■ヒトコト感想
お嬢様と執事。この組み合わせであれば、わがままなお嬢様に右往左往させられる執事、というパターンが簡単に思い浮かぶ。本作ではお嬢様がわがままというのはパターンどおりだが、特殊なのは、執事がお嬢様に対して、たまに辛辣な言葉を吐くというところだ。丁寧な言葉だが、めちゃくちゃ相手をこき下ろす言葉。お嬢様はそれに気づきながらも、執事の圧倒的な推理力に納得させられてしまう。
基本は、お嬢様が持ってきた情報を執事が聞き、事件を推理するという流れだ。現場も見ずに伝聞だけで謎を解明するパターンはよくある。お嬢様と執事の関係でありながら、ちょっとお嬢様が下に位置しており、執事が謎めいているというのが、面白さのポイントかもしれない。
■ストーリー
ミステリ界に新たなヒーロー誕生! 主人公は、国立署の新米警部である宝生麗子ですが、彼女と事件の話をするうちに真犯人を特定するのは、なんと日本初!?の安楽椅子探偵、執事の影山です。彼は、いくつもの企業を擁する世界的に有名な「宝生グループ」、宝生家のお嬢様麗子のお抱え運転手です。本当は、プロの探偵か野球選手になりたかったという影山は、謎を解明しない麗子に時に容赦ない暴言を吐きながら、事件の核心に迫っていきます。
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