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小説 「真夏の方程式」

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真夏の方程式 (文春文庫)

真夏の方程式 (文春文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/05/10
  • メディア: 文庫
小説 「まなつの ほうていしき」 東野圭吾 文春文庫(¥720 税込) オススメ度 ★★★☆☆ 映画の原作です。 以下、ネタバレですので未読の方はご注意を。
物語の冒頭には、小学5年生の男の子が登場します。 ある事情で、海辺の町にある親戚の家に預けられることになるのです。 彼は道中、列車の中で偶然主人公の湯川(ガリレオ)と出会います。 湯川も同じ町に向かっています。 海底に眠る鉱物資源を開発しようとする会社の依頼を受けて、 海辺の町で開催される「現地説明会」に参加するため&技術アドバイスをするためです。 湯川は、列車で出会った少年が行くと言っていた旅館に泊まることにします。 ところがその夜、同じ旅館に泊まっていた初老の男性が行方不明になり、 やがて防波堤の下で死体となって発見されます。 当初、彼は高いところ(防波堤)から誤って落ちて亡くなった、と思われましたが、 その後「一酸化中毒」が原因で亡くなっていた事が分かります。 一体どこで一酸化炭素中毒になったのか? その後なぜ防波堤で発見されたのか? 一酸化炭素中毒になってから、自力での移動が不可能だとすれば、殺人です。 では、そもそも彼はなぜ殺されたのか? ガリレオはこれらの謎を解き明かしていきます。 やがて、この殺人の向こう側に、ある大きな秘密が隠されていることがわかってきます。 悲しい人間模様が。 ***** お話はいいんです。 まあ、面白いんです。 ★三つ分は。 動機が弱すぎる!けど。 「やむにやまれぬ感」を感じなかったんだよね。 あと、加害者放置かよ!と思った。 これまた、赦す権利というか、秘匿する必要性を感じなかったんだよね。 それよりも何よりも、 私にとって、★二つ分の問題点は、違和感でした。 少年と湯川の交流とか。 微笑ましいんですよ?でも子どものせいで蕁麻疹が出来るはずの湯川が、なぜ彼と関わろうとしたのか、「さっぱりわからない」。 湯川が自ら事件の「トリックではなく真相」に近づこうとする点も。 「なぜ」を解き明かすのは彼の最も好まない事ではなかったのでしょうか? たとえ彼が「容疑者Xの献身」の経験から、「なぜ」を気にするように変わっていたとしても。(そうならそうと書いて欲しかったし。) 読み進むにつれて、どんどん違和感が強くなってしまいました。 どうやら湯川は変わってしまったようです。 現在テレビドラマでやっている「ガリレオ」も、以前の湯川とは違いますよね。 (私はテレビのガリレオのほとんどを「まるで『トリック』だ」と思いながら見ています。) 「真夏の方程式」の主人公は、湯川学ではなくて加賀恭一郎の方がふさわしかったのではないか。 それが★三つに留まった理由です。

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