ずいぶん長い歳月が過ぎていた。子供たちが訪ねてくるのはどのくらいぶりなんだろう。
扉の外で声がしている。大丈夫か? 間違いない? いるのか? とぎれとぎれにそう聞こえる。長い間私しか使ったことのない扉が開かれる。
おお! 子供たちよ!
思わず叫ぶ私にライトが向けられる。うわぁ! きゃあ! 叫び声が上がる。
「な、なに?」
私が叫ぶと、銃が向けられ発砲された。一瞬なにが起きたのかわからない。鋭い痛みとともに静寂が訪れる。
「こんな化け物が生息していたなんて」
子供たちの一人が呟いた。足元には得体の知れない生き物の死体が転がっている。秘境探検隊である彼らは、たった今人類の起源ともいえる生物の最後の生き残りを殺してしまったのだった。
了