天満天神繁昌亭 / Kentaro Ohno
(年間50冊の進捗 50冊/365日×262日目(9月19日)ー22冊目=▲13.89冊)#mhks(本)
☆この夏、大阪の本屋さんでは、この本が大量に積まれていました。
なんで?と思ってPOPを見たら、
「大阪の本屋と問屋が選んだほんまに読んでほしい本
大阪ブックワンプロジェクトに選ばれた1冊
大阪のお客様に向けて絶対にはずさない1冊」 とのことで、パラパラ見てみると・・
大阪天満を舞台に・・・って、思いっきり地元やん!
ということで読んでみました。
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和助が恐れていた通り、浮舟は、天草の産地を偽った寒天を客に供していたのだ。(p66)
☆これは・・、何年か前にあった某「せんば〇〇」のことか?と言うようなくだりもありますが、
それより、昔、大阪の子どもは必ず見ていたであろう、「あっちこっち丁稚」で、役者がしゃべっていた船場言葉がそのまま文字となっており、場面が「すっ」と頭の中に浮かんできます。
しかし、途中から涙が止まらず、最後のシーンは字が読めないほどでした。
もちろん、大阪だけにオチもしっかり決まってます。
大阪の人はもちろん、それ以外の方でも楽しめる1冊だと思います。
・天神橋を渡って、東横堀川沿いに今橋を過ぎ、高麗橋へ。高麗橋を渡って西に延びる道を高麗橋通りと言う。大坂市中で最も求心力のある場所は、この高麗橋通りであった。その道筋が何処にでも通じることから人通りも多く、従って三井呉服店をはじめ大店がひしめいていた。(p286)
☆本書の舞台は、江戸時代の大阪。その頃はもちろん御堂筋など無く、大坂の中心は、今で言う堺筋の方。日頃自分が歩き回っている御堂筋とは、少し東にずれている。
そこで、今回は実際に小説の中に出てきた場面を歩いて見ました。
まずは「天神橋」からスタート!
これが、物語の中では、木造の太鼓橋として描かれております。
今はもちろんコンクリートです。
そこから、進んで東横堀川沿いを進んで、今は無き「今橋」を過ぎ、ようやく高麗橋へ。
橋を渡って振り返ってみれば、高麗橋の半分は高速の下になってしまっております。
橋を渡って、真っ直ぐ進むと・・
堺筋にでましたよ。
そして、かつて「三井呉服店」。昔は「三越大阪店」のあった場所は「ザ・北浜プラザ」に変わっておりました。
昔はここが大坂のメインストリートだったんですね。
それが今は、交通は御堂筋に移り、商店がひしめくのは心斎橋筋へ 。
大坂の地理は、大きく変わってしまいましたが、「義理人情」はこの小説の登場人物のままだと思います。
そんな温かな気持ちになる一冊。
「商い」を通して、世の中を良くしようとする。船場商人の志は、今を生きる自分にも必要なモノだと感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました!