『9割の病気は病気ではない!』 岡本裕 2010/11 著者は医学博士。 「ウソの病気」増加が医療問題の根幹にあるという本。 外来患者の10人に9人は来なくてもいい人。それらを「ウソの病気」と呼ぶ。医者がかかわってもかかわらなくても自分で治せる病気、医者を必要としない病気のこと。メタボリックシンドロームなどが典型例。ただの食べすぎ+運動不足である。 ウソの病気は他に、風邪、消化器疾患、不眠症、抑うつ、便秘、腰痛、膝痛、アトピー、ぜんそく。予防可能で、なったとしても的確な知識で誰でも自分で元に戻ることができる。 現在、国民医療費の1/3が生活習慣病関連に費やされている。ウソの病気全体で医療費の半分以上を占めている。 日本はOECD諸国内で医師数の少ない国である。しかし医師数1位、日本の2倍のギリシャでも医師不足が叫ばれているので、単純に医師の数を増やしても意味がない。 ウソの病気が多すぎて、日本の医師は自分のやりたい本当の医療ができない。医師が増えても「病人」が増えるだけで、無医村や救急医療、難病の問題解決にはならない。 医療危機を救うには、ウソの病気をなくすしかないと述べる。ウソの病気には診療報酬点数をはずすべきだという。 病気と健康の境目は無い。あるのは度合いの差だけ。全員病気と言うことだってできる。 がん患者のほとんどはストレスに打たれ弱い人だという。「いい人」ほどかかりやすい。がんサバイバーから得られる教訓は、①嫌なことには「NO」と言う。 ②自分のしたいことをする。 ③何事も突き詰めない。 だそうだ。
↧