ど~も。ヴィトゲンシュタインです。 R. Newbrough著の「Sport and the Third Reich Vol.1」を読破しました。 2月の「柏葉騎士十字章受勲者写真集」に続く、洋書写真集の第2弾です。 去年の10月に発刊されたわりと新しい大判の本書は、2冊セットで656ページ。 今年のお正月にお年玉をつぎ込んで購入しました。17000円也。。 第三帝国好きのスポーツ好きですから、こんな本は英語であろうと我慢できません。 掲載されている写真は2200枚以上だそうで、当時の写真は白黒ながらも、 現物の写真は当然カラーで、まるで「ナチス親衛隊装備大図鑑」を彷彿とさせます。 最初は「ドイツのスポーツ 1933-1945」と題し、当時の白黒写真中心で、 青少年たちが各種スポーツに打ち込む姿を紹介します。 ヒトラー、ゲッベルス、フリックと並んでスポーツ指導者委員会長官と日本では訳されている ハンス・フォン・チャンマー・ウント・オステンの肖像画も出てきました。 ヒトラー・ユーゲントやBdMのスポーツ着姿もありますが、 一番興味深かったのは「アドルフ・ヒトラー学校」の授業の様子ですね。 途中5ページは着色カラー写真で円盤投げ、レスリング、重量挙げ、レースなどを紹介。 続いての章は「DRL/NSRL」です。 DRL(DRA)は以前から存在していた「ドイツ帝国体育連盟」、 NSRLは1933年にナチが政権取って誕生した「国家社会主義帝国体育連盟」です。 この連盟のボスがチャンマー・ウント・オステンなんですね。 ドイツ軍人が良く写真でも胸に付けている「DRL(DRA)スポーツ章」が実物のカラーで。 そして刺繍による「チャンピオンシップ・バッジ」が出てくると、 コレを左腕につけたフェンシング・チャンピオン、ラインハルト・ハイドリヒのデカイ写真が・・。 こちらは ↓ 表彰式ですね。2位と3位は「負けて良かった・・」と安堵の表情。。 また「ヘビー・アスレティック・スポーシ・バッジ」なるものが金銀銅と出てきましたが、 なんなんでしょうか。レスリング、重量挙げがモチーフのような、コレはじめて見ました。 その他、ペナントや1等賞のトロフィー、メダルやプレートなど珍しい品々。 女性用のオフィシャル体操着も実物のカラー写真です。 やっぱりブルーなんですね。なかなか綺麗です。 82ページからは1936年の冬季オリンピック「ガルミッシュパルテンキルヒェン大会」。 会場のスタンドでサイン攻めに遭う、ヒトラーとゲッベルスに、スキーやスケート競技の写真。 ポスターとバッジの他、以前に紹介したスキー・ジャンプの切手。 この切手のシリーズは味わいがあります。 ボブスレーも何とも言えない絵柄。。まぁ、ハニワですか。 そして夏のメインイベント「ベルリン大会」へと続きます。 選手がユニフォームの胸につけるインシグニアも当然、実物のカラーです。 8か国のサッカー・チームの集合写真に陸上など競技写真が多数。 気になったのは乗馬で金銀を獲得した2人のドイツ国防軍の選手に混じって、 あのオッペルン=ブロニコフスキーが写っている写真です。 キャプションでも「メダルは取っていない」と書かれちゃってます。 気になったもう一枚は水泳での日本人選手の写真です。 これは200m平泳ぎで金メダルに輝いた葉室鐵夫という方で、 銀メダルのドイツ人、エルヴィン・ジータスとの2ショット。 その他、この大会で実際に使われた円盤投げの「円盤」に、 記念の懐中時計、プレート、折り畳みナイフ、ピンバッジ、 そしてやっぱり記念切手各種、オリンピック章、聖火トーチと 関連グッズがこれでもかと出てきました。 次は2年後の1938年に開催された「ブレスラウ・スポーツの祭典」です。 いきなり会場の名前が「ヘルマン・ゲーリング・スポーツフィールド」ときましたか・・。 記念バッジも作られた大きな大会のようです。 スタンドのヒムラーも右胸にこのバッジを付けて楽しそう・・。 ちょうど真ん中あたり162ページから「スポーツ・ユニフォーム」の章へ。 胸にマークの入ったランニングシャツ姿の若者の写真がいろいろと出てきますが、 これが「ドイツ労働戦線(DAF)」の女の子軍団とか、 「警察」マークのムッチリ気味の女の子たちとか、かなりレアでマニアックです。。 「国家労働奉仕団(RAD)」もあれば、空軍サッカーチームに陸軍ハンドボールチーム。 トレーニング・スーツと運動靴の実物も・・。 ここからはもっと具体的に「組織」ごとのスポーツグッズの紹介になります。 まずは「ドイツ空軍」。 当時の写真でも場合によってはカラー写真もあって良いですね。 降下猟兵に所属したヘビー級チャンピオンのマックス・シュメリングの特集もありました。 お次は「ドイツ海軍」、胸のアドラーはデザインも違い、ブルーが美しいですね。 高射砲での写真もあった空軍とは違い、プールで泳いだり、カヌーを漕いだり、 環境の違いも楽しめます。 そういえば表紙の写真の3人組も海軍でした。 「ドイツ陸軍」のアドラーの形は海軍と同じですが、色が黒ですね。 各軍の海パンまで実物が出てきますが、 さすがにそこまでは興味ない・・っていうか、好きな人にはタマランかも知れませんが・・。 「political leader」の章も出てきました。政治指導者と訳すか、ナチ党員と訳すか・・。 胸のアドラーは陸海軍とは違って、羽根の枚数と形も若干違います。 そしてパンツの色もナチ党カラーの褐色。 ナチ養成学校として有名な「ナポラ」の体育着。 正式には「NPEA」と書くんですね。 「国家社会主義婦人会(NSF)」のお姉さま方も専用の体育着を持っています。 このVol.1の最後を飾るのは「SA(突撃隊)」です。 有名な「SAスポーツ章」が各種、1942年の切手まで紹介されています。 ちなみにこのバッジは戦争が始まると「SA防衛バッジ」に名称変更されていたようです。 体育着は胸に「SA」のロゴ付きで、パンツは褐色と誰が見ても突撃隊です。 ただし、ロゴの色は地区ごとに定められていて、ベルリン地区は黒、フランケンは黄色、 ニーダーザクセンならオレンジ、オーデルが赤、オストマルクはピンクなど・・。 当時の写真では1938年のニュルンベルク党大会での競技会が最高です。 100m走で必死に胸を出す「SA」の走者と、喰らいつく「SS」の走者のデッドヒート。 この時期はSSが巨大化していますから、SAには絶対負けられない戦いがそこにある・・。 こんな1枚の写真から、「炎のランナー」の如きストーリーが勝手に頭に浮かんできます。 仲の良かった従兄弟がSAとSSに分かれて凌ぎを削り、立場が逆転、そして戦争に・・。 どうでしょう?? 面白そうなナチス青春映画になりそうな・・。 「遊就館」で実物にお目にかかった「ドイツ馬術徽章」というのがありますが、 「SA」にも同じようなバッジがあったことを発見しました。綺麗なケース入りです。 本書はシッカリした函入りで高級感があります。その厚さ8.5㎝・・、もちろん重さも充分。。 amazonではこの8ヶ月ほどの間に2000円ほど値上がりしていますね。 Vol.2は、NSKK、NSFK、DAF、RAD、そしてSSと警察、HJにBdMといった組織のようです。 さ~てと、いつ読むかなぁ。
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