ソクラテス「学問とは何か」を語る (幸福の科学大学シリーズ 72)
- 作者: 大川 隆法
- 出版社/メーカー: 幸福の科学出版
- 発売日: 2014/11/19
- メディア: 単行本
ソクラテス「学問とは何か」を語る (幸福の科学大学シリーズ 72)
<内容> 秀也の頑張りで少しずつチームワークが出てきた妖怪課の前に、謎の妖怪退治民間業者〈揺炎魔女計画〉が現れた。妖怪に対する考え方の違いから対立することになるが、その陰には大きな陰謀が……!? 妖怪課シリーズ第2弾目です。揺炎魔女計画の関係で、夜間部隊が誕生した妖怪課。秀也は、夜間部隊のリーダーに抜擢されます。 この揺炎魔女計画は民間企業の妖怪退治業者なんですが、その陰には現市長・黒乃森(狐の家系)と敵対する藪坂議員(狸使いの家系)の影が。でも、読んでいる限りだと藪坂は良いように使われているだけで、実際は○○(一応伏字)が黒幕っぽいな~。でも、そうすることでどんな利益があるんだろう?う~ん謎だ~。
彼女は今日も洗面の鏡の前に貼りついて顔にいろんなものを塗ったくっている。これは彼女の日課のようなもので、代替毎日朝と夜と一時間ずつはそうしているのだ。
「まぁ、毎日飽きもせず……」
一度言いかけたのだがじろっと睨まれて口を閉じたことがある。
「顔は一生モノだからね、お手入れは大事なんだよ」
彼女からレクチャーされたことがある。洗顔は石鹸を顔にこすりつけたりしちゃあだめ。網にくるんだ石鹸を両手で丁寧に密度の高い泡をつくって、その泡を顔の皮膚の上に載せるようにしてやさしくマッサージするように洗う。ゆっくり洗ってからぬるま湯で今度もやさしくお湯を当てるようにして泡を流すの。タオルを顔にやさしく押しつけるようにして水分を取ったら、今度は化粧水をこれもやさしく乗せるように皮膚全体に広げる。よくさぁ、両手で顔をパンパン叩いて刺激を与える人がいるけれど、あんなことをしちゃあだめ。やさしくいたわるようにしなくちゃ。
「あなたもこれ、つけてみたら?」
言われて一度試したことがある。それはかなり高価な化粧水らしかった。確かにいい匂いがして、顔につけるとなんだか心地はよかった。だが、あのにゅるっとした感じがしばらく残っていて、こんなことしなくてもいいやと思った。
「男の人はね、こういうお手入れをしないから歳を取ると余計に老けてしまうのよ」
彼女はそういうが、それこそが男の年期の入った顔なんじゃあないのかなと思う。
化粧水をつけたら、次は保湿液。結局皮膚の水分が少なくなるから肌は痛むし、しわが増えるの。常に水分たっぷりにしておかなくちゃあね。だから朝昼晩と保湿液をつけた方がいいの。最後にこれ。栄養クリーム。
そう言って彼女は白っぽいクリームを顔中になすりつけた。あなたもと言われたが、そのべたべた感は化粧水のそれどころじゃないと思えたので遠慮した。
女はそうしたさまざまなものを塗ったくった上にさらに日焼け止めクリームを塗り、ファンデーションを塗り、粉をはたいてそれからまた眉や唇を書き足していくのだ。こんな大変な作業を毎日よくやるものだと感心してしまう。
女たちの努力には脱帽したいところだし、肌を包んでいる革を手入れすることが大切なことは理解できるけれども、ほんとうは美に関して言えばもっと肝心なことがあるように思うのだ。いくら革素材を綺麗にしたところで、目鼻の配置がおかしければもうどうしようもない。もちろん、デザインの良し悪しは主観的なものでひとによって評価が違うところではあるが、メイクで如何に書き足すかによってずいぶん違ってくると思う。
彼女は凄くきめ細かい性格で、肌の手入れに関してはとても丁寧なのだが、いざメイクとなると、どうもレイアウトはあまり上手ではないらしい。いっそデザイナーである僕が描いてあげようかと思ってしまうのだ。
「ねぇ、一度僕がメイクしてあげようか?」言うと、
「あなたねぇ、いくらデザイナーだからって、メイクなんかしたことないでしょ? そういうの勉強してからお願いするわ」
彼女は言いながら振り返って福笑いみたいな顔を微笑ませた。
了
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『困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典』 村上英記 2014/07 著者は敬語アドバイザー。 言い訳・口答えに聞こえない言い回しをまとめた本。 上司から依頼された仕事を忘れていたとき: Xすっかり忘れていました。 ◎やらなければ、と思いつつ・・・すみません。 「言い訳」は社会人の基本マナー。上手に言い訳ができるビジネスパーソンほど、多くの人から信頼を集め、実績を出している。 7つのタブー:①先延ばしにする ②核心部分もウソをつく ③相手を攻撃する ④言い訳を重ねる ⑤必要以上に予防線を張る ⑥「言い訳ではない」と主張する ⑦曖昧な言葉を使う。 X指示通りに動いただけです ◎~という指示だと勘違いしてしまいました。 「聞いてないよ」と言われたとき: ◎失礼いたしました。~とお伝えしたつもりでおりました。 「わかっていない」と指摘されたとき: ◎もう一度ご教示いただけませんか。 悪口にならないポジティブフレーズ: 時間を守らない人→時間に縛られない人ですから。 気が利かない人→他人に左右されないタイプ。 計画性がない人→行動力があって、うらやましいです。 優柔不断な人→思慮深い人ですよね。 古臭い人、時代遅れな人→伝統を重んじる人。 作業遅れの言い訳NG: Xご想像以上に手間と労力がかかる作業でして。 X私生活でバタバタしておりまして。 Xこの仕事だけをしているわけではないので。 質問に答えられないとき: ◎不勉強ですみません。 失礼を承知で発言するとき: ◎きっとご理解いただけると思いますが。 意外にNGな前置きフレーズ: X私の個人的な意見ですが、 Xだまされたと思って、 Xはっきり申し上げますが、 OKな前置きフレーズ: 〇おこがましいようですが、 〇たいへん申し上げにくいのですが、 〇失礼かとは存じますが、
予約していたシチュCDが、届いた。 今晩聴こうっと ・かれピロ 大好きな彼とHして腕まくらでピロートークされちゃうシリーズ 幼馴染彼氏と夜の保健室で編/Velvet Voice (ステラワース限定版) シリーズ5作目は、幼なじみの彼と。演じるのは、魁皇楽さん。ステラワース限定版なので、アフターストーリーCD付
ドラマCD「大好きな彼とHして腕まくらでピロートークされちゃうシリーズ」 第5弾:幼馴染彼氏と夜の保健室で(ハート)編
<あなたがたの中で、知恵があり分別があるのはだれか。その人は、知恵に相応しい柔和な行いを、立派な生き方によって示しなさい。(13節)> マタイ書5章は「イエスはこの群衆を見て、山に登られた。腰を下ろされると、弟子たちが近くに寄って来た。そこで、イエスは口を開き、教えられた。『心の貧しい人々は幸いである。天の国はその人たちのものである。』」と山上の説教が始まる。 有名な箇所なので、読むたびいろいろ推理する。救いを求めてぞろぞろと後を追う貧しい民衆。彼らを振り切るように山に登られ、主イエスは近寄って来た弟子たちにだけ語られたのだろうかと今回は推理した。弟子として主イエスの後を継ぐ彼らに「これだけは知ってほしい」という思いで話されたのだろうか。 最初は「心の貧しい人々」について、経済的に貧しい人々のことだと思っていた。けれど、「心」とあるので、神を知らずに傲慢に生きている人なのかとも思ったが、直訳では「霊において貧しい」であり、自己の人間的貧しさに気付いている人々の意味であると教えてもらった。 「貧しい人々」の次は「悲しむ人々は慰められる」その次は「柔和な人々は地を受け継ぐ」と弟子たちへの説教は続けられてゆく。 「柔和という言葉には、『喜んで仕えること』『謙遜であること』という意味があります。謙遜とは、自分を知り、分をわきまえる姿勢です。自分は神様によって創られ、神様にすべてを知られ、神様に生かされている存在なのだということを意識して生きるのが謙遜という事です」と白井牧師は説かれている。 知人が、苦手な人と会う時は鏡に笑いかけてから会うようにしていると言っていた。それを聞いて、自分はすぐに顔に出てしまうので彼女を見習っている。しかし、ヤコブに指摘されるように、自分が内包する妬みや利己心が災いし、柔和であり続けるのは難しい。 真理に逆らって嘘をついたりする知恵は、上から出たものでなく、この世のもの、悪魔から出たものだと言って、「妬みや利己心のあるところには、混乱やあらゆる行いがある。」とヤコブは警告する。 病気見舞いにお伺いし、慰め、手を握り、祈り合っても、その言葉や行いが神の知恵から出たものでなければ、ただの憐みや同情でしかなく、自己満足に過ぎないと警告された。 「『上からの知恵』は、私たち自身で得られるものではなく、ただ謙遜に、主にお願いするほかはありません。神様を仰いで、適切に判断することが出来る知恵を頂きながら、生きて行きたいものです。」と白井牧師は結ばれる。 日曜日はお近くの教会で礼拝を http://www1.ocn.ne.jp/~church/japan.htm どなたでもどうぞお越しください。お待ちしています。
真剣に話しましょう② 東浩紀×小熊英二 どう“社会を変える”のか―風営法問題、官邸前抗議、ヘイトスピーチ、総選挙…… 今、「リベラル」は何をすべきか 真剣に話しましょうの要約2回目です。2回目ですが、本書の中で第2章の位置にある対談ではありません。というのも、僕にとって印象に残った対談を優先して紹介しているため、本での順番と僕のブログでの順番が入れ替わっているからです。 さて、今回のゲスト、東浩紀氏の紹介を軽くしたいと思います。 東浩紀(あずま・ひろき) 1971年生まれ。作家・思想家。ゲンロン代表取締役。 東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。 専門は現代思想、情報社会論、表象文化論。メディア出演多数。 著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、三島由紀夫賞)、『一般意思2,0』(講談社)。編著に『福島第一原発観光地化計画』(ゲンロン)などがある。(すべて本書から引用) というわけで対談の要旨をざっくり要約していきたいと思います。
超高齢社会を自分らしく 月刊誌「毎日が発見」編集長 片寄斗史子さん シニア世代を応援する月刊誌「毎日が発見」(KADOKAWA)。創刊10周年の今年から編集長を務めるのが、長年、シニア向け雑誌づくりに携わる、片寄斗史子さんです。読者の心をつかんできた片寄さんに、編集方針とその思いなどを聞きました。(写真は同誌10・11月号から) 人生を創造する心 ――月刊誌「毎日が発見」は、どんな雑誌ですか。 暮らしの基本は「毎日を繰り返すこと」にあります。若いころは、退屈と感じたこともあるでしょう。 それが年を重ねると、そんな毎日でも、いい話を聞いたり、季節の移ろいを感じたりするだけで“発見”と思えるように。日常に彩りを添え、心が弾む一日になるものです。 こうした発見は、年齢を経たおかげです。誌名には、シニアは「毎日が発見づくし」との思いが込められています。 本誌は毎月、読者の自宅にお届けする定期購読誌です。基本的に全ページカラーで、シニア世代の暮らしに役立つ情報の他に、通信販売などの付録も付いています。 ――雑誌のサブタイトルに「100歳まで美しく、強く生きる」とあります。 厚生労働省の調査によると、全国の100歳以上の高齢者は5万人を超えています。誰もが「100歳まで生きる」とは考えられなかったような時代から、変わりつつあります。 ただし、延びる寿命の中でも、健康寿命を延ばすことが大切。100歳まで健康で、自分が「美しい」と思う生き方を貫けたら、楽しい最晩年になると思うのです。 私は還暦を迎えた時、以前に比べると、体の衰えと心の変化を感じました。しかし、現在の超高齢社会を生き抜くには、より一層の「強い心」が必要だと思います。 暮らしは混然一体 ――目次を見ると、さまざまな分野の記事があります。 雑誌のよさは「雑」という文字通り、多岐にわたる内容が一緒になった「混然一体」にあるでしょう。 日々の暮らしも、そこには工夫があり、夢があり、哲学があるといった、混然一体。本誌のさまざまな記事から、一つでも新たな発見があればいいと思います。 どの記事も“読者の皆さまの今日を生きる活力に”との願いを込めています。 ――中でも力を入れている企画は何ですか。 「心身の健康」「日々の暮らし方」「生きる支えとなる言葉の力」が3本柱です。 読者とのやりとりを通し、いかに健康に関心が高いかを知りました。60代になると、多くの方が老いや死を意識し始め、健康管理に気を付けているようです。 また、最近は「片付け」に悩んでいる方も少なくありません。家の広さとモノの量を考えた上で、片付ける習慣のある暮らし方が必要です。 そして、超高齢社会を自分らしく生きるために、人や本を通して学ぶ“言葉の力”も欠かせません。たとえ、体は衰えても価値観を磨けば、心はますます充実していくであろうと考えています。 読者と文化を創る ――お勧めの運動法など、実際に読者が体験した企画も掲載されていますね。 こちらが募集すると“基本を正しく覚えたい”と、進んで参加してくれる読者も。そうした読者代表の体験談を紹介することは、他の読者のヒントにもなるでしょう。 また、読者が最近“発見”した出来事をつづってもらうコーナーもあります。特に、女性は何かいいことがあったら、人に伝えたくてしょうがないようですね(笑い)。 本誌は、読者が元気になることで、誰かをも元気にしていくような“波動”を起こしたいと考えています。 また、単に流行を追うだけでなく、読者から超高齢社会に“新たな文化”を創り出していくその源になれればと願っています。 定期購読の案内 「毎日が発見」は年間定期購読誌です。購読料は1年間6800円、3年間18000円。送料無料。申し込みは次の方法で行えます。 電話は0120-325-012(平日・土日祝日とも午前9時から午後6時まで)。 FAXは0120-185-012(24時間受付)。①氏名(フリガナ)②郵便番号③住所④生年月日⑤性別⑥職業⑦電話番号⑧FAX番号⑨1年購読か3年購読かの希望⑩希望の開始号(2号前からの申し込みは不可)⑪MH係と明記してください。 「毎日が発見ネット」(http://www.mainichigahakken.net/)でも申し込みができます。 ■プロフィル かたよせ・としこ 1950年、島根県生まれ。県立島根女子短期大学卒業。新聞・出版社などを経て、89年、ユーリーグ株式会社設立に参加。96年から2011年まで、雑誌「いきいき」創刊編集長として、発行部数を飛躍的に伸ばした。本年初頭、雑誌「毎日が発見」編集長に就任。シニア世代の暮らしに役立つ情報を発信している。 メディアで話題沸騰!赤スパークリングワイン
森絵都さんの直木賞受賞作です。6編の作品が収録されています。 私は表題作の「風に舞いあがるビニールシート」が一番心にずしんときました。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)で働く女性、里佳が主人公です。 「世界が今のまま機能しつづけるかぎり、難民は決してこの地球上からいなくならない。いろんな国の難民キャンプで人の命も尊厳もビニールシートみたいに簡単に舞い上がり、飛ばされていく」と、いつ命を落としてもおかしくないフィールド勤務にこだわるエド。 里佳とエド、大切にしたいものがそれぞれにあり、愛し合っているにもかかわらず、溝が深まってしまう。切ない。ニュースなどで耳にする世界の難民問題。頭の片隅にあっても、自分の生活と結びつけて考えることはできませんでした。平和な日本にいてどこか他人事のように思っていました。 感動しました。泣きました。日本にいる限りもし飛ばされても、安全などこかに着地できる。家を焼かれたり、目の前で家族を殺されることもない。平和な生活が当たり前と思っている自分の心に刺さりました。平和は美しく、すばらしいことだと再認識。 知ってはいても自分が向き合わないようにしていた問題、という点では「犬の散歩」も考えさせられました。 捨て犬や迷い犬、飼い主に放棄された犬の収容センターの様子は、幸せに人間のペットとして暮らす犬しか知らない私にはあまりにも辛かったです。 「自分には関係ないと目を背ければすむ、誰かやなにかのために、私はこれまでなにをしたことがあるだろう?」恵利子は犬たちの里親が決まるまでの間のお世話ボランティアをはじめる。 殺処分される犬や猫の問題も「日常の至るところに影を落とす悲劇の一部」なんですよね。「自分に何ができるのかと考えることは、自分の無力さと向き合うこと」という言葉が印象的でした。 「犬などにかまけていなくても世界には食うに困って飢え死にしていく人間だっているのに」という通りすがりの男の言葉がつらい。 恵利子のバイト先の常連で人付き合いが苦手で頑固で高飛車なおじさん、浜尻の優しさなのか気まぐれなのか分からない態度が微笑ましかったです。 「鐘の音」も好きです。ある不空羂索観音像(ふくうけんじゃくかんのんぞう)に魅せられた仏像修復師、潔の話。 不空羂索観音国家鎮護と衆生救済の仏様だそうです。けんじゃくは縄と網のこと。その縄で確実に悩める民衆をすくいあげる、ということだそうです。豪快です。 愛想がなく無口、社交性がない潔。彼とは正反対で明るく社交的な性格の同僚との久しぶりの再会。 四半世紀経って分かった、真実と不思議な運命のめぐり合わせ。ラストはその不思議な空気とともに和やかな気分になりました。この話をきっかけに仏像にちょっと興味を持ちました。 人は歳をとればその分大人になれるわけじゃない。他の作品とはちょっと違った軽快な「ジェネレーションX」も楽しんで読めました。若かった頃の自分と少しずつ決別しつつも、昔の青臭さにどこかで想いを馳せる。人生何が起こるかわからない。最後のオチにちょっと笑った。 色々な人たちのそれぞれの生活、仕事、環境、人生が描かれていました。人にはそれぞれの持ち分がある、と悟って黒子に徹する生き方を選ぶ人。弱さをさらすことができるのも強さだと気づき、目をそむけていた本当の自分と向き合う人。そして最後にはみんな一歩前に進んだ感じ。所々でキラッと輝くような描写がきれいでした。
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古い新聞を整理していて見つけた書評(池内紀氏による)に目が止まって(《老境》という自分に近しい話題であることもあって)興味を惹かれて図書館で借りて読んでみた。
池内紀については「香水―ある人殺しの物語」の訳文に惚れ込んで以来、気になる文筆家として意識しているのだが、あの仕事ほどの作品にはその後巡りあっていない気がするのが少し残念なような…(本人も「あれほどの仕事はもう出来ない」と語っていたが)。 ともあれ、彼が解説も書いて絶賛しているということで、これまで全くその名さえ知らなかった森鴎外の長男の森於菟(1890〜1967)の随筆集であるこの本を読んだ次第。 父と同じく医学の道を歩み、東大の解剖学教室の教授となった彼は、47歳にして初めて一般向けの文章を発表し、その後もほそぼそと綴っていた文章群の中から、選りすぐったのがこの文集で、その多くは家庭人としての父の思い出を語っており、父への尊崇の念が見て取れる。そして幸福な幼少年時代。 その白眉は「観潮楼始末記」で、鴎外の一家が長く住んだ千駄木の邸宅での様々な出来事を詳しく綴ったものだ。 他に解剖学関連の話や、大学教育の話、飼い犬の思い出、忘れ物の多い話などの身辺雑記、鴎外の死因の推測(結核)などなど、テーマも文体も多様に展開する。 72歳の時に書かれた表題作「耄碌寸前」の書き出しは >私は自分でも自分が耄碌しかかっていることがよくわかる。この本を随分前に購入したが、未だに手を付けていない。 いずれ心を鍛えたいと思います。 そういや右手の親指が腱鞘炎で、つい弱気なことを考えてしまう。 facebookをはじめる準備をしてみたが、ヘルプに書いてあるボタン自体が無かったりして、つい弱気なことを考えてしまう。 あっという間に年末で、ついつい弱気になってしまうな。 今年はなぜだかいつもより紅葉が心に染みるので、いやはやついつい弱気になってしまいます。 夫を次々と殺めたとされるおばさんの事件以降、なんとなしにすれ違うおばさんに弱腰になってしまう。 いかんな。 そのうち心を鍛えたいと思います。
いるかともぐらがこんがらかった生物「いぐら」が、 お友達のうちにいくよ! その道を選んだらいいかな????.... どの道を選んでも正解?楽しい?もう一度試したくなっちゃう? お話は3つありますが、私が好きなのはお料理の道。 どの道を選ぶかによって美味しい(?)どんぶりができますvv いぐらのほかにも、へんてこなこんがらがった生物たちがたくさんいて楽しいですvv
かつて能登の断崖に消えた“百舌"が工作員として再び日本に潜入した──。病院で起きた大量殺人と突然の捜査打ち切りに政治的陰謀を感じた公安の倉木は、独自の捜査を始める。(Amazonより抜粋)『百舌の叫ぶ夜』と同様、ドラマを観て、原作を読みました。が、 なんか内容が違う! 間違えて3冊目を読んだのかと思った...。 まあ、なかなか映像化できないシーンがメインにきてるので仕方がないのかもしれませんが、そんなわけで、ドラマとは違う話として読みました。それに、ストーリーもなんだか強引で、全体的に、1冊目の方がよかったです。 さて、この後どうなるんでしょうかね。
2014年10月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:1303ページ
ナイス数:83ナイス
功利主義入門―はじめての倫理学 (ちくま新書)の感想
倫理学や哲学の本には難解過ぎるものが多いですが,本書は一般向けにわかりやすく書かれています(それにしても,決して平易ではありませんのでご注意を)。ある学者が「哲学は書くと(=読むと)難しいが,話せば(=聴けば)簡単」と言っていましたが,本書がまさにそれであり,現代における事例を挙げるなどの工夫を加つつ,語りかけるように文章が展開されるので,難解な問題の理解が深まりました。「最大多数の最大幸福」とは何かを知りたくて読み始め,読後にそれが十分に達成できたとは正直思えませんが,いつかまた読み返したい一冊です。
読了日:10月29日 著者:児玉聡
いつやるか? 今でしょ!の感想
テレビ界の「ポスト池上彰」の第1番手になりつつある?林修先生。テレビで語る彼の話しは論理的かつ説得力があるので,彼のプロフェッショナル論を知りたいと思い購入しました。一般的な自己啓発本に近いものであり,期待が大きかっただけにやや残念な読後感です。予備校講師ということで,どうしても若者に向けた内容に偏りがちなのかもしれませんが,ユニークな人格と高い技術を磨いた彼の人生論を深く知りたいと思っています。別の著書も購入しましたので,そちらに期待です。
読了日:10月26日 著者:林修
1日たった1分 文章力がなくてもスラスラ書ける小論文の超書き方講座 (YELL books)の感想
推薦入試を受験する高校生向けに書かれた本です。小論文の「書き方」というか,その前段階の「考え方」を簡潔にうまく説明しています。内容は平易なので,就職活動を控えた大学生などにも役に立つ本です。長文例を示さず,端的な回答例や図解に終始した著者の割り切った考え方に好感を持ちました。本書が示すヒントを心に持ち続けていれば,割と短期間で「小論文脳」を得ることができるはずです。それができれば,次は文章力や表現力の養成段階へと本格的に入ることができます。
読了日:10月21日 著者:石橋知也
ゆとり京大生の大学論―教員のホンネ、学生のギモンの感想
大学の「教養教育」について論じられている、極めて興味深い一冊です。前半は大学教員の独白、後半は学生達の対談という形でまとめられていますが、そのいずれにも示唆に富む意見が数々述べられています。特に後半の、京大生達の対談が素晴らしいです。若輩である学生達が、大学教育や教養の本質をきっちりと捉え、瑞々しい議論を展開しています。京大生だからといって決して奢らず、中途半端な思い込みや既成概念に囚われることなく日々努力を続けている素晴らしい現代の若者達の姿に触れ、この国の将来は明るいと確信することができました。
読了日:10月19日 著者:益川敏英,橋本勝,毛利嘉孝,山極寿一,山根寛,吉川左紀子,河合潤,佐伯啓思,酒井敏,阪上雅昭,菅原和孝,杉原真晃,高橋由典,戸田剛文
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2014年 10/14号 [香港と天安門]の感想
特集は「香港」。日本のマスコミは楽観視しているような気がするが、本誌記事は中国政府が極めて深刻な状況に陥っていることを示唆している。このデモを仮に鎮圧できたとしても、若い「香港人」達の心に炎はくすぶり続けるであろうし、チベットやウイグル、果ては本土にまで民主化の波が押し寄せる可能性もあるとのこと。「独裁政権の寿命は75年」という説が、ついに現実味を帯び始めてきたのかもしれない。仮に中国が乱暴な振る舞いをした時には、世界が中国を許さないという姿勢を示すことが大切だろう。
読了日:10月19日 著者:
どちらとも言えませんの感想
著者は私よりも年上ですが,プロ野球ファンとしての共有体験が多く,面白く読み切ることができました。『中田翔よ,思い切って「中田勝男」に変えたらどうか。』・・・たしかにその通り!彼のキャラクターや実力は,どう考えても『翔』ではなく『勝男』です。ホントに改名してくれたら,天国の大杉さんや,ファイターズのオールドファンも大喜びしてくれるのでは?(笑) ひとつ残念(というか痛恨)だったのは,著者の小説をまだ1冊も読んでいなかったことです。ほぼ同時に小説の方も購入していましたので,読む順序を完全に誤りました。
読了日:10月18日 著者:奥田英朗
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2014年 10/7号 [進化し続ける都市TOKYO]の感想
特集は「TOKYO」。再構築が遅れた東京のインフラ整備が,2020年五輪開催の効果により急ピッチに進むことはとても良いことだと思う。ロンドンの成功と北京・アテネの失敗からも学び,2020年後には素晴らしい街が東京に残されていることを期待したい。特集以外では「日本の捕鯨を認めるべき理由」という記事が印象的だった。むしろ商業捕鯨を認めれば,鯨肉消費が減っている日本側が根を上げるという見立ては実に甘い。そうなれば,日本人は世界(特にアジア各地)に鯨肉の美味さを広く伝えるだろう。日本の食文化を甘く見ない方がいい。
読了日:10月18日 著者:
日本人の教養 混迷する現代を生き抜くためにの感想
国際教養大学元学長の中嶋嶺雄先生による「教養論」です。「なぜ、国際教養大学で人材は育つのか」で中嶋先生の素晴らしい教育論に触れましたが,主にリベラル・アーツに焦点を当てた本書も良書でした。先生がお亡くなりになられたことを,心から残念に思います。大学のキャンパスの中には誰だかわかならい人の銅像が建っていることがありますが,中嶋先生のような革新をもたらした先生こそ銅像を建てるに相応しい,数十年,いや数百年後の学生や教職員が仰ぎ見るべき先生なんだろうと思います。
読了日:10月13日 著者:中嶋嶺雄
ジャズ史5ファンキーとジャズ・ロック:ザ・サイドワインダー (JAZZ100年 10/14号)の感想
特集は「ファンキーとジャズ・ロック」。即興性の高いビ・バップからハード・バップが生まれ,そのマンネリ感を打破するような形で「ファンキー・ジャズ」「ジャズ・ロック」が生まれたとのこと。その特徴は「アーシー(土臭い)」「黒っぽい」音楽。添付CDを聴くと,たしかに土臭い感じがしないでもない。これは勝手な思い込みに過ぎないのか,あるいは私にも少しはJAZZ耳が育ってきたということなのか・・・? この時期のジャズは,黎明期のジャズに少し近付いて(戻って)いるような感じがしました。
読了日:10月11日 著者:
Slugger (スラッガー) 2014年 11月号 [雑誌]の感想
特集は「キャプテン・ジーター」。ジーターより優れた選手は沢山いるにも関わらず,彼が特別な存在となった理由として,「ジーターが仮に最も偉大なヤンキーではなかったとしても,最も完璧に近いヤンキーだったと言っても大袈裟ではない」としている。ルースやディマジオとは違い,ジーターの凄みはリアルタイムで見なければわかならいと私は思っている。松井秀喜を通じてジーターを「体感」できたことを,野球ファンとして幸運に思う。ちなみに彼は20年間,ショート以外を守ったことがないらしい。これもまた,偉大な記録である。
読了日:10月11日 著者:
決断できない日本 (文春新書)の感想
ただでさえ皮肉や冗談がきついアメリカ人である上に,日本政治の未成熟な部分を嫌と言うほど見続けてきたメア氏のことですから,一字一句同じかどうかは別として,彼は「沖縄はゆすりの名人」に近い発言をしたと私は思っています。同時に,我が国を見下しつつも,現実主義のもとで日米関係を深く考え,同盟関係を強固にすることで日本を守りたいという気概を持った「親日派」でもあると思っています。本書はタイトル通り,決断できない日本政治の問題点を指摘する内容ですが,特に後半の日本人のメンタリティ分析に読み応えがありました。
読了日:10月8日 著者:ケビン・メア
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2014年 9/30号 [英国の誤算]の感想
特集は「スコットランド騒動」。コリン・ジョイスの意見を是非聞きたいと思っていたので,彼の記事が読めて良かった。「相手には頭を下げさせた。取れるものは取った。ここらで手打ちとするか」というコリンの書き出しが,この騒動を端的に言い表していると思う。スコットランドは現実的な実益を得て,英国(というかイングランド)はいつくかのものを失った結果,世界における英国のプレゼンスは次第に失われてゆくのではないだろうか。スコットランドの「成功」に味を占めて,独立を主張する地域が世界各地で現れることを恐れる。
読了日:10月4日 著者:
読書メーター
ハーレクイン・ロマンス R161 著者 シャーロット・ラム 訳 神谷 あゆみ 発売日 昭和57年3月20日 ページ 174ページ ISBN 4833501619 内容 レイチェルのニッキーに対するこれまでの感情は、憐憫と、 母親のような慈しみの情以外の何ものでもなかった。 ロンドンのナイトクラブ歌手である二十五歳のレイチェルは、 七歳も年下のニッキーがすっかり彼女に夢中だと知ってはいたが、 孤独な少年の心を思うとむげにつきはなすこともできずにいた。 ニッキーは石油王マーク・ハモンドの息子、億万長者の跡継ぎだ。 だがニッキーの話によればその父親マークは、血も涙もない男、 冷酷無慈悲な大実業家らしい。 ある朝、そのマーク・ハモンドが レイチェルの前に現れて、言った。 「息子から手を引くについては、 いくら欲しいのか?」 レイチェルは激怒した。 Amazonの紹介ページです。
レイチェルに拍手! (ハーレクイン・ロマンス (R161))
2年半ぶりにショートショートの広場で入選しました。
作品名は『真夏の雪』です。 雪への嫌悪から実家と喧嘩し、離れた主人公ですが、父が死亡し、自身の結婚と母の老いを見て里帰りをします。実家と和解し、都会に帰る日。真夏にもかかわらず雪が降り出します。 こういう感じで詩情たっぷりに描きながら、ショートショートらしく、最後にくだらないオチが待っています。 個別のアイデアというより、文章とオチの落差を意識した作品です。 阿刀田先生の点数は9.0点でした。 いまだに受賞傾向がつかめない小説現代ですが、3回目の入選を目指してこれからも書き続けます。阿部譲二『賞ナシ罰アリ猫もいる』読了。
こういう大猫(ボス猫)いるよなーと思わせる、阿部譲二の顔。実際、猫好きでこのエッセイを書いていた時には8匹飼っていたようだ。それにしても、なんで麻布中学の橋本龍太郎の同級生がやくざになるのか……それにしても、毛並みのいい人は(要望がたとえ魁偉であっても)うらやましい。それに、東京(特に山の手)人脈は、地方人にはどうあがいても手に入らない。 有川浩『三匹のおっさん』読了。 ドラマ化もされているが、そちらも大ヒットらしく、これも羨ましい。恋愛小説の旗手ともてはやされる作者だけれども、面白味はもっと別なところにあると思うんだけれどもな。確かにいまどきの60歳はこのくらいはやってくれそう。須藤真澄さんの絵も可愛い。