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或る阿呆な積ん読家の一生

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または「余は如何にして積ん読本を処理したか」 もしくは「積ん読本三分の計」 そして「恥の多い読書人生を送って来ました」  9月以降、このブログの更新数は(ツイート数も)激減しているのだが、その背景について書こう。  タイトル(およびサブタイトル)のとおり、
積ん読本と格闘
していたのである。  私は世間的に見てかなり高度な(もしくは重症の)積ん読家である。この「世間」とは「1ヶ月に一冊も本を読まない人が多数」という昨今の風潮も含めた一般世間のことであって、読書家として知られる人(立花隆とか井上ひさしとか)に比べたら、まるでしろうとレベルなのだが。  ともかく面白そうな本を本屋で見かけると衝動買いをしてしまうという性癖があり、それは高校生の頃から始まった(親は本のためなら別の小遣いをくれた)のだから相当な年季だ。高校の頃増えた積ん読本の筆頭は中央公論社の「世界の名著」シリーズで、確か25冊位はあったはず(田舎の実家に置いてある)。読んだのは量的に言って1/4くらいか。ニーチェ、フロイト、エラスムス、トマス・モア、諸子百家、ルソー、デュルケーム、ホイジンガ、トゥインビーなどは全部読み通したのは少ないが少しは読んだ記憶がある。残りは堂々の殿堂入りである。  読む本の量 < 買う本の量 という単純な数式で《積ん読本は絶対的に増加する》の法則がある。法則などと言うのも大げさな当たり前のことである。とにかくそういう傾向というか、読みきれないほどの量の本を買うというスタイルの人間の宿痾と言っていい。(積ん読本の存在が早期退職を促した経緯については昔書いた。)  さて読書家にとって本の置き場の問題と言うのは普遍的かつ深刻な問題である。スペース不足から必然的に処分せざるを得ない人が多かろう。ところが私の場合、幸か不幸か使えるスペースが十分あったという状況が禍根を残す元となった。そうでなかったら、置き場問題によって本の購入量を減らさざるを得なかっただろうし、もっと着実に処分していただろう。  以前、父の経営する零細企業の町工場の一角の居住スペース(1K)に10年くらい住んでいた。そこから歩いて4分くらいの距離の今のマンションに17年前に引っ越したのだが、その後もそこは倉庫代わりに使えていた。  そこに住んでいた間(とそれ以前から)溜まっていた積ん読本が山のようにあって、置き続けて放置していたのだ。  積ん読本とは「今はすぐ読まないが、いずれは読もうと思って保存しておく本」と定義すれば、ここにあった本はその要件からかなり外れる。この倉庫を訪れるのはせいぜい年に2回くらい風を通すためと大雨が降った時に雨漏りを受ける洗面器の水を流す時くらいで、本の山を省みることはなかったのだ。「死蔵本」と呼ぶべきであろう。全くもったいないというか、申し訳ないというか、愛書家にはあるまじき不実ではある。  ところが、その工場も含めた建物(父から相続)が老朽化してほっておけなくなったので、紆余曲折の末、解体することになったのである。さぁ、いよいよ長年のツケに対応せざるを得なくなったわけだ。死蔵放置していたとはいえ、一度は読もうと思って買った本である。3千円くらいの高価なのも多い。乱暴に全て売るなり捨てるなりの一括処分してしまう気にはなれない。未練がましい、と言われるかもしれないが。  取り出して一冊一冊吟味して、 A)とっておいていずれは読む本(死蔵→積ん読へ昇格) B)読む気はなくなった、あるいは優先順位が低いので古本屋に売り払う本 C)売れる見込みが無い(古過ぎる、汚損が激しいなど)無価値の本→ゴミとして捨てる の3つに区分けしようと、膨大な本の山との格闘に突入したのであった。これぞ「積ん読本三分の計」。何冊あるのかいちいち数えていられないので分からないが優に千冊は越えているだろう。単行本と文庫本・新書が半々くらい。他に雑誌類も多数。  売り払い分よりはやや少ないが、「これは到底引き取ってもらえないだろう」と思われる古雑誌やあまりに汚損が酷いもの()は、町内会で行う廃品回収に資源ゴミとして出すことにした。運びやすいように適宜ビニール紐でまとめた。その量は積み上げると約4mほどに達したかと思われる。この10月のときはiPhoneを持っていたのに写真を撮り忘れた(何かとあればSNSに写真をアップするという習性は私はあまり強くないし、そもそもそんな自慢できるリア充的場面ではないし)が、12月にももう一回残りを出した時には、玄関前に積んだところの写真を撮っておいた。↓ hon_gomi.JPG  の売り払うことにした本は全体の約半分。比較的保存状態の良いもので、今となっては古びてしまったものが大半だ。小説などはあまり古びないものも多いのだが、自分の興味が失われたものも多かった。中にはなんでこんな小説を買ったんだ?と思うものまであった。でも、少しは今でも面白そう、と思えるものもたくさんあった(当然だ!自分の嗜好がそんなに変わるわけはないのだ)。  唯一の選択基準は残された絶対的読書量(それは極めて少ないだろう)に照らして、それでも「読まずに死ねるか」モノかという優先度で、抽出作業で1冊当たり一瞬で判定したものから、表紙を見、目次を読み、パラパラめくり迷って1分以上悩んで決めたのもある(高価な本ほど、悩みは深い)。しかし、Aが全て読まないと死んでも死にきれない、というほどのものでもなく、明らかに「読みきれないだろ!」という量の本が残った。煩悩と言うしかない。  出て来た本の中で特に多かった著者は、 筒井康隆、別役実、清水義範、井上ひさし、橋本治、笠井潔、など。  ジャンル傾向は、私がこのブログで書いているレビュー対象本の分布と同じと言って良い。読書傾向の経年変化があまり無い、というのはあまり褒められたものではないかも知れない。  雑誌では「SFマガジン」「本の雑誌」「面白半分」「宝島」「ダ・カーポ」「噂の真相」「文藝春秋」「創」「BRUTUS」「SPA!」「週刊アスキー」そして何よりMacintosh専門誌群すなわち、MacPower,MACLIFE,MacFan,MacJapan,HiperLib,日経MAC,Link Club Nwsletter,他にも月刊ASCII,日経バイト,日経パソコン,LOGINなど。  普通なら「雑誌なんて問答無用に捨てるだろ?!」と言われるだろうが、そうは行かないのが私の業の深いところだ。  一冊ずつ手にとって、〈今から読んでも面白い部分〉を抽出する作業に邁進したのである。記事内容には時間の経過とともに〈腐る〉度合いが異なり、20年前の記事でも〈読むに値する〉記事が結構あるのだ(一部は史料的に)。「新製品ニュース」の類は当然捨てるが、エッセイや文化論的考察文などでは読む価値があるものが僅かながら入っているのだ。それを探す作業がこれまた時間がかかった理由だ。見つけたらそのページだけ破り取り、ホチキスで止めて積んでいく。これがまた結構な量になった。何しろ元の分量が凄いので。雑誌の判型は多様だし、そういう種種雑多な記事スクラップの山を雑誌別、内容別に分類整理するのは非常に面倒なので、一切区別なくまとめてどんどん積み上げるしかない。その結果、例えばこんなふうな山が積み上がるのだが(ほんの一部)、 hon_zasshi.JPG どこにどんな記事があるのか、全くわからない。つまり検索不可能なテキストのカオス的かたまりが現出し、後で「なんかアノことに関しての記事があったような気がする」と思いついても、容易にアクセスすることもまず出来ない。これは新たなゴミかという予感が強くするのだけれど、同じようなことは以前からやっていて、新聞の切り抜き保存記事が厳然として1メートル以上の山として存在しているのだった。  作業に大活躍したのが、ホコリを拭き取るためのキンチョーサッサ(化学雑巾)。これは積ん読家の必須アイテムと言っていい。水で濡らした雑巾で本を拭く訳にはいかないから。なにしろ積年のホコリにまみれてひどい状態だったのだ。  9月に始めて12月半ばまでかけて徐々に作業していた。そんなに長く、と言われるかも知れないが別に期限があるわけでもないので、連日フルタイムでやれば1週間もかからなかったかもしれないが、2,3日おきに行って2時間とか、ちびちびやっていたのだ。  重複して2冊ある本が5組以上あった。健忘症が既に早期から始まっていたことの証か。単行本と文庫化されたものとか、いや同じ単行本が2冊というのも。orz  図書館で借りて読んだ本が、実は積ん読本の山の中にあった、というのも結構ある。  こういう重複はどう解釈すればいいのだろう。そんなにも読みたくて二度も買った、というのは違うだろう。少し興味を惹かれて衝動買いしたが、すぐに読まずに放置し、やがて忘れてしまい、本屋で再び目についてまた同じ興味を抱いて買った、ということだろう。つまり忘れるくらいなので興味の度合いはむしろ低い、と言えるだろう。したがって、こういうのは二冊とも売り払う方に入れたりした(一冊残したものも勿論あるが)。図書館で借りて読んだのは全部売り払い枠へ。  逆に「買ったはずなのに見つからない本」というものも少しある。「ゲーデル・エッシャー・バッハ」というスゴ本が出てこない!と思っていたら、最後にダンボール箱から発掘できた。  「ドグラ・マグラ」も買った記憶があったのだが、読みたいと思ったとき埋もれていたので青空文庫からダウンロードしてPC画面で読んだなんてこともある(既述)。これも出てこないな。  これほど量があると、〈体積〉を意識せざるを得ない。つまりスペース問題。ここで「待てよ」と例の〈表面積〉脳が動き出した。本(=紙)は物質としてあるのではなく、その表面に印刷された文字をひたすら伝えるためのものである。つまりハードより肝心なのはソフトだ。ということは〈表面積〉で計るべきものなのだ。ところが、体積は表面積×紙の厚さなわけで、読む上では無意味な厚さなどというものが介在してくる。あくまでもこの世の物理存在であることを主張する訳だ。  さて分別が終わり、の本を今住んでるマンションに持ち込んだのがこんな様子である。↓ hon_genkan.JPG これは一部。実際の量はこの倍ある。  ここで新たに重大な問題が起こった。を収容するスペースがない!のである。いや最初からわかっていたことなのだが。  ここに住み始めて17年の間にも、積ん読本は増加し続け、狭いマンション内がほぼ飽和状態になっていたのだ。どこに置けというのだ?  こうして10月以降は第2ラウンドに突入する。つまり、マンション内の積ん読本についても「三分の計」を実行せざるを得なくなったわけである。こちらの方が比較して新しいので比率が高く、なかなかスペースが稼げないのが痛い。  マンション内には転居後に集めてあった各出版社の無料PR誌(以下細密圧縮充填リスト)、 岩波の「図書」、講談社の「本」、文藝春秋社の「本の話」、新潮社の「波」、小学館の「本の窓」「きらら」、集英社の「青春と読書」、角川書店の「本の旅人」、光文社の「本が好き!」、筑摩書房 「ちくま」、幻冬舎 「星星峡」「ポンツーン」、平凡社の「月刊百科」、東大出版会の「UP」、朝日新聞社の「一冊の本」、毎日新聞社の「本の時間」、未来社の「みらい」、みすず書房の「みすず」、マガジンハウスの「ウフ。」ポプラ社の「asta*」、徳間書店の「本とも」、吉川弘文館 の「本郷」、紀伊國屋書店の「SCRIPTA」、JUNK堂の「書標」など。 が山になっていた。これらからの、例の雑誌の時と同じ抽出作業が始まったのである。ものによって残す量はだいぶ違いがある。幻冬舎のなんかは単行本化する前の連載小説が殆どなので、数ページしか残らず全部捨てたが、岩波や講談社のなどは殆どまるまる残すことになった。ここで悩むのが連載物の扱いである。問題は二つある。  ●全バックナンバーが揃っているわけでなく、書店で運良く入手できたものだけなので欠号がたくさんある。  ●ある記事のページを切り離すと、裏面に別途残しておきたい記事の冒頭ページもしくは末尾ページが入ってしまう。  というわけで、記事別にまとめて綴るのはあきらめた。手間も掛かり過ぎるし。ここでもカオスの山の発生が不可避だった。  勿論、他の一般の本の選別作業もしなければならない。泣く泣く捨てるというのは心が折れる作業である。  さらに問題がある。本のみならず、CDROMの山である。件の倉庫内にも5インチフロッピーが沢山あって全部捨てたのだが、マンション内にも積んROMが沢山あってこんな具合。↓ hon_cdrom.JPG  これらの殆どが68KもしくはPPCでしか動かないのだ。今使っているiMac(インテルCPU)では駄目。アプリ形式のものはほぼ全滅!なんという金の無駄!Appleの旧OS切り捨ての思い切りの良さが恨めしい。  それでも、プレーンテキストや画像などでサルベージして保存に値するものもあるかと、またしてもチェック抽出作業に邁進。時間がかかることかかること。おまけにiMacのドライブが調子悪くて、マウントできたり出来なかったり、と散々である。  というわけで、この一連の作業、売り払いも含めて  
実はまだ終わってないのです。
   ◆  余談だが、ちょうどいいタイミングで俄にサンリオSF文庫ブームのようだ。当時当然、何冊も買ってあった。で、積ん読本の中から発掘された当該文庫本は下記の細密圧縮通り。 ●フィリップ・K・ディック 「ヴァリス」「聖なる侵入」「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック I」「同 II」「死の迷宮」「最後から二番目の真実」● ラファティ「悪魔は死んだ」●マッキンタイア「夢の蛇」●ピエール・クリスタン「着飾った捕食家たち」●ジェイムズ・ティプトリーJR.「老いたる霊長類の星への賛歌」●スラデック「スラデック言語遊戯短編集」●オールディス「世界 A の報告書」●コンプトン「人生ゲーム」● ジョアナ・ラス「フィーメール・マン」●ボブ・ショウ「去りにし日々、今ひとたびの幻」● 「ジョン・コリア奇談集」●アントニィ・バージェス「どこまで行けばお茶の時間」
無かったが、読んだ記憶があるもの…「内死」「ラーオ博士のサーカス」「逆転世界」

   ◆ もひとつ余談。  この作業をしていた頃、Twitterで作家の平野啓一郎氏が、ある人物が最晩年に読んだ本(確かショーペンハウアーの「意志と表象としての世界」)でそれまでの人生がひっくり返るような衝撃を受け、やり直したくてもすぐに悔恨のまま死んだ、というような逸話を引き、「自分の書庫内の積ん読本のなかにもそういう本があるのかも」と焦燥感をつぶやいていたのが心に残った。  確かに悲劇としか言い様がないのだが、本との出会いは、まさに人生での人との出会いと同じかそれ以上に重いものだろう。積ん読本の多さは、その一期一会への渇望の指標にも思える。

怪人二十面相、明智小五郎、少年探偵団、中村警部!

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久々に、これは読みたい!って本を新聞の広告で見つけたのが先月。

昭和30年代生まれの方なら同じ思いの方も多いと思いますけど、これ、ポプラ社の怪人ニ十面相シリーズ。小学生時代に市立図書館に通いつめて全巻借りて読んだっけな。

明智小五郎、少年探偵団と正体不明の怪人ニ十面相との息詰まる対決に、毎回ドキドキワクワクして読みまくって、強烈に面白かったという記憶が。いや、記憶というか思考というかそんなんじゃない、もうどっか体が憶えてるって感じ。こんな装丁の表紙をネットで見せられたから、もう欲しくて読みたくてうっかりしたら転げまわって、周りに迷惑をかけちゃうんじゃないかってくらいに1人で盛り上がってた。

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で、会社の帰りや休日思い出して書店に寄るものの探せない。それもそのはず、この本一時売り切れていたようですね。ですけど先日やっと手に入れることができて、遅まきながら読み始めたところ。

表紙のデザインは当時の記憶が蘇りそうな装丁とこんな絵柄(上)、そんな表紙をめくった中扉がこの絵(下)ですよ!『みんなの少年探偵団』って飾り気ない中ゴシックの文字が並んでる。しかもふりがな付き!このページをめくってすぐに本編を読み始めたいけど、この文字の並びと扉絵がもう少しこのまま眺めていたいって気持ちにもさせるのよ。

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そして目次。もちろん江戸川乱歩の埋もれてた新作というわけじゃなくて、現代の人気作家によるオマージュアンソロジー本。江戸川乱歩生誕120年記念プロジェクト第一弾だそうだ。

このアンソロジー本ではこの5人の方たちが、乱歩世界へのオマージュを寄せている。謎の老人とか、隠された宝石とか、雰囲気はいい感じだ。ちょっと怖くて妖しい世界をまた楽しめそうな感じだ。

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みんなの少年探偵団 (一般書)

みんなの少年探偵団 (一般書)

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2014/11/07
  • メディア: 単行本

第二弾も今月発売になった。面白かったらこれも読んでみよう。

全員少年探偵団 (一般書)

全員少年探偵団 (一般書)

  • 作者: 藤谷 治
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2014/12/03
  • メディア: 単行本

上田秀人『遺臣』

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上田秀人の『遺臣』です。この百万石の留守居役もいよいよ四作目です。 前作で四代将軍家綱が 亡くなり、綱吉が将軍になることが決まった。裏で画策した酒井雅楽頭の失脚は決まったも同然だったが、おとなしくしている雅楽頭ではなかった。なんと、綱吉の暗殺を図り、しかもそれを前田家の仕業に見せようとするのだ。そのため、加賀忍が襲われ、加賀忍独特の手裏剣が盗まれる。 主人公の瀬能数馬は、留守居役として見習いの日々。妾を持つことになり、しかもそれが婚約者の琴の侍女佐奈(私の見立てでは、佐奈は実は加賀忍だと思うのですが)とあって、落ち着かぬこと甚だしい。それが可愛くもあるのですが…。そんな展開で、肝心のチャンバラシーンは一ヶ所だけという時代小説になっていますね。事態を動かしているのが将軍や大老たちですから、百万石とはいえ、一介の留守居役としては仕方ないでしょうかね。この設定で良かったのか、少し疑問もありますね。
遺臣 百万石の留守居役(四) (講談社文庫)

遺臣 百万石の留守居役(四) (講談社文庫)

  • 作者: 上田 秀人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/12/12
  • メディア: 文庫

愚痴るぞー!

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今年の年末は図書館に行き損ねた。 年末年始は青空文庫に走るか。

「知ろうとすること。」

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 糸井重里さんと早野龍五さんの対談本「知ろうとすること。」を読みました。 知ろうとすること。  普段アニメやゲームやラブライブ!のことばっかり書いてるblogですが(笑)、この本はぜひ沢山の方に読んで欲しいので、たまにはこういう本も紹介してみようかなと。  この本は、コピーライターでお馴染みの糸井重里さんと、糸井さんが東日本大震災のあとtwitterを通じて知り合った物理学者の早野龍五さんとの対談本で、福島第一原子力発電所の事故後による放射線の影響とその実態、そして、そこから見えてきたこととこれからについて語られた内容になっています。  原発事故での放射線の影響というものについて、きちんとしたデータと分析、そして実体験に基づく経験を交えて、実際のところ福島の放射線の影響がどのようなものだったかがかりやすくかみ砕いて語られており、また、糸井さんならではの視点も加わってたいへん読みやすく、そしてしっかりと知ることができる一冊。物事との向き合い方や判断の仕方、正しく知って、ある意味正しく怖れることの大切さも考えさせられます。最後は宇宙レベルの壮大な話に発展していって、たいへん興味深く、そして面白かった。  そんなにページ数もないし、対談なのでわりと楽にさっと読めるので、この年末年始のちょっとした暇な時間にでも是非読んでみて下さい。  最後に、巻末の糸井さんのあとがきがとても印象深かったので、一部を抜粋したいと思います。 知ろうとすること。
ぼくは、じぶんが参考にする意見としては「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義をかたらないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。
「しろうとすること。」あとがきより
 シンプルで、そしてとても深く、しっかりと胸に刻んでおきたい大切な「姿勢」だと思います。それぞれどういうことか詳しくは、是非本を読んで確かめてください。
知ろうとすること。 (新潮文庫)

知ろうとすること。 (新潮文庫)

  • 作者: 早野 龍五・糸井重里
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/09/27
  • メディア: 文庫

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スポンサーリンク 燃ゆる炎に照らされて しなやかに伸びをする肢体(からだ)のおんな、 おまえよ 炎は昇る、天へと よろこびもかなしみも 憎しみも怒りも 五体の内(なか)から込み上げるものが向かう先は 陽なのか、月なのか、星なのか いのちの、ぬめらかに照る肌は 真夏でも向く、艶(あで)やかに夜露を帯びて 紅い糸をたぐりよせては 己を己で恥ずかしむ 一刻(ひととき)の病に酔うおんなよ おまえは自分の運命(さだめ)を愛する覚悟があるのなら 接吻(くちずけ)という絆で蚕のようにおまえを包もう ずっと我の中で優雅なる不自由を歓(たの)しむがいい おまえを弄ぶ我を愛すよりなかった、 欲情の行方を ともに肌(はだえ)に皺(しわ)を重ねる暮らしの中に 震え悶える快楽(けらく)の果ての 新しい種を おまえの言葉で 名付け、呼べ 永久(とわ)にめぐる血の詩(うた) スポンサーリンク

ラブシーン (サンドラ・マートン) R-0713

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R-0713-a.jpgR-0713-b.jpg ハーレクイン・ロマンス R713 著者  サンドラ・マートン 訳   鈴木 のえ 発売日 1989年11月20日 ページ 156ページ ISBN  4833507137 内容  静かな曲の流れる暗闇に浮かび上がった大きなベッド。     甘い会話を交わしながら、男と女は愛の世界をくり広げていく。     “ああ、クリーニング屋へ行くのを忘れていたわ”     女が頭の中で現実的なことを考えた時、「だめだ、シャノン」     と、ディレクターの声が響き、ライトがいっせいについた。     ここは昼メロの撮影現場。 シャノンは集中力不足を注意される。     相手役との間に火花が感じられないと言われても、     なぜ二人がベッドに急ぐのか理解できないとシャノンは訴えた。     その時、スタジオの入口が騒がしくなり、人だかりがし始めた。     笑顔のスタッフや俳優たちに囲まれて、黒い革ジャンの男が見える。 Amazonの紹介ページです。
ラブシーン (ハーレクイン・ロマンス)

ラブシーン (ハーレクイン・ロマンス)

  • 作者: サンドラ マートン
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 1989/11
  • メディア: 新書

芥川症 久坂部羊

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芥川症
著者: 久坂部羊
出版社: 新潮社
価格: ¥ 1,620
発売日: 2014/06/20
医師である久坂部氏。 一方で医療小説を執筆している。 久坂部氏の本は、結構分厚い本が多い中、 この本は異質に見え、手に取った。 芥川龍之介の短編をモチーフにし、 医療とその背景を題材に、絡み合わせる。 「藪の中」もとい「病院の中」、 「羅生門」もとい「他生門」 「鼻」もとい「耳」 「蜘蛛の糸」もとい「クモの意図」 「地獄変」もとい「極楽変」など、 異色な短編小説が並んでいる。 ううむ。

災厄の町

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災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: エラリイ・クイーン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/12/05
  • メディア: 文庫
 ライツヴィルという架空の町を舞台にしたミステリー。  いかにも古きよきアメリカといった雰囲気があって、のどかな感じが心地いい。昔のアメリカはこんなだっただろうなという典型的なイメージの町なんである。田舎町ながらも、どこか品があって、ノスタルジックな世界観。  そんなライツヴィルの町に推理小説家エラリイ・クイーンが降り立って、滞在することになる。もちろん例によって殺人事件が起こって、エラリイが活躍することに――。  事件の内容は、妻を毒殺しようとした疑いで、新婚の夫が逮捕され裁判にかけられるというもの。被告人には圧倒的に不利な証拠がそろっている。夫は金に困っている様子だったが、妻が死亡すれば莫大な遺産が転がり込んでくる。妻に毒の入ったグラスを渡したのは夫自身で、他に毒を入れることのできた人間は考えられなかった。また、夫が妻殺害の計画を練っていたことを示す手紙まで見つかってしまう。  苦境に立った被告人の容疑を晴らすことができるのか? 法廷ミステリーとしての面白さも兼ね備えた作品。法廷での激しい戦いも見ものだった。    トリック自体はよく見かける定番なもので、クリスティーの小説にも似たような作品がいくつかある。だが、結末に至るロジックだったり、登場人物の人間関係のドラマだったり、法廷ミステリーとしての質の高さだったり、全体的な完成度が高い作品といえるだろう。クイーン自身も自らのベストといってるくらいで、クイーン作品の中でも上位の内容。  たまにこういう昔のミステリーを読むと、現代ミステリーが失ってしまった素朴な雰囲気が楽しめていい。最近の海外ミステリーはやたらと残酷な描写が多くて、読んでいてへきえきさせられることも多かったりする。ミステリーはもっとおしゃれなものだったのに残念だと常々感じているから、こういう謎解きで真っ向勝負してくれる作品を読むとうれしくなる。  本書のような名作が新訳で復活するというのもファンとしてはありがたいことである。昔のミステリーには今読んでも古びないような傑作が多いので、どんどん新訳で読みたいものだ。

今週の本 14/12/22-12/28

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いよいよ今年最後の今週の1枚。「渡りまーす」

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ウマでもヒツジでもないけど。皆さまよいお年をお迎えくださいね。


 

本です。



山女日記

山女日記

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/07/10
  • メディア: 単行本
 



歌舞伎町ダムド

歌舞伎町ダムド

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/09/24
  • メディア: 単行本



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◇山女日記:読んでいると山に登ってみたくなる。圧倒的な自然の中で変に見栄や
        意地をはると命の危険にもつながりかねない状況では、嫌でも自分自身
        のことを考えてしまうだろう。でもそこがまた山の魅力なのだと思う。

◇歌舞伎町ダムド:なんとも血なまぐさい世界。それでも人のつながりはちゃんと
            存在するし、あたたかい。               

今日の到着(購入)記録(新刊)

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アニメイトで予約していた本を取りに行ってきました。 何かの発売が重なっていたのかな、レジに並ぶ人、凄かった!!
魔界王子devils and realist 10巻 限定版 (IDコミックススペシャル)

魔界王子devils and realist 10巻 限定版 (IDコミックススペシャル)

  • 作者: 雪広 うたこ:漫画 高殿 円:原作
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2014/12/25
  • メディア: コミック
今年も今日入れて・・・と言っても今日ももう終わりだし、あと3日と言った方が良いのかな。 ホント、年末って感じじゃないけれど、でも、我が地域、毎年恒例の“火の用~心”(カチッカチッ)と、歳末火事防止のため見回りしてくれてるるおじさん達が聞こえてきて、あぁ、やっぱり年末なんだなぁと実感してるトコです。 おじさん達、夜の寒い中、ありがたや~。

小説 虹を操る少年(東野圭吾) あらすじとアサキの感想

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東野圭吾さんの小説「虹を操る少年」のあらすじと感想なんかを書いた記事です。 スポンサーリンク 今回ご紹介する本は東野圭吾さんの「虹を操る少年」です。 ※Amazonへのリンクとなります。 東野圭吾さんの作品といえば正統派ミステリー・社会派人間ドラマといった作品が多く、これまでにも何冊かご紹介させていただきましたが、本日ご紹介する作品はそれらのジャンルとは少し異なっております。 強いてジャンル分けをするならSF小説にあたるのではと思います。 ここからは簡単なあらすじです。 主人公はごく一般家庭に生まれた光溜(ミツル)と呼ばれる少年。 その少年が天才の片鱗を現したのは幼少時代からだった。 きっかけは、クレヨンで書いた冷蔵庫の絵だった。 何色ものクレヨンを駆使してミツルが書いたその冷蔵庫は、100%と呼ばれるほど忠実に色を再現していた。 驚異的な色彩感覚を持つミツルは学校でも異彩を放っていた。 どんなことでも一度聞けば内容を理解してしまい、教師からも疎まれる程、その学力は他を圧倒するものだった。 そんなミツルを当初は誇らしく思っていた彼の両親も、ミツルが成長するにつれ彼の存在を恐怖に感じるようになってしまった。 そしてミツルが高校生になったころに大きな異変が起きた。 ミツルが深夜になると毎日家を抜け出していることに気が付いた彼の両親がその後を追ってみると、そこには廃墟となった音楽ホールがあった。 そこで彼が演奏していたのは「光学」と彼が名付けた光と音による演奏会だった。 音楽に合わせて様々な光が点滅を繰りかえす「光学」を聞き入る観客は皆ミツルと同世代と思われる若者ばかりで、彼等の表情は一様に恍惚としていた。 その後、ミツルは活動の場所を広げ、次第に「光学」の認知度が高まっていくと、その人気は留まることを知らず、社会現象と呼ばれるまでに成長した。 しかし、異変が起きだしたのもこの頃からだった。初期メンバーと呼ばれる廃墟で「光学」を楽しんでいた者たちに禁断症状が発生してしまった。 これほどまでに人を引き付ける力を持ってしまった「光学」とは一体何なのか。 ミツルが目指す真のゴールはどこにあるのか… すみません。あらすじがかなり長いですね。笑 この物語、東野圭吾さんの作品としては珍しく、最後まで種明かし的な解説が一切ございません。(だからこそ自分なりに考える余地があり、そこがまた面白いのかもしれません) また、物語全体を流れる雰囲気がどこか神秘的で現実離れした感じがこの作品を一層魅力的なものに昇華させているのではないかと感じています。 東野圭吾さんのまた違う一面を覗くことが出来るこの作品。アサキ個人的には大変オススメです!! スポンサーリンク

小説 いつか他人になる日(赤川次郎) あらすじとアサキの感想

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赤川次郎さんの小説「いつか他人になる日」のあらすじと感想なんかを書いた記事です。 スポンサーリンク 今回ご紹介させていただく本は、赤川次郎さんの「いつか他人になる日」です! ※Amazonへのリンクとなっております 赤川次郎さんは日本人で唯一、発行部数3億冊以上という記録をもつ日本を代表するミステリー作家の1人です! その著書は560冊以上というのだから、本当に凄いですよね! そんな中、今日ご紹介する「いつか他人になる日」は、赤川次郎さんが2009年に発表された作品です。 まずは簡単にあらすじからご紹介します! 物語は、とある強盗グループが銀行から3億もの金を奪いとり、その金を分配するところから始まります。 5人の強盗はそれぞれを「一号」「二号」などと番号で呼び合い、互いの素性は一切しりません。 そして、1人6千万もの大金を得て、散り散りになるメンバー。 最後に、リーダー格であった一号はこういいました。 「これだけは忘れないようにしてくれ。ここから一歩出たら、もう我々は全く見知らぬ他人だということを」 しかし、その5年後にひとつの殺人事件が起きます。 その殺人事件がきっかけとなったのか、5人は改めて出会ってしまうのです。 あるものは会社の役員、あるものは母子家庭の母親、キャリアウーマンやまさかの警察官まで… 改めて、今度は素性を明かし他人の上で出会った彼らに、更に強盗事件が遅いかかり… まさかの、5年前に奪った金をめぐるトラブルに発展します。 どんでん返しに次ぐどんでん返しで、最後には衝撃のラストが… そんなお話です! さて、この本のアサキのオススメポイントはこちら! ①あくまで3億を奪った事件には詳しく触れず、その後の犯罪者たちのリアルを描いている ②場面転換が多いが、さすがは赤川次郎さん、一気に読み切れる ③非日常な出来事が連発だが、それを自然に読める オススメポイントにも書きましたが、この話には3億を奪った時の描写は1度も出てきません。 あくまで、奪った後の犯罪者達に舞い込む事件を扱っています。 また、この話には強盗5人の他に、5人の家族や兄弟、警察官など、多数の登場人物がでてきます。 そのため物語の場面、特に最初の方は数ページで代わる箇所も多くありますが、特に5人がそれぞれ集約されて行くにつれてどんどん気にならなくなっていきます! というか、終始ドキドキします!! ミステリーと言うより、社会派サスペンスというイメージの強い今作品は、常に一定の緊張感をもち、読んでいると続きが気になって仕方なくなります!! 赤川次郎さんだからこそのオススメ小説「いつか他人になる日」ぜひ読んでみてください!! スポンサーリンク

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    「献体 遺体を捧げる現場で何が行われているのか」坂井建雄

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    「献体 遺体を捧げる現場で何が行われているのか」 著者:坂井建雄 発行:技術評論社 坂井建雄(さかいたつお)氏の作品。 順天堂大学医学部教授(解剖学・生体構造科学)。 1953年大阪府生まれ。1978年東京大学医学部医学科卒業。 ハイデルベルク大学研究員、東京大学医学部解剖学助教授を経て、1990年から現職。 主な研究・活動領域は、解剖学、腎臓と血管系の細胞生物学、献体と解剖学の普及、医学と解剖学の歴史。 主な著書は、「人体解剖の実習中継」(技術評論社)、「からだの自然誌」(東京大学出版会)、「からだの百科事典」(編、朝倉書店)、 「人体の正常構造と機能」(監・著、日本医事新報社)、「プロメテウス解剖学アトラス」(監修、医学書院)、「人体観の歴史」(岩波書店)など多数。 献体登録が流行っているという。 献体は、無条件、無報酬。ましてや病院で優先的に診てもらえたりするような特典はないらしい。 献体を希望する殆どの方が、葬儀の費用の節約などの経済的理由では無く、純粋に医療貢献を望んでのことだという。 本書は、大学の医学部、歯学部が行っている、献体についてのことが書かれている。 献体の手続きの仕方、献体者を見送る側(遺族の立場)・献体者を受け入れる側(大学側の実務)の話、解剖実習の話、世界の献体事情、日本と世界の人体解剖の歴史など、日々、献体に関わっている大学の教授が書かれた、実態に即した情報と思われる。 献体された遺体は、ホルマリンやアルコールなどを使って保存処置をされた後、しばらくの間保管され、学生の解剖実習や解剖学の教育・研究の目的で解剖される。 解剖が終わると、遺体のすべての部分が集められ、火葬されて遺骨となり、遺族に返還される。返還まで2~3年の月日がかかるという。
    献体 ―遺体を捧げる現場で何が行われているのか (tanQブックス)

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    • 作者: 坂井 建雄
    • 出版社/メーカー: 技術評論社
    • 発売日: 2011/06/21
    • メディア: 単行本(ソフトカバー)

    小説 死神の精度(伊坂幸太郎) あらすじとアサキの感想

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    伊坂幸太郎さんの小説「死神の精度」のあらすじと感想なんかを書いた記事です。 スポンサーリンク 今回ご紹介する本は伊坂幸太郎さんの「死神の精度」です。 ※Amazonへのリンクとなります。 タイトルが怖いですね… 死神って…精度って… でも安心して下さい!笑 まったく怖い話なんかではなく、むしろポップな人間ドラマを描いた物語だと私は思います。 でもまぁ死神が登場するのは事実なので、SF?ですかね。ジャンル的には! 主人公は…そうです。死神です!笑 でもこの死神の面白いところは、姿形をどんな人間にも変化させることが出来るって点です。 そんな風に人間に姿を変えた死神が人間界ですることとは、「人間の生死」を判断すること。 対象者に接近しやすい人物像に毎回姿を変えて一週間その人間を観察することで、この人の寿命を奪うべきなのか、それとも寿命を全うさせてあげるべきなのか、そんなことを判断します。 そしてその対象者に今回選ばれてしまったのは、6人の男女。仕事のストレスに悩むOL・自分の人生に迷っている中年のヤクザ・美容院を経営する老女…。一見なんの関係性もない彼等に死神が選ぶ基準となった共通点ははたしてあるのか!? 死神が彼らに下した判断とは!? 伊坂さんの作品では今回の死神みたいに「常識ではあり得ない存在」が登場することが多いのですが、私的には伊坂さんが読者に本当に伝えたいのは、その存在自体の面白さではなく、あくまで人間ドラマなのだと感じます。 だからこそ、その存在について深く説明することはなく、あくまで「物語における一つのスパイス」みたいな位置づけにし、本当に伝えたいメッセ―ジをより明確にしているのだと感じます。 なにが言いたいかというと…非現実的な話は好きじゃない、とかSFは普段読まない、なんて人も一切心配することなく、純粋に物語を楽しむことが出来るのではないでしょうか、という私個人の感想です!! スポンサーリンク

    年末年始の暇つぶしにオススメな本(漫画以外)

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    今年話題になった本などから選んでみました。 「謎の独立国家ソマリランド-そして海賊国家ぷんとランドと戦国南部ソマリア」高野秀行 分厚さに怯まず少しずつでもいいので読み進めてほしい一冊。 ソマリア内に独自に武装解除し、平和に暮らしている独立国家ソマリランド。 その謎の国に潜入ルポ・・・というか、探検しにいった感じ。 目次を読むだけでも面白いです。 「STシリーズ」今野敏 ドラマ化されたSTシリーズ。 特殊能力のような特技を持つ5人のプロフェッショナル達が集まったできた「警視庁科学捜査班」通称ST。 彼らが協力すれば解けない謎はない。 各人を主人公にした色シリーズもおすすめ。 「ハケンアニメ!」辻村深月 アニメ業界に携わる3人の女性が主人公の中編小説集。 各人それぞれ個性的なのですが、周りがもっと変わっている。 それぞれ関わりがあり、各人の話の中に同じ人物がでてくるがそれぞれの視点によって見方が違って面白い。 とにかく熱い小説です。 個人的には次の本屋大賞をとるのではないかと思っています。


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    「ナミヤ雑貨店の奇蹟」東野圭吾 ナミヤ雑貨店に悩み相談の手紙を書くと親身に相談に乗ってくれるという話を主体に、様々な境遇の人たちが悩み相談をする話。 連作短編集になっていて、最後に大きな謎が解けます。 相談に答える4人のうち3人が、ダメながらも一生懸命答える姿やそれが後々・・・みたいな感じです。 相談者と回答者のやり取りも読みどころの一つ。 「さよならの手口」若竹七海 11月発売のためか今年のランキングに入っていませんが、今年一番面白かったミステリー小説。 本とミステリーが好きなら迷わず読んどけというぐらいおすすめ。 この本を読んでから若竹七海作品・・・特に葉山晶シリーズを読み返しました。 再読しても色あせない面白さに脱帽。 若竹七海作品は短編が多いので、初心者の方も読みやすいですよ。 「シャバはつらいよ」大野更紗 突然謎の難病に冒され、病院難民になった前作「困っている人」の続編。 退院して一人暮らしをする日常をユーモラスに書いたエッセイ集? 他人って意外と親切なんだなと思える一冊。 その他の年末年始の過ごし方関連記事↓ 年末年始を楽しく一人で過ごす方法-ぼっちの暇のつぶし方- 年末年始の暇つぶしにオススメDVD ●年末年始の暇つぶしにオススメ漫画

    どう切り返すか

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    谷原誠の「人を動かす質問力」を読みました。相手からいかに情報を引き出すか、人に好かれる、相手をその気にさせる、人を育てる、議論を制する、そして自分を変える質問力とは。質問によって議論の流れが決まるのは、確かにそうだと思いますので、どんな質問をするのかは重要ですね。そして、逆に、こういうテクニックから繰り出される質問に対してどう切り返すか、切り抜けるか、ということにより興味がわいてしまいました。誤導質問というのが紹介されていますが、確かにこれは、強力かつ危険ですね。でも本書の最後の方で出てくるように、自分に対してこれを使うというのはいい方法だなと思いました。

    人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)

    人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)

    • 作者: 谷原 誠
    • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
    • 発売日: 2009/07/10
    • メディア: 新書

    郷愁という名の密室

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    まずはAmazonさんの紹介ページから。 矢住鼎は誤って老女を殺め、絶望して雪山で自殺を図った。 だが、彼が目覚めたのは秋たけなわの古い温泉宿の一室だった! 目の前にいたのは高校時代の後輩・風早雫、しかも彼女は少女のままの姿なのだ。 異常な背景の中で宿泊客の男女が刺殺され、つづいて若い女性の死体が 完璧な密室状態の部屋で発見される。鼎の幼少時の記憶の謎、風呂に浮かぶ死体の移動、 凶器の刃物の消失―そして密室はいかにして構築されたのか。 奇妙なこの世界で、鼎と雫の前に殺人者の黒い影が迫る。 そして、深夜0時54分。その時、あらゆる知覚が暗転した。驚くべき長篇変格ミステリ。 牧薩次名義の第2長編。 前作「完全恋愛」では牧自身も登場していましたが、 本作ではなんと「あとがき」のみ。 つまり、完全に作中作の作家さん的なポジション。 同じ日が繰り返されるという、不思議な空間に迷い込んだ主人公。 このあたりはさすが辻先生。 そして、なぜ主人公の後輩・風早雫が高校生のままなのか? ほとんどのヘルパーとそりが合わない芦谷たねと、なぜ鼎は気に入られているのか? このあたりの謎が最後に一気に収斂していき、 郷愁というタイトルに見事にマッチしたラストでもあります。 ところで、本作で起きた密室殺人は本当に起きたのか?というところが 最後まで明らかにされず。 どこまでが事実で、どこからが彼の夢、イメージの世界なのか? おそらくその後も芦谷たねから聞く事も、また鼎から聞く事もできないだけに、 殺人事件が起こったのかどうかすら、わからないままなんですよねえ。 だから悪いというのではなく、このあたりのぼかしもうまいなあと。 それと、タイトルの「密室」。これは主人公・矢住鼎の今回体験した 一連の世界(同じ日が繰り返される・リセット)という密室と その中で起きた密室殺人の密室、そして雫の17年間という密室、 と、まさに「密室」づくしの作品だったんだろうと推測しました。
    郷愁という名の密室 (小学館文庫)

    郷愁という名の密室 (小学館文庫)

    • 作者: 牧 薩次
    • 出版社/メーカー: 小学館
    • 発売日: 2014/12/05
    • メディア: 文庫
    郷愁という名の密室

    郷愁という名の密室

    • 出版社/メーカー: 小学館
    • 発売日: 2010/10/31
    • メディア: Kindle版
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