超自然現象研究会が配布した「市立七不思議」特集。 壁男、立ち女、<天使>の貼り紙、フルートを吹く幽霊・・・ どれもこれまで葉山くんが関係してきたものばかりだ(笑 しかし残りの3つ、カシマレイコ、花子さん、口裂け女を 模倣したかのような事件が学校内で起きる。 誰が、何のために? 「彼女」である柳瀬さんや親友ミノとともに、再び調査に乗り出す葉山くん。 そしてあの人も・・・ ややネタバレ。 シリーズ第5弾にして、かつて葉山くんたちが遭遇してきた 市立の謎の総決算的な位置づけの作品ではないかと思います。 第1作ではワトソン役であった葉山くんも、 ヒロイン柳瀬さんを得て(笑)探偵役へと成長し、 新学期編では見事な活躍でした。 本作では、3つの事件が共通しているものと考えてしまいがちですが、 実は・・・という流れ。 が、そこで終わる訳ではないのが一捻り効いています。 とはいえこれを看破したのは伊神さんであり、 最後もそれが真相であったのかどうかはわからないまま物語 は幕を閉じます。 学校にまつわる七不思議をデビュー作から取り上げてきた 作者さまですが、ここにきてその集大成を魅せてくれたという感想です。 最後の一捻りは「理由あって冬に出る」の最後のどんでん返しを 彷彿とさせるものがありますが、 これまでのシリーズを読んで改めて考えると、 伊神さんならば、もっと早く気付いてたんじゃないか?という ツッコミを入れたくなってしまうのもまた事実(苦笑) ところでこの学校、危機意識?リスクマネジメントが低すぎるよなあ。 あとがきによると、物語はまだまだ終わりではないようなので、 ホッとしました。 葉山&柳瀬カップルの行方が気になりますな。
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