夕刊を読んでいたら、小さく訃報が。SF作家フレデリック・ポールさんの訃報やった。享年93。ここらあたりになると若いファンには名前すら知られてへんかもしれんなあ。 学生時代に読んだシリル・コーンブルースとの共著「宇宙商人」は実に楽しいビジネスSFやった。もっとも楽しく読んだということしか覚えてなんだりするんやけれど。あの頃はとにかく1冊ずつ反芻することもなくがつがつと読みあさっていたもので。 言い訳めいたことを書きましたが、要は私の記憶力が弱いというだけのことですか。これはもう言い訳のしようもございません。 あの頃はポールさんの作品というたら入門者の必読書という位置づけやったんやけれどね。今はどうなんかなあ。妻は「読んでないけど、福島正実の『SF入門』の必読リストに入ってたのは覚えてる」と言うております。つまり日本SF黎明期の入門書で推薦されている作品ですわ、「宇宙商人」というのは。そういう時代の作家さんの目には、高齢になって迎えた21世紀はどう写っていたのかなあ。 謹んで哀悼の意を表します。
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