| 友罪 作者: 薬丸 岳 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2013/05/02 メディア: 単行本 |
益田純一はジャーナリストを目指して出版社でバイトをしていたが上手くいかず
日雇いの仕事をしながら職を探していた。
やがて製作所で住み込みで働くことになった益田。
ほかにもう一人、鈴木秀人という益田と同じ歳の男性が入ってくる。
しかし鈴木はほとんど誰とも口をきかず人を避けているように見えた。
そんな鈴木だったが益田と話をするうちに少しずつ周囲と打ち解け合い
明るくふるまうようになっていった。
益田はある日、知人に頼まれ13年前におきた"黒蛇神事件"と呼ばれる忌わしい事件を
調べるうちに犯人の青柳という人物が同僚の鈴木ではないか?と疑い始める。
薬丸さんの新刊、今回も徹夜で一気読みでした。
ページをめくるの止められなかったです。
住むところがない益田は寮がある職場を探していてステンレス製品を製造する
製作所に面接に行きます。
同じ日に面接を受けた鈴木という男性と一緒に採用された益田は
同じ寮の先輩たちとも上手くやっていくのですが鈴木は人を避けていて必要なこと以外は
話そうとしませんでした。
そして毎晩ひどくうなされている鈴木。
いったい鈴木という人物はどういう人物なのか?といぶかる益田も忘れられない
苦しい過去にとらわれ生きていました。
そして製作所で事務職をしている藤沢美代子もまた何かから逃げるように
して生きています。
益田、鈴木、藤沢、何やら訳ありのこの3人を中心に物語は展開していくのですが
益田が中学生だった頃の13年前に起きた黒蛇神事件という悲惨な児童殺人事件が
絡んできます。
この事件の犯人は当時14歳の少年でした。
友達や恋人になった人が実は過去に凶悪犯罪を犯した人物だったら?
少年犯罪のその後を描いた重いテーマの作品でしたがいろいろ考えさせられる作品でした。
そして益田と鈴木の関係に泣けてきました。
最後の益田の鈴木へのメッセージは鈴木に伝わったかな?
涙、涙のラスト・・・。
あ~もう薬丸さん凄いな~
江戸川乱歩賞を受賞されたときからファンなんですけど、いつもいつも
楽しませてもらってます。