C・J・サンソム/集英社/お薦め度 ★★★★
チューダー王朝弁護士シャードレイク・シリーズ第二弾
第一作「チューダー王朝弁護士シャードレイク」は集英社の鳴り物入りだったが、イマイチの感ありだった。第二弾の本書は佳作。
今回、シャードレイクが引き受ける事件は、従弟を井戸に突き落としたとして投獄された少女。事件のことについて少女は堅く口を閉じ、このままでは拷問死を免れない。
そんな依頼の最中、摂政クロムウェルから密命が下る。「ギリシャ火薬」そのものと製法を探しだすようにと・・・その見返りとして少女の裁判の日程延期、その間にふたつの事件を解決せよ、と。
クロムウェルの臣下バラクと二人三脚の捜査が始まるが、関係者が次々に殺され、シャードレイクの命も狙われる。
ふたつの事件の行き着く先は!?
「ギリシャ火薬」、中世の東ローマ帝国で、火炎放射器のような武器が使用されていたが、国家機密とされていたため帝国の滅亡とともに失われた。
CWA賞最優秀歴史ミステリ賞受賞作を愉しんでください。