17:0437 sora-mune 08/26/2013
渋谷さんの秋服買い
服を買いに裏通りに行く
自転車は揺れるのに様々が倒れない
夕空もATMも
スマートフォンに関しては
渋谷さんくらい敏感になり
一人前だ
三人前だと手のひらのなかで
物語るバス停になって
レジに並べば
ラジオの本がひらひらめくれて
民衆はどぎつく
一目散にソラをうち壊す
植物と猫は視ていて
連れ合いも優しい現実であるので
帰り道に人形をひもとく
稲妻が名を名乗れだと
そう云われても
海は季節を変えなかったわりに
細々とした近所付き合いが
まるで時刻を告げていた
服を買い替えると云って
二重に心配した地下牢から上げて
オーデコロン
オーケストラ
オーママママ
手紙を破いた
三番地には誰もいない
渋谷さんの忘れかけた帽子さえ視えないのに
昆虫の詩を書いた
歌っているのは
まだ幼い未生の草むらで
倒れているのは
信じがたい
新装開店の
たった二日後だった