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「とうへんぼくで、ばかったれ」朝倉かすみ(新潮社)

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あっという間に9月ですね。今年も終盤にさしかかってきました。早く涼しくなってくれればいいけれど・・・。ま、寒くなったら寒くなったで文句言うわけですが。


とうへんぼくで、ばかったれ

とうへんぼくで、ばかったれ

  • 作者: 朝倉 かすみ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/05/22
  • メディア: 単行本





札幌のデパートで働く23歳の吉田はある日、エノマタさんという40代の取引先の人に一目惚れ。
取引先といっても自分の仕事に関係があるわけではないので、ひたすらひたすらストーカーちっくにエノマタさんを観察し続ける日々。

そしてある日エノマタさんが勤める会社が倒産、エノマタさんはツテを頼って東京へ。

ここで、この恋は終わるのかとおもいきや吉田は一度会話を交わしただけで、自分の存在を認識もしていない男を追って仕事を辞め東京へ。

そしてまたもやストーキング。

このあらすじを最初に読んだ時、角田さんの「愛がなんだ」みたいなかんじかなと思ったんですが・・・。「愛がなんだ」の主人公はひたすらマモちゃんというダメ男を追っかけ回してただけだったけど、もっと吉田は賢くてですね、なんとじわじわと接近してなんと偶然を装いエノマタさんと交際するところまで持って行きます。

おお、新しいね、と思ったのですが、新しいのは若い前田だけじゃなかった。
エノマタさんという男が、40代になっても独身のワケアリ男(ダメな方の)そのもの。
物語の最初と最後にエノマタさんのモノローグが入るのですが、「あー、あー、あー」というタイプの男。そりゃ前田、エノマタさんは結婚なんてしてくれないよ。

なんというか、前田については若すぎて共感もあんまりできなかったけど、結婚できない男エノマタさんの姿には「あるあるある」と激しく頷きながら読みました。

図書館でなんとなくタイトルだけで借りて来たんだけどアタリでした。

愛がなんだ (角川文庫)

愛がなんだ (角川文庫)

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/02
  • メディア: 文庫

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