後藤吉助/著
出版社名 : IDP出版
出版年月 : 2013年5月
ISBNコード : 978-4-905130-10-9
税込価格 : 1,470円
頁数・縦 : 157p・20cm
60歳で在日韓国人の妻と韓国に移り住み、韓国で事業を興し、第2の人生を歩み始めた米寿の経営者による韓国・韓国人論。
李明博元大統領の竹島訪問や慰安婦問題発言以来、ギクシャクする日韓関係を憂い、立派な人、根が優しい人が多い韓国人の本当の姿を書きたいという情熱から本書を執筆したとある。しかし、その割には、韓国人のネガティブな面ばかりが強調されている観が強い。著者の妻名義で購入した運送会社と土地を詐取しようとした義弟、著者の助言を自分の意見のように吹聴する雇い人、などなど。本書の少なくない部分が韓国人に対する悪口に当てられているという印象だ。著者自身、「友人ができて見聞を広めるにつれて、韓国に対する違和感を覚えることが増えた」(p.38)と述べている。
ただ、長所と短所は裏腹だ。短所だって見方を変えれば長所になる。後藤翁の酷な韓国人評を手がかりに、良くも悪くも韓国人の「本質」の一端を知ることはできるだろう。韓国人とはそういうものだという見方の定点を確立すれば、見えてくる真実もあるかもしれない。それが韓国人の真の姿だ。
【目次】
第1章 韓のえにし
初めて韓国を訪ねた日
韓国式の墓参り
ほか
第2章 韓の真実
韓国に対する違和感
空港の「模範タクシー」
ほか
第3章 韓で生きる
韓国の日本人
妻が命じた「韓国語禁止令」
ほか
第4章 韓国への願い
韓国への恩返し
炭坑から逃亡してきた朝鮮人を匿った母
日韓の相互理解
【著者】
後藤 吉助 (ゴトウ キチスケ)
1926(大正15)年、福島県生まれ。10歳のとき一家が北海道開拓で移住。北海道学芸大学中退後、各種セールス業、不動産業に就く。1986年に韓国へ移住後、運送会社・駐車場経営を経て、2009年に「日韓かけ橋海苔」の総発売元となる極味株式会社を設立。現在、同社代表取締役。
【抜書】
●長幼の序(p83)
韓国社会に生きる、儒教の五倫と呼ばれる徳目。
父子の親……父と子の間は親愛の情で結ばれなくてはならない。
君臣の義……君主と臣下は互いに慈しみの心で結ばれなくてはならない。
夫婦の別……夫には夫の役割、妻には妻の役割があり、それぞれ異なる。
長幼の序……年少者は年長者を敬い、従わなければならない。
朋友の信……友は互いに信頼の情で結ばれなくてはならない。
●災害文化(p98)
〔 戦災は自然災害ではなく、空襲や武力侵攻といった他国の攻撃による被害だが、日本人は自然災害と同じように戦争が終わればかつての敵国に対する敵愾心や恨みを引きずることなく復興にいそしんだ。それが地震や台風といった災害に見舞われてきた日本の「災害文化」といえる。〕
●チョッパリ(p131)
韓国人の日本人に対する蔑称。
チョッパリ……韓国語で豚の足。
日本人が履いている足袋を豚のひづめに見立ててこう呼ばれている。
(2013/6/4)
〈この本の詳細〉
honto: http://honto.jp/netstore/pd-book_25612828.html
e-hon: http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032922506