黄泉津比良坂、血祭りの館 探偵・朱雀十五の事件簿3 (角川ホラー文庫)
- 作者: 藤木 稟
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/08/24
- メディア: 文庫
五百年の歴史を持つ名家・天主家。彼らは、山奥の閉ざされた館で血族婚を繰り返し行い、次第に狂気に蝕まれていく。銘酒少年時代の朱雀を描く、シリーズ第3弾。
表紙が一枚絵の片方っぽかったのでもしやと思ったけど、やっぱり解決編は次に持ち越しか!
このシリーズは本当に…残忍な描写をふんだんに魅せているよなぁ。。あまりにも現実とかけ離れた景色は、いっそ耽美的にも見えてくる。今回、館で次々と一族の誰かが斃れていくけれど、どれも想像するのもおぞましい描写でウッとなった。動機がどうとかではなく、犯人の精神面が気になるよ。。この人かなと思った人も結局退場してしまったので、次巻の真相解明が―呪われた一族の真実を早く知りたいです。あと薀蓄が面白かったです。系統が似ているからか、百鬼夜行シリーズを思い出したり。特に国歌の部分が興味深かった。
ところで、少年朱雀は正体を曖昧なように描かれていたけれど、バレバレだったよ(笑) 前巻の青年朱雀の傲岸不遜な態度はまだ見えず、けれど所々隠しきれていなくて猫かぶりさがおかしい。特に探偵が絡むと面白かったなー、いかにも面倒そうな気配を醸し出していて。 どうやら次巻の舞台は青年朱雀に戻るようなので少年時代はこれきりのよう。少年時代の方が少し活発的かも?でも、大人になった朱雀の活躍も楽しみだな!(そういえば前巻までの、助手のような立場にいた柏木くんは今回はおあずけかしら。。)