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 第14回「大人の夜の読書会」山極寿一『暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る』

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第4章「サルはどうやって葛藤を解決しているか」を読む ●チンパンジーやゴリラなどの霊長類にも、食や性を巡る葛藤―争いはある。だが彼らはその葛藤や争いを解決する方法を、自らの社会的な知恵として生み出しているのだ。その方法は、互いにじっと見つめ、あるいは抱き合ってキスをするという親和の表明だけでなく、食を巡っては食そのものが、和解と平和のための道具として用いられる。 ●例えばゴリラの場合、せっかく占有した採食場所を他のゴリラに譲りながら、そのすぐ側で食事を共にするということがあるらしい。山極によれば、この行為は、単に食欲を満たすためということではなく、葛藤のもとになった食物それ自身を、ごく側で共に食することによって、同調と共存―平和の担保としているのだという。 キリスト教では、「愛餐」と呼び、食事を共にすることは、平和を象徴する大事な行為であるが、その知恵の源流には、見つめ合い、共に食するジャングルのゴリラの知恵があったとする想像は、わたしにはちょっと痛快である。 ●ということで、今回は「サルはどうやって葛藤を解決しているか」という霊長類の種々の知恵を、人の食を略奪して恥じない退化したサル―人間として、下座からサルに学びたい、という回です。 ■使用するテキストは、『暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る』(山極寿一/NHKブックス)です。参加される方は、同書中第4章「サルはどうやって葛藤を解決しているか」を読んできてください。 日時:10月2日(水)19:00~20:30


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