kindle paperwhiteでリンボウ先生の『謹訳 源氏』を読み始めました。なかなかくだけた訳で、読みやすいです。
例えば、「帚木」で源氏が方違えで伊予の守の屋敷へ行った際、女房たちが光源氏のうわさ話をしているシーンです。
ねえねえ、なんだかすごく真面目ぶってね、まだお若いのに、もう奥様がいらっしゃるんですってよ。つまんないわねえ
だけど、ほかにもあちこちに、隠れてお通いになってるって噂よ、ふふふ
「ふふふ」ですから、笑ってしまいます。リンボウ先生には『うふふ枕草子』という著書があるらしいですが、「うふふ、ふふふ」がお好きなようです。また、「夕顔」と逢い引きした明け方、隣の家から聞こえてきた会話です、
おお、寒いこっちゃのう。今年は、米のなり具合もどうも当てにならんこと
で、田舎へ買い付けに行くちゅうことも、とんとできんわなあ、これじゃ。心細いこっちゃな。おい、おーい、北のお隣さんよ、聞いとんのかいな
ハハハハハ、関西弁ですねぇ。逢い引きの場所が京都五条の町屋ですから、これでいいわけです。この会話を『与謝野源氏』でみると、
ああ寒い。今年こそもう商売のうまくいく自信が持てなくなった。地方廻りもできそうでないんだから心細いものだ。北隣さん、まぁお聞きなさい
となるわけです。やはり、「おお、寒いこっちゃのう」 という方が臨場感があります。さすが「イギリスはおいしい」とおっしゃるリンボウ先生です。但し、光源氏やその恋人たちが御所言葉を使うかというとそうでもなく、標準語です(笑。
kindleの読書というのは、『消えたヤルタ密約緊急電』に次いでまだ2冊目ですが、E Inkというのは紙の活字と殆ど変わらず、目に優しいです。バックライトですからライトの加減を気にする必要もないし、暗い部屋でも読めます。ページめくりもブックマークも簡単、辞書も引けますから便利このうえないですね。ページめくりが遅い、チラツクという欠点はあるのですが、許容範囲です。国語辞書の『大辞泉』はちょっと非力ですが、wikipediaがあるのでまぁこれも許容範囲。
paperwhiteのバージョンが5.3.8になっていたので、アップデートしました。「辞書を使用中、同じ単語を別の辞書で調べられるようになりました」といっても、英語のはなしですから、あまりメリットはありません。
というわけで、第1巻を読み終えたので、2巻目をダウンロードしました。1400円と、まぁ結構な値段です。
源氏物語の感想文、そのうち書きます。