木本正治『香港の水』読了。
国際貿易促進協会の機関紙かなあ、昔の海外駐在員は必ず読めといわれた本だ、と書いてあったの。即図書館で予約して読んだが、確かに古い。ほとんどの海外駐在員たちが戦争経験者でしかもあまり年寄りではない時代のことだ。当時香港はまるっきりイギリス領だが、住んで活躍しているのはかつて日本と戦争をし、またうぶな日本人にとってはあまりに老獪な華僑たちだ。『慕情』がリアルタイムで上映されているようだし。現在の駐在員生活とは雲泥だろうが、根底に流れている精神は読むべきものがある。
万城目学『ザ・万遊記』読了。
言わずと知れた『鹿男……』『プリンセス……』『鴨川……』と立て続けにヒットを飛ばす京大文学の雄のエッセイ集。何というか、ほどよく力が抜けていて、しかもずるいことに関西人としてのすばらしい素地をお持ちで、うらやましい。佐々木蔵之介や綾瀬はるかが出た『鹿男……』見たくなったりして。
masutaroさんのブログで、万城目さんがとてもひょうたん好きだと知ったので、もう少し書かれているかなあと思ったら、ひょうたんについては一本だけだったのは、ちょっと残念。
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