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『アベノミクス大論争』

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『アベノミクス大論争』 文芸春秋編 2013/03 アベノミクス大論争 (文春新書)  『文芸春秋』『エコノミスト』『朝日新聞』など様々な媒体での安部政権の政策についての議論・論文などをまとめた本。  榊原英資は、今の日本のデフレは不景気によるものではなく、構造的なものが原因と述べている。グローバリゼーションが進む中で、日本は中国との経済圏の統合が進み、日本の物価は下がり中国の物価は上がる”物価の収斂”が起きている。日本だけがデフレ脱却を叫んでもムリだという。  対談相手の若田部(早稲田大教授)は、世界中に中国製品が出回っているのにデフレなのは日本とスイスだけだから、構造問題ではなく金融政策の問題だと反論している。  それに対し榊原は、地理的に日本が一番中国に近いので影響を受けると述べる。  原田泰(早稲田大教授)は、日本は現金決済が主流なので、マネタリーベースの対GDP比が他国より高いのは当然だと述べる。この観点からすると、日本の金融緩和の程度は欧米に比べて低いという。 デフレの原因について、人口の減少は需要と同時に供給の減少要因なので、物価下落の主因とは考えにくいという。  竹中平蔵は、企業内失業者を足すと、日本の実質失業率は11%になるという。雇用調整助成金などの「助ける」政策の結果。「解決する政策」でなければならないと述べる。  竹森俊平(慶応大教授)は、先進国において中央銀行の力は増しており、本来は政治が決めるべき領域をどんどん侵食しているので、「中央銀行の政治独立性」という言葉は空虚なものになったと述べる。日銀(白川総裁)は小出しの政策を続けたので、安部政権の政治圧力を受けたという。(つまり大胆な行動を取るべきだった)


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