以前、読もうと思ってなかなか読めなかった小説です。
やっと読めました。
上・下巻の完結なのですが、
続編がありそうな、
続きを知りたくなるような結末です。
証券マンからホームレスへ転落した山崎。
寒さに耐えながら、その場しのぎの生活。
生きるために、必死に食べ物を探す。
ある公園で出会った同じホームレスの仲村、
そして、しがない占い師・龍斎。
彼らと接していくうちに、
ふと、思いついた山崎の計画とは・・・。
仲村は、長身で、顔の造りが物凄く整っていて、
しかも、人を引き寄せる不思議な魅力を持つ。
一方、龍斎は、言葉巧みに、人の悩みを引き出し、
確信に迫るというインチキ占い師なのだが、
人を見抜く鋭い眼がある。
この二人の才能を生かした事業・・・。
山崎は、「大地の会」なるものを立ち上げた。
教祖を仲村改め大城、師範代、龍斎改め小山内、
そして事務局長として山崎改め木島。
すべては、大地から生まれ、大地へ還っていく。
すべての源である大地を崇め、心身の調和、
そして、生きることへの活力を培う。
3人から始めた「大地の会」だったが、
次第に会員数も増え、有名になっていった。
そんなある日、ある会員に、インチキがばれてしまう。
会員は、脅してきた。
その会員の突然の事故死。
山崎の知らない所で、何かが動いていた。
次に狙われたのは、山崎だった。
完全な裏切り行為だった。
教祖、師範代が居れば、大地の会は存続可能だ。
悪の道へ、私利私欲への道へ行くのを拒んでいた山崎は、
排除の対象となった。
信頼する教祖の命令は、絶対だ。
会員たちが、山崎の命を狙う。
逃げ惑う山崎に、降り注いだ一筋の光。
それは、以前、教団の裏を知り、
去って行った若者のブログだった。
教団の反対派として、
圧力にも負けずに立ち向かっていた。
誰も信じられなくなっていた山崎だったが。
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