小野不由美さんの「丕緒の鳥 十二国記」を読みました。
十二国記シリーズ、12年ぶりに出た、ファン待望のオリジナル中短編集です。
単独で読むより、既刊の十二国記シリーズを読んでいたほうが、読みやすいと思います。
丕緒の鳥 「yom yom vol.6」2008/3 四百字詰原稿用紙100枚ほどの中編。悲しく美しい物語に涙しました。慈しまれた世界がすばらしい。十二国記シリーズの文庫を古本屋へ売ったのを後悔させられました。
落照の獄 「yom yom vol.12」2009/10 死刑の是非を問う、やや難解な中編。
青条の蘭 書き下ろし 国を救おうとする主人公のひたむきさに涙しました。書き出しとラストのリンクが絶妙。昨今の現実の水害が重なります。
風信 書き下ろし 前三作に比べやや軽い短編のようですが、現実の災害が重なり、深く考えさせられました。
2002年にNHKのアニメを見たのがきっかけで、十二国記シリーズを読みました。
数年前に再読し、十二国記は卒業だと、一番前向きで好きだった「図南の翼」だけを残し、講談社ホワイトハート文庫を古本屋へ売ってしまいました。
2012年の7月から新潮文庫完全版の刊行が始まり、2013年7月にyom yom(小説新潮別冊)に掲載された二作に書きおろし二作を加えた、12年ぶりのオリジナル短編集「丕緒の鳥」が刊行されました。
2013年9月以降も刊行がつづき、書きおろし長編も予定されていて、楽しみです。
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