「深夜プラス1(ワン)」 ギャビン・ライアル作 菊池光訳 (ハヤカワ文庫)
エージェントのケインが、依頼人をリヒテンシュタインへ送るまでの物語です。
ハードボイルド小説の最高傑作とも言われ、とても人気のある作品です。
現在、ハヤカワ文庫から出ています。テンポが良く分かりやすい訳です。
最近カバーがカッコ良くなりました。私が読んだ本は、限定カバーでした。
エージェントのケインが受けた依頼は、実業家をリヒテンシュタインまで送るというもの。
その目的は明かされません。
ただ、依頼人は一刻も早く着かなければならない。一方でそれを妨げる連中がいます。
ケインの相棒は、ガンマンのハーヴェイ。彼の腕は、ヨーロッパで3番目。
途中、殺し屋から狙われ、警察に追われながら、目的地を目指しますが…
もし、「サイコーにカッコイイ小説は?」と聞かれたら、私は迷わずこの本を挙げます。
今まで読んだ本の中で、最もカッコイイ小説です。
主人公のケインが、めちゃくちゃクールでカッコイイ。
そして、ハーヴェイがまた、いい味を出しています。
ハードボイルドな文体も簡潔でカッコよく、セリフがまたカッコいい。
そして、物語は淡々と語られながら、時々あっと驚く展開をします。
この小説に、多くの説明は要りません。
読めば分かります。
私がこの本を読んだのは、2~3年前です。
きっかけは、そのころ話題になっていた成毛眞の「本は10冊同時に読め!」。
「この本で紹介するのは、『庶民』から脱するための読書術である。」(P4)
とあるように、上から目線で嫌味ですが、内容は実に面白い。
「冒険小説マニアから見ればこの2冊を読んでいない人はもはや人間ではなく、
『人間のようなもの』と呼ばれるぐらいである。」(P162)と書いてあります。
「この2冊」とは、「深夜プラス1」と「鷲は舞い降りた」です。
「鷲は舞い降りた」は、ちょうど今読んでいるところです。
さいごに。(飲み会での話題の続き)
男4人で話している時、私が「妻のは新車だけど、俺のは中古車だ」と言ったら、
「うちもだよ」「うちもだよ」と2人が言い、残る1人は「いいなー」と言いました。
なぜうらやましがるのか、と聞いたら…
「うちは、妻の新車が古くなって、妻が買い換える時に、それが俺のものになる。
だから、中古とはいえ、自由に車を選べる君たちが、うらやましいよ。」
深夜プラス1 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 18‐1))
- 作者: ギャビン・ライアル
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/04
- メディア: 文庫
本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)
- 作者: 成毛 眞
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2008/01/21
- メディア: 文庫