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『島はぼくらと』 辻村深月

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さわやかです。夏に読むのにぴったり。

瀬戸内海に浮かぶ島に育った4人の幼馴染。
彼らの周りで起きるさまざまな出来事が
描かれています。

自分の立場を理解して
やるべきことをきちんと引き受ける
衣花は毅然として前を向いてます。
すてきな女の子です。
幼馴染の4人は再び島に集合しそうですね。

辻村深月はうまいので
清々しい物語もさらりと書いてしまう。
しかし、過去の作品を読んでファンになった
わたしのような人間にはやさしすぎて物足りない。
持ち味が生かしきれてないような気がする。
この作家さんだったら4人の高校生の内面に
もっと深く切り込んでいけたのではないのかな。
「島」の問題に力点を置いたから、
人物描写はさらっとした感じにおさえたのでしょうか。

幅広い読者にアピールするために
口あたりのいい物語に仕上げたのかな
などと不満げにつぶやくなんて
まるで応援していたバンドがメジャーになって
なんだか遠くにいってしまったようで
寂しく感じる古参のファンの言葉みたいだわと
思わず苦笑する次第でございます。
ましてや私は「古参」でもないのにね。
スイマセン

先入観なしに読めば
とてもよくできた青春小説だと思います。

島はぼくらと

島はぼくらと

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/06/05
  • メディア: 単行本

以下、未読の方はご注意を

 

 

 

『スロウハイツの神様』が大好きなので
彼女の登場のインパクトに目を奪われて
物語のバランスが崩れたように感じてしまった。
お会いできてうれしかったけれど。

「飯館村」が彼の故郷となっていたので
いつかきっとどこかで触れてくれるのではないかと
思っていましたが、この作品だったのですね。

ふたりの関係が変わらないものであることが
窺えてあたたかい気持ちになりました。
よかった。


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