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『巨大地震はなぜ起きる』

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『巨大地震はなぜ起きる』 島村英紀 2011/04 巨大地震はなぜ起きる―これだけは知っておこう  著者は武蔵野学院大学特任教授。 地震のメカニズムと予知についての本。  1970年代のバラ色の地震予知の夢は消えたと述べる。しかし、いまだ国は地震が予知できるのを前提としたしくみで動いている。  地震雲や発光現象、動物の地震予知は、心理学で言う「錯誤相関」である。重大な事件の後で思い出す報告が、ふだん何気なく見ているものでも心理的偏向を受けることを指す。  太平洋の中央海嶺は中南米沖にある。なぜこんなに東に偏っているのかは不明。日本海の地震は北米プレートとユーラシアプレートのぶつかりで起きている。  日本列島に最後にくっついたのが伊豆半島で数十万年前。「継ぎ目」をJR御殿場線が走っている。  月の地震は「月震」ムーンクエイクと呼ばれる。月震はせいぜいマグニチュード3で、地下800~1000kmで起きている。これは月の半径の半分よりも深い所だ。  地震の波は複雑で、何種類も出ている。地震によっては特定の周波数だけを強く出す場合もあり、地震の大きさをマグニチュードという1つの数字で表すのは無理である。とはいえ、何か指標があると便利なので使われているが、計算方法は何種類もある。巨大地震にはモーメント・マグニチュードが使用される。この欠点は計算に時間が掛かること。  大地震は複数の地震の同時発生である。これをマルティプルショックという。  「津波地震」と呼ばれる、地震の規模に対し津波が大きくなる地震が有る。振動の周期がゆっくりの場合に起きる。さらにゆっくりした、サイレント地震なるものがあるという学者もいる。何十分という周期で地震計は反応しない。  内陸直下型地震に繰り返しはない。活断層地震の繰り返しの間隔は、1000年から10万年以上で、次の地震を予知するのは無意味。阪神淡路大震災のほとんどで活断層はなかった。しかし政府は今も活断層調査に資金をつぎ込んでいる。


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