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/10
  • メディア: 単行本

#本『フィーチャーセンターをつくろう』 読み初め 複雑な社会的課題を企業・自治体・NPOで解決する突破口を見つける

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本『フィーチャーセンターをつくろう』 読みはじめ ★・・・・・ 対話をイノベーションにつなげる仕組み 企業、自治体、NPOが注目する変革の方法論 「未来志向のファシリテーター必読」 ★::::: 日本人は問題が起きてから対応するのは得意 どのような未来を創るのか ーVisionはこれから大事 ★∴∴∴ しかも今の問題は、 企業だけで解決できるものは対応可能 自治体だけで解決できるものは対応可能 NPOだけで解決できるものは対応可能 ★<<<<< その中でも、社会的な問題については 企業・自治体・NPOの三位一体で対応しないと 知恵を合わせないと解決しにくい ★~~~~~ 未来のために知恵を合わせる 国際的にはVISTA諸国の発展など色々な国々が成長していく中の日本の少子高齢化 日本の・地域の・家族の・個人の・世界の豊かで幸せのために 第1章 フィーチャーセンターとは何か ・フーチャーセンターの歴史 ・フーチャーセンターへの世界的な取り組み ・企業変革とイノベーション ・「私が法律を変えます!」 ・「儲かりますパラドックス」 第2章 フィーチャーセンターの思想 ・賢慮型リーダーシップ ・フィーチャーセンターの「6つの原則」 ・フィーチャーセンター・ディレクター ~第5章まであります
フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み

フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み

  • 作者: 野村 恭彦
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2012/04/24
  • メディア: 単行本

スペイン戦争

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ど~も。ヴィトゲンシュタインです。 明けましておめでとうございます。 三野 正洋 著の「スペイン戦争」を読破しました。 スペイン内戦というテーマには数年前から挑戦してみたいと思っていました。 ナチス・ドイツの「コンドル軍団」派遣や、「ゲルニカ爆撃」程度は読んできましたが、 ど~も、本腰を入れづらい・・というか、背景や組織がややこしそうと、いつまでも敬遠・・。 そんなヘタレの独破戦線は、今年は勝手にチャレンジがテーマ。 そこで今回、本格的に理解するための取っ掛かりとして、 1997年、436ページの朝日ソノラマを選んでみました。 スペイン戦争.jpg 「まえがき」では、日本でも10数点のスペイン戦争に関する著書が出版されているものの、 革新的な勢力を心情的に支持しているために、イタリア・ドイツを含む フランコ側に対する非難の色合いが強いとしています。 また、単純に「ファシズム = 悪」とも叫びたくないと、本書の中立性を宣言します。 いきなり難しい問題ですねぇ。 独破戦線は完全なドイツ寄りですから、戦記としてはフランコ・ファシスト軍を応援したいですが、 個人的に20数年のFCバルセロナ・ファンであり、レアル・マドリー嫌いという、 サッカーにおいては「反フランコ」なんですね。。 この精神的アンバランスが、今までスペイン内戦を掘り下げようとしなかった理由かも・・。 FC Barcelona 1994.jpg 第1章は「スペインの予備知識」です。 スペイン地図を掲載して、各地方と各都市を理解します。 「バルサとレアル スペイン・サッカー物語」というアンダルシアやバスクにも 言及した本を以前に読んでいますし、リーガ・エスパニョーラも毎週観ていますから、 行ったことのないスペインですが、この地理関係はOKですね。 それから「用語集」。 反ファシスト軍の総称が「人民戦線」であるとか、「コミンテルン」、 「無政府主義(者)、アナーキズム(アナーキスト)」、「ファシズム」といった言葉の意味。 恐らくこのBlogで初登場の「アナーキスト」ですが、 これについても少年時代セックス・ピストルズを毎日聞いていただけに、まったく問題なし。 ご存じない方に「anarchy in the u.k.」を英語とスペイン語歌詞でど~ぞ。 しかしさらに細かく組織単位の解説になると、コレがなかなか大変です。 政府である人民戦線側は、共産党、社会党、無政府主義者が主であり、 クーデターを起こした反政府側は、カトリック教会、軍人、ファシズム支持派が中核です。 真っ赤な共産党はカトリックを弾圧しますから、教会が反政府につきますし、 軍人と言っても一枚岩ではなく、フランコらはスペイン陸軍の正統派である王党支持グループ。 陸軍とは犬猿の仲の海軍士官は、政府側につく・・という分裂も起きています。 Generalissimo Franco TIME.jpg 第2章は「戦争前夜のスペイン」で、内戦に発展した政治的背景を解説します。 1920年代から始まった労働条件改善のストライキ、 共産主義者とアナーキストによる扇動、バスクやカタルーニャ分離主義者の存在、 政治テロによって1800人以上が殺されるという混乱続きのなか、 1936年の総選挙で左派の人民戦線側が勝利。 それによって貴族や地主、資本家に教会関係者らは国外に脱出。 イメージ的にはソ連の革命そのものですね。こうして軍部による反政府クーデターへ。 第3章では始まった「戦争の経緯」を簡単に年表と共に振り返り、 第4章で「各国の態度と介入の度合い」へ。 早速、フランコ側についたイベリア半島の隣国ポルトガルに、 コンドル軍団を派遣したドイツ。 LEGION CONDOR.jpg 最大級の介入を行ったのはファシスト・ムッソリーニのイタリアで、 5万人の遠征軍(CTV)を送り込みます。 総司令官はロアッタ将軍で、正規のリットリオ師団の他、 黒シャツ、黒い矢、黒い焔の名の付いた急造3個師団です。 Mussolini and Francisco Franco.jpg 一方の政府側には当然、共産党のボスであるソ連が、1000人の軍人と、 ポリカルポフI-16戦闘機、T-26戦車を派遣して全面バックアップ。 この当時としては世界屈指の最新兵器です。 また、フランスもこの時、右左に政治が揺れ動いており、左派のレオン・ブルム内閣が誕生。 同じ人民戦線としてスペイン政府支援に立ち上がるのでした。 第5章は「主要な戦闘」と題して、マジョルカ島を中心としたバレアレス諸島の争奪戦に、 内戦勃発から33か月間続いた首都マドリード攻防戦などを紹介。 なかでもグアダラハラの戦闘では、例の恐ろしげな黒シャツ、黒い矢、黒い焔師団が 見かけ倒しの民兵隊以下であり、先に逃げ出すのは常にイタリア軍人であった・・と。 最新鋭の装備を持ちながらも、敵の強力なT-26、BT5戦車70両の攻撃の前には 敵味方のスペイン人から笑いの種にされてしまうのもしょうがないですね。 この戦闘で戦死者2000人も出している位ですから・・。 frecce_nere_C.T.V..jpg 悪名高い「ゲルニカ爆撃」については4ページほど。 著者は「軍事的に見るかぎり、特別に非難されるものではないように思える」との感想です。 まぁ、この攻撃の真意についてはいろんな説がありますからねぇ。。 Dis Guernica nadat dit gebombardeer was in April 1937.jpg ビルバオの戦闘ではフランコと共に反乱軍の指導者だったモラ将軍が、 飛行機事故で死亡します。 ゲルニカ爆撃に対するバスク人の復讐説に、フランコ将軍のライバル暗殺説など、 さまざまな噂がスペイン中を駆け巡りますが、 何はともあれ、フランコにとっては、その独裁的な地位が確立されたわけです。 Emilio_Mola.jpg このちょうど半分が過ぎたところで、戦争自体は終わってしまいます。 以降の章は航空戦、海上戦闘、機甲戦単位で、より詳細に振り返りますが、 ど~も、どこまでが概要で、どこから本文なのかが良くわかりません。 その航空戦、まずコンドル軍団の解説では後期に投入されたJu-87が有名になったものの、 最も活躍した急降下爆撃機として、Hs-126を挙げています。 hs126.jpg 旧スペイン空軍では1000人のパイロットのうち70%がフランコ側につき、 反対に3000人の整備員の大多数が共和国(人民戦線)側につくという、大分裂が・・。 これは、パイロット = 士官(貴族・上流階級)、整備員 = 兵士(労働者階級)という図式です。 そしてフランコ空軍のスペイン人パイロットであるホアキン・ガルシア・モラト少佐が、 40機撃墜のトップエースということです。なかなかの数字ですねぇ。 GARCIA MORATO.jpg 無敵艦隊と云われたスペイン海軍も内戦が始まると混乱に見舞われます。 戦艦ハイメ一世の艦上では、空軍と同様に士官vs水兵に分かれた戦闘となりますが、 当然、人数の多い水兵側の勝利。80名の士官の全員が殺されてしまいます。 しかし、士官のいなくなった軍艦を水兵だけで操るのは大変で、行動不能になったり・・。 JaimeI.jpg そしてドイツ海軍も最新のポケット戦艦ドイッチュラントを地中海に送り込み、 共和国政府が維持している湾岸都市や軍事施設に艦砲射撃を実施。 しかしマジョルカ島でツポレフSB-2爆撃機の攻撃を受け、死者31人、負傷者83人を出し、 設備の良い病院があるとの理由で、英海軍勢力下のジブラルタル軍港へ逃げ込みます。 deutschland.jpg 陸上の機甲戦の主役はソ連製の10㌧級最新戦車T-26とBT5です。 これに対してイタリアはL3軽戦車を600両も送り込みますが、1/3程度の3㌧しかないうえ 7.9㎜機関銃だけしか火力がなく、到底、太刀打ちできません。 cv33.jpg フォン・トーマの指揮するドイツ装甲部隊もⅠ号Ⅱ号戦車では歯が立ちませんが、 1200門にも及ぶ、37㎜対戦車砲(PaK36)がソ連戦車を撃破。 また、フランコ側には鹵獲したソ連戦車も30両はあったということですから、 スペイン内戦でのT-26の写真だからといって、人民戦線側とは限らないようですね。 tanks in Spain.jpg 第9章は「国際旅団と外人部隊」です。 フランコ軍の反乱から共和国を守るために、世界54ヶ国から数万人が駆けつけ、 8個の国際旅団が編成されます。 ファシズムの蔓延に強い嫌悪感を抱いた知識人や労働者、学生たち、 または思想とは関係なく、単に冒険を求める若者たちの集まりですが、 スペイン語も話せず、軍事訓練も受けたことがない連中ばかりですから大変です。 中立を装っている英米からも大勢参加しているだけでなく、 ヒトラーやムッソリーニの政策に反発しているドイツ人、イタリア人の姿まで・・。 もちろんヘミングウェイも人民戦線側の取材記者として参加し、 帰国後、「誰がために鐘は鳴る」を発表するのです。 子供の頃にこの映画をTVで1回観ただけで、ほとんど覚えてないのが悔しいところ。。 ゲーリー・クーパーとヒトラーが好きだったというイングリッド・バーグマンですね。 ありゃ、これは「真昼の決闘」のペアじゃないの?? と思ったら、 あっちはグレース・ケリーでした。 For Whom the Bell Tolls_japan.jpg また、ロバート・キャパの有名な「崩れ落ちる兵士」も含め、 こういうところからも、共産・共和国政府が「善」とされるんでしょうね。 Carteles de la Guerra Civil Española.jpg 函館出身とされるニューヨークの料理人、ジャック白井について9ページ割いています。 米共産党の義勇兵としてスペインへと向かい、食事だけでなく機銃手としても活躍。 しかし、そんな「戦うコック」も狙撃兵の銃弾を頭に受けて、戦死・・。 ちょうど10月に「ジャック白井と国際旅団 - スペイン内戦を戦った日本人」が 文庫化されました。ちょっと気になりますね。 jack shirai.jpg 内戦も2年目の1938年になると、フランコ軍の優勢は明らかとなり、 たいした戦闘力のない国際旅団は大隊単位で全滅することもしばしば・・。 本国で「大粛清」の始まったソ連軍も粛清されるために装備を残して引揚げ、 人民戦線内部でも共産主義者とアナーキストが殺し合い・・。 指導者たちはピレネー山脈を越えてサッサとフランスへ亡命します。。 ツール・ド・フランスのピレネー・ステージのような必死さでしょうか。 FALANGISTAS EN EL DESFILE DE LA VICTORIA.jpg 最後の章ではこの戦争を分析し、登場人物を改めて詳しく紹介します。 さて、本書は評価が分かれる気がしますね。 半分過ぎまで読んで、「お~、この展開で最後まで行くのか・・」と心配になりましたし、 実際、戦記らしい盛り上がりもなく、なんとなく終わってしまいます。 Four female Loyalists patrol the street with rifles over their shoulders, 1937.jpg しかし、こうして振り返って見ると、それもまたアリなのかなぁ~と・・。 今まで、なかなか理解できなかった各々の組織とその関連性、 この内戦を理解するにはコレ位の基礎知識が必要だとも思います。 本書が面白かったか・・?? というよりも、本書を読んで、 スペイン内戦が頭の中でイメージできるようになったのは確かです。 これでいよいよ、ビーヴァーの「スペイン内戦―1936-1939」いけるかな?  それとも上下巻で1575ページ!のボロテン著「スペイン内戦 革命と反革命」。。 いやいやコレは無理だ。 とりあえず元旦早々、パエリア食べて気合だけは入れました。

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読書メーター 12月分

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2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2084ページ

孤独の愉しみ方―森の生活者ソローの叡智 (智恵の贈り物)孤独の愉しみ方―森の生活者ソローの叡智 (智恵の贈り物)著者:ヘンリー・ディヴィッドソロー
ソローの名言+それに関係するワンパラグラフ、という名言集。彼の思想には魅かれるものが多々あるので、借りたのですが、間違って名言集を借りてしまいました。(名言集は好きではないのです。)手っ取り早くいいとこ取りしたい方にはお勧めの一冊ですが、やっぱり作品を普通に読もうと思いました。読了日:12月21日
フォークナー短編集 (新潮文庫)フォークナー短編集 (新潮文庫)著者:フォークナー
時代背景(19世紀のアメリカ)への理解が浅いため、短編なのに読み進むのにやたらと時間がかかってしまいました。巻末の解説のおかげで少しは理解が深まったけれど、それでも難解な作品となりました。読了日:12月19日
ウェイクフィールドの牧師――むだばなし (岩波文庫)ウェイクフィールドの牧師――むだばなし (岩波文庫)著者:ゴールドスミス
イギリスの初期小説ということで構えていたけれど、面白かった。特に前半は人間臭さ満載で、ぷっと吹き出してしまう箇所も多いです。また、皮肉にユーモアはこの後に続くオースティンにもしっかり引き継がれていたのが分かりました。雰囲気としてはディケンズのピクウィッククラブに似ています。読了日:12月19日
なんらかの事情なんらかの事情著者:岸本佐知子
週末のお楽しみで借りたのだけど、パラパラ見たら止まらなくなって一気読み。何度も吹き出し、大いに笑わせてもらいました。読了日:12月17日
よくできた女(ひと) (文学シリーズ lettres)よくできた女(ひと) (文学シリーズ lettres)著者:バーバラ・ピム
30代独身女性の日々を描いた作品。こういう人いるな、こういう風にとられてしまうことありそう等、身近に感じさせるエピソードの作りこみ方が上手で、すらすら読めて面白かった。読了日:12月14日
マイ・アントニーア (文学シリーズ lettres)マイ・アントニーア (文学シリーズ lettres)著者:ウィラ・キャザー
優しさ、素直さ、謙虚さ、大胆さ、力強さ・・・、人を形作るたくさんの要素がちりばめられた作品。アメリカの移民一世、二世の貧しくとも美しい生き方を知ることができました。これは是非とも読むべき良書です。読了日:12月11日
なんといったって猫 新装版なんといったって猫 新装版著者:ドリス・レッシング
先日亡くなられたレッシングのエッセイ。猫カワイイだけの話ではない内容は意外でしたけど、残酷とも思える事実を包み隠さず書いてあることで、動物との関わりを考えさせられ、良書だなと思いました。猫を飼ったことのある人には容易に頭に浮かぶ猫の仕草には思わず顔がゆるみました。読了日:12月3日

読書メーター

未来の記憶 [単行本] 

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  未来の記憶 [単行本]   エーリッヒ・フォン・デニケン (著),   松谷 健二 (翻訳)   ⇒未来の記憶 [単行本]  <内容紹介>  発見前の南極を正確に描いた十八世紀の古地図、  エジプトのピラミッド、南米の神ケツアコル伝説  等の謎に対し、  「神々=宇宙人」という大胆な仮説で挑み、  ハンコックを始めとする数々の追従者を生んだ  伝説の作品。  <内容(「MARC」データベースより)>  18世紀に描かれた正確な南極の地図、  ピラミッド、南米のケツアコル伝説等の謎に対し、  太古の神々=宇宙人という大胆な仮説で挑み、  G・ハンコックなど数々の追従者を生んだ伝説の書。  74年刊角川文庫の単行本化。 ------------------------  <独り言>  世界中に残された巨石文化が語るもの。  その前に、緻密なまでの精巧な巨石の造作、  超重量物の運搬方法の謎・・・など現代文明でも  解決できない遺跡の技法。  この本が主張する古代からの口伝え「神」の  正体が「異星人」だったのではという論が  現在では最も腑に落ちるのではなかろうかと思う。  <関連動画>  デニケンの古代宇宙飛行士説  

自分探しの旅

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自分探しの旅 人は何故、旅をするのか? 自慢話?  あそこに行った、ここに行った、  あそこは綺麗だった、ここはダメだった、  何でも知ったかぶり、、、、 しかし、老齢の自分には、自慢話は必要ない 探求心?  まだ見ぬ場所を見てみたい、  どんなに凄いのか、自分の目で確かめたい  どんなに美味しいのか体験したい、、、 歳をとっても、疑問符は消えない 感動?  えつ、、、凄い!  綺麗、見事、良くこんなに、、、  美味い、旨い、美味しい、舌がとろける、、、  親切、優しい、奢ってくれた、案内してくれた、、、、、 アドレナリンが放出、気分は最高 要は他人には関係なく、 自分自身が、好奇心を満足し、気分が最高に盛り上がる、、、 それを求めて旅をする、 それを満たされるのが、 人との出会い、交流、ふれ合い、、、、、、 たった一人でも楽しいのだろうが、、、、 そこに人が居る事で、 現地の人であったり、旅の仲間であったり、、、、 更に大きく盛り上がり、感動を覚える、、、 だから、 出来るなら、複数での旅、 若しくは、現地の人との交流が必要なのだ、 そうすることで、感動も倍返しとなる、、、 自分を探さない旅: 昨年末から、この著者の本を読んでる、 旅について考える、 気楽に考えられる本である DSC_0436.jpg 今更、自分探しでも無いであろう、 自分を探さない旅、 私もこれを目指して、旅に出ようか、、、、 世界も驚くニッポン旅行100: 同じ著者の本、 と言うか、夫婦で書かれてる本 DSC_0435.jpg 海外旅行の後に、 そういえば、日本の事を全く知らない自分に気付く、 DSC_0437.jpg だったら、日本を知るために、 国内を歩いてみよう、、、 確かに、 この本を見ても、知らない所が余りにも多い そういう、日本を知らない自分を気付かせてくれる、、 うん、行ってみたい、 行けない理由は何も無い、、、、、 (経済的な面は残るが) 後は行動あるのみ、 自分探しでなく、 日本探しの旅に、、、 行ってみたくなった、 そんな本でした

『危険な宗教の見分け方』

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『危険な宗教の見分け方』 田原総一郎・上祐史浩 2013/11 (008)危険な宗教の見分け方 (ポプラ新書)  著者田原はジャーナリスト、上祐は「ひかりの輪」代表。 オウム真理教に惹かれた心理などについての対談集。  上祐は早稲田大大学院から宇宙開発事業団に就職していた。  上祐にとって宇宙開発に携わることは手段であって、目的は「自己の価値を最大化すること」だったと語る。ワン・オブ・ゼムでない特別な存在になりたいということ。殺された村井秀夫も同様のことを言っていた。村井は阪大物理学科から神戸製鋼に入って素材研究をしていた。  麻原は自分のことを「キリストの生まれ変わり」と本当に、真剣に信じていた。  キリスト復活について、上祐は「科学的・合理的に判断すれば、一種の共同幻想」だと述べる。神の子は存在していなくても「神の子体験」はある。それが宗教になる。  早川紀代秀は麻原に「菩薩」と評されて、他のことが目に入らなくなた。自己評価に飢えていたという。  オウムの教義や修行はチベット密教に似ている。クンダリーニヨガをやっているうちに自分が世界の中心であるかのような意識が出てくる。ユガによる神秘体験で「解脱した」とか「救世主になった」と思うような体験をする。  ダライ・ラマは100万ドル(以上)を寄付されて麻原を「仏陀の心を持っている」と評した。当時の信徒はそのことを知らなかった。  麻原の不合理な言動は、精神的訓練だと思って受け入れていたという。結果的にトップ以外は思考停止状態の集団となった。田原は、日本の企業はオウムと同じ、社長に意見が言えないと評する。  麻原がサリン事件へ進んだ心理は、太平洋戦争へ突入した日本と同じだという。  上祐は出所後教団に戻った。当時の心理として、麻原をグルとすることなしに自分の心身の安定を保つことに自信がなかったと述べている。

1月第1週に読んだ本(まとめ)

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2013/12/29~2014/01/04 『日本人は「経済学」にだまされるな!』 中原圭介 2013/08 『お客さまはもう増えない!だから接客で客単価を上げなさい』 成田直人 2013/04 『そして、メディアは日本を戦争に導いた』 半藤一利・保阪正康 2013/10 〇 『iPS細胞はいつ患者に届くのか』 塚崎朝子 2013/11 〇 『「気おくれ」しない7つの習慣』 渋谷昌三 2013/08 『はじめての不動産負けナシバイブル』 志賀公斗 2013/01 『危険な宗教の見分け方』 田原総一郎・上祐史浩 2013/11 〇

治療が劇的にうまくいく!高齢者の栄養はじめの一歩 身体機能を低下させない疾患ごとの栄養管理のポイント 楽天ブックス

第七十四話_short ショートショート

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 短編小説よりもさらに短く、意外なアイデアに満ちた小説。

 ショートショートとは? を検索して出てきた答えを見て、私はのけぞった。

 そんな難しいものは書けないと思ったからだ。

 意外とは、考えたことと違うとうことだ。だとしたら……

 自分の頭の中で考えたことと違うアイデアなど、私には書けるはずがないのだ。

                                       了

 

 

1000円カットの散髪屋の感想+読書メモ

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DSC_0258.JPG 仕事が丁寧でした。今まで1500円の洗髪&髭剃りありの散髪屋に行ってましたが、今日は休みだったので、気になっていた1000円散髪屋をトライ。QBハウスみたいなところは人生で初めてです。原宿にあるようなおしゃれなヘアサロンやら美容室も行ったことがありませんが。あんなところに行くとドキドキしそうです^^ (主な相違点) ・ジェルなどの整髪料をつけてる人はシステム上対応不可 ・カットのみで洗髪&髭剃り無し ・カット後のセットは無し 工程は以下の流れ。 ・店の入口で自動販売機で1000円のチケットを購入。 ・9時開店でいきなり客が4人来店。理容師さんは2人。 ・椅子に座り、マントと首周りにゴムを巻かれる。 ・寝癖がついたままだったので、シュシュっと水スプレーされる。 ・「どのようにされますか?」「1か月分カットしてください」 ・カット。かなり丁寧。 ・電動のカミソリみたいなやつでキワゾリされる。 ・ドライヤーで髪を飛ばす ・棚から掃除機のホースみたいなものを出し、抗菌ボックスから吸引口を出しくっつける。 ・髪をバキューム。おしまい。 散髪代、2~30年前は3800円ぐらいしてました。地域差はあると思いますが。今住んでるところは1500~2000円の散髪屋が近所にチラホラあります。安いところは数人の理容師がいて、日によってカットする人が変わるので、当たりハズレがある。 あきらかに今行ってる1500円のところより、カットが丁寧でした。洗髪などの余分な工程がないので、カットにかなり時間をかける。散髪屋の本質はカットなので、かなり満足しました。今後はこちらにしよう。これだったら3週間に1回ぐらい通ってもいいかも。家に帰って洗面で髪を流して、ジェルをつけていつもの髪形完成。おでこから波動砲発射しそうです^^ DSC_0263.JPG この前読んだ「なぜあの会社は儲かるのか」に書いてありましたが、こういうの「マイナスの差別化」というらしいですね。サービス業のマイナスの差別化一覧は以下。 ・スターバックス(禁煙) ・サウスウエスト航空(座席指定、機内サービス) ・QBハウス(洗髪、髭剃り、現金授受、両替) ・カーブス(シャワー、プール)⇒フィットネスクラブ ・セブン銀行(法人融資) ・スーパーホテル(室内電話、チェックアウト) ・イケア(組み立てサービス) ・ライフネット生命(保険の特約) ・ケアプロ・ワンコイン健診(不要な検査) <QBハウスについて> 創業者は小西國義。もとは医療機器の営業マン。商売柄身なりに気を配り、月2回は理髪店訪問。忙しい中調髪の時間が長いことに不満を感じる。観察すると実際に髪を切ってるのは10分程度。後は自分で出来る髭剃りなんか。 彼は短時間で髪を切ることが顧客価値であると考え、10分間でカットに専念するQBハウスを1996年にオープンさせた。2012年5月現在、QBハウスの店舗数は503店となり、うち海外には68店出店。ただし同業でも参入しやすくコモディティ化しやすい。 僕の髪をほとんど切ってくれ♪ 名盤デジャブから、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングでAlmost Cut My Hair♪ 愛用してるウルトラハードジェルです。
Jウルトラハードジェル330g

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  • 出版社/メーカー: 柳屋本店
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品

「かもめ食堂」

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「かもめ食堂」    2006年/日本/102分  @WOWOWシネマ
監督:荻上直子  主演:小林聡美 片桐はいり もたいまさこ

 

  かみさんが見始めたのでつい一緒に見てしまった。ヘルシンキの小さな日本食の店、「かもめ食堂」を舞台にさまざまな人間模様が描かれる。といっても何かが起きるわけではない。いわば安心して見ていられる映画。少しばかりファンタジー混じりで・・・。何といっても小林聡美がいい、ひょうひょうとしていて何事にも動じない。片桐、もたいの曲者はいわずもがな。
  フィンランドといえばシベリウスの交響詩「フィンランディア」が思い浮かぶ。大好きな曲の一つだ。
北欧の3国(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)はぜひ訪ねてみたいところ。(でもむずかしいかな)

かもめ_3.jpg 

2013年に読んだ本

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2013年は、くどいようですが(笑)図書館の利用を夏ごろ始めて、
急激に読書欲が湧いて、読む量も急増しました。(自社比)

しかし、年末に失速してしまって、結局昨年と大差ない冊数になりました。(しかもまた年またぎ)

2014年も、近所と職場近所の図書館を駆使して、新しい作家さんや読みたかった作品に
出逢っていきたいと思います。
(年末に、ポイント消化で本をたくさん買ってしまったので積読本も増えた…)
今年もよろしくお願いします。

 

 

2013年の読書メーター
読んだ本の数:67冊
読んだページ数:21252ページ
ナイス数:3197ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/72913/matome_y?invite_id=72913

■食堂かたつむり (ポプラ文庫)
★4 年またぎ。映画を観てたのでイメージはあったけど、小川さんの作品は食べるものがいつも美味しそうだ。「食べる」ことの重要性と、たくさんの命を食すことへの感謝を思い起こさせるような私は満足する作品だった。番外編のようにかたつむりに来るお客さん目線がもう少しあっても良かったかなぁ…。
読了日:1月3日 著者:小川糸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/24904523

■ソロモンの偽証 第I部 事件
★5 これぞ宮部みゆき、ともいうべき濃さ。しかもこれまだ序章。久しぶりに読みごたえのある作品に出逢えている。私の日頃の読む速さからして3ケ月がかりは覚悟してるけど、著者が執筆していた10年間留年していた気分だったというのも頷ける。登場人物たちが非常に丁寧に描かれていて、健一の暗い決意の場面では早く誰か助けてあげて!!と叫びそうになった。端々に出てくる時代は、私の2〜3コしか変わらない先輩たちだ。自分が中学生の頃を思い出しながら、この中学生たちがどうするのか見届けたいと思います。
読了日:1月26日 著者:宮部みゆき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25573881

■ソロモンの偽証 第II部 決意
★4 物理的に重くて、内容的に重厚。まだ1部の中頃で躓いてた時、電車で2部の後半を読んでる方を見かけてあまりに遠く感じて途方に暮れたけど、実際はぐいぐい読まされた。-1は物語に全然関係ないけど「そうゆう」と書かれているところが何ヵ所かあって気になったから。登場人物に合わせたりする意図があるのかもしれないけれど、私は嫌いなので。宮部みゆきともあろう方が使ってはいけない。物語の時代からみても不自然だし。読みながらムクムクと起き上がってきた疑問と疑惑は3部ですっきり晴れてくれるだろうか。
読了日:1月31日 著者:宮部みゆき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25730862

■ソロモンの偽証 第III部 法廷
★5 読後しばし放心。ふぅっと息をついて溜まったものを吐き出した。目に見えない塊にぐいぐい押されるように一気に進み、最後はいつもより早く起きて読み終えた。結局、この物語の最も要となる人だけが登場しなかった。丁寧に描かれた登場人物たちに語らせただけだったのに、あの存在感。過去や現在の読者それぞれが、登場人物の中にいたのではないだろうか。そう思わせるこの重みこそが宮部みゆきなんだ。胸にずっしりと残るこの想いを上手く言葉にできないけど、この作品に出逢えて、あの夏を乗り切った彼らに未来があって良かった。
読了日:2月6日 著者:宮部みゆき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/25894607

■切れない糸 (創元推理文庫)
★4 坂木作品3作目。アンちゃんの住む街の話とあったので読んでみた。(アンちゃんは出てきてたのかな?)私が今住む所に昔ながらの商店街はない。だから、温もりのあるお店もなければ、年輩の方たちが自分を気にかけて時に鬱陶しくなるほど話しかけてくれるようなこともない。仕事のプロがたくさんいて、ちょっと面倒臭い商店街が羨ましくもあり憧れる。この物語が現代でありながら懐かしさを覚えるのは、そこに広がる景色がごく当たり前に見ている風景だからなのだろう。ほくほく温まれて面白かったので、続編を期待します。
読了日:2月17日 著者:坂木司
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26228591

■しあわせのパン (ポプラ文庫)
★4 こういう作品わりと好き。じっくり、ゆったり、優しい。お客さんの頑丈に閉じられてしまった心の扉が美味しい珈琲とパンによって開かれていく雰囲気が素敵だと思った。最近ようやく映画を観て、水縞くんの思わせぶりな台詞が気になって読んだので、登場人物たちは完全に映画の皆さまだった。月浦の風景や季節ごとの情景が美しく、この作品は映画とセットで楽しむのが一番良いと思った。北海道の広い大地と空に憧れてるので、目で耳で心で楽しめると思う。他のお客さんのその後も少しあると良かったかなぁ。
読了日:2月22日 著者:三島有紀子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26384364

■清須会議
★2.5 私の歴史の不勉強さを突きつけられたなぁ(独り言)。この会議が秀吉の天下取りの足掛かりになる重要なものだったんだ。いつの世も大事なのは人脈と根回し、そして先を見据えるリーダー。要領よく立ち回れる人がのし上がり、まっすぐな者が蹴落とされる。重大な決定事項ほど表に出てくる時には全てが整った後。数百年経とうが変わらないのか。この現代語訳、非常に疲れた…。会議始まるまでだいぶ手こずってしまった。三谷氏は小説よりエッセイのほうが向いてると思った。(引っ込み思案なのに自己主張激しいから←ご本人の弁です!)
読了日:3月4日 著者:三谷幸喜
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26681691

■ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
★4.5 これまでの3作で描かれてきたことが半歩ぐらいずつ前進する長編だった。母の不気味さは登場しても変わらず、掴みどころのない女性だった。母娘が似ているところも今後気になるところ。いわゆる名作と言われる作家たちをきちんと読まずに大人になってしまった私には、古書に関して相変わらず恥ずかしいほどちんぷんかんぷんなのだけど、「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」が今回印象に残った。…そういえば大輔への答えがどうなるのかも気になる(笑)。次も読んでしまいそうだなぁ。
読了日:3月10日 著者:三上延
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/26855314

■くちびるに歌を
★2.5 春だし、しばらく青春シリーズの第1弾。物語の語り手がコロコロ変わるのだけど「私」がどの子なのか、描写に乏しくて分かりづらかったのが残念だった。この作者のもう一つの名義作品にあまりいい印象がないからこちらを期待してしまったのだけど、舞台が五島列島で、方言が心地良かったこと以外はそんなに突出してなかったかなぁ…。「手紙」を久しぶりに聴いてみたら、この合唱部の子たちが思い浮かんできてじわっとしたけど。夢中になれることに出逢えたサトルが被害妄想満載なぼっち状態を抜け出せて良かった。
読了日:3月17日 著者:中田永一
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27083882

■幕が上がる
★5 春だし、青春シリーズ2冊め。こんなにのめり込むとは。中学生の時に演劇部で夢中になっていたことを少し思い出しながら読んだ。大人になって舞台を観に行くようになって、作者の名前も知ってはいたけれど、演劇論を熱く語るような堅いイメージがあったのでこういう読みやすい小説を書いてるとは思わなかった。多分、指導はされてなくても高校演劇に精通されているからこその作品なのだろう。作中の舞台・台詞や演出の臨場感が凄かったもの。文化部だから楽なんてことは決してないんだから!!いい作品に出逢えた気がする。
読了日:3月21日 著者:平田オリザ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27185319

■図書館戦争 LOVE&amp;WAR 11 (花とゆめCOMICS)
コミ☆5 きちんと原作のポイントを押さえつつ、特別編やおまけまんがのオリジナルで読者の妄想を煽ってくる(笑)あたり、さすが。シリーズ本全巻持ってるのに、まだコミックでニヤニヤ(*^^*)させてもらえるとは。次からはいよいよ「〜革命」。ますます2人のイチャイチャぶりに拍車がかかりそうで楽しみ。
読了日:4月6日 著者:有川浩/原作弓きいろ/作画
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27653725

■チア男子! ! (集英社文庫)
★3 春だし、青春シリーズ大学生編。初めての作家って読みづらい…。青春というのは高校ぐらいまでかと思ったけれど、大学でもあるかー。数年前にドラマで男子のタンブリングやってた記憶があるので、(女子との比較とか)何となくデジャヴ感。晴希の動機がちょっと弱かったかなぁ。引っ張り過ぎな気がした。でも、青春ってのはやっぱり爽やかでないとねっ!!
読了日:4月11日 著者:朝井リョウ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/27774909

■望郷
★4 湊作品、実は初めて。映像化されたのも観ていないが、何となく手を出すのに勇気が必要な作家という印象があった。長編に比べると手加減されてる感じなのだろうか。作者の故郷がモデルで望郷なのかな。短編なのにそれぞれが力強く、全作通して刷毛で撫でるようにうすら寒い。このうすら寒さが湊印なのだろう。それでも最後の短編で涙が溢れて仕方なかったのは、自分の置かれてる状況と重なったか。故郷と呼べる場所がない者にはどんな場所であれ羨ましいけどね、望郷って。
読了日:4月23日 著者:湊かなえ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28117978

■永遠の0 (講談社文庫)
★5 零戦の0だと分かってから避けていた作品。一人語り系説明式文体がニガテなので大分時間はかかったけど、ずっしりとしたものが胸に残った。(最終章を電車内で読んで失敗T^T)この想いを言葉にすれば、政治的なことにまで言及していきそうなので止めておくけど、非常に考えさせられるものがあった。戦後70年が迫り、政を司る人たちすら戦後生まれになっていくことは、多分物凄く危機感を持たなければならないことなのだと強く感じた。児玉清氏の熱い解説の最後まで、じっくりと読ませてもらった。避けずに早く読んでれば良かった。
読了日:5月16日 著者:百田尚樹
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/28793477

■真夏の方程式 (文春文庫)
★3.5 ふぅ、ようやく読了。久々に読んだガリレオシリーズは映像化から流されることなく、このシリーズの長編らしい作品だった(初期の短編に比べ湯川先生の変人ぶりもだいぶ薄らいでるけど)。子供が苦手だという設定はどこへいったんだろう?とふと疑問。(本でもあったよね?)ガリレオシリーズの長編は、サクサク論理的思考で推理していくことよりも、人の心の機微な動きを描くことに重きを置いているらしい。今回文庫だったけど、単行本の表紙は結構重要なキーワードが隠されていたんだと読後に気付いた。
読了日:6月2日 著者:東野圭吾
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29254060

■シティ・マラソンズ (文春文庫)
★4 三人の作家による、三都市のマラソンを描いた贅沢なアンソロジーだった。私は走ることがないので、走っている時に見えてくる景色や心情、ゴールの先にあるものが何なのか分からないけれど、みんな何かを抱え、乗り越えたり達成したりするために走るんだろうなぁ。三作とも読後の爽快感はさすがだと思った。
読了日:6月6日 著者:三浦しをん,近藤史恵,あさのあつこ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29355183

■探偵・日暮旅人の壊れ物 (メディアワークス文庫)
★3 マンガでも小説でも過去を(回想などでも)描き始めたら、作者がシリーズを終わらせたくなくて引っ張り始めたかネタ切れかのどちらかだと思っている私は、今回なかなか入り込めなかった(意地悪でスミマセン)。この作者もかという若干の落胆もあり…。旅人の黒い部分は復讐のときのほうがよっぽど怖かったー。旅人にとって陽子がいかに大事で、かけがえのない存在なのかが分かってきたので、前作から最後に書かれている人影が陽子に近づいてきたときの旅人の黒い部分の出方が気になってきた。
読了日:6月16日 著者:山口幸三郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29620715

■ALONE TOGETHER (角川文庫)
★2.5 MOMENT・WILLが良かったので読んでみたけど、可もなく不可もなくって感じだった。他人と波長を合わせて本音を聞き出す能力を持つことは苦労するんだろうなぁ、というぐらいで物語としては盛り上がることもなければ、主人公と関わったからといって劇的変化が起こるわけでもなく。淡々とページを捲って、気づいたら終わってたという作品だった…。
読了日:6月22日 著者:本多孝好
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29778056

■君に届け 19 (マーガレットコミックス)
コミ☆4 ピンがカッコイイ巻。そして、それぞれの未来の道を考え始める巻。(まだ2年生だったんだよね、彼ら^^ゞ)ずっと爽子と風早の想いが届いたところで終わりで良かったんじゃないかと思ってたのだけど、うまーく新しいゴール見つけたなぁと思ってしまった。私は未だにあやねはピンかなぁ…と思ってるのだけど。本当にケントでいいのかい?爽子が本当に将来を考えてなさそうだったのにはビックリしたなぁ。結局みんなのこれからが気になるから読んでしまうんだろうなぁ。青春ってまぶしいわー☆
読了日:6月25日 著者:椎名軽穂
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/29874913

■英雄の書(上) (新潮文庫)
★2.5 ようやく終わった…(上巻が)。これ、昔の新潮文庫なら1冊に収まってたと思うのだけど。物語になかなか入り込めなくて、非常に苦労した。言葉がかしこまりすぎてて、物語より言葉をなぞってるだけになってしまった。ブレイブストーリーぐらい、全くの異世界に飛んでくならまだ分かりやすかったかもしれない。宮部作品に登場する男子は結構好きなんだけど、女子が大人びてて少しニガテなので、ユーリの小学生らしからぬ振る舞いにかなり戸惑って下巻へ。(途中で投げ出せない性格なので、とりあえず進みます。)
読了日:7月15日 著者:宮部みゆき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30355995

■英雄の書(下) (新潮文庫)
★4 上巻の長ーい説明をようやく聞き終わったと思ったら、いきなりジェットコースターに乗せられて猛スピードで何回転もしてきたような感じ。結局大団円にはならなかったし、そんな甘い終わり方にならなかったので、もしや続編なんぞ目論んでるのかな?と勘繰ってしまった私は、このテの冒険モノに不慣れなせいで大分戸惑ってしまった。時間作って一気に読み進めなければいつまでも持ち歩いてしまっていたなぁ。でも「物語」に語らせる力強さは、さすが宮部みゆきというべき作品だった。
読了日:7月20日 著者:宮部みゆき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30490506

■大泉エッセイ ~僕が綴った16年 (ダ・ヴィンチブックス)
★5 あー面白かった。さすがだ。途中までちびちび読んでて、後半家で一気読み。電車でニヤニヤしながら読んでたおじさんに朝から出会し、何だか悔しくなった(もうそこまで読んだのっ?!て)。そうかと思えば、違う日にはローカル局で再放送されてた「どうでしょう」の話を楽しそうにこの本を読む私の前でしてた男女がいたり。改めて引きの強い人だなぁって思った。(追記)9月に北海道の伯父が急用で東京行の飛行機を取ろうとしたら、全日満席で実家に帰れなかったのが、どうでしょう祭の影響だったと聞いて改めて大泉洋スゴイと思い知った。
読了日:7月26日 著者:大泉洋
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30623474

■本日は、お日柄もよく (徳間文庫)
★5 初原田マハさん。何だ、この出逢ってしまった感じは。話題の作家作品にいきなり単行本は…と書店で躊躇して文庫。導入のスピーチからすっかり捕まって、私には珍しく1日で読みきってしまった。心動かされるスピーチに参謀がいるのは初めて知った。(演説原稿はお役所仕事だと思ってた。)作品として紡がれた言葉たちはキラキラしていて、紙の上で喜んでいるように見えた。印象的なフレーズが多く、まさに言葉の魔術師のような方だと思った。久々に興奮してしまう作家さんにめぐり逢ってしまった。
読了日:7月28日 著者:原田マハ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30688750

■飲めば都
★5(図) 久しぶりの北村作品。やっぱり大好きな雰囲気だなぁ。ワインをグラスに半分も飲んだら真っ赤になって身体中かゆくなってきてしまう者にとっては、都さんたちの飲みっぷりは羨ましい。昔、電車の車窓から「酒を飲むは時間の無駄、飲まぬは人生の無駄」という大きな文字で書かれたお店が見えたけれど、本当にその通りだなぁと思う。楽しくなるお酒なら、とても羨ましい。出版社勤務の都さん、何となくかつての北村作品登場の「私」の未来のような気がして、ムフフと楽しめた。(彼女は全然飲めなかったか…)
読了日:8月1日 著者:北村薫
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30768127

■ウィンター・ホリデー
★5(図) うー、やっぱり面白い。物語全体に優しい雰囲気が漂うなかにもピリっと締めるところは締める(ジャスミンの哲学がカッコイイ)。結構、ボス好きかも。おきたか。が私的最高の一文だった(笑)。愛すべきキャラクターの皆さんも、要となる初登場の彼女もなかなか堂に入ってて大好き。少し雪解けの様相を呈してきた彼女と、3人の親子関係がどうなるのかも合わせて、このシリーズはしばらく読んでいたいなぁ。
読了日:8月5日 著者:坂木司
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30866961

■カフーを待ちわびて
★3(図) いやー、現実逃避して南の島に飛んで行きたくなった。初原田作品だった「本日は、お日柄もよく」があまりに良かったので、期待しすぎてしまったかも。何ていうか、明青が歯痒くてもどかしすぎるっ!!言葉にしなきゃ伝わらんでしょーって。2人のその後は読者に委ねられたみたいだから、良い方に想像しておくことにするよ。確率は非常に低そうだから、ひと夏の恋的物語なのかな。明青くん、逃がした魚はデカイぞっ!!(笑)
読了日:8月7日 著者:原田マハ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30907637

■ホテルジューシー
★3(図) 偶然沖縄が続き、読書で夏満喫中。姉妹作があるのは読み始めてから知ったので、返す時に見てこよう。坂木作品では、アンちゃんと由希子さん、このヒロちゃんと印象的な女性陣に出会ってきてるけど、皆それぞれ芯がしっかりしていて、ブレない。アンちゃんとも似てるヒロちゃんの正義感の強さがなんとなく苦手だと思ってしまったのは、自分がブレブレだからなんだろうなぁ(笑)。背筋がゾクッとするような話もあったけれど、ホテルの人たちのキャラクターがとても素敵で、一緒に働いてる気分になれて楽しめた。
読了日:8月10日 著者:坂木司
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30981032

■旅屋おかえり
★5(図) 読メ150冊目にまたもや出逢ってしまった。本当にドラマティックに物語を綴る作家さんだ。原田作品3作目も終盤は涙が止まらなかった。登場人物一人一人がとても魅力的でイキイキしていて、旅するおかえりちゃんが素敵だった。でも彼女が素敵に見えたのは、彼女を「いってらっしゃい」「おかえり」と見送り、待っていてくれる“チームおかえり”の面々がいるからこそ。最後泣き通しの読後はとっても爽やかでスッキリして、旅に出たくなる作品だった。
読了日:8月11日 著者:原田マハ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31000640

■シンデレラ・ティース
★3(図) 「ホテルジューシー」を先に読んで姉妹作があると知って読んでみた。ヒロちゃんと所々リンクしていて面白かった。……うぅ、長いこと歯医者行ってないなぁ。どういうコンセプトでやってる歯科かは分かったけど、患者を「お客様」というのは嫌だったな(ヒネクレモノなので、どうしてもお金の臭いがしてしまう)。坂木作品はドロドロした感じはないし、優しい雰囲気だから安心して読めるという印象があるので、アンちゃんやホリデーシリーズと同様、サキちゃんと四谷さんのこの後も読んでみたいなぁと思った。
読了日:8月13日 著者:坂木司
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31078229

■木暮荘物語
★3(図) 木暮荘を舞台とした連作短編集。もっと温かみのある感じかと勝手に想像していたので、生々しい話の数々に面食らった。欲望って、普段皆何食わぬ顔で澄ましてるけど、誰の心の底にも渦巻いてるものなんだ。「黒い飲み物」の奥さんがちょっと怖かった…。さりげなく物語がシンクロしてて、連作ならではの面白いところもある作品だった。
読了日:8月15日 著者:三浦しをん
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31123619

■大崎梢リクエスト!  本屋さんのアンソロジー
★5(図) このアンソロジー、今話題の小学館ビルの「落書き」を思い出した。普段は別のものを創るライバル同士がひとつのことに集うというのは、ファンや本、本屋さん好きには堪らない「作品」になる。読んだことのない作家さんと出逢えることもまた魅力。「なつかしいひと」がじわっと沁みたなぁ。私は大人だったけれど、ひたすら賑やかな本を読んで自分を鼓舞していたことを思い出してしまったから。作家さんにこんな素敵な本屋さんの作品書かれちゃったら本屋さんに行きたくなるし、本がさらに読みたくなるじゃないかー。
読了日:8月18日 著者:大崎梢
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/31181366

■風のマジム
★4(図) 今月3度目の沖縄(by読書)。脳内BGMは「島唄」「島人ぬ宝」(ラジオで流れてた)。実際に実現された方がいらっしゃるとはいえ、原田さんの物語力は凄い。登場人物たちも魅力的な人たちばかりで、沖縄言葉も心地好く届く。物語力と南大東島の風にぐいぐい押されて一気に読んでしまったので、あれよあれよと成功にたどり着いたように感じてしまったのが少し残念だった。風の島の風は、私が想像しているよりもずっと優しくて心地よいんだろうなぁ。
読了日:8月20日 著者:原田マハ
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■おいしい水 (Coffee Books)
★4(図) おいしい水でコーヒー屋さんが出くるので、80年代の喫茶店の話かと思った。(神戸だから六甲のおいしい水あたりかなぁと。)連絡するにも待つにも会うのだって今よりずっともどかしかった時代。待ち合わせも一苦労なんて今じゃ考えられないけど、その分待つ幸せは今より濃かったんじゃないかなぁ。独特の読後感の作品だった。装丁がとても綺麗で、写真集のような本だから時代を感じ辛くて残念だった。伊庭さんの絵がどうしても写真に見えて、短いけどとても印象に残る作品だった。
読了日:8月23日 著者:原田マハ,伊庭靖子
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■本屋さんで待ち合わせ
★4(図) ようやく読めたエッセイ本(お友達から〜は予約中)。さすがに面白くて読ませるし、読みたい本が増えた。とりあえず返す前にメモせねば。数々の作品が登場したけれど、一番生き生きと書かれてたのが「おわりに」最後の9冊だった気がする(笑)。辞典や日本語・屋久島に関する本が出てくれば、三浦さんのあの作品たちに繋がってるのかな?とか思い巡らすのもまた楽しい。やはり書く人はオモシロイ。(初っぱなからどんなところに住んでるんだ!?って思ったし。)素晴らしい作品を生む人はエッセイも面白いというのは定説かな。
読了日:8月24日 著者:三浦しをん
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■風光る 34 (フラワーコミックス)
コミ☆5 時代が動くうねりの真っ只中に突入していく時期に、セイちゃんと総司のいる部屋だけ時間が止まっているかのように見える。屋敷の外の時間の流れと、2人が闘う部屋に流れる時間の速度の緩急のつけかたが、この先更に大変になるのだろう。総司と平助が行き合う場面での初めて出てきた表現が寂しい。34巻まで読み続けてきた物語の着地点が、どこになろうと最後まで見届ける覚悟は出来てるので、2人にとって一番良いところに着地させてあげてほしい(泣)。
読了日:8月26日 著者:渡辺多恵子
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■刑事の子 (BOOK WITH YOU)
★4(図) 宮部作品の現代モノはほぼ読んでるはず…と初めて見た作品を借りてきた。目次とプロローグに既視感があって、奥付見てビックリ。改題とかやめてー。「東京下町殺人暮色」なら家にあるし何度も読んだよっ!!だから現代より少し時代がかってるし、私が好きな宮部みゆきらしい作品なんだ。(置かれた環境が複雑なのに良い子に育ってる)中高生男子を描いたら逸品の方だと思ってるので、順くんも慎吾くんも好き。しゃきしゃきハナさんも素敵。周りの人たちのキャラクターも良いから、残酷な事件でも読めてしまうのが宮部マジック。
読了日:8月28日 著者:宮部みゆき
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■近藤史恵リクエスト!  ペットのアンソロジー
★4(図) 初読みの作家さんばかりで「里親面接」はそうきたか!と唸ってしまった。私自身、親の影響や住環境もあってかペットを飼った経験がないので(あるとしたら金魚の類い)、人のペットや散歩中の犬を見て思うぐらい。「ネコの時間」にうるっ、「バステト」で背筋がゾクッ、「パッチワーク・ジャングル」では爬虫類もペットかーと思った。愛情を傾けて一緒に暮らせばペットなのかな。「シャルロットの憂鬱」のシャルロットが可愛かったのでどこかでまた逢いたいなぁ。「最も賢い鳥」ヨウム調べてみようっと。
読了日:8月31日 著者:近藤史恵
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■生きるぼくら
★4(図) いやぁ、良かった。本格的な稲作やマーサおばあちゃんの認知症についてはそんなに甘いもんじゃないだろう、と思ったけれどひとまず置いておいたとしても、良かった。人生くんとつぼみちゃんが、顔上げて前を向いて歩き始めてくれてよかった。季節をひとめぐりして、日本の四季の素晴らしさを体感できるとともに、改めて日本って良いなぁと思う物語でもあった。人生くんとつぼみちゃんが可愛かったし、志乃さんや田端さんはカッコイイ大人だし、原田さんは読ませる作家さんだとも改めて思った。
読了日:9月5日 著者:原田マハ
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■図書館戦争 LOVE&amp;WAR 12 (花とゆめCOMICS)
コミ☆5 原作でも充分身悶えた革命編にいよいよ突入。(内容的にはちょっとタイムリー!?)有川センセイにも散々やられたのに(笑)、弓センセイもスゴイ(*^^*)原作読みながらニヤニヤ妄想していた以上のものを画かれてる。もう、お見事としか言えません。コミックの外側に付いていたおまけ(@文教堂)で、私は店内で手にした瞬間キャーッ((O(&gE;▽&lE;)O))と言いそうになりましたが、中身はそれ以上の破壊力。導入でこれなら、この先どうなるんだ……。こうなったら別冊までいってほしい気がしてきましたー。
読了日:9月7日 著者:
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■小さいおうち
★5(図) 初中島京子さん。直木賞作品と知らず失礼しました。戦争を描く作品は数多あるだろうけれど、中上流家庭の女中さん目線の戦争というのは珍しいと思う。昭和初期の和洋折衷でレトロな「モダン」といわれた時代の描写が好きなので、華やかで活気に満ちた街の様子はとてもワクワクした。あらゆることを抑制・統制されていた時代。大きな事件が起こるわけでもないのに、最後の最後に「何で?」と大きな謎を落として終わった。奥様と板倉さん、タキさんの奥様への想い、板倉さんが見た赤い屋根の家。真実は3人の心の内にしかないのだろう。
読了日:9月14日 著者:中島京子
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■俳風三麗花
★5(図) なんと優雅で上品、かつ日本語好きにとって心浮き立つ作品なのだろう。昭和初期の東京の街の賑わいや華やかさ、人々の心の豊かさが伝わってくる素敵な物語だった。俳句などかじったこともないので自分では詠めないけれど、季語を眺めているだけでも幸せだった。五七五の17文字に季節と自分や他人の想いを重ねたり込めたりしながら詠むというのは、なかなか奥深いものなんだ。三麗花たちの通わない想いが切ない。とりあえず「本屋さんで待ち合わせ」、素敵な作品に出逢わせていただきありがとうございましたっ。
読了日:9月16日 著者:三田完
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■ピンクとグレー
★3(図) 途中までバラバラしていて、ひどく読みづらくて苦労したけれど、ある一行でえっ!?と思ってからは一気に進んだ(わりと後半)。芸能界の中でもアイドルという特殊な場所に身を投じている作者だからこそ書ける物語なのだろう。逆にいえば、彼はこの場所のことしか描けない可能性もあるわけだけれど。自らの命を絶つことが美化されることに抵抗がある私は、何となく反抗を覚えてしまう物語だった。混ざって同化するのはそういうことかとも思ったけれど、可もなく不可もなくという醒めた感じの読後になってしまったのが残念だった。
読了日:9月22日 著者:加藤シゲアキ
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■ランチのアッコちゃん
★4.5 初めての作家さん。テンポが良くて読みやすかった。テレビ番組のサラメシがよぎりつつ。アッコ女史みたいな上司がいたら仕事頑張るだろうなぁ。腹が減っては戦はできぬで、食べることは生きること。ランチタイムが充実すれば仕事も捗る。イマドキの若い子たちは、年代が上の人(私含め)からみれば物足りないところもあるけれど、レミちゃんみたいにちゃんと考えてるしちゃんと動ける。いわゆるゆとり世代はとにかくマイペースなだけなんだと、私は職場で思ってたりする。3・4話でも三智子&アッコ女史とまた逢いたかったなぁ。
読了日:9月25日 著者:柚木麻子
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■MEMORY (集英社文庫)
★5 神田と森野にまた会えたのが嬉しい。面倒臭くてややこしくて、回りくどい不器用な2人をこれまた回りくどく(笑)書かれた短編集。少しずつ繋がっていて、神田くんにとっては知らない人にも森野のことを話してしまうくらい想ってたんじゃないかと愛しく思ったし、私はこの2人が結構好きだったんだなぁと読みながら気づいた。とても満たされた、にやーっとしてしまう感じで読み終われたのが嬉しかった。「言えない言葉」は完全に騙された〜!!と思った。MOMENTからまた読み直したくなった。
読了日:9月27日 著者:本多孝好
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■八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)
★5(図) 何と心暖まる物語に出逢ってしまったのだろう。苦手な時代物、と敬遠していた自分を怒鳴りつけたい。そもそも本読んでて登場人物を疑うことしかしてこなかった私には、人情厚い時代物は向かないんだと思っていた。新聞広告の書き下ろしを読んで興味を持たなければ、ずっとこのシリーズが人気の理由を知らずに過ごしていたに違いない。酒粕汁で芳さんが言うとおり、「ほっこり」心が和んでじんわり身に染みていく物語だった。
読了日:10月1日 著者:高田郁
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■東京バンドワゴン (1)
★5(図) みをつくしシリーズとこのシリーズを順番に読もうと思って借りた。書店で見てたときはタイトルから(マンガの坂道のアポロン的な)音楽小説かと思ってたけど、全っ然違ってた(笑)。四世代が普通に暮らす賑やかな家、良いなぁ。ドラマのキャストを一部見てしまったので我南人があの方になってしまったのは残念。下町特有の温かさ、良い意味でお節介にご近所さんたちが関わってくる感じ、好きだと思ったので、おかしな組み合わせだけど交互に楽しみたい読書の秋になりそう。
読了日:10月6日 著者:小路幸也
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■花散らしの雨 みをつくし料理帖
★5(図) 子供たち(ふきちゃんと太一くん)に泣かされたなぁ。澪と野江が再び逢える日がくるのかも気になるし、小松原様の正体と澪の想いの行方も気になる。早く続きが読みたいなぁと思う終わりかただった。つる家の澪ちゃんの作る美味しそうな食事、食べてみたいなぁ。(巻末の料理帖見ても私には作れそうにない・涙)
読了日:10月11日 著者:高田郁
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■シー・ラブズ・ユー (2) (東京バンドワゴン)
★5(図) 登場人物がどんどん増えていくから分からなくなっていくー(笑)。そしてカタカナ苦手モノには、副題にでも巻数がないと、次の題名探すだけでもひと苦労だよ(涙)。冷静に見れば血縁関係が複雑すぎな大家族なのに、それでも上手くまとまるようになってるんだねぇ。家訓のように「(本は)収まるところに収まる」ということか。ただ、赤ちゃんぐらいはゆっくり産ませてあげて欲しかった…。まだまだ賑やかみたいなので、続きも楽しんで読んでいきたい。
読了日:10月14日 著者:小路幸也
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■想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
★5(図) 逢いたいのに待つばかりで逢えない、話したいのに話すことを許されない、今よりもずっと「想う」ということが、深くてもどかしい江戸の時代がますます好きになる物語。「春樹暮雲」また書き留めておきたい言葉が出てきた。作る料理はもちろん、澪のまっすぐさとひたむきさが彼女の力となる人たちを呼び寄せる。「チームつる家」(笑)、りうさん又次含めて大好きだなぁ。現代よりたくさんのものが無くて不便なのに、豊かに思えるのは江戸っ子の人情が厚いからなのかな。続きも楽しみ。
読了日:10月18日 著者:高田郁
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■スタンド・バイ・ミー  (3) (東京バンドワゴン)
★5(図) 読んでる印象を変えたくないので、ドラマは見てない。(一人だけその人になってしまったから。)今回、すずみちゃんの啖呵が気持ち良かったなぁ。そして藤島さんの奇策っぷりが多少強引な感じはするけれど、派手で気持ち良い。3巻目で初めて気づく、「東京バンドワゴン」の京の字が違うのを。図書館本だから今回だけなのか、読んできた単行本だけなのか文庫版ではどうなっているのか、本屋さんで確認してみたくなった。ゆっくり読むつもりが雨の休日のお陰で一気読み。今巻も非常に楽しかった。続きもまた楽しみ。
読了日:10月20日 著者:小路幸也
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■今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)
★5(図) 私見のホシが5ばかりで甘いかとも思うのだけど、面白いんだから仕方ない(笑)。競い合うとか某長寿料理マンガみたいだ。小松原氏の正体が判明して母君にキッパリ告げられてしまう澪だけれど、人を想うって素敵なことだと思うし、澪ならば必ず糧にするはず。太一くんへの伊佐三さんとおりょうさんの親心も良いし、相変わらずお腹は空いてくるし、まだまだこの続きも楽しみで仕方ない。
読了日:10月24日 著者:高田郁
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■君に届け 20 (マーガレットコミックス)
コミ☆4 きゅーんってなりますねぇ。どす黒爽ちゃんも、悩める皆も可愛い。自分を振り返りながらなわけじゃないけれど、悩めードッキドキしちゃぇーと冷やかしながら(笑)、年甲斐もなくきゃっきゃと読んでる私。爽子はいい先生になると思うなぁ。あやねとピンもまだまだ気になるし。龍と千鶴も気になる〜。この子たちと一緒に青春しちゃおうっと。
読了日:10月26日 著者:椎名軽穂
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■マイ・ブルー・ヘブン  (4) (東京バンドワゴン)
★4(図) 留守番で家にいた週末に一気読み。前巻で紺・藍子・青の名付け親がサチさんだったというのに由来の答えが書かれてなくて、ギモンがぽわんと浮いたまま読み始めたので、今巻を読み終わってそういうことなのかなぁと思った。いやー、それにしても堀田家凄すぎる(笑)。ただの古本屋じゃないとは前巻で薄々思ったけど、何だ、この冒険活劇的な歴史は。これまでのサチさんの語り口の柔らかさも納得いくなぁ。賑やかな堀田家のルーツというか、ずっと人の出入りの多い、人を拒まない家だったんだなぁと思った。やっぱり面白かった。
読了日:10月28日 著者:小路幸也
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■小夜しぐれ (みをつくし料理帖)
★4(図) 夢宵桜、寿ぎ、嘉祥、と日本語ってやはり美しいと思う言葉が並ぶ。物語は美緒や芳が切なかったり、種市の業が潜んでいたりするのだけれど。最後の小松原の話が良かった。彼から澪はどう見えてどういう位置にいるのだろうと思っていたから、下がり眉を想っていてくれて嬉しかった。想いが叶うことは難しいかもしれないけれど、だからこそ余計に想いは深くなる。澪にとってはそれでも幸せなんじゃないかなぁ…と何だか温かい感じで読み終えた。続きも楽しみです。
読了日:11月2日 著者:高田郁
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■心星ひとつ みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 時代小説文庫)
★5(図) 何故、皆してこの子にこんなにも難しい選択を次々と迫るのだろうと思うほど、今巻は心星ひとつが涙なしでは読めなかった。想いびとにあんな風に言われたら幸せ絶頂に違いないのに、澪は自分の亡父を否定されたようで、身分の違いをまざまざと突き付けられたようで全然幸せそうじゃない。澪から包丁を取り上げてしまったら、澪だって幸せになれるわけないじゃないかーっ!!と内心叫びながら、源斉先生も切ないなぁ…と思ったり。この後、澪がどうするのかまた続きが楽しみになった。瓦版もとても良かった。
読了日:11月4日 著者:高田郁
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■オール・マイ・ラビング (5) (東京バンドワゴン)
★5(図) 相変わらず賑やかな家ですなぁ。相関図があっても誰だっけ!?と思うほど、人が多すぎる上にどんどんエピソードも積もってきた。だんだん「北の○から」ぐらい長く続く作品になる気がして仕方ない(笑)。とにかく話の尽きない一家(というより一族)だもんね。個人的には藤島くんに幸せになってもらいたい。研人くんの大団円もすごかった。彼はカッコ良い男になるよ…って、もう近所のおばちゃん的目線で読んでる気がする。読者に物語の世界に入らせる力がスゴイと思う。ただ、かなりエネルギーを必要とするけれど(笑)。
読了日:11月9日 著者:小路幸也
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■夏天の虹―みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))
★4(図) 読後、いつもほんわかと癒やされる物語だったのに、今回は最後の息詰まる展開にため息を吐いて読み終わった。次から次へと澪に与えられる試練に、作者に意地の悪い思いを抱いてしまいそうなほど澪が落ち着かない。想いびととの道の別れ、料理人との永久の別れに涙しつつ、最後に江戸の夏天に架かった虹のように、これから彼女の上にも蒼天が広がることを願って続きを楽しみにしようと思う。(小松原さまが澪にどんな想いでいて、彼女の髪に櫛を挿したのか、少し聞いてみたかった気がする。)
読了日:11月10日 著者:高田郁
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■あじわい夕日新聞 ~夢をアリガトウ~
★4 「娘心にブルースを」が大好きなエッセイなので、この連載も時々読んでいた。私は、原さんが唄うために桑田さんが書かれた詞が桑田さんが作る数々の詩曲の中で一番好きだ。何が好きって聴くこちらが照れてしまいそうなほどに愛に満ち溢れていて、優しくて美しい言葉がたくさん出てくるラブレターみたいだから。原さんなくして桑田さんはないんじゃないかと思っている。あとがきも何だか可愛く思えるし。ずっと理想の夫婦なんだよなぁ。秋深まったこの季節になると「いちょう並木のセレナーデ」が聴きたくなる。
読了日:11月14日 著者:原由子
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■政と源
★3(図) うーん。扉絵がいらなかったかな。これは違うだろうと、少し残念だった。面白かったからどんどん読めたし、続きようのある話だとは思ったけど。我が道を突き進んでいるのに人を寄せ付ける源二郎と、何かにつけてひがみっぽくくどくど悩んで独りになった国政。結構重めに生と死が捉えられていて驚く。けれど、源さんの言う死後の世界はない、人の記憶の中に行くんだというのは頷けた。私も亡くした大切な家族は私の中でずっと生き続けているから。若い2人もまだ見たいし、続いてくれるといいな。
読了日:11月17日 著者:三浦しをん
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33432189

■東京ホタル
★3(図) 「東京ホタル」のことは知らなかったけれど、表紙と栞の紐がキレイだなというのと、宙色三景という言葉が良いなと思ったぐらいだったなぁ。やはりホタル(蛍)は、儚さの代表格みたいな感じなのかな。どの話も切なかったり哀しかったりしたから。初めての作家さんもいたけれど、可もなく不可もない短編集になってしまった感じだったから、この顔ぶれならもう少し長い物語で読んでみたかった…。
読了日:11月18日 著者:小路幸也,原田マハ,中村航,小松エメル,穂高明
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33461524

■オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ (6) (東京バンドワゴン)
★4(図) 相変わらず賑やかで落ち着くところを知らない物語だ。何事も収まるところに収まるものじゃないだろう、と正直飽きが来てる気もするけど、今の時代にはこういう大家族の賑やかさが求められてるのかな。水戸黄門的な、スッキリみんなが幸せになる結末が良いのか。このシリーズを読み始めて「顰める」という漢字を憶えた気がする。鈴花ちゃんとかんなちゃんも可愛い盛りになってきた。近所のおばちゃん的目線で皆の成長を見守っていきたいなぁ。
読了日:11月24日 著者:小路幸也
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33597944

■坂木司リクエスト!  和菓子のアンソロジー
★3(図) お久しぶりのアンちゃんから始まり、最後の十代の新妻って!!まで楽しいアンソロジーだった。北村さんがこういったところに寄せてるのが珍しい気がしたけれど、優しい北村印の安定感。小川さんの一編に入り込めず手こずってしまったのは私の想像力の足りなさのせいだ。好きだったのは灼熱の海外と雪降る北国。北国の物語は登場する全てのものが美味しそうだった。和菓子がたくさん出てきても、名前だけで想像出来るものが少なかった。和菓子をもっとよく知りたい、と思った。まさに餡ソロジー。とても上品で楽しい短編集だった。
読了日:11月30日 著者:坂木司
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■真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)
★3(借) 読書好きな職場の先輩にドラマの話から流れてシリーズで借りる本(ドラマは見てない)。書店で見かける度に軽く読めそうだなと想像してたけれど、イメージを裏切るわりと重い話でビックリした。面白かったと一言で片付けるのは違うだろうけど、とりあえず…パンの美味しそうな匂いに誘われてしまいそうなブランジェリークレバヤシだった。このパン屋に集まる変わった人たちが、自分の抱えているものを解放してあげていいほうに変わっていけばいいな。続きも楽しみ。
読了日:12月5日 著者:大沼紀子
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■レディ・マドンナ (7) (東京バンドワゴン)
★4(図) しんとした会議室。商談が纏まるかの緊迫した一瞬。携帯が鳴り、よもやと通話ボタン押すと聞こえてきたのは「ふじしまーん!」の可愛いハモリ声。うわー会議室にいたかったぁ(笑)。藤島くんの身になれば冷や汗モノだろうけど、最っ高に可愛い娘たちだわー。最後はもう昔のホームドラマというより、大岡越前か遠山の金さんかよって感じ。亜美さんの啖呵もカッコ良かった。勘一さんとサチさんだけじゃなくて、堀田家の皆さんの馴れ初めエピソードも知りたい。あれよあれよと展開していくからたまにはじっくりと読んでみたいよ。
読了日:12月9日 著者:小路幸也
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■真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)
★4(借) クロワッサンが美味しそうだぁ…(おやつ食べながら読んでたから、カスが入り込んで返す前に救出せねば!!)。希実ちゃんが何だかんだ馴染んでて、こだまくんや斑目氏の世話焼きなのが嬉しい。最初読んでた時は頑なで心開かなそうだったから心配で。ブランジェリークレバヤシの男性陣の過去や、変態斑目氏の活躍も見られて読み応えのある一冊だった。佳乃を救う弘基の方法はかなりの大技でビックリしたけど…。綾乃の本命チョコはホントかなぁと疑りつつ(笑)、いざ次巻へ。
読了日:12月15日 著者:大沼紀子
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■真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生 (ポプラ文庫 日本文学)
★4(借) 本人(笑)は否定するかもしれないけど、希実ちゃんが人と積極的に関わっていこうとしているところが実に可愛くて良いと思ってしまう。美作父の元へ引き返したり、安倍センセに言い張るところとか。それに、なかなか弘基との感じが良好そうで…兄妹みたいで微笑ましい。最後クレさんが爆弾落としてくれたので、また次巻が楽しみになった。あぁ〜美味しい焼きたてパンが食べたくなる〜☆
読了日:12月21日 著者:大沼紀子
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■青天の霹靂 (幻冬舎文庫)
★2.5(図) もういつだか憶えていないくらい前に読んだ「陰日向に咲く」のほうが面白かった。皆さんの感想にもあるように、普通過ぎる展開だったというか、映画化というのでかなり期待しすぎてしまったかも。あまりにあっさりした終わりで物足りない物語だった。「陰日向〜」での登場人物がすれ違ってたりするのが印象的で良いと思ったのに、今作はそういえば…という程度。うぅ〜図書館で結構待ったんだけどなぁ。ざんねん(;_;)
読了日:12月27日 著者:劇団ひとり
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▼読書メーター
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第三の銃弾 [book]

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sample1.jpgスティーヴン・ハンター/扶桑社/お薦め度 ★★★★

ボブ・リー・スワガー・シリーズ

1963年11月22日、ダラス、JFK暗殺。

ケネディ大統領暗殺の暴露本を出版予定の作家がひき殺される。

しばらくして、作家の妻がボブに、夫はJFK暗殺にまつわる何らかの確信を得たため殺されたのではないかと、真相解明を依頼する。引き受けるつもりのないボブだったが、「タイヤの痕がついたオーヴァーコート」の話に、これは私が担うべき事柄なんだ、と。

早速ダラスに飛ぶボブ、捜査情報を入手するため旧友のFBI捜査官・ニックに覆面捜査官に任命してもらう。そのボブをつけ狙う車、作家のひき逃げと同じ手口?

車を誘き出し、運転手と一戦交えるボブ、犯人はロシア人の殺し屋。またまたモスクワへ。こちらも旧知のスパイナーの協力を得、捜査に当たるがこちらも邪魔が入り一戦を交えることに。

後半はボブの視点、JFK暗殺の黒幕の視点から物語は進む。スティーヴン・ハンターがボブに言わしめる「銃器の観点から、真相を見抜こうと思っているんだ」、と。

男性目線の真相解明だが、実に面白い。JFK暗殺事件から50年、スティーヴン・キングの「11/22/63」同様、のメモリアル作品!?

追伸:アバクロンビー&フィッチのガンルーム云々の件が何か所か出てくる。ファッション・ブランドの前身を本書で垣間見るとは・・・

2013年の読書メーターまとめ

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2013年の読書メーター
読んだ本の数:114冊
読んだページ数:19467ページ
ナイス数:415ナイス

頭で走る盗塁論 駆け引きという名の心理戦 (朝日新書)頭で走る盗塁論 駆け引きという名の心理戦 (朝日新書)感想
ハードコアな内容なので,生半可な野球ファンにはお勧めできませんが、本当の野球ファン必読の書です。テーマを「盗塁」に限定し、その神髄を語る貴重な一冊です。生ぬるい内容のものが多い野球関連の新書の中では異色の存在です。近い将来、著者には一塁コーチとなってもらい、「世界一の1・2番打者」を育ててもらいたいです。野村克也監督が飯田哲也選手を生み出したように、著者であれば、必ずやダイヤの原石を発掘し、磨き上げてくれるはずです。日本球界のためにも、糸井選手のような大型選手を「完璧な一番打者仕様」に仕上げてほしいです。
読了日:12月30日 著者:赤星憲広
驚きの英国史 (NHK出版新書 380)驚きの英国史 (NHK出版新書 380)感想
イギリス史(ヨーロッパ史)を知らない私でも,楽しく読める一冊でした。歴史上の幾つかの出来事をピックアップし,イギリスという国家およびその国民の一端を知ることができます。コリンの次回作に,期待しています。
読了日:12月30日 著者:コリン・ジョイス
街道をゆく 31 愛蘭土紀行II (朝日文庫)街道をゆく 31 愛蘭土紀行II (朝日文庫)感想
前編(30巻)に続き,アイルランドという国家およびその国民の特殊性を鋭く分析しています。本書が出て30年近くが経ち,特に経済面においてアイルランドは大きく変化しましたが,彼らのメンタリティや国土は今も不変のはずです。著者も言うように,グローバル化が進むこの世界において,アイルランドのような自然が守られている国が現在も残っているいることに,私たち「地球市民」は感謝すべきかもしれません。アイルランドを通じて,「長い尺度でみれば,帝国主義という”収奪の機構”は決して儲からない」ことが示されたことに感銘しました。
読了日:12月30日 著者:司馬遼太郎
街道をゆく 30 愛蘭土紀行I (朝日文庫)街道をゆく 30 愛蘭土紀行I (朝日文庫)感想
アイルランドを語る前にイギリスについて多くの紙面を費やしていますが,これはアイルランドという特殊な国を考える上で,イギリスについて考えることが絶対に必要だからです。この前編(30巻)では,イギリス国民の紳士性を高く評価し,アイルランド人の奇異な面を浮き彫りにする文章が目立ちましたが,これもすべて後編(31巻)への序章にすぎません。「街道をゆく」シリーズを読んだのは久しぶりですが,前後編を読み終え,「さすが司馬遼太郎!」と感心してしまいました。
読了日:12月30日 著者:司馬遼太郎
アイルランドを知れば日本がわかる (角川oneテーマ21 A 101)アイルランドを知れば日本がわかる (角川oneテーマ21 A 101)感想
「物語アイルランドの歴史」が途中退屈になってしまい,読了前にこちらを読み始めたのですが,正解でした。アイルランドのことを知りたいと思う人に,真っ先におすすめしたい一冊です。アイルランドの歴史や自然,アイルランド人の精神性などが,わかりやすい事例を元に説明されています。本書で最も注目すべきなのは,アイルランドとイギリスの関係から,韓国と日本の関係を分析している点です。元・アイルランド大使である著者の分析は,さすがに的を射ていると思いました。
読了日:12月30日 著者:林景一
A05 地球の歩き方 アイルランド 2012~2013A05 地球の歩き方 アイルランド 2012~2013感想
アイルランド訪問のために購入。アイルランドは,まさにヨーロッパの「辺境」の地でした。首都ダブリンを少し離れれば,そこには商業主義から切り離された美しい世界が拡がっていました。アイルランドをUKの影響圏と捉えていた私は,予想を大きく裏切られました。ロンドン,パリ,ミラノなど,都会の旅に飽きた欧州ファンの方は,ぜひ一度アイルランド訪問を検討してみてください。
読了日:12月30日 著者:
A03 地球の歩き方 ロンドン 2013~2014A03 地球の歩き方 ロンドン 2013~2014感想
ロンドン訪問のために購入。12月のロンドンは昼が非常に短く(8時間程度),わずか2泊では有名どころをグルッとひと通り回りする程度のことしかできませんでしたが,本書で得た情報が役に立ちました。いろんな意味で一番印象に残ったのは大英博物館。「掠奪博物館」などと揶揄される場所です。本来,ここにあるべきでない「遺物」が「異物」に見えることしばしば。歴史的資料が素晴らしい状態で守られている点においては,大英帝国がやったことを高く評価できますが,それにしてもやりすぎ・・・と感じずにはいられませんでした。
読了日:12月30日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 12/10号 [がんは放置すべき?]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 12/10号 [がんは放置すべき?]感想
特集は癌治療。ベストセラー「医者に殺されない47の心得」の著者である慶応大教授は,「放置する」治療を提案している。悲しいことに,癌という病気は治療する・しないにかかわらず,いずれ苦しみを伴った死を招く。どちらの治療法が正しいかは神のみぞ知るところだろう。どういった問題にせよ,既成概念を打ち壊す概念が現れ,論争が発生すること自体は悪いことではないが,癌を現在抱えている患者には有益と限らない。今号の別記事にもあった遺伝子診断など,検査法や治療法が確立すればするほど,患者の悩みはむしろ深くなるのかもしれない。
読了日:12月10日 著者:
教えない教え (集英社新書)教えない教え (集英社新書)感想
そもそもプロ野球という世界は,程度の差こそあれ「エリート」たちが集まった世界です。そのような世界と,玉石混交の一般社会を同一視すること自体に無理があると私は思います。ライターさんには,著者の経験や持論を深く掘り下げることにエネルギーを注いでもらい,一般社会との対比や重ね合わせは,あくまでも読者自身がおこなえば良いと私は思います。
読了日:12月6日 著者:権藤博
財政学から見た日本経済 (光文社新書)財政学から見た日本経済 (光文社新書)感想
再読。ここまで鮮明に「地方の切り捨て」を主張されると,もはや爽やかである。分析自体は極めて明快だが,どうしても結論(提案)に飛躍があるように感じる。しかし,著者の主張こそが小泉・竹中が取った改革路線の本質なのだろうし,また本書のレビューには読者による好意的なコメントが数多く並んでいるところをみると,多くの国民は著者の主張を素直に受け取るのかもしれない。本書は10年以上前に刊行されたものなので,現在の著者の意見は多少は変化しているのかもしれない。質の高い本だっただけに,同著者の新刊をぜひ読んでみたい。
読了日:12月6日 著者:土居丈朗
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 12/3号 [アメリカも困惑する韓国の世界観]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 12/3号 [アメリカも困惑する韓国の世界観]感想
今号はかなり充実していた。特集は「韓国の世界観」。そこいらの嫌韓記事とは一線を画す素晴らしい内容であった。韓国の国家的反日意識の根底にあるものを,見事なほど明晰に論じている。記事を書いているロバート・E・ケリーという釜山大学の准教授は,実在の人物なのだろうか?これほどまでに「本当のこと」を書いてしまうと,「親日派」の烙印を押されて韓国にいられなくなるような気がする。准教授の身が心配である。特集以外では,宮崎駿氏の記事が印象に残った。アメリカ人記者の「ミヤザキ観」は,かなりいいところを突いていると思う。
読了日:11月30日 著者:
野球へのラブレター (文春新書)野球へのラブレター (文春新書)感想
長嶋さんが国民栄誉賞を受賞されるずっと前に購入していたのですが,最初の数章を読んだところで積読状態にしていました。正直に言いますと,退屈な内容だなぁと感じつつ再読を開始したのですが,思ったより読み応えのある本でした。本書は月刊ジャイアンツの連載を再編集したものですが,長嶋さんに対する綿密なインタビューがなされていることを十分に感じます。この点はさすが読売グループのやることですね。長嶋さんには,これからも日本の野球を見守り続けていただきたいと思っています。どうかいつまでもお元気で・・・
読了日:11月29日 著者:長嶋茂雄
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 11/26号 [不妊治療の新たな道]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 11/26号 [不妊治療の新たな道]感想
特集は不妊治療。「実の子供が欲しい!!」という切実な願いを持つ夫婦の気持ちは理解できるが,先鋭化?した不妊治療について知ると,どうも釈然としないものを感じる。不妊治療に限らず,最新医療は「神の領域」に踏み込んでいる。特にこの分野の議論が立ち遅れている我が国は,一刻も早く法整備をするべきだろう。この特集の中では,「オトコたちの責任」が興味深かった。不妊の原因はとかく女性にあると考えがちであるが,約半数は男性にあるとのこと。フランスのように,不妊治療はカップル同時で実施することを前提とするべきなのだろう。
読了日:11月29日 著者:
人間にとって成熟とは何か (幻冬舎新書)人間にとって成熟とは何か (幻冬舎新書)感想
著者の思想や発言に反感を持つ人は少なくありません。本書を読んだ人の中にも,老人の戯言のように感じた人がいるのかもしれませんが,私は素晴らしい本だと思いました。本書は雑誌の連載をまとめたものですが,重すぎず軽すぎないという新書の良さが出た,時折読み返したくなる一冊です。著者の文章の特徴なのだと思いますが,各章の結言が割とあっさりしているので,何を言いたいのかわからない人も多いのかもしれません。しかし,タイトルにもなっている問いには十分に答えていると思います。私も著者のような人間になりたいものです。
読了日:11月24日 著者:曽野綾子
本当は怖い昭和30年代 〜ALWAYS地獄の三丁目〜本当は怖い昭和30年代 〜ALWAYS地獄の三丁目〜感想
コンビニ本ですが,しっかりした文章で書かれている,なかなか充実した一冊でした。映画「Always3丁目の夕日」を観終わった後に抱いた違和感を,払しょくしてくれました。結局のところ,経済の安定が社会の安定をもたらすということでしょう。あの時代はとにかく貧しかった・・・ということに尽きるのですが,「これから良くなる」という期待感だけは大きかったはずです。そういう期待感を持てない現代とあの時代,生きるならどちらが良い?と尋ねられても,「絶対に現代!」とも言い切れないような気もします。
読了日:11月24日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 11/19号 [中国への機密漏洩]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 11/19号 [中国への機密漏洩]感想
特集は,中国への機密漏洩。現在,我が国でも国家の機密情報保護に関する話題が中心となっているが,ここで書かれているのは国家機密情報の漏洩に限らない。記事によると,中国は国家自身が産業スパイとなり,他国の民間企業の秘密を盗んで自国の企業に与えている。彼らは「サイバー空間にルールはなく,ハッキングによる盗みは法律的に問題なし」と考えている。同盟国にまで及んでいた監視問題によって,サイバー諜報活動の自由度を失ったアメリカは,今後どう対処してゆくだろうか。このままでは,世界が大混乱してしまうだろう。
読了日:11月19日 著者:
財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)感想
「財政」とは何かがわかる良書です。社会にはウォンツとニーズがあるが,ニーズは市場に任せてはならず政府が供給しなければならないこと,財政の目的は経済や社会の危機を解消すること,そのためには財政による所得再配分機能こそが重要であることなどを深く理解できました。「小さな政府(小さすぎる政府)」を否定し,地方分権の重要性を解く著者の意見に強く同意します。豊かな社会を築き,守ってゆくためには,民主主義こそが重要であることを改めて実感しました。
読了日:11月15日 著者:神野直彦
Slugger (スラッガー) 2013年 12月号 [雑誌]Slugger (スラッガー) 2013年 12月号 [雑誌]感想
2013年のMLBプレーヤー500人の「通信簿」。さすがに500名全員のコメントは読み切れない(苦笑)。MLBは30球団もあるので,好成績を残した選手であっても名前さえ知らなかった選手がたくさん見つかりました。セイバーメトリクスには賛否あるものの,数値を見比べながら選手の能力を比較するのはとても楽しいです。NPBの記録にも,せめてOPS,WHIP,K/BBぐらいは表記するようにしたらいいのに。このままでは,記録好きの野球ファンはどんどんMLBに流れてしまうような気がします。
読了日:11月15日 著者:
池上彰の就職読本―就職難もまたチャンス池上彰の就職読本―就職難もまたチャンス感想
社会が要求する能力を論じることを通じて就活生の意識昂揚を目指した,就活本としては異端に属する本です。質の高いアウトプットをするためには,質の高いインプットが必要だと池上さんは言っています。インプットの具体例として読書を挙げていますが,それ以外もここに当てはまります。例えばアルバイトや部活動などの経験も,ひとつのインプットと言えるでしょう。そして,もちろん学業も。多くの若者はアウトプットにばかり気を取られ,インプットが疎かになっています。楽をしていては自分を磨けないことを,若者たちには知ってもらいたいです。
読了日:11月14日 著者:池上彰
和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか (講談社現代新書)和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか (講談社現代新書)感想
迫力不足のフォームから投げ込まれる決して速くないストレートで打者を翻弄する,和田投手の直球の謎を解いた本。本書が導いた答えは特に斬新なものではなく,投球メカニクスに関する説明自体が控えめであるが,我ら素人にはこれぐらいの説明が適量だと思う。メカニクスをもっと深く知りたい人は,別の本(今ならば前田健氏の著作など)を読むべきだろう。多くのページを割いて,和田という「努力の人」が魔球を手に入れるまでの過程が丁寧に説明されているが,これがなかなか読み応えがある。ノンフィクションとして楽しめる一冊。
読了日:11月10日 著者:佐野真
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 11/12号 [汚染水の真実]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 11/12号 [汚染水の真実]感想
特集は汚染水。米の知識人による「厳しすぎる放出基準が問題解決を難しくさせている」という主張に納得。著者らは「適切なのは,労働力と資源を現在進行中の重要な作業の強化・促進に集中させること」と主張している。首相のリーダーシップに期待したい。「トリチウム以外の放射性元素を除去した汚染水は安全に放出できる」というバークレーの教授の主張も,科学的に正しいのだろう。トリチウムは自然由来のものもあり,生態系に対する影響は低く,他国の原発では福島の何倍・何十倍もの量を海に放出していると聞いたことがあるが・・・
読了日:11月9日 著者:
偏差値37なのに就職率9割の大学 (メディアファクトリー新書)偏差値37なのに就職率9割の大学 (メディアファクトリー新書)感想
「偏差値37なのに就職率『100%』の大学」というタイトルだったら絶対にスルーしていましたが,『9割』という現実的な数字のタイトルに目を奪われて購入しました。これは良書です。大学における就職指導の問題点の分析と対策が,実に明晰な構成と文章で記されています。地方の小さな文系単科大学で,これだけの結果を短期間で出すことは容易なことではありません。著者の情熱とアイデアがあってこそ成し遂げられた偉業です。教員が幅を利かせる大学という場所において,有能な事務職員がいかに大切な存在であるかを改めて認識させられました。
読了日:11月8日 著者:堀口英則
甲子園の奇跡 斎藤佑樹と早実百年物語 (講談社文庫)甲子園の奇跡 斎藤佑樹と早実百年物語 (講談社文庫)感想
タイトル通り,斎藤佑樹と早稲田実業野球部の100年を描いたノンフィクションです。斎藤,荒木,王,荒川,それぞれで1冊ずつ書けそうなところを1冊にまとめたわけですから,やや消化不良の感を持ちました。著者は,斎藤VS田中で沸いた平成18年夏以前から早実野球部の取材をしていたようですが,思いがけぬハンカチ王子ブームが起きたことにより,駆け足で本書を出版せざるを得なくなったのではないでしょうか。全体的に著者らしくない印象を持ちましたが,最初に和田監督,最後に小沢章一さんで締めるあたりは,さすが門田さんでした。
読了日:11月7日 著者:門田隆将
「人間嫌い」のルール (PHP新書)「人間嫌い」のルール (PHP新書)感想
思い込みや決め付けが強すぎる印象を持ちましたが,これぐらい独善的な人でなければ,こんなに面白い文章は書けないのかもしれません。しかし,女房も子供もいて60過ぎまで無事生きた人が,果たして本書にあるような人間嫌いな生き方をしてきたのだろうか?という疑念を持ちました。この人の場合,地位や名誉をどん欲に追い求めて生きてきたことの後悔や反動が,人間嫌いという形で現れたにすぎないような気がします。私のような,生育環境の中で醸成された純然たる人間嫌い?からすると,著者の人間嫌いのレベルは大したものとは感じません。
読了日:11月7日 著者:中島義道
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 11/5号 [高齢化時代の仕事]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 11/5号 [高齢化時代の仕事]感想
特集は「高齢化時代の仕事」。我が国に限らず,長寿命化が進み,年金受給年齢の引き上げが進む先進諸国では,高齢者の雇用問題が大きくなっている。高齢者が働くこと自体,決して悪いことではない。しかし,それにより若者たちの雇用が脅かされるならば,それは大問題である。若い人の将来を大切にする社会を構築しなければ,社会不安はどんどん加速してゆき,国家は高齢者を支えるどころではなくなるだろう。自分たちの将来を守るためにも,若者たちはもっと大きな声を挙げるべき。まずは選挙に参加しよう,若者たち!
読了日:11月7日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/29号 [アメリカ経済 危機後の落とし穴]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/29号 [アメリカ経済 危機後の落とし穴]感想
特集はアメリカ経済。「今やるべきは債務上限の撤廃だ」という記事に納得。一国のルールに世界経済が振り回されるのは,もう御免こうむりたい。特集以外では,イランとシリアの記事が印象的だった。現時点で筋が通った主張をしているイランをこのまま捨て置くと,次はイスラエルやアメリカが国際的な非難を浴びるだろう。レバノンにおけるシリア難民の子供達。男の子は憎悪や復讐心に燃えて過激になり,女の子は幼な妻になるしかない。丸ごと1世代の教育が中断された状況は,この国の将来を大きく揺るがしている。我々にできることは何だろう・・・
読了日:10月29日 著者:
ベースボールマガジン増刊 MAJOR LEAGUE (メジャーリーグ) 2013記録集計号 2013年 11月号 [雑誌]ベースボールマガジン増刊 MAJOR LEAGUE (メジャーリーグ) 2013記録集計号 2013年 11月号 [雑誌]感想
日米通算4000本安打を達成したイチローを皮切りに,M.カブレラ,C.デービス,シャーザー,快進撃のドジャース,躍進のパイレーツ,ダルビッシュ,上原・田澤コンビ,A-Rod問題など,今シーズンの話題を効率的にピックアップし,うまくレビューしている点が高評価です。昨年の集計号の表紙はカブレラ・イチロー・ダルビッシュでしたが,今年の表紙はまるで昨年のコピーのような仕上がりになりました。3年連続首位打者のM.カブレラ,もの凄いスラッガーです。来年もまた彼が表紙を飾るのかな? それとも・・・田中将大か!?
読了日:10月25日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/22号 [亡国のアメリカ 自壊する超大国]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/22号 [亡国のアメリカ 自壊する超大国]感想
特集はアメリカ。「決められない政治」は日本の専売特許だと思い込んでいたが,実はそうでもないらしい。結局,「決めることができる政治」には経済の安定が絶対条件なのだろう。不況が続く現在,世界中で政治が揺れている。アメリカのプレゼンス低下を導いたオバマに懲りたアメリカ人は,次は共和党の大統領を選ぶと思っていたが,共和党は今回のチキン・レースでかなり株を落としてしまったようだ。となると,次も民主党,ヒラリー・クリントンか? それだけは勘弁してほしいなぁ・・・
読了日:10月24日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/15号 [野心を失う 中国の行方]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/15号 [野心を失う 中国の行方]感想
特集は中国。中国の話題はもはや食傷気味であるが,興味深い記事が多かった(進行を妨げることが目的のTPP参加検討,領土問題と無人機の関係,宇宙ゴミなど)。特集以外で目を引いたのは,ケニアのショッピングセンター襲撃事件の真相に関する記事。事件発生後,何時間も遅れて出動して建物を制圧した治安部隊が,なんと店内の物品を略奪して飲酒,ロケット弾で建物を崩壊させて行方不明者を増やし,さらに襲撃犯を逃亡させた可能性があるとのこと。誰が敵で,誰が味方なんだ!不謹慎覚悟で言うが,これはもはやコントの世界だろう・・・
読了日:10月21日 著者:
ベースボールの夢―アメリカ人は何をはじめたのか (岩波新書)ベースボールの夢―アメリカ人は何をはじめたのか (岩波新書)感想
アメリカ人がベースボールの歴史をどのように「創ったのか」を,詳細にたどった本です。コアな野球ファン(特にMLBファン)なら,十分満足できる一冊です。著名な社会学者がまとめた,学術的にも高く評価される著作だと思うのですが,とにかく文章がくどい・・・ ほぼ同じ内容の説明が何度も繰り返されるので,特に後半はストレスを感じました。ベースボールの起源がクリケットにあっても別に何ら問題はないと思うのですが,アメリカ人には耐えられないことのようです。彼らは「アメリカン・オリジナル」が大好きですからね。
読了日:10月20日 著者:内田隆三
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/8号 [世界経済 金融危機後のリスク]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/8号 [世界経済 金融危機後のリスク]感想
東京五輪決定直後,フランス誌に三本の手足を持つ痩せこけた力士が相撲を取る風刺画が掲載されたことが話題になったが,本号最終ページのコラムでフランス人ジャーナリスト・アルノー氏が,それに対する意味不明の弁明をしている。果たしてフランス人は,あの程度の風刺画に満足しているのだろうか? もしそうであれば,私は彼らの知性やユーモアのレベルの低さに驚く。良い悪い以前に,洒落も皮肉も効いておらず,全然面白くないのだから。フランス人よ,Newsweek巻頭の風刺画を見てよく学ぶといい。
読了日:10月14日 著者:
動くが負け―0勝144敗から考える監督論 (幻冬舎新書)動くが負け―0勝144敗から考える監督論 (幻冬舎新書)感想
ハッキリ言って、これは酷い本です。読み応えがほとんど感じられない、典型的な「読み捨て新書」です。もっと岡田の野球理論を知りたいよぉ・・・
読了日:10月5日 著者:岡田彰布
マネー・ボール (RHブックス・プラス)マネー・ボール (RHブックス・プラス)感想
本書は単なる映画の原作小説ではなく,野球選手の能力を統計的手法で評価する「セイバーメトリクス」発展の歴史を描いた偉大なノンフィクションでもあります。大ざっぱに見えるアメリカ人ですが,実は大の記録(数字)好きでもあります。セイバーメトリクスの構築は,ベースボールに対する歴史も愛情も深いアメリカ人だからこそ成し遂げることができた偉業といえます。ただ,貧乏球団アスレチックスを支えるビリー・ビーンのことは尊敬するものの,娯楽としての野球を愛する者の一人として,私はセイバーメトリクスを全面支持することはできません。
読了日:9月29日 著者:マイケル・ルイス
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/1号 [反日韓国の妄想]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 10/1号 [反日韓国の妄想]感想
特集は反日韓国。今回の記事を読んでも特別な感情は湧いてこなかった。どうぞご勝手に。特集以外では,ドイツ関連の記事が興味深かった。アメリカをはじめとする世界は,欧州におけるリーダーシップの発揮を期待しているが,それに応えようとしないドイツ。経済的繁栄を謳歌しながらも,安全保障面の責任は負いたくないドイツ。そういえばどこかの地域にも,経済大国でありながら「平和憲法」を振りかざして国際紛争から目をそむけていた国がありました。あの国とドイツって,何かとよく似ていますね。かつての同盟国でもあるし・・・
読了日:9月29日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 9/24号 [東京五輪]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 9/24号 [東京五輪]感想
特集は東京五輪。日本に対する愛と優しさが溢れる,コリン・ジョイスの記事に感動。そうだコリン,あなたの言うとおりだ。この20年,日本人はあまりにも萎縮しすぎていたんだ。2020年の東京五輪は,日本が自信を取り戻すためのプロジェクトなんだ!
読了日:9月21日 著者:
「イギリス社会」入門―日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書 354)「イギリス社会」入門―日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書 354)感想
外国に長く住み,母国に関する知識や情報が失われゆくにつれ,母国を知ることが自らの権利であり義務だと考えたコリン。愛国的であることを否定していたはずの彼の心の中に,いつの間にか蓄積されていた母国への愛情が本書に溢れています。彼らイギリス人が,自国の歴史を大切にし,紳士的で(列への割り込みを許さない),パブ(ビール)とお茶を好み,よくわからないジョークを愛する国民であることが分かりました。かつては世界一の大帝国であった国の民にも関わらず,ちょっと自信を失っているところがチャーミングに感じられました。
読了日:9月18日 著者:コリン・ジョイス
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 9/17号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 9/17号 [雑誌]感想
特集は富士山。世界文化遺産登録が引き起こすであろう問題を指摘した記事に,大噴火のXデーに関する記事が続く。江戸期と平安期の大噴火も大地震後に発生したことから(平安期の大地震は,1000年に一度の大津波を起こしたあの貞観地震),東日本大震災との関連が不気味に想起される。大噴火により発生する大量の火山灰が引き起こすパニック状態と経済的損失は,「想定外」を知ってしまった我々の想像さえ遙かに超えるかもしれない。どうか富士山,お願いだからこれまで通り,日本人に愛される存在でいてくれ・・・せめて2020年までは・・・
読了日:9月17日 著者:
新書365冊 (朝日新書)新書365冊 (朝日新書)感想
私が敬愛する評論家・宮崎哲弥氏による,365冊の新書の解説本。テレビやラジオでの明快な評論ぶりが光る著者ですが,文章は難解。遅読の私は読了に一年半を要しました。本書は月刊誌の連載を単行本化したものですが,著者はこの連載のために月に100冊読むこともあったとのこと。うらやましい限りの多読ぶりです。最終章における「最近発刊される新書は『入門書』ならぬ『門前書』ばかりという嘆きは,新書を愛する著者ならではの警告です。「新書の読み捨て単行本化」が極度に進むことがないよう,新書ファンのひとりとして願います。
読了日:9月16日 著者:宮崎哲弥
ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた  そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)感想
タイトルを見て即買いしましたが,あまりスッキリしない読後感です。それはきっと,本書が書評的な内容だったからでしょう。堀江氏の視点は非常に興味深いのですが,本書で取り上げたトピックには若干の偏りがあり,タイトルの裏図けとなるような内容がやや欠けているという印象を持ちました。第一部も面白かったのですが,成毛眞氏との対談が掲載されている第二部の方に読み応えがありました。「本」にまつわる彼らの予言は,かなり信憑性があるように思います。今後この人たちに注目していて,我々読書人が損をすることはないでしょう。
読了日:9月13日 著者:堀江貴文
聴くだけ日本史(近現代)聴くだけ日本史(近現代)感想
読んでいません。聴くだけ。知識が頭にスラスラと入っているわけではありませんが,「なるほど,そうだったのか」と感じることしきりです。この「聴くだけシリーズ」は,とてもよい企画だと思います。ほぼ全てのシリーズを買い揃えてしまいました。
読了日:9月13日 著者:東京大学受験日本史研究会
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 9/10号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 9/10号 [雑誌]感想
特集はシリア。内戦に至った経緯が非常にわかりやすく解説されている。シリアを攻撃する・しないに関わらず,優柔不断さや八方美人ぶりが目立つオバマに対し,アメリカ人は失望するだろう。特集以外では,インドに関する記事の「若年人口の高さを強みにできるのは,若者を訓練・教育して雇用を創出できればの話し」という識者のコメントが印象的であった。明治期と大戦後,日本が奇跡的な成長・復活を果たすことができたのは,まさに国民の教育水準の高さにあった。インドや中国といった大国も,この点がネックとなって踊り場を迎えるのだろう。
読了日:9月9日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 9/3号 [中国経済終末論]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 9/3号 [中国経済終末論]感想
特集は,いよいよ高度経済成長の着陸点を迎えようとしている中国経済。記事の中では,「国のことなんか知らない,自分がうまくいけばそれでいい」という,中国人労働者のコメントが印象的であった。彼は「人生に過度な期待を抱いていない。もう家は建てたから,あとは経済の流れに身を任せるだけ。大事なのは生き抜くことだから」と続けている。この言葉はある意味において,人生の本質を付いている。さすが中国人,混乱の中を逞しく生きてきただけのことはある,と思わず感心してしまった。
読了日:9月9日 著者:
スカウト (講談社文庫)スカウト (講談社文庫)感想
広島カープの黄金時代を支えた名スカウト・木庭教氏の最晩年の3年を追ったノンフィクション。ストーリーが淡々と進むこのような作品が「売り物」として十分に成立していた贅沢な時代を,懐かしく思い返しながら読む。昔のプロ野球のドラフト会議には夢が一杯詰まっていたが,それはドラフトの空間に,一年中全国を行脚する木庭氏のようなスカウトの努力の結晶が詰まっていたからであろう。今の時代,スカウトを題材とした作品は成立しにくいと思うが,それは商業的な理由ではなく,プロ野球の魅力が失われているからだろう。
読了日:9月3日 著者:後藤正治
ボクシング現役世界チャンピオン「孤高の軌跡」 (別冊宝島)ボクシング現役世界チャンピオン「孤高の軌跡」 (別冊宝島)感想
横浜光ジムの記事を読みたくて購入。多くの記事がボクシング界で著名な取材者によって書かれた,充実の一冊。長谷川穂積選手を巻頭に持ってきた辺り,この雑誌の心意気を感じる。最終章に「こうしてボクシングで一冊の本を作っても,採算がとれるかどうか非常に微妙なラインなのだ」と書かれているように,ボクシングを取り巻く環境は非常に厳しい。質の良い試合を見るためには試合会場にお金を落とし,質の良い情報を継続的に得るためには質の良い雑誌を支持し続ける。それこそが,真のファンに求められる姿勢だろう。
読了日:9月1日 著者:
甲子園への遺言―伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯甲子園への遺言―伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯感想
伝説の打撃コーチ・高畠導宏さんを描いたノンフィクション。当時子供だった私は,現役時代の実績が乏しい高畠さんが長くコーチを務めていることが不思議でした。しかし本書を読み,多くの名選手達の陰に高畠さんがいたことを詳しく知りました。「打撃とはこうあるべきだ」という確固たる理論を持っていても,それを選手に押し付けることなく,敢えて欠点を直そうとせず長所を伸ばそうとする「高畠理論」は,スポーツにおけるコーチングのみならず,すべての教育に共通する理想の「教育理論」なのだと思います。球界は惜しい人を失いました。
読了日:8月31日 著者:門田隆将
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 8/27号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 8/27号 [雑誌]感想
特集はエジプト。シシ将軍に関する記事は精力的な取材に基づいて書かれたものだが,このベールに包まれた独裁者の人間像はまだはっきりとしない。特集以外で印象残ったのは,ロバート・キャパとゲルダ・タローの写真。沢木耕太郎さんが今年発表した「キャパの十字架」を読みたくなった。福島の記事では,在日米軍を撤退させることによって東アジアの軍事バランスが崩れても構わないとアメリカが考えていたという事実に驚いた。同盟関係なんて所詮その程度のものであり,好むと好まざるとにかかわらず,自国は自国民で守るしかないということだろう。
読了日:8月30日 著者:
日銀を知れば経済がわかる (平凡社新書 464)日銀を知れば経済がわかる (平凡社新書 464)感想
池上さんらしい,起承転結の効いた構成の,初学者向けの本です。日銀という組織とその役割を論じることを通じて,金利水準の決定が経済にどのような影響を及ぼすのかが,大変わかりやすく,そして丁寧に説明されています。この本でさえ難しいと感じる方もいるでしょうが(何を隠そう私もそのひとりです),読後に何かを学べたという感触さえあれば十分だと私は思います。本書は,私たちの「はじめの一歩」として素晴らしい役割を果たしてくれるでしょう。関連書籍を読み続け,少しずつ知識を積み重ねてゆくことが大切です。焦らず,焦らず・・・
読了日:8月25日 著者:池上彰
そうだったのか! 中国 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)そうだったのか! 中国 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)感想
池上先生の「そうだったのか!」シリーズをこれで完読しましたが,他のシリーズに比べ,本書は内容があまりにも陰鬱であり,どうしても早く読み進めることができませんでした。本書は2007年刊行の単行本を2010年に再編集したものですが,中国を知るための入門書としては今でも絶好の参考書のひとつです。中国の抱える問題の原因が,ほぼ全て非民主的な国家運営にあることを浮き彫りにしています。中国の方には大変申し訳ありませんが,隣国としては極めて厄介な存在であることを再認識しました。
読了日:8月20日 著者:池上彰
正々堂々と「公共事業の雇用創出効果」を論ぜよ―人のためにこそコンクリートを正々堂々と「公共事業の雇用創出効果」を論ぜよ―人のためにこそコンクリートを感想
ここまで清々しく公共事業の重要性を解いた本に巡り合ったのは初めてのことでした。研究者というだけでなく,物書きとしての著者の力量の高さを強く感じる一冊でした。
読了日:8月20日 著者:藤井聡
死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日感想
死の淵を見た男「たち」の闘いを描いた,迫真のノンフィクション。「戦争を経験した大正生まれの人々を『他人のために生きた世代』,そして現代の日本人を『自分のためだけに生きる世代』」と著者は最後に表現したが,吉田所長以下,福島第一原発で戦った人々はまさに「他人のために生きた」人々である。事故を未然に防ぐことができなかったことは大いに悔やみ反省すべきであるが,現代の日本人の中にも,絶望的な場面において利他的に生きるメンタリティが今も棲みつづけていることを改めて確認できた。多くの人に薦めたい,感動の一冊。
読了日:8月16日 著者:門田隆将
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 8/20号 [日本を極める]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 8/20号 [日本を極める]感想
特集は「日本を極める」。日本文化に深く傾倒している外国人に関する記事は興味深い内容ではあったものの,特に新鮮味はなかった。「外国(人)から見た日本」を知ることは大切だが,若干食傷気味。私はNewsweek誌に対して国際情勢の新鮮な情報提供を期待しているので,日本関係の特集号に対する満足度はどうしても下がってしまう。特集以外では,がんの重粒子線治療に関する広告記事に珍しく興味を持った。患部をピンポイントで攻めることができる治療法として注目されているが,その施設が体育館級の大きさだったとは!!
読了日:8月15日 著者:
プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である (双葉新書)プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である (双葉新書)感想
90年後半のスワローズ黄金時代を支えた名スカウト・片岡宏雄さんの著書です。アマ選手と球団の間の裏金のやりとりを暴露するなど,選手獲得競争のインサイド・ストーリーを生々しく描いています。プロ球団にとって極めて重要なスカウトという仕事が,もっと評価されるべきであることを再認識しました。著者も指摘しているように,現在は「育成枠」という魅力的な制度があるのですから,スカウト諸氏には是非,プロで活躍することを夢見る野心的な若者を数多く発掘してもらいたいと思います。日本プロ野球の人気復活の鍵は,必ずここにあります。
読了日:8月15日 著者:片岡宏雄
聴くだけ世界史(古代~近代へ)聴くだけ世界史(古代~近代へ)感想
文字は読まずに2回聴きましたが,「政治経済」とは違って全然頭に入りませんでした。歴史を理解する(覚える)には,ヨコの糸とタテの糸を紡ぐような作業が必要です(それが歴史の受験勉強の難しいところです)。しっかり読みながら何度も聴き返すことにします。歴史を学ぶこと自体は楽しいのですが,歴史の受験勉強はそれほど楽しいものではないなぁと,かつて地理を選択した理系人間の私は思います。しかし,歴史を学ぶ機会をみすみす失ってきたことを今更ながら後悔していますが・・・。
読了日:8月9日 著者:植村光雄
メジャーで勝つ―日本人ピッチャーの心技体 (ベースボール・マガジン社新書)メジャーで勝つ―日本人ピッチャーの心技体 (ベースボール・マガジン社新書)感想
この本のターゲットは,野球ファンではありません。将来,メジャーリーグで投げることを目指している人に向けて書かれたものです。実質100人にも満たない?と思われる読者に捧げられた本だと思うと,天晴れベースボール・マガジン社!凄いぞベースボール・マガジン社!と叫びたくなります(笑)。さらにこの本,ライターさんが書いたものではないような気がしました。プロの文章ではないと思われる箇所が随所にありましたが,もしこれが長谷川さんご自身の文章であれば,さすがに秀才と噂される方だけのことがあります。
読了日:8月9日 著者:長谷川滋利
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 8/6号 [3Dプリンターが創る未来]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 8/6号 [3Dプリンターが創る未来]感想
特集は3Dプリンタ。インクジェットプリンタのように素材を吹き付けながら成型する3Dプリンタの長所は,何といっても成型の自在性と精度の高さにある。私は10年近く前に3Dプリンタのデモに立ち会ったことがあるが,あの頃は吹き付け素材には樹脂しかなかったと思う。それが今やアルミと同程度の強度を持つ素材も使えるようになり,その用途と実用性は飛躍的に上がった。「(3Dプリンタを取り巻く)雰囲気は70年代のパソコン革命初期に少し似ている」と記事にはあったが,それも大袈裟な表現ではないかもしれない。
読了日:8月6日 著者:
聴くだけ政治・経済聴くだけ政治・経済感想
読んでません。通勤中の車の中で付録CDの音源(MP3)を聴いただけです。しかし,聴くだけでも8時間掛かります。おじさんになってから高校の勉強をやり直したいと考えるようになった私にとって,この本はまさに長きにわたって求めていたものです。もちろん,聴いただけで多くを覚えられるわけではありませんが,高校の政治経済の内容を大まかに把握するには絶好の参考書であり,音源です。一度聴き,二度目は読みながら聴き,そして三度目以降は聴き続けようと思っています。別のシリーズ(日本史や世界史,倫理)も購入予定です。
読了日:8月3日 著者:大塚哲
悪韓論 (新潮新書)悪韓論 (新潮新書)感想
堤未果氏の名著「ルポ・貧困大国アメリカ」に対する一般読者の書評の中に,「その気になれば,『ルポ・絶望大国日本』だって何冊でも書けるはず」というものがあった。それを読んだ時,私は思わず膝を打った。どの国にも光と闇があり,闇の部分をクローズアップしたならばその国の醜い部分は浮き彫りとなる。本書は韓国の歪んだ部分を見事に切り出しているが,これを読んだからといって韓国を必要以上に卑下したり,日本の底力を過信すべきでもない。読み方を選ぶ本だと感じた。興味深い本ではあったが,期待以上というわけではなかった。
読了日:7月31日 著者:室谷克実
ヘルタースケルター (Feelコミックス)ヘルタースケルター (Feelコミックス)感想
映画を見たわけでもないのに,「沢尻エリカはこの役をやるために女優になったのではないか?」と思うぐらい,りりこと沢尻のキャラクターが重なって見えた。私はマンガを読み慣れていないので作品の良し悪しを判断する能力も資格もないが,これは良い作品ではないでしょうか。りりこの人間臭さは嫌いじゃないです。
読了日:7月31日 著者:岡崎京子
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/30号 [再考:安倍晋三]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/30号 [再考:安倍晋三]感想
特集は安倍晋三総理大臣。噂される在日朝鮮人社会や宗教との関係について踏み込んだ記事は興味深く,その他の分析記事も良かったが,表紙を含む写真の選定に若干の悪意を感じる。「安倍が経済の再浮揚策に集中しているのは,安定した暮らしがなければ国民が『誇りの回復』になどに見向きもしないことを学んだからだろう」という見解は,的を射ている。安倍総理の真価が問われるのは,まさにここからである。現在の選挙システムを鑑みれば,自民党は決して「フリーハンド」を得たとはいえない。これからの安倍総理の手腕に,大いに期待したい。
読了日:7月28日 著者:
そうだったのか! 日本現代史 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)そうだったのか! 日本現代史 (そうだったのか! シリーズ) (集英社文庫)感想
素晴らしい。素晴らしすぎます,池上さんの「そうだったのか!」シリーズ。歴史の教訓から学ぶことの大切さと,その教訓を活かすことなく過ちを繰り返す愚かな人間の存在を,池上さんの豊かな文章力が改めて浮き彫りにしてくれます。このシリーズは,ノンフィクションの歴史小説といっても過言ではありません。今では超多忙な池上さんですが,このシリーズの続編を書いてもらいたいと願わずにいられません。またいつか,ゆっくりと読み返したい一冊です。
読了日:7月26日 著者:池上彰
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/23号 [TOEFL時代を制する英語術]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/23号 [TOEFL時代を制する英語術]感想
「世界一英語が苦手な日本人へ」という特集のタイトルは決して大袈裟ではない。北朝鮮人にさえ及ばないと言われる日本人の英語の問題は,「使えない」点に尽きる(文法力に限れば,日本人の能力は決して低くないと私は思う)。記事にも書かれているように,多くの日本人は議論についてゆくスキルを持ち合わせていない。「英語が話せない」のではなく,「英語で話す内容(事柄)がない」ため,せっかくの会話の機会をみすみす無駄にしている。これはTOEFL義務化程度で解消できるような小さな問題ではない。原因はもっと根本的なところにある。
読了日:7月26日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/16号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/16号 [雑誌]感想
今号は特集以外にも興味深い記事が多かった。まず,韓国の原発問題の深刻さを改めて認識した。先日,ラジオの討論番組で,日米・仏の企業を振り切って韓国がアラブの国との原発建設契約を勝ち取った背後にある「かなり強引な条件」について触れていた。人のことを言える立場にないかもしれないが,この国は本当に原発を制御できるのだろうか・・・と疑いの目を向けてしまう。その他には,あのアメリカでもスポーツ選手が笑わない現象が起きているという記事や,偉大な人物と心の病の関係に関する記事,レイプ被害者に関する記事も興味深かった。
読了日:7月22日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/9号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/9号 [雑誌]感想
特集は,LCCの参入により成長を続けている航空業界。アメリカのLCCに乗るたびに,CAのラフな服装とサービスに驚かされますが,それは飛行機という交通手段がもはや庶民のものとなったことを示しています。最近は事故率もかなり下がっているらしく,毎日飛行機に乗ったとしても事故に遭うには13,500年以上かかる計算とのこと(確率1/500万)。しかし,そのことを知っていても離着陸時にはいまだに緊張する私・・・
読了日:7月8日 著者:
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
複雑化する社会の問題点の深層を解くためは,かくも複雑な分析が必要であることを思い知らされました。翻訳家の技量と能力に驚嘆。心から敬意を表します。しかし・・・読み終えるのにこれほど時間を要した本はありませんでした。おかげで,ここ2か月の読書量がグッと減ってしまいました。
読了日:7月3日 著者:マイケルサンデル
プロ野球を殺すのはだれだ (ベースボール・マガジン社新書)プロ野球を殺すのはだれだ (ベースボール・マガジン社新書)感想
「週刊ベースボール」誌上で「オレが許さん!」の連載が始まった1993年当時,私は週ベの熱心な読者でした。切れ味が鋭いばかりでなく,野球への愛情に溢れた豊田さんの評論を読み,私はたちまち彼のファンとなりました。あれからずいぶん月日は経ちましたが,本書を通じて豊田さんが今も健在であることを知ることができ,本当に嬉しかったです。本書の帯には「10年後への遺言」と書かれていましたが,豊田さんにはこれからも,厳しくも温かい評論を続けていただきたいと心から願っています。
読了日:6月30日 著者:豊田泰光
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/2号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 7/2号 [雑誌]感想
特集は中国経済。この国の経済成長が減速し,金融システムの大混乱が現実のものとなりつつある理由を,わかりやすく解説している。我々日本人は,バブル経済の崩壊とリーマンショックという2つの大きな波を経験したが,第3の波がすぐそこまで来ていることを強く認識しなければならない。この問題が恐ろしいのは,経済問題だけに限らない点である。バブル経済の崩壊はこの国全体を大混乱に陥れ,東アジアの平和を乱すことにも繋がりかねない。中国にせよ韓国にせよ,経済的な豊かさだけを急ぎ求めたツケが,ここ数年のうちに噴出するのだろう。
読了日:6月29日 著者:
メジャーリーグのWBC世界戦略 (PHP新書)メジャーリーグのWBC世界戦略 (PHP新書)感想
これもまた「看板に偽りあり」な新書。タイトル通りの内容を期待する人にはお勧めできません。MLBのWBC戦略について書かれているのは最初と最後の章だけといっても構いません。著者はおそらく,WBCを語る前にMLBの基本的な経営戦略について説明する必要があると考えたのでしょうが,それならば岡田功著『メジャーリーグなぜ「儲かる」』などの方がずっと深く踏み込んで書かれています。著者の他の作品の書評に厳しいコメントが並んでいるのを知っていましたが,一冊読み終えてみて,なるほど・・・と頷いてしまいました。
読了日:6月26日 著者:古内義明
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 6/25号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 6/25号 [雑誌]感想
ネット社会の成熟が,国家の安全と個人のプライバシー保護が二律背反となり得る難しい状況を生み出している。「実のところ現代人の多くは,世界最高レベルの盗聴器(つまりスマホ)を四六時中持ち歩いているようなものだ」という一文が印象的だった。スマホが高機能になるほど,プライバシーが侵害される可能性が高まる。「悪いことをしなければ大丈夫」などと悠長に構えているわけにはいかなくなる日も近いだろう。政府や企業・団体が,メタデータと呼ばれる「情報の情報」を収集・分析することの危険性も強く認識した。
読了日:6月25日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 6/18号 [アベノミクス 次の局面]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 6/18号 [アベノミクス 次の局面]感想
特集はアベノミクス。ピーター・タスカという英国人経済評論家による記事は,経済に詳しくない私でも理解できる内容だった。アベノミクスをやや過大評価しているような気がしないでもなかったが,著者は日本国民に対し,長い目で安倍首相の経済政策を見守りなさいと訴えていると読み取った。特集以外では,中国の企業によるアメリカの豚肉生産企業買収の記事に着目。他国の国内産業や食の安全保障を散々破壊しまくっているアメリカであるが,自国に対する外国の侵略に対してナーバスになっている。滑稽という言葉以外,思い浮かばない。
読了日:6月20日 著者:
野球と余談とベースボール (マイナビ新書)野球と余談とベースボール (マイナビ新書)感想
大塚晶文投手とともに過小評価されている元日本人メジャーリーガー,田口壮の著書です。軽妙で楽しい文章は期待通りのものであり,飽きることなく最後まで楽しく読むことができました(もう少し専門性の高い内容だったらさらに良かった・・・)。苦労を重ねた末にMLBの強豪チームで名脇役として成功を収めた著者ですが,日本野球に対する愛情は並々ならぬものがあります。最終章の提言は非常に多くの示唆に富んでいます。発言者として,そして指導者として,今後の著者の活躍に大いに期待します。
読了日:6月15日 著者:田口壮
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 6/11号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 6/11号 [雑誌]感想
「いわゆる従軍慰安婦問題」の経緯について,特集記事は比較的客観的に書かれていると感じた。しかし,この特集記事を書いた同じ編集者による最終68ページの編集後記が非常にいただけない。「アメリカの良識的な人は『黒人奴隷は建国に必要だった』とは決して言いません」だと?? だったらアメリカ人の腹を掻っ捌いてみたらいいい。「原爆投下は戦争終結のために必要だった」という言葉が噴出してくるだろ? アメリカ人はそんなに良識的なのか? 周辺の「平和を愛する諸国民」は良識的なのか? 答えてみろよ,Newsweek!!
読了日:6月15日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 6/4号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 6/4号 [雑誌]感想
特集は,マンUを去る名将ファーガソン。彼を理解するキーワードは「ヘアドライヤーと父親」。熱くて激しいが父親のような愛情をもった監督ということだろう。彼はチームを「バス」に例え,選手に規律を求めたという。言い換えれば,選手にプロとしての自覚を強く促すということだろう。日本では,プロ選手に規律を求めることは良くないことのように言われることがあるが,私はそれに与しない。プロ意識の高い集団には強い規律が必ず存在する筈である。代表チームに対して本田圭佑が言わんとしていることも,そこにあるのではないだろうかと思った。
読了日:6月9日 著者:
僕のメジャー日記僕のメジャー日記感想
「(ドームで野球をすることが当たり前となっている)環境で,一番損をしているのはファンの皆さんだと思うんですよ。僕たちプレーヤーも,もっともっとギリギリのプレーをしたいし,ファンの皆さんもそれを見たいと思っているはずです。そのためにはやっぱり,そういう環境面は必要だと思います。ヤンキースタジアムをはじめとしたアメリカの球場を見て,プレーしてきて,その部分は痛感しましたね。」という松井さんの発言に強く同意します。選手を消耗させる人工芝の問題を解決しない限り,日本の野球がメジャーを超えることはないと断言します。
読了日:6月9日 著者:松井秀喜,鷲田康
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 5/28号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 5/28号 [雑誌]感想
ロバート・E・ケリーという釜山大学の准教授の記事が興味深かった。アジアを見下すような姿勢は気に入らないが,言っていることは至極まともである。「(日韓が)紛争に発展すれば,アメリカは日韓のどちらにも味方せずアジアから出てゆくだろう」と彼は言う。後半部はいざ知らず,前半部は正しいだろう。特に韓国は,日韓が軍事衝突した際にアメリカは自分達に加勢してくれると信じているだろうが,アメリカはそれほど甘い国ではない。つまりケリーの言うとおり,我々は「自分たちの安全保障に自分たちで責任を持つこと」が大切ということである。
読了日:6月1日 著者:
逆風に立つ    松井秀喜の美しい生き方逆風に立つ 松井秀喜の美しい生き方感想
松井選手が私たちファンに与えてくれた数々の感動シーンを思い返させてくれました。世にあまり知られていない裏話も満載です。しかし・・・この本は2007年に刊行された本の焼き直しのため,特にヤンキースを退団して以降の内容が手薄で,引退を決断するに至った本人の心境に関する記載はほとんどありません。引退表明直後に刊行が発表されたことで期待が大きかったのですが,残念ながら期待外れの面も多かったです。松井選手と交友関係の深い著者による「続編」に期待したいです。
読了日:5月26日 著者:伊集院静
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 5/21号 [日本人が知らない 村上春樹]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 5/21号 [日本人が知らない 村上春樹]感想
特集は「日本人が知らない村上春樹」。外国人による村上春樹評は,非常に的を射ているように感じました。特にアメリカ人作家による,「とうに過ぎ去っていたと考えていたものが,実は過ぎ去っていなかったという感覚をもたらしてくれる小説」という評論に納得しました。平穏な日常を突き破って現れる非日常の世界をみせる村上作品の魅力の本質を見事に突いています。彼のファンの一人として,村上作品が世界中で愛されていることを誇りに思います。彼がノーベル文学賞を受賞する日を,私はひたすら楽しみにしています。何年でも・・・
読了日:5月18日 著者:
高校野球「裏」ビジネス (ちくま新書)高校野球「裏」ビジネス (ちくま新書)感想
高校野球(と少年野球)の闇に迫った意欲作ではあるが,ミスマッチなタイトルだと思った。このタイトルに内容を合わせるべく第1章・第2章に刺激的な内容が記されているが,中盤はトーンダウンしている。後半に再び盛り上がりを見せているだけに,構成のアンバランスさを感じずにはいられなかった。「裏ビジネス」は副題とするべきだったのではないだろうか。
読了日:5月12日 著者:軍司貞則
新島八重: 波瀾万丈――幕末のジャンヌ・ダルク (学研M文庫)新島八重: 波瀾万丈――幕末のジャンヌ・ダルク (学研M文庫)感想
京都に移り住み新島襄と結婚する前のエピソードは,ほぼフィクションではないだろうか? おそらく,彼女の前半生を語るには情報が不足しているのだろう。福島生まれの凛とした女性ということで,必要以上に神格化されているような気がしてならない。新島八重の生涯についてあれこれ言いたいわけではなく,歴史を誇大化しようとする作用に対して嫌悪感を覚えずにはいられない。
読了日:5月12日 著者:中江克己
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 5/14号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 5/14号 [雑誌]感想
特集は「歌舞伎」。興味深い内容だったが,Newsweekで日本の話題を特集されるとどこか興ざめしてしまう。特集以外ではロボット兵士開発の記事が印象的だった。この記事は,「ロボット兵士は倫理・法律面で『一線を越える』兵器」と指摘している。だったら通常兵器は『一線を越えない』殺人兵器なのか?とツッコミを入れたくなる。しかしこの記事を読むと,確かに自立型ロボット兵士は人類に対して恐るべき存在となる可能性も理解でき,何らかの形で禁止・抑制するべきものであることがわかる。アニメの世界の戦争は,もう目前にあるようだ。
読了日:5月12日 著者:
本当に「英語を話したい」キミへ本当に「英語を話したい」キミへ感想
タイトル通り,「本当に」英語を話したい人々への素晴らしい贈り物となる一冊です(『芸能人本』的な装丁が軽薄なイメージを若干醸し出してしまっている点は残念)。留学中の若者や,目的を持って外国語を学ぶビジネスマンなど,志の高い学習者ならば,川島選手の言葉の一つ一つの重みが理解できるはずです。これから海外に出ようとする若者には,現時点では十分に理解することはできないかもしれませんが,いつの日か本書が彼らの「座右の書」となるかもしれません。Go for it, young men!
読了日:5月4日 著者:川島永嗣
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 5/7号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 5/7号 [雑誌]感想
特集は映画。世界各地の映画が興味深い文章で紹介されている。いつの日かこの特集を読み直したい。特集以外では,銃規制が否決に関する記事とテロ対策の記事が印象的だった。銃規制を否決した米下院に対する批判の鋭さには,リベラルなNewsweekらしさを感じた。諜報能力をかなり失いつつあるアメリカは,無人機を用いて低~中レベルのテロリスト要員を排除しているらしい。それは一定の成果を収めているが,新たな「復讐心」も生み出しているとのこと。「テロとの戦い」は,これからも果てしなく続くのだろうか。
読了日:5月4日 著者:
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 4/23号 [雑誌]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2013年 4/23号 [雑誌]感想
特集は,1日の所得が4ドルに満たない貧困層BOP(Base of the Pyramid)を対象としたビジネスについて。貧困国の貧困層を対象するビジネスは単なる利益追求型では成立・成功しにくく,現地との「共創」がカギという意見に大いに納得。大きな利潤を挙げることを目的とせず,「目的を達成するための手段」として活動を展開し,現地の経済や生活水準の向上に貢献している日本企業の活躍を誇らしく思いました。今後も,「経済的侵略」ではないBOPビジネスが日本企業によって積極展開されることを心から期待します。
読了日:5月3日 著者:
心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣感想
100万部を超えるベストセラーとなった長谷部キャプテンの著書です。印税の全額を東日本大震災支援に寄付したことからもわかるように,長谷部選手は素晴らしい人物です。この本が多くの人に支持されたのも,彼の人柄によるところが大きかったはずです。正直に言えば強いインパクトを受けた部分は多くありませんでしたが,読み進めてゆくにつれて,彼の「心」がジワジワと伝わってきました。出版元の幻冬舎の企画力も高く評価します。プロスポーツ選手の本としてはかなりボリュームがあり,お買い得感の高い本です。若い人にお薦めしたいです。
読了日:5月3日 著者:長谷部誠
ふらっとアフガニスタン7泊8日ふらっとアフガニスタン7泊8日感想
メディアが流す第三国の情報にはバイアスが掛かるため,真実の情報を得るためには現地に赴き,自分の目で物事を確かめねばなりません。また本書は,「第三世界が抱える共通の問題に我々ができることは多くない。ただ,誰にでもできて,おそらくもっとも効果的なことは,常に,これらの国の現状に関心を持ち続けることだろう」という言葉で締められています。著者が自らアフガニスタンを訪れたのは,単にアレキサンダー大王や三蔵法師の歩んだ道への憧れだけでなく,メディアに生きる人間としての矜持がそうさせたのではないでしょうか。
読了日:4月21日 著者:辛坊治郎
国境の南、太陽の西 (講談社文庫)国境の南、太陽の西 (講談社文庫)感想
村上作品の中では,比較的主題がわかりやすい部類に入る作品ではないでしょうか。この作品,私は好きです。一生懸命生きている人間が,ある日「太陽の西」を目指して歩き出す・・・わかるような気がします。私はまだまだ,その心境に達していませんが・・・
読了日:4月21日 著者:村上春樹
局アナ 安住紳一郎局アナ 安住紳一郎感想
ラジオの安住アナは、TV以上に面白い。私はTBSラジオが聴けない地域に住んでいますが、podcastで「日曜天国」を聴き彼の虜になってしまいました。ラジオ同様、彼の人間臭さが滲み出た一冊でした。本書を読み出して最初に感じたのは、文章がちょっとおかしいことでした。日本語を非常に大切にしている彼の文章とは思えないような違和感。話し言葉と書き言葉には微妙な違いがあることを再認識しました。しかしそれも、回を重ねるごとに解消されていったように思います。彼の文章力に磨きがかかった頃に連載終了。かなり残念。続編求む!
読了日:4月14日 著者:安住紳一郎
Slugger (スラッガー) 2012年 12月号 [雑誌]Slugger (スラッガー) 2012年 12月号 [雑誌]感想
昨シーズンのMLB総集編。新シーズン開幕後にやっと読了。アメリカのメディアに出た英語の記事をもとに編集された雑誌だと思いますが,かなり読み応えのある一冊でした。セイバーメトリクスに対する興味がさらに増しましたが,各種指標にはちょっとした主観が入りやすいのではないかと思いました。私が注目していたある堅守の三塁手の守備防御点がマイナス評価となっていたのは意外でした。もはや私も若くないので,かつて(高校生の頃)のように,こういった雑誌を隅から隅まで読むことは難しくなりましたが,今後も注目したい雑誌です。
読了日:4月13日 著者:
アフターダーク (講談社文庫)アフターダーク (講談社文庫)感想
闇の後に現れるのは,暁か,あるいはさらなる深い闇か。明と暗の境界線は極めて不明瞭であり,私たちはいつ闇に陥っても何ら不思議ではない。派手さはありませんが,示唆に富んだ小説です。コオロギさんの言葉にはとても深いものを感じました。
読了日:4月10日 著者:村上春樹
逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録感想
逮捕を恐れ逃亡を続けた市橋の心理を知りたくて読みましたが,最後までよくわからずじまいでした。市橋は頭の良い人間です。犯した罪の大きさは感じていたはずですが,逮捕されることを頑なに拒み,さらに自ら死を選ぶことさえできませんでした。逃亡中,彼は死刑を恐れたようですが,彼を突き動かしたのは「生」ではなく「自由」に対する執着だったのではないでしょうか。罪を犯した理由として,「感謝」の意味を知らなかったことを本人は挙げています。人との関わりあいの屈折が,彼自身が暴挙を止められなかった遠因だったのかもしれません。
読了日:4月5日 著者:市橋達也
Number (ナンバー) WBC速報号 2013年 3/30号 [雑誌]Number (ナンバー) WBC速報号 2013年 3/30号 [雑誌]感想
久しぶりにNumberのすべての記事を読みました。以前に比べると多少薄口になった感はありますが,さすがNumber,素晴らしい雑誌です。本号の特集はWBC。侍ジャパンの敗因を,多くの評論家やライターが多方面から分析しています。週刊ベースボールの特集号も購入して読みましたが,文章,写真,表紙,価格,すべての面でNumberの圧勝でした。WBC以外では,久光製薬監督の中田久美さんの記事が印象的でした。あの激情家だった彼女が,ある意味で丸くなって,若い選手たちと共に戦っています。さらに素敵な女性になりましたね。
読了日:4月3日 著者:
1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉後編 (新潮文庫)1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉後編 (新潮文庫)感想
村上作品の中で最高の純愛小説ではないでしょうか? この「1Q84」は私にとって,「海辺のカフカ」や「ねじまき鳥クロニクル」ほど惹きこまれる作品ではありませんでしたが,読後,最も爽やかな気持ちにさせられた村上作品でした。月がひとつの世界で,天吾と青豆がいつまでも幸せに暮らすことを心から祈ります。そこが1984年であっても,そうでなくても・・・
読了日:3月30日 著者:村上春樹
週刊ベースボール増刊 第3回WBC決算号 2013年 4/10号 [雑誌]週刊ベースボール増刊 第3回WBC決算号 2013年 4/10号 [雑誌]感想
敗因分析の記事などには「さすが週ベ」と思わせるものはありましたが、何と言っても雑誌としてのボリュームの欠乏感にガッカリしました。わずか58ページの雑誌が780円とは、ボッタクリに近い・・・ 日本が入っていないプールの試合の記事に期待したのですが、しっかり裏切られてしまいました。Numberの爪の垢を煎じて飲ませてやりたいです。しかし、侍Japanが優勝していればこの雑誌の記事やボリュームはもっと充実していたのかもしれませんね。やはり勝負事は勝たなければならないということでしょう・・・(涙)。
読了日:3月27日 著者:
ゼロから知る「古事記」 (学研ムック)ゼロから知る「古事記」 (学研ムック)感想
「古事記を知りたい」に続き、古事記関連のムックを読みました。多彩なイラストや写真が読む側の想像を大いに掻き立ててくれます。高さ48mと言われる古代の出雲大社の復元図は圧巻です。最後に掲載されている阿刀田高氏の「私の古事記物語」は、読みやす上になかなか読み応えもあります。ムックの楽しさを強く認識できた一冊です。
読了日:3月26日 著者:
贖罪贖罪感想
本書を出版することによって,タイトル通りの「贖罪」を果たせたかどうかはわかりませんが,周囲の人々への謝罪と感謝の気持ちは強く感じられる本でした。ダンナが警察に捕まった後の逃避行によって彼女のイメージは大きく損なわれてしまったわけですが,それにしても彼女に対する世間(特にネットの世界)のバッシングは強すぎるように感じます。芸能界は,過去にも多くの薬物犯を受け入れてきた包容力のある世界です。今後,彼女が世間に受け入れられるかどうかは,これからの彼女の生き方次第です。私は彼女を,静かに見守りたいと思います。
読了日:3月24日 著者:酒井法子
1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉前編 (新潮文庫)1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉前編 (新潮文庫)感想
時間軸と空間のズレ、か・・・
読了日:3月22日 著者:村上春樹
古事記を知りたい古事記を知りたい感想
これは面白い! シュールな漫画やイラストの助けによって、古事記のことがザックリと理解できます。古事記入門書としては最適の書でしょう。定価580円がすごくお安く感じられた本でした。私は次に、竹田先生の「現代語古事記」を読みますが、本書はその導入に非常に役に立つはずです。
読了日:3月16日 著者:
3時間で「専門家」になる私の方法3時間で「専門家」になる私の方法感想
ネット上にある情報を3時間で収集し、その分野の専門家に近い認識を得られる方法が示された本です。かなりのページ数を割いて、マトリクス表を描きながら情報を整理する方法について解説していますが、ネット検索でディープに情報収集することに慣れている人ならば無意識に類似の方法をとっているはずです。一世代前に刊行された本という印象を持ちましたが、このような手法を論理的に説明するのはなかなか難しい作業なので、そういった意味では貴重な一冊かもしません。「クオリア」と「セレンディピティ」という概念を意識することは重要ですね。
読了日:3月10日 著者:佐々木俊尚
1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉後編 (新潮文庫)1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉後編 (新潮文庫)感想
うーん・・・ファンタジーすぎる・・・ さあ,BOOK3へ行こう。
読了日:3月8日 著者:村上春樹
パフォーマンス評価―子どもの思考と表現を評価する (日本標準ブックレット)パフォーマンス評価―子どもの思考と表現を評価する (日本標準ブックレット)感想
ルーブリックと呼ばれる4×4のマトリクス表を用いながら複数の人が答案を評価する「パフォーマンス評価」について、わかりやすく解説しています。子ども達の可視化しにくい部分の学力や理解度を測るものさしとしては、非常に興味深い手法です。この手法は、学力レベルの一般化・数値化のためにあるのではなく、子どもの学びに関する「鑑識眼」を育て、有効な教材開発を進めるためのものです。こういった手法がメインストリームとなることはないでしょうが、積極的に研究・開発するに値する手法だと感じました。
読了日:3月4日 著者:松下佳代
アクティブラーニングでなぜ学生が成長するのか―経済系・工学系の全国大学調査からみえてきたことアクティブラーニングでなぜ学生が成長するのか―経済系・工学系の全国大学調査からみえてきたこと感想
第1部と第3部を読みました(第2部は近いうちに読みます)。読みごたえのあった第3部は,アクティブラーニングの意義が非常にうまくまとめらているのと同時に,その問題点も鋭く指摘しています。高度なアクティブラーニングを導入するには,やはりヒト・ハコ・モノが重要であることを再確認しました。その中で意外に軽視されるのがハコであるように思いますが,学生が自由に出入りして活動できる教室空間を創ることは,高度なアクティブラーニングを成功させるためには必要不可欠です。先立つものは,やはりカネということでしょうか。
読了日:2月27日 著者:河合塾
車中泊の作法 (ソフトバンク新書)車中泊の作法 (ソフトバンク新書)感想
車中泊を楽しんでいる人、そしてこれから楽しもうとする人必読の書です。車中泊を楽しむためには(滞在地に迷惑を掛けないための)マナーを守ることが大切ですが、本書がその点を力説している点に好感を持ちました。同時に、道の駅やキャンプ場に対する前向きな提言も忘れていません。我が国には魅力的な観光スポットがたくさんあります。内需拡大のためにも、国内旅行の一手段としての車中泊が成熟してゆくことを願ってやみませんが、本書はその一助となっていると思います。
読了日:2月27日 著者:稲垣朝則
決断する力 (PHPビジネス新書)決断する力 (PHPビジネス新書)感想
石原慎太郎氏から「作家の発想力がすべてだ,協力してくれ」と頼まれて副知事となり,そして知事にまで登り詰めた作家・猪瀬直樹氏の著書です。「困難な課題でも,発想力があれば乗り切れる」「感性と集中力で自ずと『解決する力』が湧き出てくる」と著者が言うように,それは国を運営する為政者に無くてはならない力です。豊富な教養や深い思想・哲学を持つ作家は,ある意味政治家に必要な素養を有しているといえるかもしれません。しかし,そこに「自己顕示欲」が絡みすぎることがないよう,著者には十分に気を付けてもらいたいと思いました。
読了日:2月17日 著者:猪瀬直樹
1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉前編 (新潮文庫)1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉前編 (新潮文庫)感想
いつものように,読んでいて胸が苦しくなってきた・・・ 村上ワールド,本格的に始まる・・・
読了日:2月16日 著者:村上春樹
フクシ伝説 うちのとーちゃんは三冠王だぞ!フクシ伝説 うちのとーちゃんは三冠王だぞ!感想
こういう人を,天真爛漫だ金持ちのボンボンだと言って面白おかしく取り上げるのもどうかと思う。私は落合博満選手(そして監督)のファンですが,彼ら夫妻の子育てには疑問符を打たずにはいられません。同じ育てる作業であっても,子育てと選手の育成とは全く違うものなのですね。Amazonの書評がいかにいい加減なものであるかが,よくわかりました。
読了日:2月14日 著者:落合福嗣
誰も書けなかった年金の真実―あなたがもらえなくなる日誰も書けなかった年金の真実―あなたがもらえなくなる日感想
「とにかく年金には加入しておくべき」「年金の基礎部分は全額税方式が理想」そして「社会保険庁はどうしようもない集団」という,著者の論に同意。社会保険庁という役所の腐りっぷりにはもはやため息も出ないが,多かれ少なかれどこの役所も同じように堕落していると思うと,この国の将来が本当に心配になる。私は,年金の掛け金は税金の一部と考えるようにしている。だからと言って民間の個人年金に積極的に加入しているわけでもないが,それぐらいの覚悟が無いと,残念ながらこの国で生きてゆくことはできないと思っている。
読了日:2月8日 著者:辛坊治郎
1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉後編 (新潮文庫)1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉後編 (新潮文庫)感想
天吾と青豆が、細い糸で繋がった!
読了日:2月2日 著者:村上春樹
ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)感想
「ブラック企業」が個人に対して被害をもたらす単なる存在ではなく、社会全体を蝕む大きな存在であることを世に訴えた渾身の一冊です。「使えない」社員の精神を破壊して自己都合退職に持ってゆくブラック企業の手法はおぞましいの一言ですが、今では多かれ少なかれどの企業でも同じような手法を採っているでしょう。つまり「日本企業総ブラック化」に向かっているということですが、グローバル化が進む世界経済に取り残されないようにするためには不可避の流れなのかもしれません。この流れに歯止めをかけるのは決して容易なことではありません。
読了日:1月26日 著者:今野晴貴
オーケー!ボーイ―エディさんからの伝言オーケー!ボーイ―エディさんからの伝言
読了日:1月17日 著者:高橋和幸
オーケー!ボーイ―エディさんからの伝言オーケー!ボーイ―エディさんからの伝言
読了日:1月17日 著者:高橋和幸
「松本」の「遺書」 (朝日文庫)「松本」の「遺書」 (朝日文庫)感想
15年以上前に読んだ本を,本棚から引っ張り出してきて再読。著者・松本人志を,お笑い芸人とバカにするなかれ。本書の内容を,若気の至りと笑うなかれ。この稀代のコメディアンが,若い頃から強い信念と独立心を持って努力を重ねていた姿を垣間見ることができます。彼や私が若い頃,日本社会は現代以上に「オヤジ中心社会」でした。「寄らば大樹の陰」で生きることが最も安易かつ安定的であった時代に,師匠や先輩芸人に阿ることなく自分の理想に突き進んだ著者の生き方に感服するばかりでした。
読了日:1月16日 著者:松本人志
人格障害かもしれない (光文社新書)人格障害かもしれない (光文社新書)感想
特に前半部分の文章が冗長すぎて(うまく編集したら2/3ぐらいにシュリンクできるかも?)読みにくい部分もありましたが、第7章(異常犯罪者達の分析)と第8章(天才的な表現者達の分析)は非常に読み応えがありました。「犯罪はあくまでも彼(=犯罪者)自身の行動であり、(中略)行動は彼自身の意思だということです」と述べ(p.166)、著者は刑法39条の濫用を否定しているように思います。それは人格障害を患う(=大多数の善良な)人達の人権を損ねるのではなく、むしろ偏見や差別を解消させる一助となるのではないでしょうか。
読了日:1月14日 著者:磯部潮
1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)感想
ふしぎなふしぎな2つの世界がいつか繋がる、典型的な?村上ワールドが展開される予感...
読了日:1月13日 著者:村上春樹
ブラックジャックによろしく 全13巻完結(モーニングKC ) [マーケットプレイス コミックセット]ブラックジャックによろしく 全13巻完結(モーニングKC ) [マーケットプレイス コミックセット]感想
著者には申し訳ない?のですが、iPhoneの無料アプリで読了。普段は漫画を読まない私ですが、十分に楽しめました(斎藤先生の一途さに感動…)。医療従事者が読めばストーリーの矛盾や荒唐無稽な部分を指摘するのかもしれませんが、私のような門外漢には、社会問題を世間に訴える著者の気概が強く感じられる作品でした。妻夫木聡主演のTVドラマが、原作に忠実であったことにもビックリ。続編の「新・ブラックジャックによろしく」は、単行本を購入しようかな?
読了日:1月9日 著者:佐藤秀峰
就活革命(生活人新書322)就活革命(生活人新書322)感想
いわゆるマニュアル本ではない就活本として,就活中の学生に強くおススメできる本です。就職活動の矛盾を鋭く突きつつも,就活に「勝つ」ための大切なポイントを指摘し,さらにこの狂った「日本の就活システム」に対する改革案も提示している,バランスの良い内容です。就活に勝つために学生がやるべきこと・・・それは「大学で勉強すること」だと著者は言いますが,私もその意見に同意します。無意味に思えるかもしれない大学の勉強が,実は学生の論理能力やコミュニケーション能力といった「就活に勝つための能力」を育てているのは明らかです。
読了日:1月9日 著者:辻太一朗

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2009/12/27 まともな生活が送れる

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年賀状を出した。パソコンは面倒なのではんこを押した。大阪でNさんにもらった。当時は使うことはないだろうと思っていたが、今役に立っている。ありがとうNさん。 そんなわけで一つ肩の荷が下りた。窓拭きは残っている。昨日は中国から黄砂が飛んできたものだからガラスが汚れた。昨日窓拭きをしないでよかった、とヨメに言ったらへへんといわれた。 今日は朝9時ごろから、駐車場の160センチの竹垣の続きの作業をした。体を動かすと気持ちがいい。途中MちゃんとKさんがが通りかかって、ああじゃこうじゃと長話をした。 ところで、ついにわが地区の東の山に設置してあるNHKと民放テレビの中継局がデジタル化した。今までは山口の電波は不鮮明な画像だったので見る気がしなくて松山の電波を見ていた。これからは山口県の話題がわかるというものだ。 それにしても、2011年にアナログ放送が終わると言うのに、ぎりぎりまでデジタル化してもらえない地区だ。まあ、過疎の集落にすんでいるのだから仕方がないか。これで下水道はついたし、テレビは鮮明に映るし、とりあえず文句はない生活が送れる。下水道が通っているのは旧東和町では周防大島の東地区の一部だけだそうだ。
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