釣りに行っても釣れないし、野菜作りもすることがないし、暇なので、道からウチの家へ上がる石段の所を入り口らしくしようと思いついて始めた。
竹で作る。段々の左右に竹を並べて打ち込んで、かっこよく見せようという魂胆だ。
1本ずつハンマーで打ち込んで麻紐でくくっていたら時間がたつのが早い。作業をしていると、隣家のH田さんが話に来た。
「どうでぇ」と言って、置いてあった石の上に座り込んで、一服吸いながら夏の間の話やら、政治の話やらをした。
話していると、H田さんの姉さんが来て、野菜の話をしばらくした。「ジャガイモを植えにゃいけんねぇ」と言ったので、私はジャガイモは植えなかったんですといった。後で本で調べるとジャガイモは春と秋の2回作れるようだ。
H田さんは、家の下水のマンホールの掃除をせにゃいけんと言って、自分の家へ戻った。私はまた入り口作りを始めた。
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