会社員の倉田太一は帰宅途中の駅のホームで電車を待つ列に割り込んだ
男を注意した。
一瞬、男と睨みあいになったが男は別のドアに移動した。
これで一件落着かと思われたが自宅の最寄り駅で下車した倉田は
何者かに尾行されていることに気づく。
さっきの男が着けてきたのだろうか?と尾行を振り切り帰宅した
倉田だったが翌日から倉田家への嫌がらせが相次ぐようになる。
電車の列に割り込んだ男を注意したことから倉田家は花壇を踏み荒らされたり
車に傷をつけられたりの被害が相次ぎます。
家族4人の平穏な暮らしが突然大きな不安に包まれてしまいます。
やがて家の中に盗聴器が仕掛けられていることもわかり倉田家は
穏やかな暮らしを取り戻すためにストーカーと対決する決意を固めます。
ささいなことから日常の生活が不安にさらされていく恐怖を感じました。
一方、倉田が勤務する会社では営業部長の不正疑惑の問題が浮上し
ストーカーに悩まされる倉田は会社でも問題を抱えてしまいます。
読み始めたときは逆恨みのストーカーと対決する物語だとばかり
思っていたんですけど倉田が出航している企業での問題も描かれていて
その部分がさすが池井戸さんといった感じでした。
一つの作品で二つ楽しめた感じです。