* さよなら神様, 麻耶雄嵩, 文藝春秋, 9784167908805
麻耶雄嵩の「神様」シリーズ(?)の第2弾である。
例によって連作短編の形をとる。前作「神様ゲーム」を読んだのは3年前、ジュブナイルの形をとったものだが、あの幕引きはかなり衝撃的だった。今回もそういう感じかなぁと読み始めるとちょっと様相が違う。舞台は例によって小学校のとあるクラス、しかし書きっぷりが全然ジュブナイルじゃない。へえ~と思いながら読み進めていくと神様のご神託の通りに突然に事件は終結。そしてまた次の事件が起き・・・という展開。
ジュブナイルじゃない書きっぷりなのが何故なのかは、途中途中にオヤっと思わせる話を挿入しつつ、それは終盤になって明らかにされる、というわけだ。このネタはまあ近年のお約束的なところもあるわけなんですが、そのへんを絡めつつ話はどんどんえげつない状況に陥っていく。
最後のエピローグはともかく、連作の形のエピソードを読み進めるにつれて心が苦しくなってくる。ミステリ小説でこういう感じになるものは珍しいよなあと思いつつ、このあたりが麻耶の真骨頂なのかなと。きっと今後ずっと忘れられない読書体験になったと思う。
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読了:さよなら神様, 麻耶雄嵩
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