桜井章一負けない技術雀鬼20年間無敗の秘密
しぶい面持ち。
タバコが似合う。
伝説の雀鬼として有名な桜井章一氏。
著書も多数あり、内容はマージャンだけに限らず、勝負論から人間としてのあるべき姿まで多彩です。
10万部突破のベストセラー待望の第二弾として刊行された「負けない技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」 ですが、少しのぞき見してみました。
勝ちにこだわるから欲望に支配され、醜く、卑しくなる。「かっこよく負ける」ことが結果として「負けない」に繋がるのだ。雀鬼の勝負哲学に「本当の強さ」を学ぶとあります。
どういうことなのか?
この本では桜井氏は、「桜井は「勝ちたい」という気持ちは「欲望と同じで限度がない」として、「負けない」という気持ちの大切さを強調しています。
確かにその通りだ。
勝ちを意識するあまり、力みが生じたりプレッシャーになったりする。
テレビを通して、スポーツなどを見ていれば誰の目にも明らかである。
「『負けない』ということは『勝ちたい』より純粋であり、余計な考えも入らずプレッシャーを感じることもなくなる」のだそう。
それも納得できる。
じゃあ、「負けない」ようにするにはどうすればよいのだろう。
「人が『負けない』力をつけるには、自然界の中にいる動物たちのように変化に対する動きと感性を磨くことである」と述べています。
言葉では理解できるけど、体得するのは非常に難しく誰でもできるというわけではなさそうです。
キーワードは「シンプル」、「潔さ」、「受ける」、「気づき」、「本能を鍛える」、「体構え」、「精神的ゆとり」でしょうか。
まず体ありき、体を整えることで心が整う。
自然に親しみ身近に感じることにより本能を鍛える。
相手に合わせる、感じることにより気づきを得る。
良いものも悪いものも、一度経験し肥やしにする。
シンプルであり潔さを持つことで自分をパワーアップさせ、自分の行動に納得がいくようになる。
感性が高まり俯瞰できるようになる。
とりあえず流したところでの自分なりの理解をした。
よしもとばなな氏さん「あはらゆる角度からほんとうのことしか書いていない本だと思う」とコメントしている一冊です。
桜井章一氏の「負けない技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」 ぜひ深読みしてみたいと思います。
雀鬼・桜井章一章一の世界というサイトを見つけました←←ご参考まで
本日もありがとうございました。
桜井章一負けない技術雀鬼20年間無敗の秘密
桜井章一負けない技術雀鬼20年間無敗の秘密
りぽぐら! / 西尾 維新
師匠の新刊は、結構おもしろかったよ・・・の巻
我が中山康樹師匠の昨年11月に出た新刊「ブリティッシュ・ロックの真実」
古城のロマンス (ベティ・ニールズ) R-0445
ハーレクイン・ロマンス R445 著者 ベティ・ニールズ 訳 三木 たか子 発売日 1986年2月20日 ページ数 155ページ ISBN 4833504456 内容 セント・クレア病院胸部外科の看護婦ユージニアは 同じ病院の内科医ハンフリーと婚約して一年半になる。 けれどもハンフリーの重い腰は、いっこうに上がる気配がない。 条件がすべてそろわなければ結婚式は挙げられない、 もっと貯金を殖やさなくては、と彼は言う。 だが、好きなものも買わず、ひたすら倹約に努める毎日なんて、 こんな生活、なんとなく味けない。 ある日ユージニアは、同じ胸部外科の医長ドクター・グレンフェルから 思いもかけぬ申し出を受けた。 「ポルトガルで手術がある。 いっしょに行ってくれないか?」 Amazonの紹介ページです。
職業治験 治験で1000万円稼いだ男の病的な日々
【職業治験/八雲星次/13年9月初版】 『私はある日、親に涙ながらに訴えられた。「どんな仕事でもいい。アルバイトだっていい。星次が好きなことなら何でもいい。頼むから働いてくれ。近所からなんて言われているかお前知っているのか・・」と。「訳の分からない薬ばかり飲んでお金を貰い恥ずかしくないのか・・」と。』 うまく治験をつなげると、年間160万円ぐらいの収入になるようです。生活保護の単身が150万円なのでほぼ同額レベル。ただし「臨試協4ヶ月ルール」がプロ治験者の前に立ちはだかります。前回の治験から4ヶ月たってないと治験に参加できない。抜け穴は臨試協非加盟病院での治験や、海外治験だそうです。 治験は4段階のステージがあると。第一相治験は薬の安全性を探る試験。動物実験で分からない副作用を調べます。著者が参加してるのはこれです。20代前半から40歳ぐらいまでの健康な者。報酬があります。 第二相治験は少数の患者に対して投与して、効果を調べます。一般的にお金は貰えないが治療費が無料になるそうです。 第三相治験は大人数の患者への投与です。これでよいデータが出れば厚労省へ提出できる資料となる。第四相治験は市販後のチェックです。薬の飲み合わせや食べ合わせ、アルコールとの併用など、予測できない副作用データの収集です。 治験はアルバイト情報誌には載らないようです。建前はボランティア。業者による金銭目的の誘導は禁止されているとのこと。報酬は「負担軽減費」だそうです。ボランティアで検索し、治験情報会社に登録し治験情報を閲覧しエントリー。待遇のいい治験なんかだと3倍とかの倍率になって、体の数字のいいものから選ばれるそうです。ただし治験のほとんどは関東でしか行なわれてないので、地方在住では参加は難しいと。 変り種の治験もあり、骨折(局部麻酔をかけて万力で骨折)は2ヶ月入院で80万円。胸を切り開いて人工心臓を入れる治験は1千万円! なんか聞くだけで痛そうです。 そういえば、人生初骨折しました。松葉杖です。2月に行きたいコンサートがあるのですが。。。とにかく生活が不便で、健康が何より大切だということを痛感しました。健康であれば好きなことが、自分の意思さえあればできる。 好きな酒を飲めないのも痛いです。予定済みの新年会を4件キャンセル。家でぽつねんと熱燗を飲んでたら、奥さんに「あんたは常識ないなぁ。骨折したら酒飲んだらあかん」と。 早く骨がくっつく薬があれば、治験したいです^^;1日でも早く自由に動き回って、誘ってくれた仲間と酒を酌み交わしたい。 飲みがなく、早く帰るので、読書量は増えそうですが^^ 以下に読書メモを。 <製薬業界> 全世界での医薬品の売上は80兆円。その20%、16兆円が新薬開発費用に回される。日本国内の医薬品業界の売上高は7兆円。それに対してファイザー1社の売上は6兆円。世界最大の売上高を誇る高脂血栓の治療薬「リピトール」だけで1兆円を超える。国内製薬メーカーでは、武田薬品の糖尿病治療薬「アクトス」の売上は3千億円、エーザイのアルツハイマー治療薬「アリセプト」の売上は2千億円。 製薬会社の特許は25年認められ、切れると他社のジェネリック医薬品が出回り安価になる。特許が切れる前に製薬会社は投じた資本を回収すると同時に、次なる新薬を開発する。しかし「薬九層倍」(原価1割儲け9割)は簡単には実現しない。全く新しい化学構造の新薬は年間10個程度しか生まれていない。 ちなみに世界最大の売上を誇ったリピトールの特許は2010年に切れた。 <胃がん> 世界の胃がん症例は約60万件。そのうちの50%強、約30万件が中国で発症している。中国の食品安全や強い酒(白酒)を飲む習慣、偽薬などが蔓延しているためである。その9割が半年以内に死亡している。ちなみに肝臓がんも欧米と比べて中国の発症率が非常に高い。 <売血ビジネス> 昔から血を売ることは蔑まれてきた。今でも中国では献血ではなく売血が行なわれており、400ccで百元(1300円)となっている。アメリカ、ドイツ、オーストラリアでも売血は行なわれており、その報酬は30ドルや、25ユーロとなっている。これには理由がある。血液製剤を作るための原料が、人間の血液からしか作れないからだ。 かつて日本でも売血は行なわれていた。血を売る人間は、ホームレス、肉体労働者、ヤクザなどで、当時は覚せい剤の静脈注射が蔓延しており、B型やC型肝炎のキャリアが相当いた。血の質は最低で薬害も蔓延した。 売血禁止のきっかけは「ライシャワー事件」。駐日米大使が、大腿を刺される事件が発生した。その手術で日本の売血由来の血液を使ったために肝炎に感染。政府は1969年に売血を禁止。モラルが期待できる献血のみとした。 「何人も有料で、人体から採血し、または人の血液の提供を斡旋してはならない」罰則は3年以下の懲役または500万円以下の罰金。 ぼくらはあんた達が欲しいものを持ってる 血が欲しいのかい? AC/DCでIf You Want Blood♪
「さよなら、アドルフ」
「さよなら、アドルフ」 原題: LORE
監督: ケイト・ショートランド 主演: サスキア・ローゼンダール
2012年/オーストラリア・ドイツ・イギリス/109分 @シネスイッチ銀座
ドイツ敗戦直後、ナチ高官だった両親は連合国軍に拘束され14歳のローレを頭に1歳くらいの乳飲み子を含む5人の兄妹が取り残された。周囲から冷たくあしらわれ居場所を失い、シュツットガルトから北のハンブルクまで(900Km?)祖母の家を目指して歩き始める。途中でユダヤ人虐殺とそれに父が関与していたことを知り最後の勝利を信じていたローレの心は大きく揺さぶられる。連合国軍によって分割占領された荒廃した土地を行くうちに一人の青年に助けられるが、彼はユダヤ人だった。幾多の死、理不尽な扱い、自ら犯した罪、心も体も傷だらけになっていくローレ。やっとたどり着いた祖母の家は・・・。
長女としての責任感を持ち続けたローレ、彼女を演じたサスキア・ローゼンタールの表情が素晴らしい。大物女優になること疑いなし。ただいくつか私にはよくわからない場面もあった。原題は主人公の名前のみ、日本版タイトルのアドルフはもちろんヒトラーなのだが、こういうタイトルがどうやってつけられるのか大いに興味がある。
少し早めに着いたので銀座通りを歩いたら、あれ? 伊東屋がない。ふと気がつくと松屋の裏手に看板が・・・、本店改築のため仮店舗で営業中のようだ。
映画館近くのカメラ店のウィンドウに新品のような「Nikon S3M 50mm f1.4付き」が飾ってあった。200万円以上の値段がついていたけど、桁の見間違い?
マタイによる福音書 7章13~14節
<狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。(13.14節)> 「人を裁くな・・・あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の丸太に気付かないのか・・・」と主イエスは戒められる。 隣人を裁き、非難を重ね、レッテルを張り、勝手に地位を定め交わりを制限する。そして、自らを正当化し評価してしまう。道ですれ違った人の服装さえも裁きの対象になる。無意識に人を断罪し選別する。 「主イエスが十字架に架かってまでも救おうとされたはずの隣人を裁きの対象にしてはならないのです」と森下牧師は説かれる。 また主イエスは「求めなさい。そうすれば与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門を叩きなさい。そうすれば開かれる(7章12節)」と祈ることが勧められる。 マタイ書5~7章は、山上の説教と呼ばれ、ルカ書6章の平地の説教とともに深い福音の教えの宝庫であると解説書は記し、特に12節は、神の深い愛を知る者は、他者に対して神の深い愛を実践すべきだと語る主イエスの教えの中でもよく知られた聖句であり、昔から黄金律(ゴールデン・ルール)と呼ばれている」と記す。 そして「聖書は人間に対して、素晴らしい約束を語ってくれている。問題はこの約束の言葉を聴くわたしたちが、愛に満ちた、力ある神のその約束を、本当に信じるかどうかにかかっている。主イエスのこの約束の言葉を信じて、共に祈っていきたいものである。」と続く。 今日の箇所は、二つの門について記される。兄姉が多かったせいか団体の中にいるのが楽でよく考えもせず、人の後についている。そういう者には狭くて細い真の門が目の前にあっても、潜って行くことはもちろん見いだすことさえできないと主イエスは言われる。 暗くて狭い道は先も見えず手探りで歩くしかないが、その時こそ導いてくださる神の手を知る機会かもしれない。必要以上に街灯がともる道では月光の素晴らしさを感じられないように。
かたき討ち [ 氏家幹人 ]楽天ブックス
『かたき討ちの歴史』 http://t.co/3DMEzFPugE #joqr
— ZKSHANA (@ma_ko0623) 2014, 1月 14
毎日拝聴している文化放送のくにまるジャパンの番組内でお話されていました。
ブラックユーモアがテンポよく炸裂していた感じで
思わずラジオの前に釘付けになった程です。
発売日:2013年10月02日
著者/編集:氏家幹人
出版社:草思社
- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 819 円
すごい人のすごい話 / 荒俣宏
御手洗の意地の悪い焦らし【上高地の切り裂きジャック】
2つの中編で構成されて本作。どちらも奇妙な気持ち悪さがある。事件の容疑者は存在するが、物理的にアリバイが成立しない状況であったり、閉ざされた密室から抜け出した幽霊の話だったり。状況が奇妙であればあるほど、興味を惹かれてしまう。特に表題作はグロテスクな描写もあり、御手洗が解き明かすのが死体にまとわりついたハエの分析というから、これまた強烈だ。
「山手の幽霊」は、御手洗だけがひとり確信を持ち調査しているので、まわりの人々は、ただ成り行きを見守るしかない。とんでもなく大掛かりな仕掛けだが、御手洗シリーズであれば、驚きも少ない。論理的な答えがあるものと思いつつ物語を読みすすめることができる作品だ。
■ストーリー
女優は腹を切り裂かれ、内臓を抜き取られ、かわりに石を詰め込まれた惨殺死体で発見された。いったいなぜ、何のために?そして密疑者には鉄壁のアリバイが…。“切り裂きジャック”が日本に甦ったかのような猟奇殺人に、名探偵・御手洗潔が挑む表題作ほか、横浜時代の御手洗が活躍する傑作中篇「山手の幽霊」も収録する。
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東京人間図鑑(☆☆☆)
水滸伝 二 替天の章
こんにちは本日おススメする本は 北方謙三さんの『水滸伝 二 替天の章』(集英社文庫)です。
この前のブログでは1巻を紹介させていただきましたが如何でしょうか? 最初なのに盛りだくさんではなかったですか?? これが20巻近く続きます。 どうしても途中で中だるみのような感じが出てしまいますが 1巻を読んで面白いと思った方には是非とも最後まで読んでもらいたいです。 北方版水滸伝は『水滸伝』の続編として『楊令伝』『岳飛伝』と続きます。 特に『水滸伝』から『楊令伝』と引き継ぐ流れは絶妙です。 私としては『水滸伝』の1巻から『楊令伝』の最終巻までを 『北方版水滸伝』と称しても良いと思います。 まだ単行本として刊行中の『岳飛伝』は4巻位までは読んだのですが 正直微妙です。 梁山泊よりも岳飛を中心に書いて時々梁山泊が絡むような感じが 良いのではないかなと素人ながら感じました。 今は宮城谷さんの著作や北方さんの水滸伝を再読?再再読??しているので 『岳飛伝』は単行本が完結して文庫になったらこのブログでも 紹介していこうと思います。 一応、『水滸伝』の感想をこのまま紹介していって『楊令伝』はもちろん 『楊家将』や『血涙』そして『史記』のレビューを終える頃には 『岳飛伝』の文庫が刊行されているのではないかと思います。 今現在このブログでは中国の歴史小説を主に取り上げていますが 基本的にはミステリやホラー、幻想文学から海外小説 そしてもっと軽いジャンルまで広く浅く紹介していくつもりですので 自然に中国の歴史小説を紹介する間隔も長くなったり短くなったりしていくかと 思われます。 さて前置きが長くなってしまいましたが 北方版水滸伝の2冊目です。 林冲が高俅や李富らの謀略によって牢に入れられ滄州へと流罪になります。 それを利用して同じく滄州の牢に閉じ込められている人間を救い出します。 そして今度は林冲は逃亡者という立場を逆手に取り 梁山湖の山塞の義賊に入山を求めます。 水滸伝の肝は梁山湖に砦を築き梁山泊を結成することなので 当然林冲は当然梁山湖の山塞に入山を果たし宋江や晁蓋が頭領となるのですが ここが北方版水滸伝の序盤の見せ場の一つと言えるかもしれません。 志を貫くには必ずしも正攻法というわけにはいかない。 善人を装って義賊の仲間である飲食店の店主に近づいたり これはと思った軍の人間にワザと失敗をするように仕向け 政府や軍に居づらくさせると同時に政府に反感を抱かせたりするやり方が この時からすでに始まっています。 最後に2巻に登場する人物で覚えにくいけど結構重要な人物達を 勝手に選んで紹介しておきます。 武松や楊志など嫌でも勝手に覚えるであろう人物は載せておりません(笑) 朱貴(しゅき):食堂の店主、梁山湖への連絡係。 薛永(せつえい):剣術も使えるけど人を斬るのが嫌いな薬師。 金大堅(きんだいけん):印鑑の偽造を担当。 䔥譲(しょうじょう):関所などを通る際に役人に見せる偽の書類や証明書を作成。 湯隆(とうりゅう):梁山湖の山塞の牢に入れられていた鍛冶屋。 候健(こうけん):表向きは仕立て屋だが諜報活動などをしている。PR: セールスパートナーとのコラボレーションサービス
青山娼館
トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ
<裏表紙あらすじ> 歌劇『トスカ』公演の真っ最中。プリマドンナが相手役のバリトン歌手を突き刺したそのナイフは、なぜか本物だった。舞台という「開かれた密室」で起こった前代未聞の殺人事件。罠を仕掛けた犯人の真意は!? 芸術探偵・瞬一郎と伯父の海埜刑事が完全犯罪の真相を追う! 「読者に勧める黄金の本格ミステリー」選出。 「エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ」 (講談社文庫) (ブログへのリンクはこちら)に続くシリーズ第2弾。 今度の題材は、オペラ。またも馴染みのない題材でしたが、そんなの撥ねのけ、とても楽しく読み終わりました。 なにより、主要登場人物である演出家の郷田薫のオペラ論、とくに『トスカ』論が非常におもしろい。 オペラは門外漢なので、郷田の論の独自性とか新規性はわからないのですが、説得力ありましたよ。 この「トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ」 を読んで、オペラが観たくなりましたから。ただ、日本ではチケットがあまりに高いので観ることはちょっと...なんですが(笑)。 あとがきで作者自身が「この小説は、やはりプッチーニの『トスカ』を、CDか何かで流しながら読んでいただくのが、一番愉しめる読み方ではないかと思う。作者としても、可能ならばそれを強くお奨めしたい」と言っているのも、そうだよなー、と思えます。 オペラにまつわる部分だけではなく、ミステリ部分も楽しめますよ。 あらすじには「開かれた密室」というのに焦点を当てていますが、ちょっとポイントが外れています。 舞台上での殺人は「開かれた密室」ではあっても兇器となるナイフを小道具のナイフが本物のナイフにすり替えられているから、なので密室としてはさほどおもしろみがないなぁと思っていると、ナイフのすり替え自体が不可能だったことがわかるという仕掛け。こちらがポイントですよね。 それ以外にもミステリのさまざまな要素を惜しげもなくつぎこんで、複雑に組み合わせられています。 懐かしい子供時代の「悪の十字架」や「恐怖のみそ汁」とかが効果的に使われているのも楽しいですね。 シリーズ第3作の「花窗玻璃 シャガールの黙示」 (講談社ノベルス)より先に第4作「ジークフリートの剣」 (講談社文庫)が文庫化されているようです。このあたりの事情は不明ですが、とても楽しみなシリーズです。 <おまけ1> 100ページに「未必の故意のように、ひょっとしたら死ぬかも知れないが、死んでも構わないというような曖昧な意図の下に殺されたのでは、被害者は逆に死んでも死に切れないのではないかと思うわけです」「つまり被害者の無念さの度合は、もちろん状況にもよりますが、ある意味未必の故意による殺人の方が、明確な殺意による殺人よりも、むしろ大きいのではないかと思われるわけです」というせりふがあります。 なかなか含蓄深いですね。 <おまけ2> 知らなかったので、引用した裏表紙あらすじに書いてある「読者に勧める黄金の本格ミステリー」ってなんだろう、と思いました。 「本格ミステリびぎなーず」という素敵なホームページから引用しますと、 「 2008年度から南雲堂から刊行されている、島田荘司監修によるムック「本格ミステリー・ワールド」上で発表される本格ミステリセレクション。 その年度に刊行された本格ミステリーの中から、二階堂黎人・小森健太朗・つずみ綾の三氏による合議によって選び出される。順位はつけられていない」 ということです。
421 幽霊予言者
422 吸血鬼はお見合い日和
423 利休鼠のララバイ
The Sword in the Grotto (Araminta Spookie #2)
■英文多読に挑戦(499冊目)
Araminta Spookie 2: The Sword in the Grotto: Araminta Spookie Series, Book 2 Angie Sage Jimmy Pickering Katherine Tegen Books 2009-10-06 by G-Tools |
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