禁 DISALLOW―硝子の街にて〈12〉 (講談社X文庫―ホワイトハート)
- 作者: 柏枝 真郷 画:茶屋町 勝呂
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/11
- メディア: 文庫
一九九九年最初の日。伸行はハドソン川に浮かぶ越年クルーズの遊覧船のデッキで迎えた。シドニーも犯罪多発地帯のNY市警殺人課に勤務する。二人そろって新年を過したのは午前三時を回ってからだった…。ツアーガイドのノブは、日本からの観光客の多いこの時期はことのほか忙しい。だが、シドニーは、しばらくNYを離れることを告げる。シドニーは何処へ、何をしに行くのか?ノブの心は揺れる。どこまでもピュアなNYラブストーリー。(講談社X文庫・ホワイトハートより) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 作品お気に入り度 ★★★★☆ 挿絵お気に入り度 ★★★☆☆ 感想。。。 ずっと書かれていなかったシドニーの隠された心の部分が明かされていた巻。 何だかズシーンと重みを感じる巻でもありました。 ノブが日本・東京に戻った時も2人が別行動で物語が進められた話がありましたが、今回は2人が別行動というのが、読みながら何だかとても不安でした。 シドニーの精神面が・・・。 なので、ノブが追いかけ、2人が出会うシーンは心底ホッとした。 いつもはサラリと書かれている2人の愛し合ってる場面も茶屋町さんの濃厚なイラストが入り、離れていた2人がどれほど心細かったのかが感じられて、何だかジーンとしてしまいました。 今巻で起こる事件はシドニーが一人、苦しんでいた精神部分が形で見せられたような結末で、ベス1世、2世の話も含め改めて「死」というものの意味を、重く深く考えさせられました。 全体的に重々しい展開でしたが、それまでギクシャクしていたシドニーとシドニーのお母さんの関係も少し緩んだような場面もあり、少し心が和みました。 また、事件解決後、気になっていたアレックスが、シドニーの家で暮らせるようになれた事も安心しました。 ほのかに優しい空気を感じて読み終えられて良かったです。 ***** シリーズ既読感想 ・矢 ARROW-硝子の街にて 11 ・烏 CROW-硝子の街にて 10 ・渦 BILLOW―硝子の街にて 9 ・宵-AFTERGLOW-硝子の街にて 8 ・燕-SWALLOW-硝子の街にて 7 ・空-HOLLOW-硝子の街にて 6 ・朝-MORROW-硝子の街にて 5 ・家-Burrow-硝子の街にて 4 ・虹-RAINBOW-硝子の街にて 3 ・雪-SNOW-硝子の街にて 2 ・窓-WINDOW-硝子の街にて 1