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「暗くて静かでロックな娘」平山夢明著:腐った胸糞が悪くなる短篇集!それが魅力!

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暗くて静かでロックな娘

暗くて静かでロックな娘

  • 作者: 平山 夢明
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/12/14
  • メディア: 単行本
7.3点 平山夢明の短篇集は、人間の醜さ、身勝手さに溢れ、ドロドロと救いが無く陰惨な気分に させてくれたり、ドブ川や公衆トイレの腐った臭気が漂って来そうな話が多いけど、 特にこの短篇集は、その傾向が強い。 精神的に元気じゃないと、読むのが辛い話が多かった。 まぁ、それが平山夢明の魅力でもあるのですが(^^;)。 10篇の短編を収録。 ●「日本人じゃねえなら」アル中で自堕落で生活が崩壊している男と、孤児の兄妹の話。 「差別」がテーマにあるけど、人間性とか、そういうのを考えられさせる、切ないけど、後味の悪い話。 ●「サブとタミエ」自殺未遂で寝たきりになった男に、女を寝取られた男の話。 ●「兄弟船」麻薬でおかしくなってしまった兄と、その兄を憎む弟の話。 確かに、自分の不幸を他人のせいにしてる限り、人は救われないんだよね。 ●「悪口漫才」交通事故で子供を轢き殺し、警察に連絡するまでに葛藤を描いた話。 ちょっとした事で不幸はやってくる・・・そういう怖さと、なんかこう胸が悪くなる人間の奥底にある 嫌な感情を感じる話。 ●「ドブロク焼場」火葬場が舞台の話。子供2人の葬儀を立て続けに行った母親の、ある奇行の意図は。 ●「反吐が出るよなお前だけれど」聞くに耐えないような罵り合いをしながら、反吐がでるような ラーメンを出すラーメン店の夫婦の話。 「ラーメン二郎」や、現在のグルメブームをちょっと揶揄している。 ●「人形の家」パチンコ狂の男と、自殺願望が強い女の話。 ●「チョ松と散歩」いじめられっ子のチョ松が、爆破される煙突を見に行きたいとゴネる。 それに付き合った主人公は・・・。 きっとこの短篇集の中では、一番ほのぼのする話。 ●「おばけの子」娘を持つ母と、内縁の夫。 本当にこういう事がありそうな、児童虐待の話を、虐待される娘の視点で描く、辛い辛い辛い話。 周囲の行動や、行政の対応も、ありそうなのが、また辛い。 ●「暗くて静かでロックな娘(チャンネー)」目と耳が不自由な美少女ロザリンド。 何故か彼女に気に入られた男は、自堕落な生活を改めようとする男が・・・。 児童虐待の話「おばけの子」は、本気で辛い! 「日本人じゃねえなら」も、同じように救いがない。 救いがある話でも、ドヨーンと重い何がが残る。 人間の嫌な部分、醜い部分、それらを中心に描いた、どす黒くて、どよ~んとした作品が 多いなか、2編だけ救いが。 短篇集に出てくる男は、仕事もちゃんと続かず、自堕落で、不潔、アル中だったり、 ギャンブル狂だったり、心の中は悪くないけど、頭がいかれてたり、どうしようもないのが多いんだけど、 それを優しく受け入れ寄り添う女性(それも美人だったりする)が出てくる話が多い。 「どんなダメな自分で受け入れてくれる女性」って、男の人の夢なのかな? でも、女性である私には違和感(^^;)。 点数が若干低めなのはそのせい。 どよどよとどす黒い嫌な気分になりたい人、もしくは平山夢明が好きな人にお勧め(^-^)ノ。

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