最近は、優業よりも脚本家や演出家としての活躍が目立っている西やんですが、
小説も書いてたんですね!
少し前に知っていたのですが、この夏、その小説の登場人物をメインにした舞台が
上演される・・・ということで、
舞台を観に行く前に、本の方も読んでおくことにしました。
【小野寺の弟・小野寺の姉】(西田征史)
やー、面白かったです。
ほっこりした何気ない日常…系のお話なのですが、
わざとらしい(押しつけがましい)ところがなくて、
ありきたりのほのぼの小説ではないところが気に入りました。
・
”40代に入った姉と、30代中盤の弟” という
小野寺姉弟たちの年齢設定が、なんとも味があるのですよね。
そんな年齢の姉弟の、何気ない日常の風景が描かれています。
普段はお互い干渉しないで暮らしているように見えて、
実はしっかり「家族」という確固たる空気を共有して繋がっているんだなぁ・・てのが、
それぞれの章のエピソードから、徐々に徐々にわかってくるの。
後半では、思わずジンとしてほろりとさせられました。
弟は姉の幸せを、姉は弟の幸せを、一番に考えている そんな二人。
私が姉だったら、こんな弟が欲しいし、
私が弟だったら、こんな姉が欲しいと思う。
「無言でも間がもってしまうのが家族というものなのだろう」
という一文が表しているその空気が、とてもよくわかって、とても好きだな。
観に行く予定の舞台の配役は、姉(より子)=片桐はいりさん、弟(進)=向井理さん。
キャラクターとして、より子・進は出てくるけれど、ストーリーは小説とはまるで違うんだそうです。
西田さん曰く「小説で描いた時間の先の物語を舞台として新たに描きます」とのこと。
小説のその先の二人に、舞台で会えるのがとても楽しみです。