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鬼平犯科帳 (十二)

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土曜日は月一のお教室のために上京。 その移動途中でさくっと読了。 結構ノリノリです。^^

若き頃の平蔵と左馬之助は、道場で『三羽烏』と呼ばれていた。 そのもう一人が又兵衛という。 あれから幾星霜・・・。 盗賊となった又兵衛と火盗改方となった平蔵が二十数年ぶりに出会い、壮絶な対決となった。 また、平蔵の下で働く密偵たちのちょっとした遊び心で盗みに入ろうと画策する・・・。 男装の女剣士が女郎を身請け!? などなど、全七編。

今回も面白く、さくっと読み終わってしまったけれど、面白かったのが『密偵たちの宴』。 彦十をはじめとする平蔵の密偵たちが、本物の盗め(つとめ)をもう一度やりたい。 そこでとった金は火付盗賊改方の軍資金にするという。 うまくいったかのように見えた盗め、密偵たちは大喜びだったが・・・お雅から聞かされた平蔵からの言伝に、みな驚愕する・・・という姿が、何とも言えずおかしく。 結構お茶目な人たちだなぁというのが一番の印象であった。

最後の話で、平蔵が疲れをいやすために久栄と一緒に熱海に旅立つシーンがある。 ドラ息子(バカ息子?ともいう)である辰蔵が両親をひょっくらかし、見送るのだが、その目に熱いものがあふれそうになっていて、それを見た佐嶋も同じように熱いものが込み上げてきた・・・というシーンは、ちょっとじーんと来た。 放蕩息子であるが、やはり親を大切に思っているんだなぁというのが実によくわかった。 そして部下からも愛されている、ということが良くわかった。

平蔵に人柄があってこそ、密偵も同心たちもついてくるのだと思う。 こういう上司がいてくれたらいいのになぁ・・・。

おススメ度: ☆☆☆☆☆

鬼平犯科帳〈12〉 (文春文庫)

鬼平犯科帳〈12〉 (文春文庫)

  • 作者: 池波 正太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2000/08
  • メディア: 文庫



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