なんか、最近読む恩田さんの作品は裏切られ感が強い気がします。。。途中まではいいんですが、ラストがねぇ。 山中にひっそりとたたずむ古い洋館―。三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた…。果たして「訪問者」とは誰か?千沙子と昌彦の死の謎とは?そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った―。嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー。 (「BOOK」データベースより) 登場人物は、朝霞一族--長男の千蔵、次男の千次、三男の千衛、末っ子の千恵子、千恵子の夫の協一郎--はいずれも老齢に達した人々。家政婦の更科裕子、幼女の愛華。そこへやって来たのは、雑誌記者を名乗る井上とカメラマンの長田です。彼らは若くして亡くなった映画監督のことを記事にしようとインタビューしに来たのです。風雨の強くなってきたところに愛華の母親の澄子が現れます。 そこで千沙子の幽霊が目撃され、確認しようと外へ出たところで見知らぬ男の死体が見つかります。 更に、嵐で崖崩れにあったという小野寺という男が現れて…。 「閉ざされた山荘」という舞台設定に死の謎、一癖も二癖もある人物揃い、そして死者の霊と発見される死体--とミステリの王道中の王道を突き進み、どう収束するんだろうといやがうえにも期待が高まります。 恩田さん好み(?)の舞台演劇のような状況とセッティングに台詞回しです。 老兄弟のそれぞれ異なる性格や秘められた確執・思惑が次第に明らかになっていく過程や、優秀な家政婦の存在が気にかかり、幼女でさえも容疑者リストから外せないもどかしさ(笑) ただ、すっごくモヤモヤする読後感でした。謎解きが呆気なさ過ぎます。。。
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