2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2218ページ
アメリカとアメリカ人―文明論的エッセイ (平凡社ライブラリー)の感想
多面的で注意深い観察と深く客観的な考察、アメリカ理解に大変役に立つエッセイ。現代にも、そして現代の日本にも通ずる部分があるように感じる。ぜひお勧めしたい一冊である。
読了日:7月27日 著者:ジョン スタインベック
アンの幸福―赤毛のアン・シリーズ〈5〉 (新潮文庫)の感想
高校の校長として新しい土地に赴任した3年間の話。多くの人に幸せを運ぶ、素敵な女性に成長している。登場人物の中ではこれでもかと心配事を並べ立てる未亡人(「~しないかと心配しているのですよ」という言い回しもおかしい)が一番気に入った。相変わらず村岡氏訳のきれいな日本語でつづられ、読んでいて心が洗われる気がする。来年のNHKの朝ドラは村岡氏を描く作品だそうだ。主演の女優は本も読まずに制作発表に出席していたようだが、多くの村岡ファンをがっかりさせないように演じてほしいものだ。
読了日:7月26日 著者:ルーシー・モード モンゴメリ
スタインベック短編集 (新潮文庫)の感想
短編は難しい、常々私が思っていることである。どう解釈してよいか悩む短編があるが、特に彼の作品はそう深く考えず、感じるままに読むものなのかもしれない。彼の生まれ故郷サリナス付近の風景もよく登場し、日差しや空気の温度、湿気の具合、木々や植物など織り込まれ、より人間の本質に迫る手助けとなっている。
読了日:7月19日 著者:スタインベック
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)の感想
以前読んだつもりになっていたが、原書を購入し早々に挫折していたのであった。というわけで、改めて日本語で読んだ。精一杯頑張ることが両親の期待に応えるのだという使命感をもって生きてきた主人公。しかしながら、親というものは子供がただただ元気でいてくれることだけで十分幸せなのだと気が付く。人生にはこういうことはよくあるなと思う。複雑にがむしゃらに考えがちな諸々は実は至ってシンプルですぐ目の前にあったりするものである。
読了日:7月13日 著者:カズオ イシグロ
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)の感想
久々、イシグロ作品を手に取った。”ノスタルジー”に”初老もの”というキーワード、彼らしい作品だった。戦後、体制の変化に翻弄される中、周りの人々の態度の変化から自身の信じたことや行動が若く尊い命を奪うことに遠からず加担としたかもしれないと感じる。同胞にはその償いとして自殺するものもあったが、彼はそのことを真正面から認め、反省し、生きていくことを選択する。日本語に関しては、オリジナルの持つ要素をそのまま保った非常にいい訳が充ててあるのではないかと思う。
読了日:7月7日 著者:カズオ イシグロ
遠い声遠い部屋 (新潮文庫)の感想
このワールドに慣れるまで少々読みづらさを感じたが、いったん慣れてしまうとあっという間に引き込まれる。後半以降、特にランドルフの語りは哲学であり、非常に共感できるものがあった。ちなみに原題は"Other voices, Other rooms"。いい邦題がつけてあると思うし、"other"に対応する日本語として覚えておきたい。*"other side of the world":「はるか遠い国」
読了日:7月3日 著者:カポーティ
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読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2218ページ
アメリカとアメリカ人―文明論的エッセイ (平凡社ライブラリー)の感想
多面的で注意深い観察と深く客観的な考察、アメリカ理解に大変役に立つエッセイ。現代にも、そして現代の日本にも通ずる部分があるように感じる。ぜひお勧めしたい一冊である。
読了日:7月27日 著者:ジョン スタインベック
アンの幸福―赤毛のアン・シリーズ〈5〉 (新潮文庫)の感想
高校の校長として新しい土地に赴任した3年間の話。多くの人に幸せを運ぶ、素敵な女性に成長している。登場人物の中ではこれでもかと心配事を並べ立てる未亡人(「~しないかと心配しているのですよ」という言い回しもおかしい)が一番気に入った。相変わらず村岡氏訳のきれいな日本語でつづられ、読んでいて心が洗われる気がする。来年のNHKの朝ドラは村岡氏を描く作品だそうだ。主演の女優は本も読まずに制作発表に出席していたようだが、多くの村岡ファンをがっかりさせないように演じてほしいものだ。
読了日:7月26日 著者:ルーシー・モード モンゴメリ
スタインベック短編集 (新潮文庫)の感想
短編は難しい、常々私が思っていることである。どう解釈してよいか悩む短編があるが、特に彼の作品はそう深く考えず、感じるままに読むものなのかもしれない。彼の生まれ故郷サリナス付近の風景もよく登場し、日差しや空気の温度、湿気の具合、木々や植物など織り込まれ、より人間の本質に迫る手助けとなっている。
読了日:7月19日 著者:スタインベック
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)の感想
以前読んだつもりになっていたが、原書を購入し早々に挫折していたのであった。というわけで、改めて日本語で読んだ。精一杯頑張ることが両親の期待に応えるのだという使命感をもって生きてきた主人公。しかしながら、親というものは子供がただただ元気でいてくれることだけで十分幸せなのだと気が付く。人生にはこういうことはよくあるなと思う。複雑にがむしゃらに考えがちな諸々は実は至ってシンプルですぐ目の前にあったりするものである。
読了日:7月13日 著者:カズオ イシグロ
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)の感想
久々、イシグロ作品を手に取った。”ノスタルジー”に”初老もの”というキーワード、彼らしい作品だった。戦後、体制の変化に翻弄される中、周りの人々の態度の変化から自身の信じたことや行動が若く尊い命を奪うことに遠からず加担としたかもしれないと感じる。同胞にはその償いとして自殺するものもあったが、彼はそのことを真正面から認め、反省し、生きていくことを選択する。日本語に関しては、オリジナルの持つ要素をそのまま保った非常にいい訳が充ててあるのではないかと思う。
読了日:7月7日 著者:カズオ イシグロ
遠い声遠い部屋 (新潮文庫)の感想
このワールドに慣れるまで少々読みづらさを感じたが、いったん慣れてしまうとあっという間に引き込まれる。後半以降、特にランドルフの語りは哲学であり、非常に共感できるものがあった。ちなみに原題は"Other voices, Other rooms"。いい邦題がつけてあると思うし、"other"に対応する日本語として覚えておきたい。*"other side of the world":「はるか遠い国」
読了日:7月3日 著者:カポーティ
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