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高橋 小太郎 和彦『ロックンロール革命 アイルランドの風に吹かれて』

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 今年8月頃の新聞の小さな記事で気にかけていた本でした。本を手にしてから購入しようと思っていたのですが、現物にお目にかかれず。ようやく手することが出来ました。
 内容はアイルランドなんだろうけど、どうして「ロックンロール革命」というタイトルなのか、また、著者の方のお名前も、高橋 小太郎 和彦 と変な感じがして、正直、ガックリかもという警戒心を持っていました。読めば普通でした。ロックンロール革命 アイルランドの風に吹かれて

 

目次 「ロックンロール」革命 / イカロスの夢 / 克服する人生

まず、序文ともとれる「ロックンロール」革命で、大島豊の引用から、この本のタイトルを選んだ理由が、理解できました。
同時に、「克服する人生」のなかの、イェイツとジェームス・ジョイスのアイルランドに対するスタンスの違いを際立たせる意味にもなっています。この本文というべき部分は、卒論チックな、寝かせ暖めてあった文章のような気がしてならないが・・・。
ジョイス「ダブリナリーズ」からザ・デット 肉体的、社会的、精神的な死についてジョイスについて説き起こされる。歴史、神話、政治と芸術、イプセンとオブローモフ主義・・・と展開していきます。最後は、著者の祖父の闘病時の回想。
そこで、ザ・デット、ロックンロール、もしかすると、小太郎 和彦の名の由来も同根なのかもしれないが、一つの調和・ハーモニーになって閉じられる150ページほどの本。

余韻に駆られ、しばらく読めないでいた『二つのケルト』も続けざまに読んでしまいました。
しかし、ジョイスの「評論集」や、『炎の美女革命家 モード・ゴン』もまだ読めないでいる。反省ですね。


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