・エンダーのゲーム上下/オースン・スコットカード ハヤカワ文庫SF
ヒューゴ賞/ネビュラ賞を受賞した、この作品。 スコット・カードのデビュー作の短編を長編化したもので、映画化された。 1/18上映開始。 もともとSFも好きなので、仕事が休みの午後、2冊続けて読んだ。 この本、普通のハヤカワ文庫SFよりも字が大きいので、読みやすい。 登場人物の名前も聴きなれている名前や短い名前が多いので、誰が誰だったか混乱することも少なく、読みやすい。 そのため、どっぷりと話に浸れる。 昆虫型異性人バガーの第3次攻撃に備え、優秀な艦隊指揮官を育てようとする。 選ばれたのが、エンダー。 まだ6歳。 たったの。 そして、艦隊指揮官になったのは、12歳! つまり、日本で言うと、小学生が訓練しまくり大人ができなかったことをしたわけだ。 オトナたちはエンダーを指揮官にするために、いろいろな試練をわざわざ与える。 困っていても手助けしない。 そんなふうに育てられて、いいのだろうか。 また。宗教や人種のことも、絡んでくる。 裁判も。 こういうところが、アメリカらしい話だと思う。 3次攻撃は、こちらからしかけるところも。 バガーはそのつもりはなかったのに。 エンダーは何も知らされていなかった。 訓練だと思っていた。 指揮官は前線ではなく、遠くはなれたところから指揮するのね。 部下も。 オトナはずるい。 エンダーも彼の部下(訓練で彼と一緒だった子たち)、オトナのズルさに気づいている。 エンダーなんて、態度で拒否している。 けれど、オトナたちは人類を救うため、有無を言わず訓練をさせる。 救われたらそれでいいのだろうか。 それもちゃんと書かれていて、エンダーは、見つけた女王の繭を目覚めさせる時と場所を旅に出る。 この旅が、続編に書かれているのかな? 地上では、エンダーの兄姉が偽名で意見を発信し、影響力をつけていく。 偽名だったのは、この二人も、まだ子供で権限がなかったから。 残酷で狡賢く、エンダーが恐れていた兄のピーターが、戦争から人類を救うことになることになった過程があまり 書かれていなかったのが、残念。 姉のヴァレンタインの葛藤も。 兎にも角にも、いろいろと考えさせられる話だった。 次の休みに、映画を観てこようっと。 ★★★☆ シリーズはこちら↓↧