先日、上京して紀伊國屋書店に行ったときに、6歳の長女に絵本を好きに選ばせたらこれをもって来たので、非常にびっくりした。家の長女は恐ろしいくらい恐がりで、寝る時は真っ暗ではダメだし、扉に少しでも隙間があってはいけないし(隙間から何か入ってきそうでダメらしい)、並んで寝る時は端になるのは嫌だといって(これも何か来たときに盾となる人がいないといけないらしい)次女とのポジション争いを毎晩繰り返している。書店で平積みになってたので、目についたのだろうけど、見た目もとても怖そうだし、作者も水木しげるなので内容もきちんとした地獄の話なのに、もの凄く興味を持って何度も何度も繰り返し読んでいる。怖いけど面白いらしい。怖いもの見たさ、というのはこのことかともの凄く得心した。
お話は、水木少年がのんのんばあに連れられて、三途の川から閻魔様の前を通って八大地獄と極楽を見開き一つずつ巡るというとてもシンプルなもの。鬼が罪人の体を物理的にめちゃめちゃにしまくってる絵のオンパレードだが、不思議と不快感を感じさせないのは、画力のみならず水木先生の人柄みたいなものが出てるからだろうか。場面によっては鬼よりのんのんばあの表情の方が怖く見えるのが面白い。
言うまでもなく、絵がとても良い。書き込み多いのにごちゃつかず見やすく細部にもいろいろ見所あり、飽きない。個人的には、水木しげるの美人画を見られたのは収穫。あと、帯にもアオリがあるようにねずみ男が罪人の中に紛れていて、それを探すのも楽しい。長女は、ねずみ男を知らないのに、私より先に見つけたのでこれまたビックリした(他の罪人とは明らかに違って見えたらしい)。
地獄系(?)の絵本の中では、私はこれが一番好みです。超おすすめ。
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