久しぶりになりました。7月に入って初めて書きます。
前に少し風邪をひいてしまい(それも二週間ぐらいひきずって)、休養をとったり、体調管理に神経質になってしまいました。
前に読んだ本「ネット・バカ」の影響もあるのか、ネットより、本や現実生活の方に気持ちが行っています。
ということで、最近読んだ本の覚え書きです。
「きよしこ」 重松清 新潮社
精神的に少ししんどくなった時など、重松さんの本が読みたくなります。
吃音の少年が主人公ということで興味を持ちました。
吃音の少年の母親からもらった手紙への返事のような形で書かれた小説のようです。
著者自身も投影されているような少年の話だが、"励まし"みたいなものがないのがいい。
「お話にできるのは『ただ、そばにいる』ということだけ」という言葉通り、それがすごく心地良かった。
(「ぼくはぼくで、君は君だ。君を励ましたり支えたりするものは、君自身の中にしかない」という言葉も印象に残った)。
最初の「きよしこ」と「乗り換え案内」の話は、吃音のテーマがわりと出ている話だが、それ以降は、少年が吃音だとほとんど意識しなくなって、普通の学校生活での友情や悩みにとても共感した。
大事なのは"気持ち"であって、それを伝える手段が少し不便なものであっても伝わるのだ。ということが伝わってくる、心温まる話ばかりだった。(押し付けがましさがないのがやっぱりいい)。
気に入っているのは「乗り換え案内」と「北風ぴゅう太」。
あと、(以前読んだ「エイジ」もだけど)表紙の装画(挿画も)がイメージで味があって好きです。
「森に眠る魚」 角田光代 双葉社
前に読んだ「八日目の蝉」がわりと良かったし、現代ものをまた読みたくなりました。
子どもの教育に翻弄される親を描いた話、というのを前に少し見て興味を持っていました。
でも、教育というのが幼児教室や小学校受験という、思った以上に低年齢で驚いた。
一部の人たちだけの話だと思っていたが、今は普通になりつつあるのかな。(小説は1996年から2000年の話)。
読みたかったものと少し外れていて、教育でも、自分の価値観や考え方と違うので、別世界のように読んでいた。
でも、最初は登場人物も、そういうタイプではない感じだったのだ。
五人が"ママ友"になって、ほんの些細なことから、誤解や嫉妬が生まれて、仲がおかしくなっていく。自分でもわからないうちに巻き込まれていくのがリアルだった。
似たような感情もあって、共感できるが、心理描写に新しい発見みたいなものはなくて、終わりの方は流し読みになりました。