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今日の本 「金子千尋の変化球バイブル」

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今日の本 「金子千尋の変化球バイブル」(ベースボール・マガジン:14年) -七色の魔球のすべてがこの1冊に-とのサブタイトルがついた一冊。 今年の8月にリリースされたのですが、ようやく手にしました。 オリックスの金子投手が監修した、変化球を解き明かす内容。 本書では、カーブ、パワーカーブ、シュート、2種のスライダー、  チェンジアップ、スプリット・フィンガード、カットボール、  パワーシンカー、ストレート を握り、投げ方とともに紹介。 非常に多くの変化球を投げ分ける金子投手。 今シーズンは、数多くのタイトルを獲得し、充実したシーズンでした。 スタジアムでも、生で観戦したかったのですが、 なぜか金子投手の登板は、平日が多く、観戦できたのは クライマックスの初戦のみ。 来シーズンも金子投手の活躍がみたいのですが、 移籍の可能性も残されており、気になるところ。 また、もう一冊、金子投手の本がリリース済です。 タイトルは「どんな球を投げたら打たれないか」。 こちらは先月リリースされたばかりです。 既に、ネットで注文済。早く読みたいですね。 141227.jpg

単なるコラム集です:「空き家」が蝕む日本

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(036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)

(036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)

  • 作者: 長嶋 修
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2014/07/08
  • メディア: 新書
長嶋修の本にしてはイマイチ。 その理由は、タイトルが「空き家」問題というホットな話題になっているものの、内容が単なるコラム集のような中身なので、筆者の本を読んだことがある人には既視感のある内容になってしまっている。 もうちょっと掘り下げてもらわないと、お金と時間を使う意味は無い。 新書によくあるタイトル詐欺と言ってしまえばそれまでなのだが……。
【目次】
第1章 日本の不動産、現場からの疑問
 転職し、不動産仲介部門の現場へ
 日本の経済、文化のなかでの不動産とは?
 価格査定の驚くべき実態/物件情報の囲い込み
 売却依頼チラシのウソ 
 建物の知識は問われない「宅地建物取引主任者」
 不動産の価値と住宅ローンの奇妙な関係
 入居直後から「債務超過」になる?
 他の国はどうなっているのか?
 不動産売買の仕組みを欧米と比較してみる
 もう、自分でやるしかない

第2章 「空き家」が増え続けるのはなぜか?
 空き家対策に多額の税金を使う時代に
 二〇四〇年には全国各地で「お隣は空き家」に?
 空き家率が三〇%を超えるとどうなるか?
 なぜ「空き家」はそのまま放置されるのか?
 有効な「空き家問題」の対策はあるか?
 日本の住宅政策に欠落する「住宅総量目安」
 価値ゼロ住宅はなぜ量産されたか?
 中古住宅価格を維持する「生活者重視」の政策に
 リタイア後に住み替えが難しい理由
 中古住宅を再評価するための方法
 中古住宅市場を整備するために

第3章 日本の住宅はなぜ寿命が短いのか?
 木造住宅、マンションの本当の寿命は何年?
 建物の寿命は延ばせる
 木造住宅の劣化の原因
 マンション劣化の主な原因
 マンションの都市伝説と耐震性
 一戸建てとマンション、地震に強いのは?
 耐震性の分かれ目の年がある

第4章 賃貸住宅が貧弱なのはなぜか?
 賃貸住宅後進国、ニッポン
 「新築持ち家」偏重の住宅政策
 先進国で家賃補助がないのは日本くらい
 住宅政策の予算配分に偏りがある理由
 大家さんを困らせる時代遅れの「借地借家法」

第5章 物件情報はこうして囲い込まれる
 物件情報の囲い込みは暗黙の了解?
 不動産仲介業はどうやって儲けているか?
 業界の常識は世間の非常識?
 不動産仲介の健全化には法改正が必要
 あなたが売主になったとき、できることは?

第6章 エネルギー問題と住宅政策
 日本の経常収支は悪化の一途
 原発再稼働しか道はないのか?
 エネルギー政策を転換するドイツ
 地域を潤す「小規模分散型」
 既存住宅を対象にした省エネ政策
 再生可能エネルギーを軸にした地方分権型社会へ

第7章 海外シフトする不動産投資
 滞留する国内マネーをどこに振り向けるべきか?
 活況を呈するアジアの不動産市場
 高度経済成長前夜のフィリピン
 生産年齢人口が増え続ける国
 セブ島の事例
 海外の不動産投資先を見きわめるポイント

おわりに
本書で書かれている内容は大きく ①日本の不動産業の問題点 ②空き家をめぐる政策 ③海外不動産投資のすすめ の3点だ。 まず、①の日本の不動産業の問題点。 これは筆者の得意分野で、提言には一定の説得力が有る。 例えば、中古取引の両手が認められていることなどが最たるもので、弁護士が双方代理をすると法律違反で資格停止にもなりうるのに対して、不動産仲介は双方代理を狙うのが当たり前となっている。 これで損をするのは、物件の売主で、物件を早く・高く売るチャンスを逃してしまっている。 その他にも借地借家法が強すぎて賃貸物件が貧弱なレベルで固定されている問題(これは橘玲も同じことを言っている)など、指摘事項は最もで納得できることが多い。 ここまでが本書で価値を見いだせるところだ。 この次の②「空き家問題」については、公的規制で新築を抑制するという共産主義的な主張が行われている。問題の指摘はいいのだが、提示される解決策が短絡的で、しかも、先進諸外国で新築規制が行われているように取れる問題ある表現になっている。 筆者は不動産業のプロであるのだから、「公的規制」のような単純な解決策ではなく、固定資産税制や容積率の制限緩和を駆使するなどの、現実に則した解決策を考えて欲しいものだ。 最後の③海外不動産投資のすすめは完全に筆者の商売。 セブ島の不動産投資を推していた人は他にも居た気がする。セブ島の不動産は日本に売り込むためのインセンティブが多いのだろうか? と、薄い本の割に読み応えのある部分が少なく、その少ない部分は既視感が有る。 筆者も力を入れて書いていないとは思うのだが、やや残念な内容だ。 筆者の他の本を読むと、もうちょっといい本が書けるだけの力はあると思えるのだが……。 ☆☆(☆二つ) 他のBlogの反応はこちら http://mmaehara.blog56.fc2.com/blog-entry-2760.html http://tikkutokouti.seesaa.net/article/408300773.html http://reconsider.blog.fc2.com/blog-entry-1495.html http://waza-ari.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-ddee.html

イスラームとは何かを考える

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中東で仕事をしているといわゆるイスラム教について知ることは必須となります。 といってもイスラム教というよりイスラームという方が正確なのです。 教えそのものがイスラームと名付けているため、 イスラム教というのは教えというのを繰り返しているのだそうです。 中東ではイスラームが生活のいたるところに影響を及ぼしています。 というわけで、イスラームの理解は中東で仕事をする上では必須です。 そのために読んだのが小杉泰著『イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 』です。 イスラームの成立や教えの内容、 スンナ派とシーア派の違いなどをわかりやすく書いています。 社会にイスラームが根付いている理由も明快に説明されています。 イスラームは私たちのイメージしている宗教とはだいぶ異なるのです。 イスラームというと過激派というイメージが強い人もいますが、 実際に中東で生活してみるとそんなことは全くありません。 穏やかに教えと向き合いつつ日々を過ごしているというイメージがとても強いです。 もちろん、本書にはイスラームが全盛期から植民地支配を経て、 その土台が揺らいでいる時代もきちんと説明されており、 過激な思想が出てきている背景なども宗教からの視点からも描かれています。 政治的なものを理解するにはもっと別の書物が必要となるのでしょうが、 本書は宗教という視点から中東を理解するのに十分な情報を与えてくれます。 イスラームと中東諸国というのは切っても切れない関係ですから、 中東政治や経済について考えるうえでも本書は必読と言えるのではないでしょうか? 『イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化』はこちらから

読めばすっきり! よくわかる日本外交史 弥生時代から21世紀まで

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読めばすっきり! よくわかる日本外交史  弥生時代から21世紀まで (角川SSC新書)

読めばすっきり! よくわかる日本外交史 弥生時代から21世紀まで (角川SSC新書)

  • 作者: 河合 敦
  • 出版社/メーカー: 角川マガジンズ
  • 発売日: 2013/07/10
  • メディア: 新書
第1章 古代  弥生時代の小国外交  古墳時代の朝貢外交  遣唐使の開始と白村江の戦い  奈良時代の遣唐使派遣  高僧鑑真の来日  渤海と新羅との関係 第2章 中世  院政期の日宋貿易の展開  鎌倉時代と南宋  蒙古襲来と日元貿易  室町時代の勘合貿易と日朝貿易  日朝貿易の展開と琉球の中継貿易 第3章 近世  織田信長とキリスト教  豊臣秀吉の外交政策と朝鮮出兵  徳川家康の積極的外交  禁教令と外交政策の転換  鎖国政策と四つの窓  ロシアの南下と日露関係の悪化 第4章 近代  ペリーの来航と不平等条約  明治政府の初期外交と国境の画定  国内危機を救うために勃発させた日清戦争  日露戦争と韓国併合  ワシントン体制と協調外交 第5章 現代  サンフランシスコ平和条約と国際社会への復帰  アメリカとの、沖縄の祖国復帰交渉  日韓基本条約と竹島問題  対中外交と尖閣問題 -------------- はっきり言って、今の日本は、間が抜けている状態だと思います。 戦後、アメリカに庇護され過ぎて、外交がちんぷんかんぷんになってしまっているのではないかと。 特に、軍事的な事に関しては抜け落ちすぎていて、非常に考えが甘くなっている。 平和憲法を掲げたら、それでもう戦争などは起こるはずもないと思っているところは、とてもとても幼稚ですわね。 安倍政権になり、少しはマシになってはいますが・・・。 まだまだ世界は、そう善意に満ちた世界であるとは言えません。 韓国、中国など70年以上前の事を、まだ根に持っていて、場合によっては武力行使も辞さない、という気持ちも持っているようにも見える。 残念ながら、世界はまだ、羊の群れのような世界ではないのです。 これが理解できない国は、遅かれ早かれ滅びる運命にある。 という事で、「日本の誇りを取り戻す」とやっていた、やっている 幸福実現党、幸福の科学の活動も大事な事であるのです。 とはいえ、世界では、極めてあたり前の事なのだけどね。 逆に、自分の国にふさわしくないレベルの誇りと言うか、自国中心主義になってしまっている国の方が遥かに多いと思うのだ。 今後の日本の危機管理に関しては、天変地異に対する対策と、国防に関する危機、 これをどう乗り越えて、新時代を切り開いていくかだ。 たぶん、そう甘いものではないでしょう。 もちろん、その過程に於いて、日本国民の多くが仏法真理に目覚めなくてはいけない事は、あたり前の事として想定している。 今後、日本人は世界トップレベルの信仰心のある国民に変化していかなければ、今後の危機は乗り越えられまい。 逆に、それだけ信仰心が必要になる事態が起こって来ると思う。 必ずや、この日本に、仏法真理の旗を打ち立てる! 必ず!!!

般若心経講義(角川文庫)

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『般若心経講義』
高神覚昇(真言宗)
角川文庫(1952)
文は一紙に欠け、行は則ち十四、 謂うべし、簡にして要、約にして深し。 弘法大師 真理への眼が開けたものにとっては、 この世界につまらぬものは一つとして存在していない 時間的に見れば万物流転、 空間的に見れば相対依存、 この二つの原理は、実に疑うことのできない、 宇宙の真理 寸陰を惜しみ、分陰を惜しみ、 生の限りなき尊さを味わうものにして、 はじめていつ死んでもかまわない、 という貴い体験が生まれる 生るれば必ず死あり。 死をもし欲せずんば、生まれざらんには如かじ。 山上憶良 智慧の三種:聞慧、思慧、修慧 成功の秘訣は運、鈍、根 スピノーザの永遠の相において人生を眺める キリストの心こそ菩薩である 人は長生きせんと思えば、嘘をいうべからず。 嘘は心をつかいて、少しの事にも心を労せり。 人は心気だに労せざれば、命ながき事、疑うべからず。 無窓国師 浜までは 海女も蓑きる 時雨かな。播州瓢水翁 サンスクリットで書かれた『般若心経』の原本 日本の法隆寺に写本が残っているのみ 西暦609年に中国から伝来 ☆☆☆☆☆ 難易度2/5 推薦度4/5 "色即是空と見れば大智を成じ、空即是色と見れば大悲を成ず" これは順序に意味があるのかな? すべての存在はそれ自体を持たず 時間の中でのみ存在することを知れば真の智慧を得る。 時間の中でのみ我々が存在するという はかなさを知れば慈悲が生まれる。 あらゆる存在は前後の時間に支えられて存在し、 ある瞬間には何物も存在しない。 真の智慧とは、すべての存在に、過去と未来を観ること。 今の見えるもののみを観るのは真の智慧ではない。 それがなぜ生じどうなっていくかを観るのが智慧である。 そしてすべてが流れ去る存在であることを知ると、 その瞬間瞬間の大切さを知り、慈悲を持って接することができるのだ。 ・今日の一言(本文より、聖書) Unless a grain of wheat falls into the earth and dies, it remains by itself alone. But if it dies, it bears much fruit. 一粒の麦、地におちて死なずば、ただ一つにて終わらん。死なば多くの実を生ずべし。 밀알이 땅에 떨어져 죽지 않으면 한 알 그대로 있지만, 죽으면 많은 열매를 맺는 법이다. 若非一粒麦子落在地里死了,那仍旧是一粒。若是死了,就結出許多子粒來。

Dean Martin - Let it Snow!

メディアとコミュニケーションの文化史

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メディアとコミュニケーションの文化史

伊藤明己/著
出版社名 : 世界思想社
出版年月 : 2014年9月
ISBNコード : 978-4-7907-1628-0
税込価格 : 2,484円
頁数・縦 : 258p・21cm


 様々なメディアが生まれて発達してきた歴史を概観し、人びとの考え方や生活をどのように変えてきたかを論じる、メディア論の教科書。
 写真や図版が豊富に入っているのはありがたいのだが、惜しむらくは、小さすぎるし、モノクロのオフセット印刷なので、何が描かれているのかよく分からないものが多い。

【目次】
文字の誕生
ホメロスとプラトンのあいだ
プレ・グーテンベルク時代の写本と紙の伝播
印刷と社会
新聞ジャーナリズムの勃興
新聞ジャーナリズムと「そそる記事」
光の魔術と映画
電気メディアの可能性
マス・メディアの時代
地球村の戦争と平和
ネット・インキュナブラの時代
ネット時代のリテラシー

【著者】
伊藤 明己 (イトウ ハルキ)
 1968年、鳥取県生まれ。同志社大学大学院文学研究科新聞学専攻修了、中央大学大学院文学研究科社会情報学専攻博士後期課程単位取得退学。関東学院大学経済学部准教授。2013-2014年、トロント大学客員研究員。

【抜書】
●ヒエログリフ、ヒエラティック、デモティック(p14)
 古代エジプトでは、儀礼用の文字=ヒエログリフ(hieroglyph、聖刻文字)、行政用の文字=ヒエラティック(hieratic、神官文字)、民衆文字=デモティック(demotic、民衆文字)が使い分けられていた。字形の簡略化により、文字を使用する層が広がる。

●アイルランド(p40)
 アラビア経由の文化継承では、ラテン文学すなわちキリスト教の文書はあまり重視されなかった。
 ラテン文学の継承の役割を果たしたのはアイルランド。ローマ帝国衰退期、5世紀にキリスト教が広められた。
 暗黒の中世の形成期、アイルランドでは布教によりキリスト教が受け入れられ、ケルト系修道院が生まれた。
 異端を無慈悲に糾弾するような神学論争とは無縁。大陸の大変動から逃げ出した信者と大量の写本を受け入れた。アイルランド人の文化的な寛容。
 その後、アイルランドからブリテン島、大陸へ伝道。

●ヨハーン・フスト(p61)
 グーテンベルクは、秘密裏に事業を進めた。
 共同出資者のヨハーン・フストは、初期投資に対する見返りが遅いことにいら立ち、1455年、訴訟を起こし、グーテンベルクの発明品を取り上げてしまった。その結果、マインツの印刷工房は、グーテンベルクと、ヨハーン・フスト&ペーター・シェッファー(フストの養子)の2軒となった。
 印刷工房の数……1460年には2つ。1470年15以上の都市に存在。1480年120以上、1500年230以上。

●インキュナブラ(p63)
 キンキュナブラ(揺籃期本)……1500年までに西ヨーロッパで印刷された活字本。
 1500年以前の活字印刷文書(インキュナブラ)……2万8351点。大英図書館のインキュナブラ簡易目録(ISTC)による、2008年時点の登録件数。
 宗教書・神学書44.49%、文学書36.07%、法律書10.93%、科学書8.51%。

●亭と郵(p79)
 清の時代の駅伝制度……秦の始皇帝は、中国で一定距離ごとに亭(警察署)と郵(通信網)を置き、文書による行政システムを運用。
 7世紀の唐時代、手書きの正式な官報『邸報』があった。

●『アインコメンデ・ツァイトゥンゲン(新着雑報)』(p85)
 『アインコメンデ・ツァイトゥンゲン(新着雑報)』……1650年、神聖ローマ帝国のザクセン選帝侯領ライプツィヒで創刊された、世界で最古の日刊紙。
 海外情報と官報を合わせたような内容。自由な言論紙ではなかった。
 ザクセン選帝侯領……もともとルターとプロテスタントを育てた地域。出版に寛容な土地。

●『デイリー・クーラント』(p87)
 1702年、イギリス初の日刊紙『デイリー・クーラント』創刊。
 他に、週2・3回発行の新聞が20紙ほどあった。合計の推定発行部数は約4万8000部(1704年)。

●ブロードサイド(p92)
 ブロードサイド……イギリスの「かわら版」。片面刷りを「ブロードサイド」、両面刷りを「ブロードシートと呼ぶ。
 インキュナブラの時代から存在していた。
 戦争や裁判のニュース、殺人などの犯罪、奇跡や怪物や魔法などの不思議話、伝染病や天災など、様々なニュースを扱う。
 記事の半分以上は、歌を載せた(ブロードサイド・)バラッド。もともと、バラッドは、昔話、伝説、ロビンフッドなどの英雄譚。古いメディア形式がニュースにも採用された。ニュース・バラッドには、公開処刑、祝典パレード、災害などの記事が多かった。
 ガーランド(詞華集)……ブロードサイドものがいくつかまとめて売り出されたもの。
 チャップマン……ブロードサイド、ガーランドなどは、チャップマンと呼ばれる行商人が売り歩いた。粗末な作りの薄い安売り本をチャップブックという。内容は、昔話、英雄譚、バラッドなど。
 発行部数(推定)……1823年「サーテル殺人事件」75万部、1827年「赤い納屋の殺人」165万部、1834年「ラドクリフ街頭店主殺人事件」165万部、1836年「グリーンエイカー結婚詐欺事件」166万部、1840年「クルヴァワジェ主人殺人事件」166万部、1848年「スタンフィールド一家殺人事件の悲劇」250万部、1849年「マニング夫妻高利貸し殺人事件」250万部。村上直之『近代ジャーナリズムの誕生――イギリス犯罪報道の社会史から〔改訂版〕』(現代人文社、2010)より。

●ニューゲイト小説(p94)
 ニュースで人気が高かったのは、犯罪実録。犯罪者列伝『ニューゲイト・カレンダー』という大部の書籍が版を重ねていたが、この人気を支えたのもニュース・バラッドやチャップブック。
 ニューゲイト……ニューゲイト監獄。犯罪者の多くが収監されていた。
 18世紀末には、ニューゲイト小説と呼ばれる犯罪小説を生み出した。
 18世紀は、小説が生み出された世紀だが、庶民が好んだのは、高価な教訓小説ではなく、廉価なブロードサイドやチャップブック、ゴシップ小説、ニューゲイト小説などだった。

●EDVAC(p167)
 ENIAC……第2次世界大戦末期、1万8000本弱の真空管を使った電子式の計算機の開発が米国で進められていた。レーダーでの敵捕捉や弾道計算、暗号解読のため。それまでのパンチカード読み取りシステムと人海戦術に代わるものとして計画。
 原爆開発に関わっていたジョン・フォン・ノイマンがENIACに興味を持つ。ENIACの開発者と問題点を洗い出し、1945年、次に計画された計算機EDVACに関する報告書の草稿を作成。"First Draft of a Report on the EDVAC"。二進法の採用、入出力装置の実装、プログラムの内蔵方式などのコンピュータ設計の概念をまとめる。ノイマン・アーキテクチャ。
 ENIACもEDVACも、戦時中には完成しなかった。

●コンサマトリーなコミュニケーション(p193)
 繋がりを確認するためだけの交流を目的にした、自己充足的なやり取り。用件的なコミュニケーションではない。

●金盾(p205)
 金盾(きんじゅん)……インターネット上で、外国とのアクセス制限やキーワード制限を行う管理システム。中国で使われている。
 万里の長城(Great Wall)になぞらえ、Great Firewallと呼ばれている。

●ネット社会における地殻変動(p227)
〔 活版印刷の歴史にならえば、新しいメディアがインキュナブラ時代を迎え、独占されるのではなく幅広い社会層に拡がるよう社会に埋め込まれることで、知の根本的な地殻変動が進行する可能性が高まる。そして、ネットが当たり前にある社会に過ごすことで、人びとの意識や人生観もまた大きく変わる。まず、近代を支えてきた内省する自律した個人という感覚は、世界中の他者とのつながりをより重視した意識に変わるだろう。世界とのつながりの意識が高まれば、心理的に地理的な距離感は縮まり、空間意識の拡大がより実質的になる。同時代人とのつながりは、歴史よりもいまを重視する姿勢を強めるが、社会を生命体のように捉える感覚が養われれば、直線的ではなく循環的な時間感覚を強めることになる。こうしてネット社会で過ごすことは、それまでとは異なった意識や人生観を育てることになるはずである。
 もしインターネットがオープンでフリーな理念を活かすよう社会に埋め込まれていくならば、そこで生まれる新しいコミュニケーションの在り方は、新しい社会をつくっていく大きな原動力となる。メディアがその原動力の源となるならば、そこから導かれるのは、その可能性を狭めるようなことをしてはならないという基本原則である。メディアは、集まる、共有する、伝える、議論する、創る、表現するといった基本的な人びとの可能性を高め、社会が豊かになるよう、オープンでフリーなデザインになっているほうがいい。メディアをクローズドにしコントロールしようとすることは、誰かが知を独占することにつながる。メディアを囲い込み、知を独占しようとする動きには、いつでも抗い続けなければならない。〕

(2014/12/21)KG

〈この本の詳細〉
honto: http://honto.jp/netstore/pd-book_26161998.html
e-hon:http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033146774
 

しゅらばら!11 特典イラストシート

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MF文庫刊 著/岸 杯也 イラスト/ プリンプリン しゅらばら! 11 の特典イラストシート しゅらばら! 11 (MF文庫J)

『現場論』

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現場論: 「非凡な現場」をつくる論理と実践

現場論: 「非凡な現場」をつくる論理と実践

  • 作者: 遠藤 功
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2014/10/24
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
現場には3つのレベルがある。現場力は3つのプロセスで進化する。6のケース&15のミニ事例で、「非凡な現場」の実践例を紹介!読めば、どの現場も必ず強くなる。
自分的にはあまり心に響かなかった本なのだが、こういう人がうちの会社を診たら、どう思われるだろうかというのには関心がある。著者が述べている生産性の低い現場というのに、どうもうちの会社も該当するところがあるのではないかと思えるエピソードが幾つかある。 著者は、生産性の低い現場には「しか」が実に多いという。「私にしかできない」、「あいつにしか任せられない」という属人化した仕事の仕方、させ方にはじまり、「うちの部署の肩幅」でできること「しか」やれない、肩幅を越えることはできないといった、典型的な組織のタコツボ化を感じさせる反応。肩幅を越えることには無関心で、どうしても必要だというのなら企画部門でやればいいじゃないかという冷たい反応。聞かされるたびに虚しくなる。それで企画部門も疲弊するという悪循環。 最近、僕の職場のスタッフが急に職場に来れなくなり、担当していた仕事がどこまでできていてどこからフォローしたらいいのかが全くわからず、周囲の人間が大騒ぎしたことがあった。元々産休に入る予定であったスタッフで、それがわけあって予定よりも早まったというだけのことなのだが、引継ぎ準備が全くできておらず、未だそのスタッフしかわからないということがあまりにも多かった。そのスタッフはとても一生懸命仕事をする人で、自分がやらねばという思いも人一倍強かったのだと思う。僕が異動で今の職場に来た時も、自分の仕事が忙し過ぎてその仕事の内容を僕に説明してくれる時間を作れなかったし、退社後も頻繁にメールチェックして自宅からでも返信していたのを何度も見ている。そういうのを周囲のスタッフや管理職にも期待しているふしがあった。僕の直接の指揮下にあるスタッフではなかったので、僕としてはそうした仕事のスタイルについて、本人に対してもその上司に対しても思うところはあっても、それを直言することはなかった。早くから声をあげていなかった僕自身の姿勢にも問題があることは認める。 逆に、生産性の高い現場では、「誰でもできる」、「新人でもこなせる」というように、「でも」が多いと著者は言う。単に部署の中でのスタッフの配置のことにとどまらず、会社全体を見渡してみても、部署の所掌業務の範囲を越えた新たな領域であっても、ここまでならうちの部署でもできるとポジティブに捉えうる。部署内でのスタッフ間の業務負荷の調整も比較的スピーディーにできるし、部署間の関係に気まずさも生まれず、何かあれば一緒にやっていこうというポジティブな雰囲気も生まれるだろう。 職場、組織に「しか」ばかりが横行する中、その各々の事象は根本的なところでは繋がっていると思う。仕事の優先順位付けができていないというだけではなく、平時の優先度は高くないのに急に飛び込んでくる重要対応事項というのはたいていの場合自分の部署ではなく他の部署から舞い込んでくる、しかも、それが重要だと思っているやんごとなき筋から持ち込まれるケースが多いということだ。緊急性が高く、重要性も高い作業は、管理職の立場からは何を差し置いても先ず部下にやらせなければいけない。そうしないと自分の処遇に響くとも考えるかもしれない。なので、どうしても特定のよく知っている部下に作業を集中させちゃう。部下の方も、「これは自分にしかできない」と思ってしまう。我が社ではまたぞろ「ワーキングスタイルの改革」だとキャンペーンを始めようとしているが、本気で時短や職場の生産性向上に取り組むつもりなら、各部署にアクションプランを策定・実行させるような地方分権だけではなく、シニアマネジメントレベルのコミットメントをしっかり引き出し、変な時間に変な作業指示をしないのを徹底させないといけないのではないかと思える。 著者によれば、現場力は次の3つの能力から形成されるという。  ➀保つ能力  ②よりよくする能力  ③新しいものを生み出す能力 今の世の中、③の「新しいものを生み出す能力」が問われていて、そのために現場のひとりひとりの暗黙知をいかに共有して新しいアイデア、製品開発に結集していくかが問われているのだと思うが、目の前の仕事に追われているだけでは、今の仕事を保つことと、ちょっとより良くすることぐらいしかできないのではないかと心配だ。 だから、著者のような人が我が社を診たら、結構ポイント低いだろうなと感じるのである。 本書そのものの紹介とは別のところで後ろ向きなことばかり述べてきた。本書そのもの記述については、他の経営学の重鎮が述べているような既存の理論を相当引用してきていて独自性がそんなにあるとは思えないが、権威の言っていることをうまく用いて、自分の主張の強化につなげている。野中郁次郎先生のSECI理論などはその典型例だ。だから、各々の理論をもっと深く知りたければその原典にあたるのがよろしいかと思う。一方で、本書の良さはむしろ現場のことをよく知っておられ、現場のエピソードをふんだんに盛り込んでおられるという点にある。各々の職場での生産性向上に向けたブレークスルーがどのようにして起こったのか、純粋に現場からのボトムアップによるところからだったのか、あるいはトップマネジメントの決断による部分が大きかったのか、そのあたりの説明がもうちょっとあれば、やや空虚感にも囚われている僕らの会社のワーキングスタイル改革に対しても、ひょっとしたらできるかも、という前向きな気持ちが起きてきたかもしれない。

アブサロム、アブサロム!(下)

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 「アブサロム、アブサロム!」 フォークナー作 藤平育子訳 (岩波文庫)  南部の田舎町ジェファソンを騒がせたサトペン一族の、謎とその没落の物語です。  2011年に岩波文庫から出ました。
アブサロム、アブサロム!(上) (岩波文庫)

アブサロム、アブサロム!(上) (岩波文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/10/15
  • メディア: ペーパーバック
アブサロム、アブサロム!(下) (岩波文庫)

アブサロム、アブサロム!(下) (岩波文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2012/01/18
  • メディア: ペーパーバック
 文体はフォークナー節。クセがあって、読みにくかったです。  しかし、読み終わる頃には、この文体が心地よくなっていました。  サトペンはフォークナー的な人物。悪魔のような男です。  しかし、読み終わる頃には、サトペンに悪魔的な魅力を感じていました。  この文体と主人公サトペンは、切っても切れない関係にあります。  この文体だからこそ、サトペンを表現することができるのだと思います。  下巻P219に「すべての人間的汚れを超越した神の権化」とあります。  なるほど! サトペンは、悪魔と言うより、一種の神なのかもしれません。  ということは、この物語は、悪神サトペンについて語った神話なのではないか。  そして、この難解な文体は、神話を語るための、特別な文体なのではないか。  神について語るためには、特別な言葉使いが必要になります。  そこで、フォークナーが編み出したのが、この文体だったのではないか。  そう考えると、タイトルが旧約聖書から取られている意味も分かる気がします。  (タイトルは、ダヴィデ王の子アブサロムと、腹違いの兄のエピソードから)  さて、物語は下巻に入ると、青年二人がサトペン物語を再構成してくれます。  ああよかった、これで今までのモヤモヤが晴れていく。と思いきや・・・  この二人の話もまた、あっちへ飛んだり、こっちへ戻ったりするのです。  話を追うことに疲れます。モヤモヤはかえってつのっていきました。  しかし、神話とは、謎を残しながら伝えられるものなのかもしれません。  最後まで謎だからこそ、神話と言えるのかもしれません。  実は、最後まで読んでもなお、私には分からない部分が多くありました。  恥ずかしながら、巻末の年表を読んで、初めて理解できたことがらも多いです。  これで、フォークナーの代表作4作を読み終わりました。  全てに共通するのは、その読みにくさです。  何もかもごちゃ混ぜに絡ませながら、全てを巻き込んでいくような文章でした。  その魅力が、ようやくほんのちょっとだけ、分かったような気がします。  さいごに(サンタからラムネ)  娘は今年、サンタさんにラムネを頼んでいます。  8月の夏祭りで初めて飲んだ時、ビー玉をはずすのが楽しかったようです。  その後「ラムネを買って」と何度もねだられましたが、買ってあげず、  「そんなに飲みたきゃサンタに頼め」と言ったら、それを覚えていたのです。  8月に言ったことをちゃんと覚えているなんて。そんなに飲みたかったのか。

「幕末の日本」

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「レンズが撮らえた 幕末の日本」  岩下哲典、塚越俊志著
山川出版社  2011年04月25日刊 2012年03月20日第4刷  1,600円+税

 

   幕末から明治初めにかけて写真に記録された人びと。大半は刀を差した武士、その中には大倉重信、中岡慎太郎、小松帯刀、井上薫、伊藤博文、もちろん土方歳三も。新撰組の島田魁や函館戦争に参加した中島三郎助、榎本軍に同行したフランス軍ブリュネ大尉などその容貌を初めて目にした。また、当時世界各国に派遣された使節団の写真も数多い。福地源一郎、福沢諭吉の若き日の姿もある。1864年の遣仏使節団はスエズに寄港した際、ピラミッドとスフィンクスに出かけ記念写真を撮っている。                                             (図書館から借りた本)

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イギリスの書評家Mike Ripleyが選ぶトップ10 (その2)

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• Of Cops and Robbers, by Mike Nicol
Of Cops & Robbers

Of Cops & Robbers

  • 作者: Mike Nicol
  • 出版社/メーカー: Old Street Publishing
  • 発売日: 2014/11/04
  • メディア: ペーパーバック
• A Dark Song of Blood, by Ben Pastor
A Dark Song of Blood (Martin Bora)

A Dark Song of Blood (Martin Bora)

  • 作者: Ben Pastor
  • 出版社/メーカー: Bitter Lemon Pr
  • 発売日: 2014/04/15
  • メディア: ペーパーバック
• The Suicide Club, by Andrew Williams
The Suicide Club

The Suicide Club

  • 作者: Andrew Williams
  • 出版社/メーカー: John Murray Publishers Ltd
  • 発売日: 2014/11/06
  • メディア: ハードカバー
• The Silent Boy, by Andrew Taylor
The Silent Boy

The Silent Boy

  • 作者: Andrew Taylor
  • 出版社/メーカー: HarperCollins Publishers Ltd
  • 発売日: 2015/02/26
  • メディア: ペーパーバック
• The Reckoning, by Rennie Airth
The Reckoning (Inspector Madden Series)

The Reckoning (Inspector Madden Series)

  • 作者: Rennie Airth
  • 出版社/メーカー: Mantle
  • 発売日: 2014/06/19
  • メディア: ペーパーバック

イザヤの書 42章

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<主のしもべの第一の歌、第1部> 私を支えるしもべ、 私の心を喜ばせる、選ばれた者、 私は彼のうちに霊を置き、 異国に公正を宣言させる。 彼は叫ばず、声を立てず、 広場で話を聞かせない。 彼は折れかけたあしを折らず、 弱い炎の灯心を消さず、 忠実に公正を告げ知らせる。 彼らは弱らず、くじけず、 この世に公正を立てるときまで。 島々は、彼の教えにあこがれる。 <第2部> 天をつくって広げ、 物の芽をもつ地を固め、 そこに住むものに息を与え、 そこに動くものにいぶきを与えた。 神なる主は仰(おお)せられる。 主なる私は正義のうちにおまえを呼び、 その手をとって、 形づくり、 契約の民と定め、 異国の光とした。 おまえは盲人の目を開き、 囚人を牢から出し、 やみに住む者を獄から出す。 私は主である、それが私の名である。 神は栄光をほかの者にゆずらず、 名誉を偶像に与えない。 昔の出来事はすでに実現した、 未来のことも、あらかじめ告げ、 生えでるさきに、 それを知らせる。 <勝利の歌> 主に新しい歌をうたい、 地のはてから主をたたえよ。 海とそこにあるものはみな、主をほめる。 島々とその住み人も。 荒れ地とその部落、 ケダルの人の住む村々は声をあげよ。 セラに住む者は叫びをあげ、 山々の峰から歓呼をあげ、 主に光栄を帰(き)し、 主のほまれを島々にのべ伝えよ。 主は勇士のように進み、 その熱は勇士のように燃え、 叫び、ときの声をあげ、 敵に打ち勝つ。 「長らくの間、私は黙し、 静かに自分をおさえていた。 生みだそうとする女のように、今、声を立て、 吐息をつき、大息を吐こう。 山々と丘を荒れさせ、 植物を枯らし、 川を荒れ地にかえ、 湖を干上がらそう。 盲人を歩ませ、知らぬ道と、 知らぬ小道に導こう。 彼らの前でやみを光に、 凹凸を平地にかえる。 私はかれらのためにこう行い、 彼らを見捨てない。」 偶像に望みをおく者と、 像に向かって<私の神々だ>と言う者は、 恥に満たされてふりむく。 <盲目の民> 耳しいは聞け、 盲人は見つめてみよ。 私のしもべほどの盲目があろうか。 私が使いに送った者ほど耳しいがあろうか。 私が送った者ほどの盲目があろうか。 主のしもべほどの耳しいがあろうか。 おまえは多くを見たが心をくばらず、 耳は開いていたが聞こえなかった。 主はその正義のために、 主の律法が、偉大な光栄にあるものであることを示される。 これは奪いとられ、はぎとられた民であって、 みな、ほら穴に閉じこめられ、牢に閉ざされている。 彼らが奪いとられても、救う者はなく、 はぎとられても、「返せ」と言う者もない。 だれがそれを聞いたろう。 未来のために、だれがそれに気づいたろう。 ヤコブをはぎとらせ、 イスラエルをかすめる者にゆだねたのはだれか。 主ではなかったか。 私たちは、主に向って罪を犯し、 その道を歩もうとせず、 その律法を聞かなかった。 そのために、主はイスラエルの上に、 その怒りの激しさを、 戦争の恐ろしさを注がれた。 その怒りは炎のように彼を包んだのに、 まだ悟らず、 それは彼を食い尽くしたのに、 まだ心にとめなかった。 (聖書:フェデリコ・バルバロ神父訳) Animals by Muse

『クジラの彼』を読んだ

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・有川浩著。 ・自衛隊を舞台にした恋愛短篇集。 ・yogiさんもとよりラブコメは好んで読むタイプではない。でも自衛隊が舞台ということで、その甘さがいくらか中和されているので、なんとか読了しました。 ・『海の底』『空の中』はできれば先に読んでおきたい。本作を先に読んでしまうと、ちょっともったいない気がする。 ・なんか、新井素子っぽい。ラブコメ感というか、男性像が。『あとがきであります。』とか最後に書いてありそう。 『クジラの彼』 ・表題作 ・合コンで出会った相手は自衛隊員、しかも潜水艦乗りだった。一方私は会社で社長のバカ息子の営業サポート。しかも何を勘違いしたのかこのバカ息子、私に気があるみたいで。。。 ・『海の底』の前日譚。冬原君の彼女の話。 ・サブマリナーと付き合いたかったら『潜水艦が"潜る"』と表現しよう。『沈む』とはくれぐれも言わないように。 ・冬原君は向井理、恵美さんは多部未華子さんでお願いします。 『ロールアウト』 ・新型輸送機の仕様打ち合わせ。自衛隊 高科三尉の要求はトイレだった。機体重量への影響からカーテン仕切りだったのを扉をつけた個室式に変更して欲しいというのだが、機体重量にシビアな航空機設計、なかなか個室式は受け入れられず。。。 ・カーテンでトイレを間仕切りって、過酷な環境だなぁ。 『国防レンアイ』 ・互いのことを表も裏も知り尽くした伸下と三池。今日も伸下は三池の失恋話に付き合わされ、すすきのにゆくのであった。。。 ・三池三曹は是非、竹内結子さんでお願いします。 ・『腹筋が割れる』というのは、腹筋が増えるから発生するのではなく、腹筋周辺の皮下脂肪が減少するから割れた腹筋が現れるのだ。 ・『女性から恋愛相談を受ける』というのは、yogiさん的には『100%脈なし』として『友人』カテゴリに入れるんだけど、世の中そういうものでもないのか。 『有能な彼女』 ・レガリス襲来事件から早や8年。夏木は30を過ぎ、高校生だった望も25に。主流から外れたサブマリナーの夏木、将来有望な彼女、望。夏木が陸に上がったある日、いつものように望は二人で過ごすためのウィークリーマンションの予約をした。結婚は、まだしていない。 ・とっとと結婚しとけよ、お前ら相思相愛なんだから!!とイライラする。 ・社会人同士になってしまえば、5歳の年の差なんて、どうということはない。 ・望の弟、カケル君が立派に成長していて良かった。 『脱柵エレジー』 ・若い頃彼女に会いに行こうと脱柵(脱走のこと)したことのある清田二曹も、もういい年になり、今ではそれをネタにして若者を諭す立場になっていた。。。 ・いい終わり方。yogiさんこれが一番好きだ。 『ファイターパイロットの君』 ・『空の中』の後日譚。 ・高巳と光稀はめでたく結婚し、茜という一人娘もできた。茜から『ふたりのファーストキスはいつ?』と問われ、高巳は光稀との馴れ初めを思い出す。。。 ・本作中唯一、『結婚後の生活』が描かれている。 ・『空の中』はどちらかと言うと高校生達が物語の中心だったので、大人達のその後がわかるというのはなかなか嬉しい。 ・自衛隊の皆さんに『諸々ご苦労の多い中、国を守っていただきありがとうございます』と思ってしまう一冊でした。 ・重ねてお伝えしますが、『海の底』『空の中』をご一読の上、お手に取りください。
クジラの彼 (角川文庫)

クジラの彼 (角川文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/06/23
  • メディア: 文庫
空の中 (角川文庫)

空の中 (角川文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: 文庫
海の底 (角川文庫)

海の底 (角川文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2009/04/25
  • メディア: 文庫

虚ろな十字架

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虚ろな十字架

虚ろな十字架

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/05/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 江東区木場の路上で殺害されたフリージャーナリストの女性――。それは中原道正の別れた妻小夜子だった。犯人はすぐに捕まった。金銭目的の犯行だったという。だが、中原の胸には何か釈然としない思いが去来する。単純に見える事件の背後に何か隠れた事実が潜んでいるのではないか? 中原は小夜子の足取りを追いかけながら、事件の真相に迫っていく。  久しぶりに東野圭吾を読んでみたら、相変わらず水準が高かった。  一見すると単純な事件なのに、主人公があれこれ探るうちに、徐々に今まで分からなかった事件の裏側が明らかになっていく。単純な事件に見せかけて実は……という展開のわくわく感。いろいろな登場人物の間に思わぬつながりも出てきたりして、ミステリーの醍醐味を存分に味わうことのできる内容。  過去の出来事が現代につながってくるという、東野圭吾の作品にありがちな展開も出てくる。何年も前の出来事がめぐりめぐって、新たな悲劇をもたらす。封印したはずの過去、忘れようとしていた記憶がふとしたきっかけでよみがえってしまって、現代に生きる登場人物たちに牙をむく。徐々に過去の出来事の全容が明らかになっていくところはなかなか迫力があった。  ミステリーとしてのエンターテイメントの面白さだけではなく、社会派として読んでも興味深い。死刑制度が事件にからんできて、死刑をめぐる議論が随所に出てくるのである。  悪いやつがいたらやっつけて、懲らしめてしまってめでたしめでたし……。そんな子供のヒーロー漫画みたいな単純な勧善懲悪でうまくいくのならいいが、現実にはそうはいかない。殺人犯を死刑にしたところで、被害者が帰ってくるわけでもなく、悲しみが癒えることはない。でも、犯人に処罰を与えて、犯人が二度と犯行をくり返さないようにすることが、遺族にとっての最大の目的にもなりうる。死刑制度や刑罰についてひそむ、様々な矛盾が描き出されている。  刑罰のシステムにはいろいろ理不尽な面があるのだなということが、読み進むうちに見えてくる内容。犯罪者が贖罪するということはどういうことなんだろう? 正義とは何なんだろう? という難しい疑問をつきつけられ、何か分かりやすい正解があるわけではないことに気づかされる。  推理ものであると同時に、こうした犯罪と刑罰をめぐる様々な矛盾自体が物語に取り込まれていて、ミステリーとして楽しいだけの作品に終わらない、重いテーマを抱えた作品になっていて読み応えがあった。

おんな

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スポンサーリンク オレ様をフッた百万のおんなに 真空飛び膝蹴りをかましたい 一人に一発 二人に二発 おんな三人寄らばカシマシ娘。 「だから、おまえらダメなんだよ! 太宰を熟読玩味せよ!」 「そんなだから女の子に嫌われちゃうんだよ」 木村さんさん、木村さん・・・・・ コーヒー飲みに来て下さい・・・・・ 一緒に暇をつぶしましょう・・・・・ スポンサーリンク

第四百二十六話_short サイコパ静ちゃん

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 ①どんな状況でも相手が喜ぶことを言う。

 ②どんなに嫌なときでも楽しそうに振る舞える。

 妻の静子は名前が醸し出すイメージと違って、とても明るくてポジティブな女だ。どんなに俺が落ち込んでいても「バッカじゃない、そんなことで落ち込んだりして。あなたは素晴らしいんだから、大丈夫」なんて言って励ましてくれるから、俺はなんとかやってこれたんだ。ただ、あいつは少しだけ”KY”なところがあるのは否めないけどな。

 こないだも友人の葬式に二人で参列したのはよいが、笑いながら言うんだ。「この後、なにして遊ぶ? ぱぁーっと飲みに行く?」 会場を出てから言えばいいのに、坊主がお経を読んでるときにそんなことを言ってくるので、思わず睨みつけてしまった。すると、黙りはしたものの、悪びれることもなく口を尖らせて拗ねてしまった。あれを宥めるのは大変だったな。

 そもそも静子は俺にはああだこうだとか言う癖に、俺が言ったことに従ったことは一度だってない。人には指図をするが、人から指図されるのは大嫌いなのだ。そういえば、本人から聞いた話だけれども、子供の頃、親友から借りたジーンズの裾を自分のサイズに切ってしまったそうだ。親友からは裾は折って履いてねといわれていたのに、そういう履き方は嫌だったそうだ。短くなって返されたジーンズを見て大泣きした親友を笑って見ていたんだって、どう思う? ちょっとだけ変わってるよねえ。  

 ③超自己中心主義

 ④自分の利益に対しては並々ならぬ集中力を発揮する

 ⑤不安を感じないし、罪悪感も全くない

 ところで、さっきから①から⑤まで挟んでくるこれは何? テレビでやっていた「サイコパシーの特徴」だって?  なんだか静子のことを言っているみたいじゃないか。それで、サイコパシーって何よ。反社会的な行動パターンを持った異常性格者のことなんだ……ふーん……。

 え? 静子さんは人を殺したことがあるかって? ははは、そんな、まさか。あるわけないでしょう。

 それは何よりだって? 冗談じゃない。当たり前でしょ? そうでなきゃあ結婚なんてしませんよ。静子は可哀そうな女でねぇ。俺の前に二回も死に分かれてるんだ。離婚じゃなくて死別だよ。うん、俺で三回目。 もう二度と悲しい目には合わせたくない、俺はそう思ってるよ、うん。

                      了


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ひよこクラブ2015年1月号

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初めてのたまごクラブ2014年秋号

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