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道尾秀介さん「光媒の花」

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光媒の花 (集英社文庫)

光媒の花 (集英社文庫)

  • 作者: 道尾 秀介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/10/19
  • メディア: 文庫
リレー形式の連作短編集です。さすがの道尾さんクオリティ(なんだそりゃ)。 「隠れ鬼」「虫送り」「冬の蝶」「春の蝶」「風媒花」「遠い光」の6つの短編が収められています。 認知症の母と暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した罪。心の奥に押し込めた、哀しみに満ちた風景を暖かな光が包み込んでいく。儚く美しい全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作 (出版社HPより) リレー形式と書きましたが、前の物語で脇役だった人物が次の物語で主役というように物語が続いていきます。次はどう繋がるんだろうという楽しみもあります。 子ども、若者、老人と年齢も性別も職業も違う登場人物たちの描き方がいいです。全体的に重い雰囲気ではあるのですが(道尾さんの作品に共通する部分ではあります)、ほのかに光も見えていて、そこが救いになっていると思います。 前三作と後三作とで感じる印象(陰影)がはっきりしている構成も読後感につながっていると思います。

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