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ヒュペーリオン

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 「ヒュペーリオン」 ヘルダーリン作 青木誠之訳 (ちくま文庫)  ギリシアの一青年が、友情や恋愛や戦争体験を通じて自己形成する物語です。  32歳で発狂した作者の代表作です。哲学小説的な要素が多い作品です。  ちくま文庫から出ています。訳は新しいのですが、分かりにくい文体です。  387ページのうち、本文は300ページ。値段は1365円。少しお高いです。

ヒュペーリオン ギリシアの隠者 (ちくま文庫)

ヒュペーリオン ギリシアの隠者 (ちくま文庫)

  • 作者: ヘルダーリン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2010/07/07
  • メディア: 文庫
 ギリシアのヒュペーリオンから、ドイツの友人への手紙という形をとっています。  ヒュペーリオンには、「かなたへと越えてゆく者」という意味があるそうです。  さて、最初の重要人物は、教師のアダマス。  二人は、プラトンとアステールの関係だといいます。要するに、そういう関係。  次の重要人物は、旅で知り合った英雄的な青年アラバンダ。  二人は、抱擁したり口づけしたりしています。要するに、そういう関係。  次の重要人物は、美しいディオティーマ。今度はちゃんとした女性!  二人の愛は、熱く燃え上がります。しかし、アラバンダからの呼びかけで・・・  物語としては面白いと思うのですが、決して読みやすい小説ではありません。  感情的な表現が多くて、話が分りにくくなっているのです。  感嘆文が多いです。「おお、至福の自然よ。」「おお、聖なる日々よ。」とか。  こんな文体で手紙を書くなんて、普通は恥ずかしくてできません。  若さゆえの特権でしょう。  ヒュペーリオンには、青二才の激しい思い込みと、無意味な興奮があります。  実際、彼の行動は、極端から極端に走って、とても危なっかしい。  でも、そこがいいのかもしれません。  すでに46歳のおじさんである私には、とてもついていけない気がしましたが。  というわけで、好き嫌いが分かれる作品です。  青春真っ只中という人は、どうぞ。  さいごに。(東京スカイツリー)  東京はやはり暑かった!  ホテルの廊下から、スカイツリーが見えたので、思わずパチリ。 CA3K00100001.jpg

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